「さあさあさあ!!今日はデュエルフェスタ四日目、ついに準決勝だァ――――――ッ!!あと始めて俺のセリフからスタートだァ――――――ッ!!」
前回ラストのシリアスな感じはどこに行ったんだ?と聞きたくなるような秋人のハイテンションぶり。
「という訳で、早速デュエリスト達の登場だぁ―――――ッ!!まずは赤コーナー、チームACE!!」
「ボクシングか!?」
千鳥が読者全員の思ったこと(多分)をツッコミつつ、ACEメンバーの登場。
「そして対戦チームは!我がアカデミアの教師陣で構成されたチームティーチャーだぁ!!」
現れたのはスーツやら白衣やらを着た大人達。そして先頭を歩くリーダーであろう人物に、フユ達は見覚えがあった。というか、彼らの担任の宵星麻理亜だ。十一話を読んだ読者は覚えているだろうか?彼女の担当科目はデュエルなのだ。実力も、その技術を教えるのも相当のものだろう。
「どうやら、職権乱用ってわけじゃなさそうだな」
ケイトが好戦的な笑みを浮かべて言った。
「うん、それはいいんだけどね・・・」
口を開いたのは校長。
「何で僕も誘ってくれないの!?」
校長は半泣きで訴えかけた。
「すみません。校長、フェスタの仕事とかで忙しそうでしたので・・・・・」
麻理亜先生が代表して答えた。
「あ、それと、二つ程注意事項だ」
秋人が思い出したように言った。
「一つは準決勝と決勝は五対五のシングルデュエルで、三回勝ったチームの勝利だ。よって対戦の組み合わせのみが決められる。もう一つは五戦全部やってもらうということだ。だから場合によっては勝敗が決しても続けてデュエルを続けてもらうことになる」
「どうしてですか?」
千鳥が聞く。
「作者がデュエルフェスタ編でやれなかったことを全部やるためさ!」
「あ、そういうことか・・・・・」
がっくりと肩を落とす。
「それでは改めてデュエルの組み合わせの発表だぁ―――――――――ッ!!」
デュエルリング頭上のモニターに名前が表示された。
第1試合 天城 零士VS村田(むらた) 奈緒(なお) (担当科目:国語)
第2試合 白雪姫 フユVS大久保(おおくぼ) 隆志(たかし) (担当科目:数学)
第3試合 前田 ケイトVSスーザン シアモ (担当科目:英語)
第4試合 霧谷 千鳥VS山崎(やまざき) 秀樹(ひでき) (担当科目:理科)
第5試合 不屈野 英雄VS宵星 麻理亜 (担当科目:デュエル)
「なんで教師勢の隣に担当科目が表示されてんのよ!?」
「なんとなくさ!」
「なんとなくかよ!!さっきから色々と理由がアバウトすぎるわ!!」
千鳥と秋人によるボケとツッコミの応酬。
「そんなことより、コイツァまた団体戦のセオリーをガン無視したような組み合わせだねぇ。・・・・・少なくともオレらは」
さっきのくだりを『そんなこと』呼ばわりしたのはともかく、ケイトの言うことには頷ける。
「大丈夫だよ。・・・僕達に不可能はない」
それを否定したのはフユ。昨日まではノホホンとした雰囲気だったのだが、今日の彼は確かな闘志を秘めているように見えた。
「絶対に勝とう。―――という訳で頼んだよ、零士」
「無論だ。オレも敗けるわけにはいかないからな」
そう言って零士はデュエルリングに上がった。
零士がリングに上がった時、すでに対戦相手は待ち構えていた。
「レディを待たせるのは、どうかと思うけど?」
零士の相手である国語担当の村田先生は、50代のオバさん教師だ。基本毒舌だし見た目とかが相まって『魔女』なんてあだ名を付けられているが、実際はそんなに悪い教師ではなく、近しい生徒からはよくいじられている。
「・・・・・・・・・・」
「まあイケメンだから許すけど」
「・・・・・・・・・・」
零士は眉一つ動かさない。
「それでは!準決勝第一試合・・・、スタートだァァァァァァ!!!」
奈緒が何か言おうとしたところで秋人が口火を切った。
「・・・ッ!デュエル!」「・・・・・・・・・」
零士 LP8000
奈緒 LP8000
「オレの先攻。カードドロー」
ロクに喋らないのにこういう時だけはちゃんと喋る。
「《異次元の生還者》を召喚」
零士としてはスタンダードな初手モンスター。
異次元の生還者 星4 闇 戦士族 攻1800/守200
「さらに永続魔法《魂吸収》と、フィールド魔法《混沌空間》を発動」
周囲が暗くなり、地面に無数の曲線が浮かび上がった。
「これにより、ゲームから除外されたモンスター一体につき、カオスカウンターが一つ乗っていく。―――カードを一枚セットしてターンエンド」
零士 LP8000 手札2
モンスター/《異次元の生還者》
魔法・罠/《混沌空間》《魂吸収》リバース×1
「私のターン、ドロー!」
