遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

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第十八話 「実際にこんな店あったらすぐ経営破綻しそう」

千鳥 LP8000 手札2

モンスター/《ダイガスタ・イグルス》《ガスタの神官 ムスト》

 

 

ダイガスタ・イグルス 星7 風 サイキック族 攻2600/守1800

 

 

ガスタの神官 ムスト 星4 風 サイキック族 攻1800/守900

 

 

店長 LP8000 手札2

モンスター/《真六武衆―シエン》《六武衆の師範》《真六武衆―キザン》

 

 

真六武衆―シエン 星5 闇 戦士族 攻2500/守1400

 

 

六武衆の師範 星5 地 戦士族 攻2100/守800

 

 

真六武衆―キザン 星4 地 戦士族 攻2100/守500

 

 

 

 さて、後攻ワンターン目は押せ押せの店長だったが、返しのターンでイグルスを召喚し、更にはムストの効果で厄介なシエンの効果を無効にした千鳥。果たして半額の値段で彼らはカードを買うことができるのか!?そして今回僕達にまともにセリフはあるのか!?」

「・・・・・いやお前が言ってたんかいぃぃぃぃぃ!!!」

 

 前回の後半はろくにツッコミの仕事をしなかったが、今回はいきなり大声でツッコんだ千鳥。

 

「そんなことより、前回の最後のセリフは、ちょっとイケてないんじゃな〜い?」

 

 毎度のごとく千鳥のツッコミはほとんど無視のフユ。

 

「腹立つ!!ここでゲスのモノマネとかホント腹立つ!!」

 

 言い合う二人をしばらく見ていたが、やがて店長がやんわりと言った。

 

「あの、千鳥ちゃん・・・?その、デュエル続けてほしいんだけど・・・」

 

 そこで千鳥はハッとする。

 

「あ!ごめんなさい!―――ええと、私は《ダイガスタ・イグルス》で《真六武衆―シエン》を攻撃!フェザー・シュート!!」

 

 イグルスの突進でシエンは数メートル後ろまで吹っ飛ぶ。

 

 

店長 LP8000→LP7900

 

 

「上手いね。これでキザンの攻撃力は1800に下がる。次のターン、またキザンに攻撃力を上げられる前に何とかするべきだね」

 

 素直に感心しているのか、単に少しでも出番が欲しかったからなのかフユは言った。

 

 

真六武衆―キザン 攻2100→1800

 

 

「次に《ガスタの神官 ムスト》で《真六武衆―キザン》に攻撃!霧の神風!」

 

 ムストは呪文で風を発生させ、キザンを襲うが、キザンも負けじと斬りかかった。ムストは切り倒されたが、直後キザンも倒れる。

 

「相打ちね・・・。私はカードを一枚セットして、ターンエンド!」

 

 

千鳥 LP8000 手札1

モンスター/《ダイガスタ・イグルス》《ガスタの神官 ムスト》

魔法・罠/リバース×1

 

 

「僕のターン、ドロー!―――僕は《紫炎の狼煙》を発動!デッキからレベル3以下の《六武衆》を手札に加える!僕が手札に加えるのは《真六武衆―シナイ》!」

「!?」

「旦那の方をサーチしたってことは、カミさんの方は手札にあるって考えるべきだよな・・・」

 

 ケイトが誰にともなしに言った。

 

「旦那?カミさん?何の事だ?」

 

 英雄は全く分かっていない。

 

「すぐに分かると思うよ」

 

 フユはそれだけ言った。

 

「僕は今手札に加えた《真六武衆―シナイ》を召喚!」

 

 紫色の鎧を着て、二振りのゴツイ棒を持った武将が召喚された。

 

 

真六武衆―シナイ 星3 水 戦士族 攻1500/守1500

 

 

「さらにこのモンスターは、シナイがいる時手札から特殊召喚できる!《真六武衆―ミズホ》を特殊召喚!」

 

 次に現れたのは半円状に丕曲した二本の短剣を持ち、赤い鎧を着た女武将。

 

 

真六武衆―ミズホ 星3 炎 戦士族 攻1600/守1000

 

 

「やっぱ奥さんの方も握ってたか、あの店長」

 

 ケイトが少し困ったような顔をした。

 

「さっきから奥さんとか旦那とか何の話をしてるんだ?」

 

 堪らず英雄が聞いてくる。

 

