遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

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第二十六話 「どんなカードも使いよう」

零士 LP9300 手札2

モンスター/《邪帝ガイウス》《異次元の生還者》

魔法・罠/リバース×2

 

 

邪帝ガイウス 星6 闇 悪魔族 攻2400/守1000

 

 

異次元の生還者 星4 闇 戦士族 攻1800/守200

 

 

山本 LP3800 手札0

モンスター/《CNo.104 仮面魔踏士アンブラル》

 

 

CNo.104 仮面魔踏士アンブラル ランク5 闇 魔法使い族 攻3000/守1500

 

 

 チームACEの二回戦、最後のデュエルは生徒会長山本と、何やら険悪な雰囲気を醸し出している零士の勝負。《次元の裂け目》と《魂吸収》のコンボでライフを大量に回復している零士だが、対する山本も毎ターンエクシーズ召喚を行い着実に零士のコンボを崩しつつあった・・・・・。

 

 

 

「バトル!仮面魔踏士アンブラルで《邪帝ガイウス》を攻撃!」

 

 アンブラルの杖が炎を纏い真一文字に薙ぎ払った。しかし攻撃が当たる直前、零士は口を開いた。

 

「罠発動、《マクロコスモス》」

「しまった!」

 

 焦る会長だが、もう遅い。ガイウスは普通に破壊されるのと違って粒子化して消滅した。

 

「いくらアンブラルでも、罠の効果は無効化できまい」

「一筋縄ではいかないか・・・。流石リーダーを張るだけのことはある」

「いやリーダー僕なんですけど!?」

 

 珍しいフユのツッコミ。

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 

山本 LP3800 手札0

モンスター/《CNo.104 仮面魔踏士アンブラル》

 

 

 そして会長のスルースキル。

 

「オレのターン、ドロー」

 

 ドローしたカードを見て、零士はほんの数秒沈黙した。

 

「・・・・・お前に絶望をくれてやる」

「何?」

 

 その言葉に会長だけでなく、ACEも生徒会も観客もざわついた。

「オレは二枚目の《魂吸収》を発動」

「もう一枚持ってやがったか・・・!」

「これで終わりだと思うな。オレは手札から《封印の黄金櫃》を発動し、カードを一枚除外する」

「これは、来るね・・・!」

 

 フユが少し嫌そうな顔をした。味方なのに。

 

「オレが除外するのは・・・・・、《ネクロフェイス》」

「ッ!!そう来たか・・!!」

 

 零士のフィールドに金色の箱が現れ、その中に人形の首から触手が出ているモンスターのカードが入れられた。

 

「除外された《ネクロフェイス》の効果により、オレとお前のデッキの上から五枚のカードをゲームから除外する。さらに《魂吸収》の効果で合計十二枚のカードが除外されたことにより、オレはライフを6000ポイント回復」

 

 

零士 LP9300→LP15300

 

 

「ここに来て零士選手のライフが10000をオーバーした―――――――――!!これは長期戦になるのだろうか――――ッ!!?」

「カードを一枚セット。さらにエンドフェイズに《ネクロフェイス》の効果で除外された《異次元の偵察機》二体を攻撃表示で特殊召喚し、ターンエンド」

 

 球体型の機械が二機、零士の場に出現した。

 

 

異次元の偵察機 星2 闇 機械族 攻800/守1200

 

 

零士 LP15300 手札0

モンスター/《異次元の生還者》《異次元の偵察機》《異次元の偵察機》

魔法・罠/《マクロコスモス》《魂吸収》リバース×2

 

 

「ライフを6000も回復したか。だが、俺の場には攻撃力3000のアンブラルが一体。それに対して君の場には攻撃表示の《異次元の偵察機》が二体もいる。大ダメージは避けられんよ。―――俺のターン!」

 

 ドロー、と言いかけた時、零士が話しかけた。

 

「いい加減、本性を表したらどうだ?」

 

 

「は?」

 

 零士の言葉に皆『?』となる。

 

「何を言っているんだ、君は?」

 

 会長さんも例に漏れない。

 

「とぼけるな。お前の秘密は既に知っている」

「だから何の話を・・・・・」

 

 そこまで言って一人ハッとした。そしてものすごい形相で睨みつけた。

 

