「ふあ、あ〜あ」
伸びをしながら欠伸をする少女がいた。
「これが時差ボケってやつか・・・・・。眠ぃ」
そして辺りをキョロキョロ見回す。
「どこだ~?デュエルアカデミアは」
その少女がいたのは、動く電車の上だった。
「そういえば、今日だね」
フユがニコニコしながら千鳥と龍一に話しかけた。朝、ホームルームが始まる少し前のことである。
「何の事?」
「ほら、アメリカから来るっていう転校生。先生が言ってたでしょ」
「あ〜、そういえば今日だったわね」
千鳥と龍一が思い出したように言う。
「どんな奴だろうな」
「接しやすいタイプだといいわね」
そこでチャイムが鳴り始めたので、三人はもとよりおしゃべりをしていた生徒達も自分の席に戻る。
ふと見ると、零士も教室にいた。フユとのデュエル以来、彼もちゃんと教室に来るようになった。
「はーい、皆さん。ホームルームを始めますよー」
そう言って教室に入ってきたのは、フユ達のクラスの担任、宵星(よいぼし)麻理亜(まりあ)。デュエル実技の授業も受け持っている。しかも美人でかなりのグラマー。○D’sでも同じ名前の先生が出てた気がするが、そこは気にしない。
「皆さんも知っていると思いますが、今日は転校生を紹介します」
生徒が少しざわつく。
「ですが、実はまだその転校生がアカデミアに来ていないんです」
担任のその言葉に教室が一層騒がしくなる。
「先生、どういう事なんですか?」
千鳥が尋ねた。
その時、
「うおおおおおおおォォォォォ!!!!!!」
外から何やら雄叫びのような音が聞こえた。何だ、何だ、と皆外の方を見る。
するとモウモウと土煙を上げてこちらに向かってくる者がいた。
「ったくよ~!何であんな変な所で電車停まるんだよ!?おかげで転入早々遅刻じゃねーか!!」
少女がギャグ漫画で見るようなスピードで走っていた。
「え~っと、オレの教室どこだっけ?」
走りながら自分の教室を探す。
「おっ、あれだ、あれだ」
正門を通って少ししたところで強く地面を蹴った。
「あ―――ら、よっっっと!!!」
その一帯は地面がえぐれていた。
フユは、というか零士以外の教室にいた全ての人間が目の前に現れた少女に驚いていた。
アカデミアの制服を着ているが、細部は異様だ。スカートの下に黒いスパッツを履き、黒のブーツ、紺色の髪をショートヘアーとサイドポニーテールを合体させたような髪型で纏め、デュエルディスクは黒い翼のようなデザイン。
「えーっと・・・。ここ、何階だっけ?」
千鳥が誰にともなく引きつった笑みで聞いた。
「・・・三階」
フユも引き気味に言う。
「ちなみに、高さ約15mだ」
零士が冷静に付け加える。
すると、窓越しにここまでジャンプしていた少女が右腕を引く。
「どっっっせい!!!!」
その掛け声と共に、少女は窓ガラスをぶん殴った。
バリィィィン!!
