遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

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第十九話 「決して御本人達ではありません」

 デュエルフェスタ当日。出場する生徒もしない生徒も皆校内のデュエルスタジアムに集まっていた。ここはデュエルの授業以外では使われることはない。このスタジアムはG○にちょいちょい出てきたものプラス、デュエルリングのちょうど真上の辺りに天井からモニターが吊り下げられ、観客席全体に見えるように四つ付いている、といった具合だ。

 そういうわけで(どういうわけで?)、早速デュエルフェスタ一回戦第一試合からフユ達チームACEは登場するのだった。

 

 

 

 デュエルリングへ向かうための入口からフユら五人が姿を見せた時、観客席からワッと歓声が上がる。まあ、美少年二人に美少女二人。あと・・・、性格イケメンな三枚目が一人。男女共からの人気は高いだろう。でもってそれに対する反応もそれぞれで、フユ、ケイト、英雄は笑って手を振るなどして観客の生徒に応え、零士は全くの無反応、千鳥はガチガチに緊張してしまって右手右足、左手左足が同時に動く始末。

 そんな感じで事前に指示を受けていた場所で彼らは一時待機。

 

(退屈だなぁ・・・・・)

 

 じっとしているのが性に合わないケイトはキョロキョロと周りを見る。すると対戦相手が来る場所とはまた違う位置に長椅子が置かれ、若い教師と生徒の二人がいた。生徒の方にケイトは見覚えがあった。というのもこのデュエルフェスタが行われるのは彼、満月秋人の世界大会入賞がキッカケだからだ。で、一方の教師の方はどうやらマイクのスイッチが上手く入らないようで、

 

「アレ?違うのかな?」

 

そんなことを言いつつ悪戦苦闘していた。

 

「おいおい、大丈夫なのか?教育実習の先生なんかにああいうの任せて」

 

 ケイトは不安をそのまま口にした。

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 教師にはそれが聞こえたようで、ものすごい落ち込む。千鳥は慌ててケイトをとりなした。

 

「ちょっ、ケイト!あの人はうちの校長先生よ!」

「マジで?」

 

 ケイトの驚き方は演技ではなく本物である。

 

「いや、何で知らないのよ?いくら転校したてだからって転入の手続きの時とかに会ってるでしょ」

「ウ~ン・・・・・。そういや見たことあるような気もするなー」

 

 ケイトは腕を組んで天井を睨む。

 

「校長。ちょっとソレ、貸してください」

 

 傍にいた秋人がマイクを受け取ると、どこかのボタンを一つ押してマイクに向けて喋りだす。

 

「あー、それじゃあデュエルフェスタの第一試合を始める」

 

 あっさりマイクの電源を入れられたのを見てさらにガックリする校長だったが、観客の生徒達はドッと湧き上がった。

 

「まずは白雪姫フユが率いるチームACE!そして対するは・・・!」

 

 そこまで言って秋人は一旦止まる。

 

「ゴメン、ちょっと待って」

 

 言うと机の下に潜ってゴソゴソし始めた秋人。ちなみに机にはでかい白色のシートがかぶせられていて、彼が何をやっているのかは分からない。

 

「さぁ!改めてチームACEの対戦相手はぁ!!」

 ノリノリで姿を見せた秋人はピンク色のスーツに蝶ネクタイ。黒いズボンを着て、異様に長いリーゼントのカツラをかぶっていた。

 

「ちょっとォォォォ!!それ○D’sのMCの格好じゃないですか!!!」

 

 ツッこむ千鳥には構わず秋人は続けた。

 

「チームファイブディーズもどき!!」

 

 その言葉でフユ達が来たのとは逆方向から、何かどっかで見たことのある面々が歩いてくる。先頭を行くリーダーっぽい人の髪型はカニみたいだし、金髪の男は、オレがキングだ!とか言いそうだし、ホウキを逆さにしたようなオレンジ色の髪の男の顔にはマーカーびっしりだし、赤毛の女子はかつて顔芸を良くしていたような感じだし、青い髪の青年は物腰軟らかそうだけど目が死んでるし、双子と思しき小学生ぐらいの男の子と女の子もいる、といった具合だ。

 

「ええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!?」

 

 千鳥は思わずギャグ漫画みたいに目が飛び出しそうになった。

 

「待て待て待てぇ!!ツッこむところ多すぎ!まず「もどき」て!あと、よくいたな、ソックリさんこの学校にこんなにも!ついでにさっきの地の文ところどころやっつけ感あったし!そもそも何でこんなところに小学生二人もいるのよ!?」

 

 ロングツッコミの最後に双子の小学生を指差した千鳥。最後のには秋人が答えた。

 

「彼らは応援だ。ちなみにどっちの学校からも許可は出ている」

「よく許可したな、オイ!!」

 

 ツッコミまくる千鳥をまたも無視して秋人はノリノリで仕切りだした。

 

「それでは気になる対戦だが、全員モニターを見てくれ!!」

 

 全員の視線がモニターに集まったのを確認して、秋人は説明する。

 

「デュエルの方式と対戦カードは毎回コンピューターがランダムに選ぶ!――それではまずは対戦方式だぁ!!」

 

