さて、チームACEの二回戦、チーム生徒会との戦い。一戦目はほとんど英雄の暴走で自滅したようなものだが、続く二戦目は零士と千鳥のコンビネーションで見事勝利。で、これから最後の一戦。チームACEの勝敗は零士に委ねられるのだった。
「さあ――――、この二回戦もいよいよ大詰め!!!三戦目は天城零士と山本拓海のデュエルだ――――――ッ!!!」
零士の対戦相手がデュエルリングに上がってきた。しかし対峙する位置では止まらず、零士の目の前までやって来た。
「いいデュエルをしよう」
そう言って右手を差し出してくる。
「そんなことを言うためだけに、わざわざ来るな」
零士はそれだけ言って自分の十字架型のデュエルディスクを再起動する。
「やれやれ。こういうのは好きじゃないのかな?」
相手もかぶりを振って戻った。
「山本選手、握手を求めたが零士選手はこれを拒否!!これは激化するデュエルの予兆なのか―――!!?」
この一連の流れでチーム生徒会の他のメンバーは大ブーイング。一方チームACEのメンバーはそこまで反応はない。
「う〜ん・・・・・」
ケイトはまた難しい顔をしている。
「どうしたのケイト?」
気になって千鳥が話しかけた。
「あの零士の相手、何者?」
「ああ、あの人?あの人はここの生徒会長で、色々と善政?みたいなのをやるから、それなりに人気が高いの」
「へ〜」
しかしまだケイトの表情は暗い。
「何か気になる事でもあるの?」
フユが訊ねる。
「あの会長さん、っつーか向こうの四人もなんかイヤ〜な感じがするんだよなー」
「それでは二回戦第一試合、これが最後の戦いだ―――ッ!!!」
「デュエル!」「・・・・・・」
今回は何も言わない零士。
零士 LP8000
山本 LP8000
「それじゃあ先攻は譲・・・」
「オレのターン、ドロー。オレは《異次元の生還者》を召喚」
会長さんが譲るって言い切る前にぶんどったよ、この人。
異次元の生還者 星4 闇 戦士族 攻1800/守200
「さらに永続魔法《次元の裂け目》と《魂吸収》を発動し、ターンエンド」
零士 LP8000 手札3
モンスター/《異次元の生還者》
魔法・罠/《次元の裂け目》《魂吸収》
「今回はある程度カードが揃ってるね」
そう言うフユは苦笑い。前にもっとエグいコンボ決められて苦戦したから、まあ無理もない。
「おー、怖い怖い。俺のターン、ドロー!」
言葉の割には全然苦境に立たされている感はない。
「俺は《アンブラル・グール》を召喚!」
黒紫色の悪魔が召喚された。
アンブラル・グール 星4 闇 悪魔族 攻1800/守0
「《アンブラル・グール》か・・・。ケイトの言ってたこと、ちょっと納得できるかも」
「どうして?」
会長の出したカードを見た途端、そんなことを言うフユに千鳥は疑問を持った。
「だってあれってバリアン警察(笑)のカードだよ?」
「そうだけど、人を見た目で判断しちゃダメでしょ!」
・・・・・オカン?