窓ガラスを破壊し、教室に一回転しながら突入してきた。そして、言った。
「イツツ・・・。オレの名は前田ケイト。よろしくな!!」
それは少し小柄で、可愛らしい少女だった。
「先生、彼女はどこのバトル作品からやってきたんですか?」
一名を除く全員が、色々ありすぎて沈黙する中、フユが最初に喋りだした。
「彼女はアメリカから来ました。皆さん、仲良くしてあげてくださいね」
などと担任もニコニコ笑いながら噛み合ってるかどうかよく分からない答え方をした。
「それでは今朝のホームルームはここまでにします」
そう言って麻理亜は教室を出ていこうとするが、
「あ、そうそう」
と言って立ち止まる。
「前田さん、後で職員室に来てくださいね〜」
その顔は笑っていたが、フユとはまた別の恐さを秘めていた。
零士とケイト以外の全員の背筋が凍った。
「アッハッハ、転入早々怒られちった」
休み時間、ケイトの笑い声が響く。その顔からは反省の色は伺えない。
「何ていうか、いい人みたいね。あと思ってたより日本語ペラペラね」
ケイトが談笑している集団から外れた所で千鳥が言った。
「そうだね」
フユもそれに同意する。そして思いついたように言った。
「あ、そうだ。前田さんの歓迎会なんかやらない?」
「おっ、いいね~」
それを言ったのはいつの間にか近くにいたケイトだった。
「そういうの好きだぜ、オレ。え~っと・・・、」
名前が分からなくて、言葉に詰まっているようだ。
「そう言えば、自己紹介がまだだったわね。私は霧谷千鳥」
「俺は坂木龍一」
「僕は、白雪姫フユ。よろしくね、前田さん」
親切に自己紹介する三人。
「オレの事はケイトでいいよ。―――で、何だって?オレの歓迎会やってくれるって?」
「ああ、まあ、そういう提案はしたけど・・・」
「じゃあ、今日の放課後、この教室でやろうぜ。っつーわけで、オレ参加してくれる人探してみるよ!」
そう言うが早いかものすごい勢いで走り出した。
「・・・自分の歓迎会のためにここまで張り切る人も、珍しいよね」
「あと、今更ながらどんだけ身体能力高いのよ・・・・」
で、放課後。突然のイベントとはいえ、大体クラスの半分ぐらいが集まった。椅子や机は移動させられ、簡易的なパーティー会場になっている。
「へえー。意外と集まったね」
フユが傍らにいた千鳥に話しかける。
その時男子生徒の一人が、アレ?食い物足りなくないか?と言っていたのをフユが耳にする。
「あ、じゃあ僕がそのへんで買ってくるよ」
で、零士が千鳥に近づいた。
「お前も行ってきたらどうだ?」
「え?何で私が?」
「理由は三つある。一つは男女で好みの違いが発生する可能性がある。二つ目は守銭奴のお前なら安い買い物ができるであろうということ。そして三つ目は・・・」
そこで零士は一度言葉を切る。そしてフユの方をチラッと見た。
「もう少し親密になってきたらどうだ?」
千鳥の顔が赤くなる。
「は、はあ!?な、な、な、何言ってんのよ!?」
それを聞いていたケイトは
「はは~ん」
と顔がにやける。で、千鳥の肩をポンポン叩きながら言った。
「まあまあ、一緒に行ってこいよ。オレ達はその間デュエルでもしてっからよ」
「そ、そう?じゃあ行ってくるわね」
千鳥は一足先に教室を出ていたフユを追う。少ししてフユ~!という声が聞こえた。
「・・・・・ホントに君はお金にシビアだね」
「いいじゃない別に。悪い事じゃないんだし」
買い物に行ってきた帰りのことだ。
「だからって一つ一つの重さに対して金額を計算するなんて、主婦だってやらないよ」
そこで自分の言葉にハッとする。
「・・・・・ゴメン」
「いいわよ・・・・・」
千鳥の両親は科学者で、まだ幼かった千鳥を残して、事故で亡くなっている。
しばらく二人は黙っていたが、教室の近くまで来たところで、フユが口を開いた。
「やっと着いたね」
「ケイトもデュエルしてるって言ってたし、他の皆とも、もっと仲良くなってるといいんだけど・・・」
そう言ってフユは教室のドアを開けた。
その時、一瞬二人の前を何かがよぎった。通り過ぎた方向を見ると、それは吹っ飛んだ男子生徒達だった。次に二人はそっちとは逆の方を見る。
「いよっしゃあ!!」
そこにはガッツポーズをしているケイトがいた。
「遅かったな・・・」
壁にもたれていた零士が言った。
「何があったの?」