「あのシナイとミズホっていうモンスターはね、夫婦なんだよ。そのせいか、あの二体の効果はかなり上手く噛み合っているんだよ」

 

 ケイトに代わりフユが説明した。そんな会話をよそに店長はデュエルを進める。

 

「《真六武衆―ミズホ》の、効果発動!僕の場の《六武衆》一体をリリースして、フィールドのカード一枚を破壊する!リリースするのは《真六武衆―シナイ》、破壊するのは《ダイガスタ・イグルス》!」

 

 店長のその言葉でシナイは突然ミズホに尻を向けた。で、ミズホは表情を変えずにそのケツを蹴っ飛ばす。そして蹴られたシナイは巨大化したイグルに乗っているウィンダールに直撃。

 

「そういう感じなの!?ミズホの効果って立体映像化したらそういう感じなの!?」

 

 これには千鳥もツッコまざるを得ない。

 

「あの二人、本当に夫婦なのか?」

 

 英雄が引き気味にフユに聞いてくる。

 

「・・・・・きっと、かかあ天下なんだろうね」

 

 フユも目の前で起きた出来事に困惑していた。

 

「さらにシナイは《六武衆》の効果でリリースされた時、墓地のシナイ以外の《六武衆》を手札に加えられる!」

 

 そこまで言っておいて一度店長は思案する。

 

(ここはもう一度シエンを召喚できるようにしておくか・・・)

「僕はこの効果で《真六武衆―シエン》を回収する!・・・・まあ、この場合は手札じゃなくてエクストラデッキだけどね」

「これで千鳥の場には伏せカードが一枚だけか」

 

 零士は冷静にフィールドを見て言った。

 

「バトル!《真六武衆―ミズホ》でダイレクトアタック!夫滅斬!!」

 

 ミズホが千鳥に斬りかかる。

 

「させない!罠発動、《ガスタの祈り》!墓地のウィンダールとムストをデッキに戻して、墓地のイグルスを特殊召喚!」

 

 蘇る千鳥のデッキのエース格のモンスター。

 

「クッ!なら戦闘は中止させてもらうよ」

 

 店長の言葉でミズホは後ろに飛び退いた。

 

「僕は《六武衆の師範》を守備表示に変更して、ターンエンド」

 

 師範は片膝をついて刀を鞘に収めた。

 

 

店長 LP7900 手札1

モンスター/《六武衆の師範》《真六武衆―ミズホ》

 

 

「私のターン、ドロー!」

(師範は守備表示だし、またミズホに効果を使われるのは困るわね・・・・・)

「私は《ダイガスタ・イグルス》で《真六武衆―ミズホ》を攻撃!フェザー・シュート!!」

 

 シエンの時と同様にミズホもイグルスの突攻に耐え切れなかった。

 

 

店長 LP7900→LP6900

 

 

(とりあえずこのモンスターを伏せとこうかな。破壊されても後続に繋げられるし)

「私はモンスターを一体セットしてターンエンド」

 

 

千鳥 LP8000 手札1

モンスター/《ダイガスタ・イグルス》リバース×1

 

 

「僕のターン!」

(キザンか・・・。セットモンスターを破壊したとしても、またモンスターが出てくるだろうし、何よりイグルスに瞬殺されるのは間違いないから、温存しておくか)

「僕はこのままターンエンド!」

 

 

店長 LP6900 手札2

モンスター/《六武衆の師範》

 

 

「私のターン、ドロー!―――私は《ガスタの希望 カムイ》を反転召喚!」

 

 現れたのは緑の髪を後ろで束ねた少年だ。

 

 

ガスタの希望 カムイ 星2 風 サイキック族 攻200/守1000

 

 

「《ガスタの希望 カムイ》のリバース効果、デッキから《ガスタ》チューナーを特殊召喚できる!私は《ガスタ・ファルコ》を特殊召喚!」

 

 現れたのはイグルやガルドとはまた違う幼鳥だ。

 

 

ガスタ・ファルコ 星2 風 鳥獣族 チューナー 攻600/守1400

 

 

「続けて《ガスタの静寂 カーム》を召喚!」

 

 物静かな美少女モンスターが現れた。

 

 

ガスタの静寂 カーム 星4 風 サイキック族 攻1700/守1100

 

 

「これだと色んなレベルのシンクロモンスターが呼べるな」

 

 シンクロが基本戦術のケイトが呟く。

 

