遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

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デュエルフェスタ編
第十五話 「今更ながら作者のネーミングの酷さを許してくださいってかぁ?許してやるよォ!!」


 オレにとっての家が、オレの全てが燃えていく―――――――――。

 ふと見ると、まだ幼い少年が足元でうずくまっていた。十字架をその腕の中に抱え込んで。

 

「何をしている?」

 

 少年は少しの間沈黙していたが、やがてその問いに答えた。

 

「家族と言えるような人達を・・・、助けようとした。・・・でも、助けられなかった」

 

 少年は更に言葉を続けた。

 

「オレは奴を許さない。オレから大切な人を奪ったアイツを・・・」

 

 少年の目は復讐に燃えている。そう、オレと同じ目をしていた―――――――――。

 

 

 

 そこで零士は目を覚ました。

 朝の屋上である。どこで調達したのか、ビーチに置いてありそうなパラソルと椅子がある。

 

「いい夢は見れたか?零士」

 

 零士の頭上で声がした。

 

「・・・・・・・」

 

 その質問に零士は答えなかった。

 話しかけてきたのは満月(みちづき)秋人(あきひと)。三年生だ。学生兼プロデュエリストである。

 

「オレの目の前に現れる事が何を意味するか、分かっているんだろうな?」

 

 零士は起き上がりながら言った。

 

「そう言うだろうと思って、今デッキとデュエルディスクは置いてきている」

 

 秋人は微笑をたたえていた。零士が常に笑っている人間を嫌うのは、彼が原因と言える。

 

「そう言えば、数日後に俺の世界大会入賞記念として、このデュエルアカデミアで、『デュエルフェスタ』って言うデュエル大会が開かれることになった」

「興味ないな」

「ああ、それとこれは本当は極秘なんだが、特別イベントとして優勝すれば俺とデュエルすることができる」

「何?」

 

 秋人の言葉で零士の目つきがいつも以上に鋭くなった。そして何も言わずに屋上を去ろうとする。その背に秋人は言った。

 

「それと、この大会は5人1組のチーム戦だ。せいぜい強い奴と組むことだな」

 

 ピタリと零士は足を止めたが、直後ダッと走り出した。

 

「お前にも、仲間と呼べる存在がいることを祈ろう」

 

 零士が走り去っていった方向を見ながら、秋人は言った。

 

 

 

「『デュエルフェスタ』?何それ?」

 

 屋上での一件の少し前のことだ。フユが千鳥に話しかけていた。

 

「ほら、満月秋人っていうここの先輩がプロの世界大会で好成績だったでしょ?」

「ああ、それなら知ってるわよ」

 

 やはり学生兼プロデュエリストというのは嫌でも有名になるようだ。

 

「で、その記念でデュエル大会が開かれるんだけど、千鳥も出ない?」

「ええー。アンタ一人で出ればいいじゃない」

 

 千鳥はあまり乗り気ではないようだ。

 

「それが珍しい事に5人で一つのチームを作って出場しないといけないらしいんだ」

「それは確かに珍しいわね」

 

 そこでフユの天使スマイルが炸裂した。

 

「だから、僕とチームを組んで欲しいんだ。・・・君となら、勝てる気がするから」

 

 なんて言われりゃ、

 

「し、仕方ないわね・・・」

 

と頬を赤らめて了承するわけで。

 

「ありがとう」

「で、あと三人は誰にするのよ?」

「いいや、あと二人だ」

 

 その声はケイトのものだ。しかしその声は上から聞こえた。

 

「!?」

 

 千鳥が見上げると、彼女達のほぼ真上の天井にケイトは張り付いていた。

 

「アンタは普通に登場できないの?」

 

 千鳥がため息混じりに言った。もう彼女のぶっ飛びっぷりは日常茶飯事のようだ。

 

「まあ、そう言いなさんな。でも、ま、祭りって聞いてオレが参加しないわけにはいかねえだろ?」

 

 そう言いつつケイトは危うげもなく着地。

 

「実は、ケイトから誘ってきたんだ。で、千鳥を誘うなら僕が適任だろうってことになって・・・」

 

 フユが事情を説明した。一瞬四話目みたくブチギレかけたが、まあ面白そうだしいっか、と思いここは抑える。

 