始まりはお前達が出て行ってすぐのことだ。
千鳥に言った通り、奴はすぐ女子同士でデュエルを始めた。その時はまだ普通に楽しんでいたんだが、奴が相手をするのは女子ばかりで、男共ははっきり言って暇していた。その時だ。男子生徒の一人が他の者達に話しかけた。
「なあ、前田さんって結構可愛くね?」
「あ、やっぱり?」
「だよな。俺も仲良くなりてーよ」
「同じ美少女でも、霧谷さんはとっつきにくいところあるしな」
「やっぱこういう場合デュエルを通じて仲良くなる、とか一番妥当かな?」
「そうだな」
そしてケイトがデュエルを終えたあたりでそいつらが話しかけに行った。
「なあ、前田さん。次は俺達とデュエルしてくれないかな?」
周りの女子達は眉をひそめたが、ケイトは
「いいぜ」
快諾した。
「ありがとう」
「あぁ、でも、」
だが奴は言葉を続けた。
「え?」
「どうせだったら、お前らまとめて相手してやんよ」
「マジで!?」
「ああ、でも流石にライフとかフィールドは共有な」
ケイトの言葉に周囲の者達は驚いていた。
「・・・・・それが三分ほど前の話だ」
「え!?じゃあかなり速攻で終わったんじゃない?」
「しかも今の地の文、なにげに零士だったでしょ」
「どうでもいいわ!そんな事は!」
そこでケイトの声が響く。
「なあ、もっと強ー奴はいねぇのかぁ?」
辺りを見回し、一人の男子生徒に目をつける。
「おっ、お前なんか強そうじゃねぇか」
そう言って零士を指差す。だが当の零士は
「オレより強い奴なら他にいる」
冷ややかに言った。
「え?誰だよ?」
「コイツだ」
言って零士はフユを顎でしゃくる。
「へえー。じゃあ、・・・・・なあフユ、オレとデュエルしてくれよ!」
「僕と?」
「ああ、オレは強くなりてえ!だったら強い奴とデュエルするのが一番だろ?」
「そうだね。僕でよかったら相手になるよ」
(―――にしても、彼女も考えたな・・・)
デュエルの準備をしながら、フユはそう思った。
(デッキには良かれ悪かれ相性がある。いくら互いのデッキがどういうものか知っていたとしても、タッグを組むのを前提にしてるわけじゃないし、味方のデュエルを邪魔してしまう可能性もある・・・・・。ま、そうは言ってもかなりの実力が必要になるのは、間違いないだろうけどね)
二人の準備が終わり、視線がぶつかる。
「うっし!んじゃ、始めるとするか!」
「「デュエル」」
フユ LP8000
ケイト LP8000
「そういやあ、お前、まだこの小説始まって、一回も先攻取ったことがないんだってな。じゃあ先攻はやるよ」
「う、うん。ありがとう・・・」
感謝の言葉は言ったが、どうにもフユには嫌な予感がした。
前述の通り、彼女のデュエルディスクは黒い翼のようなデザイン。そしてイメージカラーもほとんど黒と言っていいだろう。
黒、そして翼・・・。もうどう考えても『アレ』しかない。
「僕のターン、ドロー!」
(とりあえず、後攻ワンキルだけは避けたいな)
「僕はモンスターを一体セット。そしてカードを一枚セットしてターンエンド」
フユ LP8000 手札4
モンスター/リバース×1
魔法・罠/リバース×1
まあまあスタンダードな滑り出し。
「それじゃあ、いっちょ派手にいこうか!!オレのターン、ドロー!―――オレは手札から、永続魔法《黒い旋風》を発動!」
「ブ、BF(ブラックフェザー)!?」
(間違いない・・・!このデュエルは、小説始まって以来のガチVSガチ!)
「あー、やっぱり・・・」
千鳥が驚き、フユが引く。そしてケイトはターンを続ける。
「そしてコイツは相手フィールドにのみモンスターがいる時、リリースなしで召喚できる!来い、《BF‐暁のシロッコ》!」
鳥の被り物をつけた鳥人間が現れる。
BF‐暁のシロッコ 星5 闇 鳥獣族 攻2000/守900
「《黒い旋風》の効果発動!《BF》と名のつくモンスターが召喚に成功した時、そいつより攻撃力の低いモンスター一体を手札に加える。―――オレは《BF‐疾風のゲイル》を手札に加えるぜ!!」
「やっぱり【BF】は回るね」
「だったら知ってるよな!?自分フィールド上に同名カード以外の《BF》がいる時、こいつらは手札から特殊召喚できる!行けっ、《BF‐疾風のゲイル》、《BF‐黒槍のブラスト》」
BF‐疾風のゲイル 星3 闇 鳥獣族 チューナー 攻1300/守400