「お前、まさか・・・・!!」

 

 少しの間睨むと、今度はデッキの上に手を置き、ヘラヘラとなめきった顔で笑った。

 

「もういい。サレンダー。俺の敗けでいいよ」

 

 これには観客も困惑した。

 

「・・・・・・・・・」

 

 零士は何も言わずに彼を見据えている。

 

「・・・悪いが、サレンダーは認められない」

 

 ここで割って入ったのは秋人だった。格好はアレだが、さっきまでのMCみたいな雰囲気は感じられない。

 

「はあ?なんでだよ!?」

 

 思わず喰ってかかった。

 

「大会ルールでな。サレンダーは禁止されているんだ」

 

 秋人は淡々と告げたる。

 

「確かに、コイツにも書かれてるぜ」

 

 声する方を見たら、ケイトが大会の注意事項が書かれた紙を持っていた。

 

「これで逃げることはできなくなったな」

「ッ・・・!だから何のことだよ!?」

「・・・・いいだろう」

 

 零士は制服の内ポケットから何かのスイッチを取り出した。

 

「ならばここに居る全員に見せてやる。お前の正体をな」

 

 そう言うと、零士がスイッチを押した。

 

 

 零士がスイッチを押した瞬間、スタジアムのモニターの画面が変わった。それは会長の写った写真だ。それも飲酒、喫煙、生徒への集団暴行、女子生徒へのわいせつ行為といった、いわば違法行為が隠し撮りされた写真だ。しかも見たところ、どれも一回や二回ではない。

 

 

「っておいおい、他の生徒会の連中が写ってるのもあるじゃねえか」

 

 ケイトの言う通り、他のメンバーもそれらの写真の中にいた。つまり生徒会の人間も同様に非行に走っていたということだ。

 

「や、山本君!これは一体どういう・・・!?」

 

 秋人の隣で座っていた校長も立ち上がった。(っていうか居たの?とか言わないでね)

 

「ご、合成写真です!!こんなもの!!」

 

 会長さんはあくまでも否定する姿勢のようだ。

 

「だったらこれはどうだ?」

 

 再び零士は持っていたスイッチを押した。

 するとモニターが砂嵐状態になり、音声のみが聞こえてくる。

 

『グッ・・・、ウッ・・・。テ、テメェ、何しやがる・・・!!』

『何って、カツアゲにあっていた生徒を助けただけだが?』

 

 後から聞こえてきた声は明らかに会長のものだった。

 

『ふざけんな!!そりゃお前らのことだろうが!!むしろ止めようとしたのはオレだろ!?』

『そういうことになるんだよ』

『んだと・・・!?』

『なあ、ここで罪もない生徒をカツアゲしていたのは誰だ?』

『そこでブッ倒れている不良です』

『なっ・・・!!』

『俺達はそれを止めただけです』

 

 それ以外にも賛同する声がいくつか上がった。中には聞き覚えのある声もチラホラ。

 

『君はこのクズな不良のカツアゲの被害に遭って、それを俺達が助けた。そうだろう?』

『えっ?それは・・・、その・・・・・』

 

 今度の声は他と違って何やら怯えているようだった。その声の主が被害者なのだろう。

 

『・・・・・おい』

 

 ドスのきいた会長の声。

 

『ッ・・・・!は、はい・・・・・・』

『・・・クソッタレが・・・・・!!』

『何とでも言うがいいさ。だが社会のゴミとも言えるお前ら不良と生徒会長である俺の言葉。どちらが信用されるかな?』

―――――ッハッハッハッハッハッハッハ!!

 

数人の笑い声が響いたところで音声は終了した。

 

「これでもう言い逃れることはできないだろう?」

 

 当の会長は頭(こうべ)を垂れ、拳を固めている。

 

「・・・いつの間にこれを?」

「お前がクズと定義している人間全員に小型盗聴器を付けさせておいた」

「・・・なぜこんなことを?」

「オレはオレが悪と判断した人間を断罪するだけだ」

「・・・まさかこのデュエル、仕組まれていたんじゃないだろうな?」

「いや、偶然だ。だがいずれお前は断罪するつもりだった。遅いか早いかだけの問題だ」

 

 零士は全ての問いに淡々と答えた。

 

「どうやら、ケイトの感じていたものは本物だったようだね」

 

 流石にこればかりは真剣な表情をするフユ。

 

「い〜や、外れだ。―――まさかここまで性根の腐った野郎だとは思わなかったよ」

 

 ケイトも敵意むき出しで睨み付けた。

 

――え、どういう事?