「私はレベル2、《ガスタの希望 カムイ》に、レベル2の《ガスタ・ファルコ》をチューニング!―――シンクロ召喚!駆け抜けろ、《ダイガスタ・ファルコス》!」

 

 光束の中から現れたのは巨大なファルコを操るカムイ。

 

 

ダイガスタ・ファルコス 星4 風 サイキック族 攻1400/守1200

 

 

「《ダイガスタ・ファルコス》の効果発動!このモンスターがシンクロ召喚に成功した時、フィールド上の《ガスタ》の攻撃力を600ポイントアップする!」

 

 

ダイガスタ・イグルス 攻2600→3200

 

 

ガスタの静寂 カーム 攻1700→2300

 

 

ダイガスタ・ファルコス 攻1400→2000

 

 

「全体の打点がかなり上がったね・・・・!」

 

 店長も焦りを見せ始める。

 

「ま、その前にカームの効果を使わせてもらうけど。――墓地のカムイとファルコをデッキに戻して、一枚ドロー!」

「墓地にモンスターが全然溜まらないね・・・」

(これじゃいざって時に交信が使えないんじゃ・・・・・)

 

 フユが軽い不安を覚えた。が、千鳥はお構いなし。

 

「行くわよ!まずは《ダイガスタ・ファルコス》で《六武衆の師範》を攻撃!ソニックシュート!」

 

 ファルコスが低空飛行で師範に突撃した。が、守備表示なのでダメージはない。

 

「続けてカームとイグルスでダイレクトアタック!」

「うわあぁっ!!」

 

 

店長 LP6900→LP4600→LP1400

 

 

 二体の攻撃で店長も軽くふらついていた。

 

「い、いつものことだけど、なかなかやるね千鳥ちゃん」

「さっきも言ったけどお金がかかってるからね。――私はカードを二枚セットしてターン終了!」

 

 

千鳥 LP8000 手札0

モンスター/《ダイガスタ・イグルス》《ダイガスタ・ファルコス》《ガスタの静寂 カーム》

魔法・罠/リバース×2

 

 

 二人の会話から察するに、毎回こんな感じのようだ。

 

「けど、僕も店の経営がかかってるからね。簡単には敗けられないよ・・・・・。ッ僕の、タァーン!!」

 

 これまで以上に店長の声には気合が入っていた。

 店長は引いたカードを見ると、少しの間沈黙する。どうやら次の一手を考えているようだ。確かに店長のフィールドはガラ空き。ヘタを打つと次の千鳥のターンで終わる。

 

「・・・行ける!」

「!?」

 

 店長のその一言に千鳥はもちろんのこと、フユ、ケイト、英雄も驚きを隠せない。

 

「僕は手札から魔法カード〈増援〉を発動!これにより、デッキからレベル4以下の戦士族モンスター一体を手札に加える。僕が手札に加えるのは、〈真六武衆―エニシ〉!!」

 

 狼煙といい、増援といい、今回は使っていないが《六武の門》といい、《六武衆》はサーチに事欠かない。

 

「そして《真六武衆―カゲキ》を召喚して、その効果で今手札に加えた《真六武衆―エニシ》を特殊召喚!」

 

 今回は老将に続き、緑色の鎧兜を着た侍も場に出る。

 

 

真六武衆―エニシ 星4 光 戦士族 攻1700/守700

 

 

真六武衆―カゲキ 攻200→1700

 

 

「・・・あれ?何でカゲキの攻撃力が上がったんだ?」

 

 英雄が疑問を持つ。

 

「カゲキは場に《六武衆》がいる時、攻撃力が1500ポイント上がるんだよ。・・・・まあ、前回はうっかり作者がその表記を抜かしてたみたいだけどね。デュエルには支障はなかったけど」

 

 フユが簡単に説明した。あと、サーセン。

 

「《真六武衆―エニシ》の効果を発動!フィールド上に他の《六武衆》がいる時、墓地の《六武衆》と名のつくモンスター二体を除外してモンスター一体を手札に戻す!僕はミズホとシナイを除外して、《ダイガスタ・イグルス》をエクストラデッキに戻す!」

「しまった!」

 

 歯噛みしても、もう遅い。エニシが真一文字にイグルスを切ると、徐々にイグルスは粒子化して消えていった。

 

「次に手札から《真六武衆―キザン》を特殊召喚!」

 

 再び現れた若武者。

 

「そして場に同名以外の《六武衆》が二体いることによって、キザンは300、エニシは500ポイント攻撃力がアップ!」

 