BF‐黒槍のブラスト 星4 闇 鳥獣族 攻1700/守800
ケイトのフィールドを舞う三体の鳥獣族。
「さらに、《BF》が三体いるから、セットせずに《デルタ・クロウ―アンチ・リバース》を発動!こいつでお前の伏せカードを破壊させてもらうぜ!」
伏せカードが爆発し、その持ち主は膝をつく。
「一回でいいからミラーフォース仕事して・・・・・」
「うん!もう聖バリ外そう!別のトラップ入れよう!」
そう言っておいて一応心配もしてあげる千鳥。
「ちょっと。いきなりピンチじゃない。《バトルフェーダー》とか握ってないの?」
「へえー、いいこと聞いちゃったなー」
ケイトがニヤリと笑う。
「しまった!」
だが後悔してももう遅い。
「じゃ、これだ。《BF‐暁のシロッコ》の効果発動!他の《BF》の攻撃を放棄する代わりに、《BF‐黒槍のブラスト》に攻撃力を集約する!」
BF‐黒槍のブラスト 攻1700→5000
ブラストの体が一回り大きくなる。
「バトル!《BF‐黒槍のブラスト》で、セットモンスターを攻撃!デス・スパイラル!!」
ブラストが槍で伏せカードを突き刺す寸前、フユのモンスターが姿を現した。
ゾンビキャリア 星2 闇 アンデット族 チューナー 攻400/守200
「こいつも喰らっときな!手札から《BF‐月影のカルート》を墓地へ送り、ブラストの攻撃力を1400ポイントアップするぜ!」
BF‐黒槍のブラスト 攻5000→6400
フユ LP8000→LP1800
「うああっ!!」
「フユのライフがここまで削られるなんて・・・・」
「言っとくけど、オレのターンはまだ終わってないぜ。メインフェイズ2で、レベル4の《BF‐黒槍のブラスト》に、レベル3の《BF‐疾風のゲイル》をチューニング!―――黒き旋風よ、天空へ駆け上がる翼となれ!シンクロ召喚!《BF‐アーマード・ウィング》!」
全身を黒い装甲で覆われたモンスターが現れた。
BF‐アーマード・ウィング 星7 闇 鳥獣族 攻2500/守1500
「オレはこれでターンエンド!」
ケイト LP8000 手札1
モンスター/《BF-暁のシロッコ》《BF-アーマード・ウィング》
魔法・罠/《黒い旋風》
早くもピンチのフユ。が、当の本人は思ったより落ち着いている。
「ふう、危なかった。―――僕のターン、ドロー!僕は魔法カード《ブラック・ホール》を発動!」
「マジ!?」
ケイトの二体のモンスターがブラック・ホールに吸い込まれた。
「よっし!」
喜ぶフユに送られるのはケイト以外の周囲の冷ややかな目。
「・・・アレ?どうしたの、皆」
「アンタねぇ、もっと主人公らしい倒し方しなさいよ!!」
千鳥が代表して言った。
「戦闘に関して無敵のモンスターをどうやって倒せって言うの?」
「まあまあ、いいじゃねえか」
ケイトが割って入る。
「じゃ、続けさせてもらうよ。僕は《ダーク・ヴァルキリア》を召喚!」
その言葉でどこからともなくBMGが召喚される時の音楽が流れ出す。皆、本日二回目の何だ何だ、ってなる。で、BMGみたいに何か可愛い感じで《ダーク・ヴァルキリア》が登場。
ダーク・ヴァルキリア 星4 闇 天使族 攻1800/守1050
オエエエエェェェ!!!
そして前回同様(一人を除いて)皆気持ち悪くなる。《ダーク・ヴァルキリア》はショックを受けるが、その場にいた人間の方が色んな意味でショックだ。フユはヨロヨロと《ダーク・ヴァルキリア》の方を向いて聞いた。
(ねえ、何してるの?)
(何って、前の話知らないのかい?こうなったらデュエルの中でアイドルカードとしての人気を取り戻そうと思ってたのに・・・)
そこで《ダーク・ヴァルキリア》は終始微動だにしなかった零士と目が合う。そこでサービス感覚でウィンクを投げた《ダーク・ヴァルキリア》。
「おい、フユ」
零士が言った。
「さっさとそいつをコストにでもしてしまえ」
(ええ!?)
それに対してフユも、
「もち!」
と親指を立てる。
(えええええ!!?)
「僕は手札を一枚デッキの上に戻し、墓地の《ゾンビキャリア》の効果発動!墓地のこのカードを特殊召喚!―――レベル4の《ダーク・ヴァルキリア》に、レベル2の《ゾンビキャリア》をチューニング!シンクロ召喚!貫け、《大地の騎士ガイアナイト》!」
(んなアホなぁぁ!!)
