遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

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第十三話 「○ラえも~ん、毎ターン神ドローできる道具出してよ~!」

「ふ~、間に合ったー」

 

 いつも通りケイトは彼女専用の入口(窓)から教室に入ってくる。

 

「間に合ったって、アンタねぇ・・・!」

 

 千鳥はそう言って怒りをあらわにし、教室に備え付けられている時計を指差す。

 

「まだホームルームが始まるまで15分あるの!全然余裕なの!!何で普通に階段上がって廊下を通って教室入ってこないのよ!?」

「だってこっちのが楽なんだもーん」

 

 言って口を尖らせるケイト。

 

「ここまでジャンプする方が数十倍キツイに決まってるでしょーが!!」

 

 が、ケイトの方は完全に無視。

 

「あ、ヤッベ。筆記用具全部忘れた」

 

 などと言っているので千鳥は仕方なく話を合わせる。

 

「ちょっと、どうすんのよ?」

「ウ~ン、困ったなぁー」

 

 ケイトも思案顔になる。

 

「それなら俺のを貸してやろう!」

 

 言い出したのは龍一、ではなく別の男子生徒。

 

「おう!ありがとな!えーっと・・・?」

「俺の名は不屈野(ふくつの)英雄(ひでお)だ!」

 

 そう名乗って英雄は言葉を続ける。

 

「それに、礼には及ばん。困っている人間を助けるのはヒーローの務めだからな!!」

 

「お、おう・・・・・」

 

 英雄の無駄に高いテンションに流石に戸惑うケイト。そしてそれには気付かずに、英雄は自分のカバンをあさりだした。が、すぐに動きを止めた。

 

「?どうしたんだ?」

 

 英雄は引きつった顔で言った。

 

「・・・すまん。俺も忘れた」

 

 これにはケイトも面食らう。

 

「あっちゃー。・・・・・ま、いっか。まだ時間あるから購買部にでも行きゃあ置いてあるだろうし、最悪、今から全力で走って取りに帰ったら間に合うし」

「いやアンタあのスピードでまだ全力じゃないの?どんだけ速いのよ」

 

「そうだな、こんぐらいかな?」

 

 そう言った直後、窓の溝にしゃがんでいたケイトが姿を消した。

 

「へえー、白か。意外と可愛いの穿いてんだな」

 

 そしてケイトはいつの間にか千鳥のスカートの下を覗き込んでいる。それを見ていた全員が、

 

(○ラゴンボールかよ!!)

 

などと思ってみたり。

 

「キャアアアアアアア!!!」

 

 顔を真っ赤にしてスカートを抑える千鳥。

 

「それにしてもいい奴だな、さっきの英雄とかいう奴」

 

 ケイトは何事もなかったように傍らにいたフユに話しかけた。

 

「そうだね。彼、困ってる人は見捨ててはおけない性格みたいだから。まあ、それでいい結果になったことは僕の知る限りじゃ一度もないんだけど」

 

 こういうキャラ出そうと思えばもっと早く、自然に出せたんじゃね?みたいなことは言わないでね。

 

「多分、今後新しいキャラが登場しても彼以上の性格イケメンは現れないと思うよ」

 

 そう言ったフユだが、ケイトはいつの間にか千鳥から逃げ回っていてもういませんでしたとさ。

 

 

 

「やっぱ納得いかねえ・・・・・!」

 

 そう言うのは懐かしのフルボッコ男である。体育館裏でのことだ。今は彼と数人が集まっている。零士の姿はない。

 

「やっぱ六話であいつら囲んだ時ボコボコにしとけばよかったぜ」

 

 今だにフユにやられたことを根に持っているようだ。

 

「とりあえず誰でもいいからあのヤローをデュエルでコテンパンにできねえもんか・・・・」

「零士さんでも勝てない男だぞ?そういるもんかよ」

 

 そんな会話をしていると一人が思い出したように言った。

 

「そういやアイツのクラスに不屈野英雄とかいう奴がいるんだけどよ・・・」

「そいつなら知ってるぜ。なんでもリアル○月だとか」

 

 英雄のことはそこそこ有名なようだ。

 

「まあアイツの場合は本当に良かれと思ってやってるんだろうけどよ・・・。ま、それは置いといて、噂じゃアイツ、神がかったデュエリストとか言われてるらしいぜ」

 

 それを聞いてフルボッコ男は下卑た笑みを浮かべた。

 

「ほう、そんな奴相手なら流石にあの野郎も勝てんだろ。こりゃ、とうとうあの作戦を実行に移す時が来たようだな」

「作戦?どんなのだよ?」

「お前ら、ちょっと耳貸せ」

 

 そしてゴニョゴニョとその全貌を聞かせる。

 

「な、いい作戦だろ!?」

「ウン、ソウダネー」

 

 口ではそう言う彼らだったが、

 

(セコい!セコ過ぎるよ!)