 画面上の方に文字が表示され、ルーレットのように目まぐるしく変わっていく。数秒するとルーレットが止まり、『シングル・3VS3』と表示された。

 

「今回はシングルデュエル!1対1のデュエルを行い、先に2勝したチームの勝利だー!!」

 

 秋人がテンション高めに説明した。

 

「そして対戦の組み合わせはぁ!!」

 

 画面の左半分と右半分に3つずつ、先程と同様に名前と顔写真が高速で変化していく。

 

「これなら、僕か零士かケイトの中で2人選ばれればなんとかなるだろうね」

 

 ルーレットが回る最中にフユが4人に言った。ケイトがそれに同調する。

 

「そうだな。作者の脳内設定じゃこの五人の実力は、

 

英雄<千鳥<常人の超えられない壁(超えてはいけない壁)<ケイト≦零士<フユ

 

が成り立ってるらしいからな」

「・・・うーん、ちょっと納得」

 

 これには千鳥も頷く。

 ちょうどその時ルーレットが止まった。

 

第1試合 雀句 阿斗羅須(じゃっく あとらす)VS霧谷 千鳥

 

第2試合 黒羽 鳳雁(くろう ほうがん)VS不屈野 英雄

 

第3試合 不藤 遊正(ふどう ゆうせい)VS天城 零士

 

「さーて、帰ろうか」

「まさか一回戦敗けとはなー」

 

 組み合わせが表示されたとたんフユとケイトは元来た場所へと歩き出す。

 

「「いや、待て待てェ!!」」

 

 千鳥と英雄が引き止めた。

 

「・・・・・待て」

 

 零士も引き止めたのでやっと二人は立ち止まる。

 

「・・・零士」

「こいつらを信じろ・・・・」

「君がそう言うなら・・・」

 

 そう言って二人は戻ってくる。

 

「それでは二人共、デュエルリングに上がってくれ!」

 

 秋人が促した。

 

「頑張ってね、千鳥」

 

 フユは千鳥に励ましの言葉を送った。

 

「うん!行ってくる」

 

 のっけからツッコミまくったおかげで緊張は無くなったものの、千鳥には一つ不安があった。

 

(二回連続で私がデュエルかぁ・・・・。これは流石に敗けたかもな)

 

 千鳥は対戦相手と向き合った。

 金髪で長身の男。この歓声の中でも堂々としていて、どっかの元キングを彷彿とさせる。それがキャラ作りかどうかは千鳥には分からないが。

 

「かかってくるがいい!この雀句阿斗羅須が相手になってやる!!」

(今更ながら、名前すごいわね・・・・)

 

 戸惑う千鳥だが、まあ無理もないわな。

 

「それでは、デュエルスタートだァ!!」

 

 秋人がデュエル開始の宣言をした。

 

「「デュエル!!」」

 

 

千鳥 LP8000

 

 

雀句 LP8000

 

 

「俺のターン!ドロー!」

(どう仕掛けてくるのかしら・・・?)

「俺は《ツイン・ブレイカー》を召喚!」

 

 現れたのは大きめの剣と小刀二本が合体した武器を両手に一つずつ持ったモンスター。

 

 

ツイン・ブレイカー 星4 闇 戦士族 攻1600/守1000

 

 

「カードを二枚伏せてターンエンドだ!」

 

 

雀句 LP8000 手札3

モンスター/《ツイン・ブレイカー》

魔法・罠/リバース×2

 

 

(貫通持ち・・・。しかも二回攻撃。下手な守りに入らないほうがいいかしら)

「私のターン、ドロー!」

(ちょっともったいない気もするけど、伏せ二枚は怖いわね)

「私は手札から〈大嵐〉を発動!」

 

 巨大な嵐に雀句の伏せカードは全て吹き飛ばされた。

 

「リビングデッドと《スクリーン・オブ・レッド〉がやられたか・・・!」

(流石に《強化蘇生》は無いのね)

 この小説はオリカは使わない方針でやっていこうと思います。こちらのバージョンでは既にOCG化されていますが。

 

「続いて《ガスタの神官 ムスト》を召喚!」

 

 杖を持った中年の男が召喚される。

 

 

ガスタの神官 ムスト 星4 風 サイキック族 攻1800/守900

 

 

「ムストで《ツイン・ブレイカー》を攻撃!霧の神風!」

 

 ムストが呪文を詠唱して呼んだ強風にツイン・ブレイカーはなす術無く吹き飛ばされた。

 

 

雀句 LP8000→LP7800

 

 

「グゥッ!」

 

 ムストの攻撃の余波が雀句にも襲い掛かるが、グッと踏ん張って耐える。

 

「私はこれでターンエンド!」

 

 

千鳥 LP8000 手札4

モンスター/《ガスタの神官 ムスト》

 

 

「なかなかやるな」

 

 そんなことを言いはするが元キンもどきはまだまだ余裕の表情。

 

「そう言うアンタは大したことないわね」

 

 千鳥は軽口で返した。

 

「フン!キングが本気を出せば、一瞬だ!!」

 