「にしても、アンタなら絶対強い奴と戦いたいとかでフユとは組まないと思ったけど・・・・・」

「ま、強い奴とは戦いてえよ。でもコレほぼ間違いなくチーム戦だろ?だから強い奴と戦うなら強い奴と組むのがいいと思ってさ。上に行くほど相手が強くなるのは自明の理ってね」

 

 ケイトの割には大分理にかなったことを言った。

 

「で、残り二人ってもう決めてるの?」

 

 千鳥はフユに向き直った。

 

「うん、まあね」

 

 そう言うとフユはある男子生徒のもとへ行った。龍一だ。

 

「ねえ、龍一、『デュエルフェスタ』って知ってる?」

「ああ、掲示板とかにポスターがあったからな」

「話が早くて助かるよ。僕達とチーム組んでくれない?」

 

 千鳥の時みたいに笑顔で誘うが、龍一は首を横に振った。

 

「悪いな。俺はお前とは組まない」

「え?」

 

 ここで龍一は真剣な目でフユを見据えた。

 

「この大会の中で俺はもっと強くなる。強くなって、俺は本気のお前に今度こそ勝ちたい!」

 

 それを聞いてフユは微笑んだ。

 

「なら、君と戦えるのを楽しみにしているよ」

 

 それだけ言ってフユはその場を離れた。

 

「ゴメン、断られちゃった」

 

 フユは千鳥とケイトに申し訳なさそうに言った。

 

「いいけど、どうするのよ?残りのメンバー」

 

 千鳥が訊ねてくる。フユも腕組みして考え込む。

 

「それなんだよなー。困ったなぁ」

「「「あ」」」

「どうした!!何か困り事か!?俺が助けてやるぞ!ヒーローだからな!!」

 

 『困った』という言葉にものすごい敏感な(自称)ヒーローが首を突っ込んできた。

 

「うん、ちょっと待ってね」

 

 フユはそう言って千鳥、ケイトと密談を始める。

 

「ねえ、どうすんのよ?」

「アイツ、ありえないプレイングミス連発するんだろ?」

「まあ、でも引きはものすごいし、大会当日までに僕達がちゃんと教えてあげればかなりの実力者になると思うよ。それに、最悪でも数合わせぐらいにはなるだろうし」

 

 という訳で、フユ達は諸々説明した。

 

「よし、分かった!俺もチームに入ろう!!」

 

 もちろん英雄は二つ返事でOK。

 

「うっし!これであと一人だな」

「フユ、最後の一人って、やっぱり彼?」

 

 千鳥が聞いてきた。

 

「うん。でも彼、こういうの興味ないだろうしなあ・・・」

 

 そしたら教室の扉の方から声が聞こえてきた。

 

「フユ。オレをお前達のチームに加えろ」

 

 それは零士の声だった。少し息を切らしている。

 

「零士!良かった。ちょうど君を誘おうとしたところだったんだよ」

「オレもだ。どうしても大会に参加して、優勝しなければならなくなった」

「優勝たぁ、こりゃまた大きく出たねえ」

 

 ケイトは驚いた素振りを見せた。そんな彼女を無視して、零士は続けた。

 

「それに、オレは友達が少ない。頼めるのはお前達ぐらいしかいない」

「うん、アンタの一人称が『オレ』で助かったわ。『僕』だったらちょっと面倒なことになってただろうし」

 

 そう言う千鳥をよそにフユは言った。

 

「フッ、甘いね。僕は友達がビックリするほど少ない」

 

 キメ顔で凄い残念なことを言う主人公。

 

「オレは友達が軽く引く程少ない」

 

 そしてそれに対抗する零士も零士だ。

 

「はい、二人共ストップ。誰もそんなメインキャラの悲しい自慢話聞きたくないから。あとラノベネタをすんな」

 

 千鳥が仲裁に入るが、ケイトと英雄はわざとらしくため息をついていた。

 

「前田ケイトと、」

「不屈野英雄の、」

「「憂鬱」」

「お前らも超王道のタイトルをネタに使うなぁぁぁ!!!」

 

 多分千鳥はこれまで以上にツッコミの仕事が増えるだろう。

 

 

 

 時間は少し経って昼休み。零士、千鳥、英雄の三人は教室の片隅に集まっていた。フユとケイトがデュエルフェスタの申し込みをしてくるから待っていて欲しいとのことだった。

で、5分程すると二人がすっごいしょんぼりして帰ってきた。

 