 

――マジかよ。

 

――よく今までバレなかったな。

 

 観客の生徒にも波紋が広がる。

 それを見計らっていたのか、零士が一回り程大きな声を出した。

 

「今ここにいる者全員に問う。この男がアカデミアの生徒の長でいる事を良しとするか?」

 

 その言葉で数秒スタジアムに沈黙が流れたが、

 

いいわけないだろ――!!

 

辞めちまえ―――!!

 

サイテ―――!

 

○ーマスかテメー!?(元Ⅳ、現LDS社長)

 

○ゲスにも劣るクソヤローが―――!!

 

様々な怒号が飛び交った。

 

「そうだそうだー!!宵闇の使者の効果が期待してた分すっごい残念効果だ――!!でも後々化けることを信じて今月のVジャンプは三冊買ったぞ―――!!」

「今言うことか!?」

 

 怒号に便乗してとんでもない事を言う主人公とツッコむヒロイン。

 

「・・・・・だそうだ」

「・・・・・・・・・まれ・・・」

 

 会長がうつむいたまま何か言ったが、ほとんど聞き取れなかった。

 

「黙りやがれ愚民どもが!!!!!!」

 

 その声で騒ぎは一通り収まる。

 

「別にいいだろうが!!俺は生徒会長なんだぞ!?こんな奴らのために毎日身を砕いているんだ!!このぐらいのことをしたって許されるだろうが!!」

「日々の行いがいいからといって、悪行が許されるわけではない」

 

 零士は一切の言い訳すらさせないつもりのようだ。

 

「本性を現したところで、さっさとデュエルを続けろ。デュエルでお前に裁きを与えてやる」

「ほざきやがれ!!俺のターン!!―――――俺は手札から《カップ・オブ・エース》を発動!!」

 

 フィールドの中央に大きなコインが出現した。

 

「このカードは、コイントスを行い、表なら俺が、裏ならお前がカードを二枚ドローできる」

 

 会長のその言葉と同時にコインがひとりでに弾かれた。

 出たのは、表。

 

「当然正位置だ!よってカードを二枚ドロー!」

 

 今運命どうこう言ってた人を思い出した人、大正解。

 

 

零士 LP15300→LP15800

 

 

「さらに墓地の《ギミックパペット―マグネ・ドール》をゲームから除外し、墓地の《ギミックパペット―ネクロドール》を特殊召喚!」

 

 

零士 LP15800→LP16300

 

 

 地面から棺桶が出現し、その中から壊れた女の子の人形が顔を覗かせた。

 

 

ギミックパペット―ネクロドール 星8 闇 機械族 攻0/守0

 

 

「《ギミックパペット》で入っていたのか、あのデッキ。っていうかいつの間に墓地に?」

「多分《手札抹殺》の時だろうね。あと、もう一ヶ月ぐらいコレクターズパックが早く発売されてたらあの人のデッキは本格的に【ギミックパペット】にしてたそうだよ。もちろんリメイク前の話だけどね」

 

 英雄の疑問にフユが答えた。

 

「別にいいわ!そんなキャラクター制作秘話!!」

 そしてツッコむ千鳥。

「さらに《アンブラル・グール》を召喚!!」

 

 これでもう三枚目のグールである。

 

「さらに手札の魔法カード《ギャラクシー・クイーンズ・ライト》を発動!!このカードの効果で、自分フィールドのモンスターを全てレベル7以上のモンスターのレベルに合わせる!俺は《アンブラル・グール》のレベルを、《ギミックパペット―ネクロドール》と同じレベル8にする!!」

 

 会長改め、顔芸会長の背後にギャラクシー・クイーンが現れ、持っていた杖を一振りした。

 

 

零士 LP16300→LP16800

 

 

アンブラル・グール 星4→8

 

 