「俺は《アンブラル・グール》の効果発動!このモンスターの攻撃力を0にして、手札から攻撃力0の《アンブラル》と名のつくモンスター一体を特殊召喚できる。俺は手札の《アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ》を特殊召喚!」
次に現れたのは赤い両目がついた黒い玉。
アンブラル・グール 攻1800→0
アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ 星1 闇 悪魔族 攻0/守0
「さらにウィスプの効果を発動!このカードが召喚、特殊召喚に成功した時、墓地かフィールドの他の《アンブラル》モンスターと同じレベルになる。俺が選択するのはもちろんフィールドの《アンブラル・グール》」
アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ 星1→4
「これでレベル4のモンスターが二体か・・・」
「俺はレベル4のモンスター二体でオーバーレイ!―――二体の闇属性モンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよ、《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》!」
別モンだが、前回に引き続き零士の前に立ちはだかった金色カブトムシ。
No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル ランク4 闇 昆虫族 攻2500/守800
「バトル!マスター・キー・ビートルで《異次元の生還者》を攻撃!キー・ブラスト!」
カブトムシの一突きで《異次元の生還者》は吹っ飛ばされた。
零士 LP8000→LP7300→LP7800
「《魂吸収》のせいで大したダメージを与えられないな・・・。俺はカードを一枚セットし、マスター・キー・ビートルの効果発動!このカードはエクシーズ素材を一つ取り除き、フィールドのカードを一枚選択すれば、そのカードは破壊されず、このカードが破壊される時選択したカードを身代わりにできる!俺が選択するのは今伏せたカードだ!」
会長さんの伏せカードがゴツイ南京錠で施錠された。
No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル ORU 2→1
「身代わりか・・・。お前にお似合いのカードだな」
零士がボソリとそんな風な事を言った気がした。
「何か言った?・・・まあいいや、俺はこれでターンエンド」
山本 LP8000 手札3
モンスター/《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》
魔法・罠/リバース×1
「お前のエンドフェイズ時に、除外された《異次元の生還者》が帰還する」
零士のフィールドの空間が裂け、そこからボロ布を纏った戦士が歩いてきた。
「そしてオレのターン、ドロー」
零士がカードをドローした瞬間、相手の目つきが鋭くなった。
「この瞬間、マスター・キー・ビートルを対象に、リバースカードオープン!《安全地帯》!これでマスター・キー・ビートルは直接攻撃ができなくなる代わりに、カード効果の対象にならないし、破壊されない!」
「ちょっ、これマズイんじゃない!?」
慌てふためいているのは千鳥だ。
「え、何が?」
全然理解できてない英雄。
「さっき言ってた通り、《安全地帯》の効果でマスター・キー・ビートルはほぼ間違いなく破壊不可能になった。《安全地帯》がフィールドから離れれば、その効果でマスター・キー・ビートルは破壊されるんだけど、今度はマスター・キー・ビートルの効果で《安全地帯》の破壊はできないんだ。つまりかなり高度なロックが施されたってこと」
そして解説役はフユ。
「マジか!?」
しかし当の零士は気にも止めていない。
「このタイミングでそのカードを発動したか・・・・・。いい判断だ」
「そいつはどう・・・」
「だが、致命的なミスだ」
褒めたかと思いきや、いきなり零士はそう告げた。
「何?」
「オレは《異次元の生還者》をリリースし、《邪帝ガイウス》をアドバンス召喚」
このカードも前回に引き続いての登場。
邪帝ガイウス 星6 闇 悪魔族 攻2400/守1000
零士 LP7800→LP8300
「《邪帝ガイウス》の効果発動。《安全地帯》を除外する」
「なるほど考えたじゃねぇか!確かに《安全地帯》は『破壊』はできない。でも単純に『除外』するんなら問題ないし、《安全地帯》そのものの効果でマスター・キー・ビートルを破壊できる!」
これはケイト。
そしてガイウスがドス黒い気弾を放ち、南京錠ごと《安全地帯》を飲み込む。その直後、マスター・キー・ビートルは粒子化して消滅した。
「零士選手、攻略困難と思われたロックをもののワンターンで崩した――――!!」
でもってノリノリ実況の秋人。
「エクシーズ素材は墓地へ行くが、それ以外の2枚のカードが《次元の裂け目》の効果で除外されたことにより、《魂吸収》の効果でオレは1000ライフを回復する」
零士 LP8300→LP9300
「これでお前のフィールドはガラ空きだ。《邪帝ガイウス》で攻撃」
ガイウスの気弾の次のターゲットは会長。
「グォアッ!」