「何かあったの?まさか、もう受付終わってたとか?」

 

 千鳥は恐る恐る聞いた。それにフユが答える。

 

「いや、参加人数に定員はないらしいからその心配はないよ・・・」

「じゃあどうしてそんなに落ち込んでるのよ?」

「それが、フェスタに参加するにあたって、チームのリーダーと、チーム名を決めないといけないらしくて・・・。まあ登録はしてもらったから名前は大会の前の日までに決めればいいらしいけど」

「それがどうかしたの?」

 

 フユが自嘲気味に笑った。

 

「どうもこうも、そのチーム名が問題なんじゃないか。―――僕たちのチーム名、誰が決めると思う?」

「え?それは、私達でしょ?」

「なら僕達のセリフを決めているのは?」

「それは・・・、あんまり言いたくないけど、作者じゃない?」

「そう!そこなんだよ!」

 

 そう言ってフユは千鳥を指差した。

 

「作者はネーミングセンスが恐ろしく無いんだよ!」

 

 ここでケイトにバトンタッチ。

 

「シンクロ召喚の時さ、何でアニメとか漫画以外のカードは口上が一言だけだと思う?」

 

 そこで千鳥達もハッと気付く。

 

「まさか・・・!」

「そう。最初はあったんだよ。でもあまりにもダサいのしか浮かばなかったから、一言だけになっちまったんだ」

 

 さらにフユが引き継いだ。

 

「作者の限界は、ケイトみたいに偉人の名前を一文字だけもじったり、英雄みたいにネタチックな名前を思い付くぐらいなんだよ。唯一いい感じの名前ができたと思った零士も、後から、アレ?コレ読み方変えたら『てんじょう』じゃね?カイト君じゃね?って思ったけど、『天』と『零』の字の入ったキャラを作りたかったらしくて結局そのままになったらしいよ」

「いや、こんなタイミングでちょっとしたキャラクター制作秘話みたいなこと言わないでよ」

 

 そんな千鳥をスルーしてフユは努めて明るく言った。

 

「でも、ま、あんまりいいのが思い付かなかったら、もうチーム・ファイブ・・・」

「パクリボケも大概にしろぉぉぉ!!!」

 

 とうとう千鳥の飛び蹴りがフユの後頭部に直撃する。

 

「ファ、ファイブディーズがダメなら、サティスファクションとか・・・」

 

 フユはヨロヨロと起き上がりながら言った。

 

「そういうこと言ってんじゃないの!!もういいじゃない!ダサくても一生懸命考えた名前なら」

 

 正論っちゃあ正論である。

 

「フッ、千鳥ならそう言うと思ったよ。だからこんな物を用意しておいたんだ」

 

 そう言うとフユはどっから出したのか十話の時みたく四枚のフリップを見せ、零士、ケイト、英雄に一枚ずつ渡した。

 

「これに各自でチーム名を書いて一番良かったものを採用しようと思う」

 

 ここでまた千鳥が口を挟む。

 

「でも私のは?」

「唯一の常識人である千鳥には僕達が考えるチーム名の善し悪しを判断してもらいたいんだ」

「それなにげに自分達は非常識ですって言ってるからね・・・」

 

 冷めた目でそんなことを言った千鳥だったが、同時に嫌な予感がした。

 

「じゃあ僕からいくよ」

 

 そう言ってフユはフリップに何か書き込み、千鳥に見えるように立てた。

 

『チーム・ニューワールド』

 

「だからパクんなっつてんだろうがぁぁ!!」

 

 千鳥ツッコミ炸☆裂。

 

「よぉし!俺もできたぞ!!」

 

 元気いっぱいの英雄。

 

『ゴレンダー』

 

「いやそれ戦隊ものからきてんの?それともヘルカイザーのアレからきてるの?」

 

 やんわりと批評した千鳥。

 

「オレもできたぜ!」

 

 今度はケイトが。

 

『C(ソレスタル)・B(ビーイング)』

 

「別に私達マイスターじゃないから!武力介入とかしないから!!・・・まあでもアルファベットなんかはカッコいいかもね」

 

「じゃあこんなのはどう?」

 

 またフユ。

 

『Y(やっぱり)S(小学生は、)S(最高だなぁ!)』

 

「パトカー呼ばれたい?それとも救急車呼ばれたい?」

「ならこれでどうだい!?」

 