(なんであの図体でやることこんなにショボイの!?凄いよ!もう逆に才能だよ!!)

 

と心の中ではそんなことを考えていた。

 

 

 

「おい」

 

 廊下で英雄を呼び止める者達がいた。先程の不良数名だ。

 

「おう、どうした!?」

 

 英雄は警戒のそぶりすらない。

 

「実は頼みたい事があってよぉ・・・・・・」

 

 そう言って英雄に一、二分ほど色々と吹き込んだ。

 

「・・・ってなわけなんだよ」

「んぬぅあにぃ!?」

 

 面白いぐらいキレる英雄。その様子を見てフルボッコ男は

 

(よっしゃあ!!かかった!)

 

と内心喜び、他の不良達は

 

(ダメだ。コイツ、とんでもないバカだ)

 

と、呆れていた。

 

 

 

 さて、次の授業の準備でもしようかな、と自分の机をあさっているとフユはその中に何か入っているのに気付く。

 

「どうしたの?」

 

 千鳥が尋ねてきた。

 フユは手触りでそれが何なのか確認した。

 

「う~ん・・・。手紙か何かが入ってるみたいだね。もしかして、ラブレターだったり?」

 

 などと言ったら、顔こそ見えていないが殺気のようなものを感じ取って

 

「じょ、冗談だって」

 

とわざとらしく笑ってみせる。

 そしてその手紙のようなものを取り出すとこう書かれていた。

 

『菓たし伏』

 

「・・・・・変わったラブレターだね」

 

 そう言って笑うフユに、

 

「んなわけあるかぁぁぁ!!あと微妙に漢字違うんだよコレ!!」

 

とツッこむ千鳥。

 ちなみに『菓たし伏』もとい『果たし状』にはこう書かれていた。

 

『白雪姫フユへ

俺と正々堂々一対一でデュエルしろ!

不屈野英雄』

 

 うん、超シンプル!

 

「・・・・・・・」

 

 しばらくフユは文章をジッと見つめていたが、何を思ったか英雄の席に行った。

 

「・・・英雄君」

「な、何だ!?」

 

 意外っちゃあ意外な人物に声をかけられて驚く英雄。フユはそんな英雄にはお構いなしに、彼がフユの机の中に入れていた果たし状を見せる。

 

「これなんだけど・・・」

「言っておくが逃げるなよ!!」

「いや、別にいいんだけど・・・」

 

 そこでフユは一旦言葉を切った。

 

「いつどこでやるの?」

 

「あ・・・・・」

 

 自分ではカッコつけてた方なのだろう。大事なことをうっかり書き忘れていて赤面した。

 

「き、今日の放課後、この教室でだ!」

 

 そう言い捨てて教室を出ていこうとしたが、フユが引き止めた。

 

「次の授業、ここなんだけど?」

「もうやめたげて!もうこれ以上傷口広げないであげて!」

 

 傍にいた千鳥が止めに入った。

 

 

 

 でもって放課後。(似たような言葉何回使ったっけ?)フユ一人でギャラリー無し。

 

「今回は僕一人でいいよ。龍一とかケイトとか零士とどっか別のところにいてくれないかな?」

 

 そういうわけで教室で少しの間待っていると英雄がやって来た。

 

「どこに行ってたんだい?」

 

 その問いに英雄は自信満々にこう答えた。

 

「ヒーローは遅れてやってくるものだからな」

 

 フユは苦笑した。

 

「それって、仲間がピンチの時の話なんじゃないの?」

 

 それについては何も答えなかった。

 

「いいから早く俺とデュエルしろ!俺はお前を絶対に許さん!」

 

 そう怒鳴って自分のデュエルディスクを起動させる英雄。今度はフユがそれについて言及しなかった。代わりにこんなことを言いはしたが。

 

「ねえ、君のそのデュエルディスク・・・」

 