そしてそれをモロに喰らった。
山本 LP8000→LP5600
「オレはカードを一枚セットし、エンドフェイズに除外された《異次元の生還者》を攻撃表示で特殊召喚し、ターンエンド」
零士 LP9300 手札2
モンスター/《邪帝ガイウス》《異次元の生還者》
魔法・罠/《次元の裂け目》《魂吸収》リバース×1
アニメで言うなら使い回しがごとく再度召喚された生還者。
「俺のターン、ドロー!」
カードをドローした時、一瞬会長の口元がニヤリと歪んだような気が、千鳥にはした。
「俺はまず速攻魔法《サイクロン》で《次元の裂け目》を破壊!」
フィールドの《次元の裂け目》が消滅した。
「さらに魔法カード《手札抹殺》を発動!互いに手札入れ替えといこうじゃないか」
「おぉ―――っとぉ――――――ッ!!?ここで山本選手手札交換カードを使った―――!!先に《サイクロン》を発動したことから考えると、狙いは墓地肥やしなのか―――!?」
ちょっと解説も入った秋人の実況。
「さて、これでお互い手札を二枚入れ替えたわけだが・・・、なかなかいいカードが来たな。―――俺は《アンブラル・アンフォーム》を召喚!」
召喚されたのは黒い得体の知れない生物だ。
アンブラル・アンフォーム 星4 闇 悪魔族 攻0/守0
「俺は《アンブラル・アンフォーム》で《異次元の生還者》に攻撃!」
「ウソ!攻撃力0のモンスターで攻撃!?」
黒い変な生き物は《異次元の生還者》に飛びかかったがあえなく返り討ちにあった。
山本 LP5600→LP3800
しかしこの黒い物体、そのまま消滅せずフィールドに残る。
「《アンブラル・アンフォーム》は攻撃して破壊された時、デッキから《アンブラル》モンスターを二体特殊召喚できる!俺は《アンブラル・グール》と《アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ》を特殊召喚!そして特殊召喚したウィスプの効果でレベルを4に変更!」
黒い物体が分離してワンターン前に召喚されていたモンスター達がまた場に現れた。
アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ 星1→4
「さらに《アンブラル・グール》の効果で、このカードの攻撃力を0にして手札からもう一体の《アンブラル・アンフォーム》を特殊召喚!」
アンブラル・グール 攻1800→0
これで《アンブラル》モンスターが勢揃いしたことになる。という訳で。
「俺はグール、ウィスプ、アンフォームの三体でオーバーレイ!―――レベル4のモンスター三体でオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!いでよ!No.104!そのまばゆき聖なる光で、愚かな虫けらどもをひざまずかせよ!仮面魔踏士(マスカレード・マジシャン)シャイニング!」
この時は、一部を除く全員が演技で言っているんだと思っていた。
No.104 仮面魔踏士シャイニング ランク4 光 魔法使い族 攻2700/守1200
「とりあえずシャイニングの効果でデッキトップのカードを墓地へ送ってもらおうか」
「・・・・・・・」
零士は無言でデッキの一番上のカードを墓地へ送った。
「じゃ、俺はこれでターンエンドで」
山本 LP3800 手札0
モンスター/《No.104仮面魔踏士シャイニング》
「オレのターン、ドロー。―――オレはカードを一枚セット。そして《邪帝ガイウス》と《異次元の生還者》を守備表示にしてターンエンド」
はい、零士のターン二行で終了。
零士 LP9300 手札2
モンスター/《異次元の生還者》《邪帝ガイウス》
魔法・罠/《魂吸収》リバース×2
「俺のターン、ドロー!―――――ヘッ、来たぜ来たぜぇ!俺は手札から、《RUM(ランクアップマジック)バリアンズ・フォース》を発動!!」
「何?」
「俺は、《No.104 仮面魔踏士シャイニング》で、オーバーレイネットワークを再構築!」
シャイニングがエクシーズ召喚される前の状態に戻り、天高く上昇した。
「現れろ、CNo(カオスナンバーズ).104!混沌より生まれしバリアンの力が光を覆うとき、大いなる闇が舞い踊る。仮面魔踏士アンブラル!」
黒い光の塊が降りてきて、その中から現れたのは赤い服に杖を持った、白と黒の仮面をかぶっている不気味なモンスターだ。
CNo.104 仮面魔踏士アンブラル ランク5 闇 魔法使い族 攻3000/守1500
「アンブラルの効果発動!このカードの特殊召喚に成功した時、フィールドの魔法・罠カード一枚を破壊できる。俺が破壊するのは《魂吸収》!デストロイステップ!」
アンブラルは持っていた杖を一振りして《魂吸収》を破壊した。
「ここで山本選手、オーバーハンドレッドナンバーズを召喚したと思いきや、次のターンにはCNoまで召喚した―――ッ!!しかもこれで下手にモンスター効果を発動したら手札一枚とライフを半分失ってしまう!!零士選手は凌ぎ切ることができるのか――――!?―――――――次回に続く!!」
次回でチーム生徒会とのデュエルは最後になりますが、デュエルフェスタ編はまだまだ続きます。そして次回、意外なカードが活躍してくれます。
最後に読者の皆さん、相手が【アンブラル】や【ギミック・パペット】を使っているからって、その人がゲスだなんて思わないでくださいね。