「《ギミックパペット―ネクロドール》と《アンブラル・グール》で、オーバーレイ!―――レベル8のモンスター二体で、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよ、《No.40 ギミックパペット―ヘブンズ・ストリングス》!!」

 

 現れたのは左側しかない翼と、大剣を持った不気味な人形だ

 

 

No.40 ギミックパペット―ヘブンズ・ストリングス ランク8 闇 機械族 攻3000/守2000

 

 

「お前がエクシーズモンスターを使わないのが残念極まりないよ。使ってりゃぁジャイアントキラーでぐちゃぐちゃにしてやったのによぉ」

「・・・・・・」

 

 Ⅳみたいな絡み方をしてくる顔芸会長だが、零士は全く相手にしない。

 

「だんまりかよ。まあいいさ。まずはヘブンズ・ストリングスで《異次元の偵察機》を攻撃!ヘブンズ・ブレード!」

 

 ギギギ、と軋んだ音をさせて人形の右腕が上がる。目一杯上げると、剣を振り下ろし、衝撃波を偵察機に向けて放った。

 

「マズくない!?《異次元の偵察機》は攻撃表示。いくらライフ回復コンボが決まっているとはいえ、大ダメージが!」

「その辺は大丈夫だと思うよ」

 

 フユはニコニコしながら成り行きを見つめている。

 

「速攻魔法《グランドクロス》を発動」

「何!?」

 

 直後フィールドで目がくらむような光とともに大爆発が起こった。爆発が収まると、フィールドにはモンスターが一体も残っていなかった。

 

「このカードは《マクロコスモス》が発動している時に発動できる速攻魔法。フィールドのモンスターを全て破壊し、相手に300ポイントのダメージを与える」

「グッ・・・・!!」

 

 

山本 LP3800→LP3500

 

 

「さらにオレのフィールドから《グランドクロス》を含め4枚、お前のフィールドからエクシーズ素材を含めて8枚、合計12枚のカードが除外され、オレは6000ライフを回復」

 

 

零士 LP16800→LP22800

 

 

 誰か《自爆スイッチ》を発動してくれ。

 

「クソッ!ターンエンド!」

 

 

山本 LP3800 手札0

 

 

「エンドフェイズに、今除外された《異次元の生還者》と《異次元の偵察機》二体を特殊召喚」

 

 再び零士の場に三体のモンスターが帰還する。

 

「そしてオレのターン、ドロー」

 

 零士はドローしたカードをしばらく見ていた。そして顔を上げると、こう告げた。

 

「お前に下す罰が決まった」

「何だと?」

 

「判決有罪。内容、火あぶり」

 

 顔芸会長はポカンと口が開いていた。

 

「はあ?何言ってんだテメェ。中二病が完全に回ったか?」

 

 しかし零士はそれには答えない。

 

「オレはオレのフィールドのモンスター三体をリリース」

 

 生還者と偵察機が消滅した。

 

 

零士 LP22800→LP24300

 

 

「起動せよ、《ラーの翼神竜》」

 

 

「何―――――ッ!?」

 

 これには会長だけでなく皆驚く。

 

ラー!?

 

ラーだと!?

 

コンマイの黒歴史だと!?

 

ガチデッキに入れるか普通!?

 

 

 神々しい光を伴って黄色い球体が舞い降りた。そして球体が形を変え、鳥と龍が合わさったようなモンスターが現れた。

 

「見せてやろう。劣化神も使いようだということを」

 

 

ラーの翼神竜 星10 神 幻獣神族 攻?/守?

 

 

「《ラーの翼神竜》の効果発動。ライフを100残し、減らした分だけ攻撃力と守備力をアップする」

 

 

零士 LP24300→LP100

 

 

ラーの翼神竜 攻?→24200/守?→24200

 

 

「火あぶりってそういうことかよ。―――だが所詮ソリッドビジョン。どう考えても本当に焼かれるはずはない!!」

「そんなに言うなら、少し試してみるか?」

「上等だよ!!やれるもんならなあ!!」

「そうか。ならオレは永続罠《闇次元の解放》を発動。ゲームから除外されていた《邪帝ガイウス》を特殊召喚」

 

 ここ最近出番の多いガイウスさん。

 

「まずは《邪帝ガイウス》でダイレクトアタック」

 