『U(ウルトラ)・S(ソウル!!)・H(ヘイ!!)』

 

「一昔前の曲ネタやめなさいよ!!作者の年齢誤解されかねないから!」

「それならこれでどうだぁ!?」

 

『S(世界を)O(大いに盛り上げる為の)S(白雪姫フユ、霧谷千鳥、天城零士、前田ケイト、不屈野英雄の)団』

 

「○ルヒネタ引っ張ってんじゃねぇぇぇ!!!」

 

 徐々に千鳥のツッコミのボルテージが上がっていく。

 そんな中、このボケたらツッこむという連鎖から外れていた零士が何も言わずにフリップを立てた。

 

『Ark Crimson Ecclesiastic』

 

「あの、零士・・・。それ、何て読むの?」

 

 零士は至極真面目に答えた。

 

「少し異なる意味になるが、『血塗られた聖職者の櫃』。略して、『チームACE(エース)』だ」

「うん、いいんだけど!」

 

 一旦は同意する千鳥。

 

「オシャレだしなんかちょっとカッコいいけど!良すぎてこんなギャグ多めの奴らには背負わせられないわよ!」

「でも、いいんじゃない?『ACE』っていうのは」

 

 ここでフユが入ってきた。

 

「全員がエース。全員が一騎当千って意味にしたら。これなら、どんな相手でもヘッチャラだよ」

「お前がそう言うなら、オレは構わねーぜ」

 

 フユの言葉にケイトも同意する。

 

「なら俺もだ!!」

 

 おそらくノリで賛成している英雄。

 

「・・・決まりだな」

 

 言って零士は千鳥の方を見た。

 

「なら、私達のチーム名は『チームACE』で決定ね」

 

 千鳥のその言葉ではしゃぎ出すケイトと英雄。そしてフユは仕切り直すように言った。

 

「それじゃあチーム名も決まったことだし・・・」

 

 そこで一度言葉を切った。

 

「もう少し大喜利を続けよっか!」

「ちょっとは私の苦労も考えろやァァァァァァ!!!!」

 

 やっぱり千鳥のツッコミが入るのであった。

 

 

 

「さて、次はリーダー決めなんだけど・・・」

 

 言っているフユの顔は殴られたような箇所がいくつかあったが、そこはどこの誰のツッコミのせいなのかというのはあえて言及しないようにしよう。

 

「やっぱり、最初にやろうって言い出したケイトかな?」

 

 ケイトの方を見るフユ。しかし当の本人は、

 

「ガラじゃねえよ」

 

と断る。

 

「なら俺が皆を導くリーダーになろう!!」

 

 英雄が手を挙げて立候補するが、

 

「お前という選択肢は最初から無い」

 

零士は冷たくはねのけた。

 

「何だと!?」

 

 英雄は零士に喰ってかかったが、

 

「まあまあ、落ち着いて」

 

フユが仲裁に入って事なきを得た。

 

「それじゃあ『せーの』で一斉に指差して多かった人がリーダーでいいかな?」

「いいわよ」

「いいぜ!」

「了解した」

「構わん!」

 

 フユの提案に全員が賛成した。

 

「あ、その前に英雄以外ね。選択肢」

「え!?おい、ちょっ、待っ・・・」

「せーのっ!」

 

 慌てる英雄を無視って切り出したフユ。で、誰が誰を指差したかというと、こんな感じ。

 

フユ→零士 千鳥→フユ 零士→フユ ケイト→フユ 英雄→フユ

 

「え?僕?」

 

 決められた本人はキョトンとしている。

 

「そりゃそーだろ。なんやかんやで上手く皆をまとめてるし」

「まあ、俺の代わりを任せられるのはお前ぐらいしかいないからな」

「実力も申し分ない」

「変にボケだしたら私が手綱引っ張るから」

 

 四人のその言葉でフユも決心したようだった。

 

「なら、僕がやらせてもらうよ」

 

 ここに、フユをリーダーとし、チームACEが結成した。

 

(この五人なら、きっと勝てるよね・・・!!)

 

 千鳥はふとそう思った。

 

 




 こんな感じで新章『デュエルフェスタ編』が始まります。彼らの前に一体どんな敵が立ちはだかるのか?そして零士と秋人にかつて何があったのか?乞うご期待。
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