 

真六武衆―キザン 攻1800→2100

 

 

真六武衆―エニシ 攻1700→2200

 

 

「店長、ファルコスを倒したとしても、攻撃力は上がったままよ?」

 

 そう千鳥は言ったが、店長は首を横に振った。

 

「知ってるよ。でも肝心なのはそこじゃない。重要なのは今・・・、《六武衆》と名のつくレベル4のモンスターが二体ということだ!」

「!?まさか・・・・・!!」

 

 千鳥の眉が少し吊り上がった。

 

「そう。――――僕はキザンとエニシで、オーバーレイ!二体のレベル4の六武衆モンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよ、《六武衆の影―紫炎》!!」

 

 赤い髪をうしろで束ね、これまた真っ赤な鎧の上に紫の陣羽織を羽織ったモンスターが姿を見せた。

 

 

六武衆の影―紫炎 ランク4 地 戦士族 攻2500/守400

 

 

「《六武衆の影―紫炎》の効果発動!エクシーズ素材を一つ取り除いて、元々の攻撃力が2000以下の《六武衆》の元々の攻撃力を2000にする!対象はもちろんカゲキ」

「ということはカゲキの攻撃力は2000か!?」

「いや、違う」

「さっきも言った通り、カゲキは他に《六武衆》がいれば攻撃力が1500上がるんだ」

 

 英雄、零士、フユの順に言う。

 

 

真六武衆―カゲキ 攻200→2000→3500

 

 

「攻撃力、3500・・・・・!!」

 

 千鳥が一歩後ずさった。

 

「与えるダメージの合計は変わらないか・・・。ならまずは《真六武衆―カゲキ》で《ダイガスタ・ファルコス》を攻撃!四連斬!」

 

 カゲキの四本の刀がファルコスを捉えた。

 

 

千鳥 LP8000→LP6500

 

 

「ウッ!!」

「続けて《六武衆の影―紫炎》で、《ガスタの静寂 カーム》を攻撃!影技・第六天斬り!!」

 

 紫炎がカームに斬りかかった。

 

(せめてカームだけでも・・・!!)

「罠発動!《攻撃の無敵化》!この効果でカームはこのターン破壊されない!!」

 

 二体のモンスターの間に透明なバリアが現れ、それがカームを守る。が、

 

 

千鳥 LP6500→LP6300

 

 

「クゥッ!!」

 

ダメージは千鳥を直撃した。

 

「カームは残されたか・・・。僕はこれでターン・・・」

「ちょっと待った!」

 

 店長がエンド宣言を千鳥が遮った。

 

「私は店長のエンドフェイズ時に、《リビングデッドの呼び声》を発動!墓地の《ダイガスタ・ファルコス》を特殊召喚!」

 

 ファルコスがフィールドに舞い戻った。

 

(あ、これ僕が前に千鳥と闘った時にやったやつだ)

 

 何てフユは考えたり。

 

「フム、エンドフェイズじゃ何もできないね。僕はこれでターンエンド」

 

 

店長 LP1400 手札0

モンスター/《真六武衆―カゲキ》《六武衆の影―紫炎》

 

 

「私のターン・・・、」

 

 ドロー!と続けようとした時、英雄が声をかける。

 

「諦めるな、千鳥!!まだ勝つチャンスはあるぞ!!!」

 

 千鳥は、その声援が普通に嬉しかった。しかし彼女は笑顔でひねくれた言葉を返す。

 

「何言ってるのよ。この状況で、諦める要素ある?」

 

 そう言って千鳥はカードを引いた。

 

「―――私は《ガスタ・スクレイル》を召喚!」

 

 白色と緑色のシマリスが召喚された。

 

 

ガスタ・スクレイル 星2 風 雷族 チューナー 攻0/守1800

 

 

「私はレベル4、《ダイガスタ・ファルコス》に、レベル2の《ガスタ・スクレイル》をチューニング!―――シンクロ召喚!舞え、《ダイガスタ・スフィアード》!」

 

 場に出たのは髪をおろして、武装も細部の異なるリーズ。

 

 

ダイガスタ・スフィアード 星6 風 サイキック族 攻2000/守1300

 

 

「《ダイガスタ・スフィアード》の効果発動!このカードがシンクロ召喚に成功した時、墓地の《ガスタ》と名のつくカード一枚を手札に加えることができる!私は《ガスタのつむじ風》を選択!」