《ダーク・ヴァルキリア》の悲痛な叫びが聞こえたようだが、まあ気にしない。
大地の騎士ガイアナイト 星6 地 戦士族 攻2600/守800
「僕は《大地の騎士ガイアナイト》でダイレクトアタック!割断槍!」
ガイアナイトの槍がケイトに迫る。
「あぶっ!」
ケイトは空いていた右手で槍を掴んだ。エェー!?と教室がどよめく。
ケイト LP8000→LP5400
「あ、一応言っとくけど、どっかの長官みたく義手じゃねえぜ。オレ、普通の女の子なわけだし」
「普通の女の子はソリッドビジョンとはいえ槍を素手で掴んだり、地面からここまでジャンプしたりしないわよ!!」
千鳥がツッこむ。そしてフユはそれをスルーして進める。
「僕はカードを一枚セットしてターンエンド!」
フユ LP1800 手札1
モンスター/《大地の騎士ガイアナイト》
魔法・罠/リバース×1
「オレのターン、ドロー!―――オレは《BF-極北のブリザード》を召喚!」
可愛い見た目とは裏腹にエグい効果を備えたモンスターが召喚される。
BF‐極北のブリザード 星2 闇 鳥獣族 チューナー 攻1300/守0
「まずは《黒い旋風》の効果を発動!オレは《BF‐大旆のヴァーユ》を手札に加え、次にブリザードの効果も発動!墓地のレベル4以下の《BF》と名のつくモンスターを守備表示で特殊召喚する!・・・つってもブラストを蘇生してアームズってのも上手くねえしなぁ。―――よし!じゃあオレは《BF-疾風のゲイル》を蘇生するぜ!」
ケイトの場に再びゲイルが現れる。
「クッ、なら僕は《月の書》を発動して、ゲイルを裏守備表示にする!そいつの効果は使わせない!」
「あっちゃー。ま、しゃあねえ。オレはこれでターンエンド」
ケイト LP5400 手札2
モンスター/《BF-極北のブリザード》リバース×1
「僕のターン、ドロー!――僕はガイアナイトでセット状態のゲイルを攻撃!割断槍!」
ガイアナイトの槍がゲイルを貫いた。
「僕はこれでターン終了」
フユ LP1800 手札2
モンスター/《大地の騎士ガイアナイト》
「オレのターン、ドロー!・・・・オレはブリザードを守備表示に変更。そしてモンスターとカードを一枚ずつセットしてターンエンド!」
ケイト LP5400 手札1
モンスター/《BF-極北のブリザード》リバース×1
魔法・罠/リバース×1
フユの表情が少し険しくなる。
(セットモンスターはおそらくヴァーユ。なら、あの伏せカードは・・・?)
「僕のターン、ドロー!」
引き当てたカードを確認する。
(とりあえず、これで仕掛けてみるか・・・・・!)
「僕は《神秘の代行者 アース》を召喚!」
神秘の代行者 アース 星2 光 天使族 チューナー 攻1000/守800
「《神秘の代行者 アース》の効果発動!デッキから・・・」
「ちょーっと、待ったぁ!!」
「!?」
突然口を挟んできたケイトに驚くフユ。
「オレはアースが召喚された時、セットモンスターの《BF‐大旆のヴァーユ》をリリースして、リバースカード《ゴッドバードアタック》を発動させてもらうぜ!対象はお前のアースとガイアナイトだ!」
「げっ!」
ヴァーユは、現れたかと思うと、炎の化身となり、アースとガイアナイトを襲う。
「これでフユのフィールドはがら空き。おまけに召喚権も使っちゃってる・・・」
千鳥が言った。零士も言葉を継ぐ。
「さらに奴の墓地にはヴァーユがいる。次のターン、擬似シンクロ召喚を行ってくるのは間違いない」
「そういうこった」
ケイトがフユに告げる。
「なあ、もっと楽しませてくれよ・・・?」
そう言ってケイトは無邪気な笑顔を見せた。
はい、新キャラの『前田ケイト』ちゃんでした。戦国時代に彼女と一文字違いの武将がいましたが、イメージ元はそれです。もっと言うと○ASARAの風来坊です。それを差し引いてもなんであんなオーバースペックな身体能力を彼女が持っているのかは、ちゃんと連載が続けばかなり後で分かります。
それでは次回、お楽しみに。