 ガイウスが序盤で放ったものと同じ気弾を撃った。

 

「ヘッ、こんなもん実際に受けたところで・・・」

 

 しかし気弾が直撃した瞬間、それは覆された。

 

「ウッ、ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

 

山本 LP3500→LP1100

 

 

 その叫び声は最初のそれとは比べ物にならないほどのものだった。

 

「!?」

 

 ケイトの表情が険しくなったのに、千鳥は気付いた。

 

(ありゃあ、ただのソリッドビジョンじゃねえな・・・)

 

 いや、ケイトだけじゃない。ふと視線を送ると秋人も様子が違う。しかし彼の場合、驚いているようにも見えた。

 

「グッ、ガハァッ!」

 

 声のした方を見ると、腐れ会長は片膝を着いていた。

 

(い、今の攻撃・・・。さっきの比じゃねぇ・・・・!!しかも今度は単純計算でもその10倍以上!!)

「漫画でよくあるような、改心なんてする必要はない。これからお前は、処刑されるのだから」

 

 零士はいつにも増して冷たい視線を投げかけた。

 

「クッ、黙れぇ!!テメーみたいなクズどもの親玉が、この俺を裁く権利なんてあるものかあ!!!」

 

 もはやデュエル前の面影は感じられない。

 

「言いたい事はそれだけか?」

「ああ?」

「三つ、お前に言っておく事がある。一つ、オレはあいつらの親玉になったつもりはない。二つ目は、お前にあいつらをクズ呼ばわりする資格なんてない・・・」

 ラーの全身が炎に包まれ火の鳥、不死鳥となる。

「な・・・・・ッ!?」

「そして三つ目・・・・・、○ガネールの進化前は?」

 その言葉で不死鳥が突撃した。

「イワ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――クッ!!!!!」

 

 

山本 LP1100→LP0

 

 

 さっきの絶叫の数十倍もの悲鳴が響いた。

 言わなきゃダメなこと?という千鳥のツッコミも途中で掻き消えるほどの叫びだった。

しばらく叫びが続いた後、バタリと倒れた哀れな罪人。

 

「気にするな、相手が悪かっただけだ」

 

(いやそれお前が言ったらフォローにもなんにもならないから!)

 

 その場にいた全員がそう思ったが、今の殺人未遂の現場を見たせいで口には出さなかった。

「き、決ぃまった――――!!(いろんな意味で)波乱の二回戦を制したのは、チームACEだ―――――!!!」

 

・・・・・・ワ、ワアアアアアアアアアァッ!!!

 

少し遅れて歓声が上がる。

 

「お疲れ様」

 

 フユがいつもと変わらないスマイルで労いの言葉をかけた。

 

「ああ」

 

 零士もいつものように無表情に返す。ケイトも屈託のない笑みで零士を労った。

 

「いやー、すっきりしたぜ。あの腐れ会長をぶっ倒してくれて」

 

 最後のはちょっと引いたけど、と小声で付け加えたが。

 

「いよぉーしっ!明日もこの調子で勝つぞぉー!!」

 

 英雄も意気込んで見せた。

 

 こうしてそんなに危うげもなくチームACEは二回戦も突破したのだった。

 

 

 デュエルフェスタ二日目も滞りなく終わり、帰路につく間、秋人には一つ引っかかることがあった。最後の零士の攻撃のことだ。

 

(あの攻撃、あれは明らかにソリッドビジョンではなかった。攻撃の実体化、とまではいかないだろうが、それに限りなく近いものだろう。・・・・・・・ッ!まさか奴は・・・・)

 

 秋人には一つ心当たりがあった。

 

(だがアイツの名には『春』の字も『夏』の字も入っていない。そんなはずは・・・・・。しかしアイツの、『天城零士』という名は本当の名ではない。もしや・・・・・)

 

 秋人の中で、悪い意味で一つの可能性が渦巻き始めていた。

 

 




 はい、シリアスなのかギャグなのかよく分からない二十六話でした。零士と秋人にはどんな秘密があるのでしょうか。そしてかつて二人の間に一体何があったのでしょうか。まぁすぴばる版を読んだ読者はもう知ってるでしょうけどね。
 そして次回は久しぶりにフユのデュエルです(「まともな」とは言ってない)。
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