 

 千鳥はデュエルディスクの墓地のスロットからカードを一枚取り出す。

 

「そしてカームの効果発動!墓地の《ダイガスタ・ファルコス》と《ガスタ・スクレイル》をデッキに戻して、カードを一枚ドロー!」

(千鳥の墓地に《ガスタ》のモンスターはいない。ここで《ガスタの交信》を引いても、発動することはできない)

 

 そんなことをフユが考えている一方、千鳥は静かにドローする。

 ―――――そして、笑った。

 

「ホント、諦めなきゃ、チャンスはあるのね・・・・・」

 

 ボソリと言ったので、他の五人にはうまく聞き取れなかった。

 

「私は手札から魔法カード《シンクロ・ギフト》を発動!」

 

 

ダイガスタ・スフィアード 攻2000→0

 

 

ガスタの静寂 カーム 攻2300→4300

 

 

「スフィアードの攻撃力が0になった!?」

 

 英雄が驚きの声を上げた。それについてフユが補足を加える。

 

「それだけじゃない。カームの攻撃力がスフィアードの攻撃力分上がっている。つまりあのカードの効果は・・・」

「そう。《シンクロ・ギフト》はシンクロモンスターの攻撃力を0にして、非シンクロモンスターにその攻撃力を加えるカード・・・・・」

 

 千鳥が説明した。

 

「さて、このまま攻撃力0のスフィアードで紫炎を攻撃すれば、スフィアードの効果で戦闘ダメージ2500をそのまま店長に与えられるけど・・・、それはしないだろうね」

「分かってるじゃないフユ。いくら破壊されないとはいえ、私のモンスターが無闇に傷つくのは見たくないからね。それに、さっきカームが破壊されかけたお返しもしたいし」

 

 千鳥は一度フユを見やってそう言うと、店長に向き直る。その店長は少し自虐的な笑みを浮かべていた。

 

「こりゃ、決まりだね・・・」

「――――《ガスタの静寂 カーム》で、《六武衆の影―紫炎》に攻撃!サイレント・ウィンド!!」

 

 カームが唱えた呪文により、無音で、しかし猛烈な風が紫炎を襲った。

 

 

店長 LP1400→LP0

 

 

 

「僕の敗けだよ。カードは全部半額だ」

 

 デュエルが終わり、ソリッド・ビジョンが消えた後、店長がにこやかに言った。

 

「いよっしゃあ!!ありがとうな、千鳥!!」

 

 店長の言葉を聞いてケイトが千鳥にすごい勢いで抱きついた。

 

「ウグッ!ちょっ、苦じ・・・、」

 

 千鳥は目をひん剥いている。

 

「おお!?わりぃわりぃ」

 

 ケイトはすぐに離れた。

 

「けど、僕からもお礼を言わせてもらうよ。ありがとう、千鳥」

「感謝する」

「お前のおかげで助かったぞ!俺の財布」

 

 フユ、零士、英雄も感謝の言葉を述べた。

 

「い、いいって別に。照れるじゃない・・・」

 

 そう言う千鳥の顔は確かに赤らんでいた。

 

「そ、それより店長、会計お願い」

「はいはい。それじゃあ皆、上に戻ろうか」

 

 そして六人は地下をあとにした。

 

 

 

 カードショップを出ると、もう陽も沈みかけていた。

 

「そろそろ遅くなってきたし、帰ろうか」

 

 フユが切り出した。

 

「そうだな」

 

 ケイトもそれに同意した。

 

「明日からは休憩時間を使ってデッキの強化。そして昼休みと放課後は各個人の技術を上げるためにチーム内でデュエルをしたいと思うのだが、どうだ?」

 

 零士が提案する。

 

「そうだね」

 

 フユはやっぱり即OK。

 

「よぉし!絶対優勝するぞー!!」

 

 英雄が気合を入れるように叫んだ。

 

「「「オー!!」」」

 

 フユ、千鳥、ケイトもそれに乗った。

 

 

 

 そして数日が過ぎ、その時が来た―――――――――。

 

 

 




 今回と前回で登場したカードショップですが、これと同じ商法をリアルでやった場合、犯罪になるかどうか分かりませんので、良い子と良いデュエリストは絶対にマネしないでください。
 そして次回から本格的に『デュエルフェスタ編』が始まります。果たしてどんな敵という名のキテレツ集団が登場するのでしょうか。それでは次回、お楽しみに!
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