 英雄のデュエルディスクはG○風のフォルムで、赤を几帳としている。要するに・・・。

 

「それってじゅ・・・」

「○代さんのパクリじゃないぞ!たまたまこういうデュエルディスクになっただけだ!」

「いや、僕が○代さんと言い切る前に自分で○代さんと言った辺り、自分でもパクった自覚あるよね?」

 

 が、フユは、まあいいか、と呟いてこの話題を終了した。

 

(今回彼の使うデッキはまあ間違いなくアレだよね・・・。前回に引き続き分かりやすい)

 

「じゃ、そろそろ始めようか」

「来い!お前は必ず倒す!」

 

「「デュエル!!」」

 

 

フユ LP8000

 

 

英雄 LP8000

 

 

 

 時をほぼ同じくしてグラウンドには千鳥、ケイト、龍一、そして少し外れたところに零士もいた。

 

「おい、千鳥。お前の旦那は?」

 

 四人が揃ったところでケイトが開口一番にそんなことを言った。

 

「誰が旦那よ、あんな奴!!」

 

 千鳥がマジギレする。

 

「しかも彼氏通り越して旦那って・・・」

 

 龍一もボソッと言った。

 

「フユなら英雄君とデュエルしてると思うわよ」

「へえ、じゃあ皆で見に行くか!」

 

 ケイトはそう提案したが、

 

「ああ、行かない方がいいわよ。フユの奴、今回は一人でいいって言ってたし」

「なんだよ、水臭ぇなぁ」

「まあ、英雄君に果たし状とか送られてたからね」

 

 するとケイトが不思議そうな顔をした。

 

「果たし状?あの二人、そこまで因縁があるのかい?」

「そう言えば・・・。クラスが一緒とはいえ、そこまで接点があったわけじゃないし・・・。でも英雄君、結構怒ってる感じだったのよね」

「アイツが怒るって相当のことだろ?」

 

 龍一も会話に混ざる。

 

「なーんか、裏がありそうだな・・・・・。千鳥、フユはお前に何か言ってなかったか?」

 

 ケイトがいたずらでも企む子供のような顔をした。

 

「特に何も言ってなかったわよ。ただ龍一やケイト、それに零士と一緒にいてって・・・」

「おそらくフユは、オレ達に何かをさせようとしている・・・」

 

 ここで零士がログイン。

 

「どうしてそう言えるの?」

「まず、あの英雄という男は明らかに騙されやすいタイプだ。おそらく誰かに適当なことを吹聴させられたのだろう」

「ってことは、フユに恨みのある奴が黒幕ってわけかい。でも、そんな奴いるのかねえ・・・?」

 

 なんてケイトは言うが他三人は違った。

 

「ああ、いるぜ」

「ちょっと零士。約束が違うじゃない」

 

 龍一は表情を険しくし、千鳥も零士に食ってかかる。

 

「ああ、これはオレのミスでもある。だから、奴は改めてオレが断罪する」

 

 零士はそう言うと龍一と千鳥を見た。

 

「お前達二人はフユのところへ行ってあの男の誤解を解いてこい。フユでは、余計面倒なことになるやもしれん」

 

 零士は次にケイトを見た。

 

「お前はオレについて来い。可能性がある場所はしらみつぶしに探っていく」

「そんなこと言って、ホントはオレのこと押し倒して、あんな事やそんな事するつもりなんじゃないのか?」

「複数人で事を起こしている場合を考えてのことだ。他の者が逃げようとしたらとりあえず押さえ込め。手を出す必要はない」

 

 ケイトは声も顔も完全におちょくっている感じだったが、相手は零士なので全く取り合わない。

 

「だが、まさかここまで考えているとはな・・・」

「フユって、元々すっごい頭が切れるって設定だったみたいだから。・・・作者の中で」

「おいおい、お前がボケに回ったら、誰がツッコミ担当するんだよ」

 

 そう言って龍一が千鳥をたしなめる。

 そんなこんなで彼らは二組に分かれてこの(雰囲気の割にはしょぼい)事件の解決に動き出すのだった。

 

 




 今回でやっとレギュラーメンバー五人が揃いました。え?一人分数が合わない?だってもうじきレギュラー落ちする人が一人いるんですもの。
 そして次回フユVS英雄のデュエルがスタート。英雄は一体どんなカードを使うのか?どんなデュエリストなのか?乞うご期待。
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