 どうやら比較的初期の方の元キンを真似ているようだ。

 

「行くぞ!俺のターン!」

 

 この状況を読んでいたのかドローしたカードもろくに見ないで次の手に移った。

 

「相手フィールドにのみモンスターがいる時、攻撃力と守備力を半分にしてこのモンスターは特殊召喚できる!《バイス・ドラゴン》を特殊召喚!」

 

 現れたのは紫色で二足歩行タイプの龍。

 

 

バイス・ドラゴン 星5 闇 ドラゴン族 攻2000→1000/守2400→1200

 

 

「さらにチューナーモンスター、〈ダーク・リゾネーター〉を召喚!」

 

 次に召喚されたのは音叉とそれを叩く先に玉の付いた棒を持った小型の悪魔。

 

 

ダーク・リゾネーター 星3 闇 悪魔族 チューナー 攻1300/守300

 

 

「来たね、バイスリゾネコンボ・・・・!」

 

 フユには千鳥の対戦相手がこれから召喚するカードが何か予想できた。

 

「レベル5の《バイス・ドラゴン》に、レベル3の《ダーク・リゾネーター》をチューニング!―――王者の鼓動、今ここに列をなす。天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!我が魂、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》!」

 

 現れる赤と黒の体色をした悪魔のようなドラゴン。

 

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 闇 ドラゴン族 攻3000/守2000

 

 

「出たぁぁ――――!!雀句阿斗羅須の切り札、2ごじゅっ、ゲフンゲフン、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》だァァァ!!」

 

 一瞬マズイことを言いかけたが、テンション高めに実況する秋人。

 

「そんな雑魚モンスターなぞ、この圧倒的なパワーでひねり潰してやる!《レッド・デーモンズ・ドラゴン》で《ガスタの神官 ムスト》に攻撃!アブソリュート・パワーフォース!!」

 

 《レッド・デーモンズ・ドラゴン》は右腕に炎を纏い、ムストを殴り飛ばした。

 

 

千鳥 LP8000→LP6800

 

 

「キャッ!」

「これが《レッド・デーモンズ・ドラゴン》のパワーだ!ターンエンド!」

 

 

雀句 LP7800 手札2

モンスター/《レッド・デーモンズ・ドラゴン》

 

 

 その性格から、相手の見下したような振る舞いに少しイラっときた千鳥。

 

「チッ、私のターン、ドロー!」

(確《レッド・デーモンズ・ドラゴン》は守備モンスターを攻撃した時、それは『戦闘破壊』じゃなくて『効果破壊』だったわよね・・・・。だったら・・・!)

 

「私はモンスターを一体セットしてターンエンド!」

 

 

千鳥 LP6800 手札4

モンスター/リバース×1

 

 

「俺の前に守備モンスターをいくら並べても無意味だということを見せてやる!俺のターン!―――俺は《マッド・デーモン》を召喚!」

 

 腹部が口で、さらにその中にドクロが入っている悪魔が現れる。

 

 

マッド・デーモン 星4 闇 悪魔族 攻1800/守0

 

 

「このモンスターは守備貫通能力が備わっている!行けっ、ボーン・スプラッシュ!」

 

 《マッド・デーモン》は腹の中のドクロを噛み砕いてそれを伏せカードに向けて吐き出した。

 

「セットモンスターの《ガスタ・スクレイル》の守備力は1800!《マッド・デーモン》じゃ倒せないわ!」

 

 

ガスタ・スクレイル 星2 風 雷族 チューナー 攻0/守1800

 

 

 現れたシマリスみたいなモンスターはドクロの欠片をモロに喰らうが傷一つ負わなかった。

 

「クッ、ならば《レッド・デーモンズ・ドラゴン》で粉砕してくれる!アブソリュート・パワーフォース!」

 

 しかしシグナーの龍の一撃には耐えられない。が、千鳥に笑みがこぼれた。

 

「これを待ってたわ!!」

「何だと!?」

「レモンの破壊効果は攻撃したモンスターにも適用される。そして私の《ガスタ・スクレイル》は効果破壊されて墓地へ送られたら、デッキからレベル5以上の《ガスタ》を特殊召喚できる!私は《ガスタの疾風 リーズ》を特殊召喚!」

 

 現れたのは槍のようにも見える杖を手にしたツインテールの少女。

 

 

ガスタの疾風 リーズ 星5 風 サイキック族 攻1900/守1400

 

 

「おぉーっとぉ!?ここで雀句の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が奪われる可能性が出てきたぞー!そのまま攻撃しなかったらよかったものを。流石アホの子雀句だー!!」

 

 秋人は微妙に解説の中に毒舌を混ぜてきた。

 

「そういうこと。勝てせてもらうわよ、このデュエル」

「何を言う!敗けられんのはこちらも同じだ!!」

 

 二人の視線がぶつかりあった。

 

 




 ついに始まりましたデュエルフェスタ。そして一回戦からカオスな面々が相手となりました。こんな濃い面子がいたら学校生活も楽しいでしょうね。皆さんの学校や職場には遊戯王キャラに似た人はいるでしょうか?ちなみに作者は見たことがありません。
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