「この瞬間、《マクロコスモス》を発動。これで墓地へ送られるカードは全て除外される」
いきなり地獄の除外コンボが作られた。まあそれはともかく・・・、
「村田先生、どんなカードを使うのかしら・・・?」
千鳥の疑問もごもっともなので、早速公開してもらいましょう。
「私は手札の《魔轟神ソルキウス》を捨てて、《魔轟神獣ノズチ》を特殊召喚!」
現れたのは黄色い蛇みたいなモンスター。
零士 LP8000→LP8500
カオスカウンター 0→1
魔轟神獣ノズチ 星2 光 獣族 攻1200/守800
「モンスターどころかカードを墓地に送らせない零士に、モンスターを墓地へ捨てるのが基本の《魔轟神》か・・・・・。あの先生、終わったな♪」
そんな事をスマイルで言うケイトだったが、
「いや、油断はできない。何か仕掛けてくる可能性があるよ、零士!」
フユはそれを否定した。なんだか、昨日とはまた違う意味で様子がおかしい。
「《魔轟神獣ノズチ》の効果発動!このカードの効果で特殊召喚に成功した時、手札からレベル2以下の《魔轟神》と名のつくモンスター一体を特殊召喚できる!私は《魔轟神ミーズトージ》を特殊召喚!」
続けて現れたのは薄紫色の○ーダみたいなモンスター。
魔轟神ミーズトージ 星2 光 悪魔族 チューナー 攻400/守200
「そして《魔轟神グリムロ》を通常召喚!」
今度は黒い翼に黒い服、しかし肌の色は死人のように真っ白な女モンスター。
魔轟神グリムロ 星4 光 悪魔族 攻1700/守1000
「レベル2の《魔轟神獣ノズチ》とレベル4の《魔轟神グリムロ》に、レベル2の《魔轟神ミーズトージ》をチューニング!―――シンクロ召喚!現れなさい、《魔轟神ヴァルキュルス》!」
光の束の中から現れたのは黒い仮面をつけた屈強な悪魔神。
零士 LP8500→LP10000
カオスカウンター 1→4
魔轟神ヴァルキュルス 星8 光 悪魔族 攻2900/守1700
「いきなり攻撃力2900のモンスターを召喚するとはな。やっぱり、宵星先生の教えの賜物なのか?」
英雄が誰にともなく呟いた。
「バトル!《魔轟神ヴァルキュルス》で《異次元の生還者》を攻撃!」
ヴァルキュルスのアイアンクローが生還者を捕らえた。
零士 LP10000→LP8900→LP9400
カオスカウンター 4→5
「本来ならそれなりのダメージを与えられるはずだが、零士選手のライフ回復コンボで大したダメージにはならなぁ――――いッ!!」
以上、秋人の実況でした。
「私はこれでターンエンド!」
村田 LP8000 手札2
モンスター/《魔轟神ヴァルキュルス》
「エンドフェイズに除外された《異次元の生還者》が復活する」
いつも破壊されては蘇り、破壊されては蘇りを繰り返す生還者さん。
「そしてオレのターン、ドロー。――――――オレはモンスターを一体セット。さらに《異次元の生還者》を守備表示にしてターンエンド」
《異次元の生還者》は片膝を着いて防御の姿勢を取った。
零士 LP9400 手札2
モンスター/《異次元の生還者》リバース×1
魔法・罠/《混沌空間》《魂吸収》《マクロコスモス》
「私のターン、ドロー!」
ドローすると、少しの間考え込む。
(《異次元の生還者》を攻撃しても天城君のライフが回復するだけ。なら・・・)
「私は《魔轟神ヴァルキュルス》で伏せモンスターに攻撃!」
ヴァルキュルスが伏せモンスターに襲いかかると、伏せモンスターがその姿を見せた。その正体は金髪の女剣士だった。
異次元の女戦士 星4 光 戦士族 攻1500/守1600
「《異次元の女戦士》は戦闘を行った時、このカードと攻撃モンスターを除外できる」
すると女戦士と悪魔神は次元の狭間へと消えていった。
零士 LP9400→LP10400
カオスカウンター 5→7
「ええぇ〜・・・。カードを一枚セットしてターンエンド・・・」
「オレのターン、ドロー」
今度は零士が黙考した。
「このターンで決めさせてもらう」
しばらく黙って最初に発した言葉がこれだ。
「うそ!?私何げにライフ無傷だけど?」
長いこと生きてきた中年教師すら驚かせる零士。だが所詮数日前にデュエルを始めた素人。
「そう思っていたいなら思っていればいい。オレは《異次元の生還者》をリリースし、《邪帝ガイウス》をアドバンス召喚」
零士のデュエルでは出番がないことがないガイウスさん。
零士 LP10400→LP10900
カオスカウンター 7→8
邪帝ガイウス 星6 闇 悪魔族 攻2400/守1000
「《邪帝ガイウス》の効果発動。その伏せカードを除外させてもらう」
零士 LP10900→LP11400
これで相手のフィールドは完全にガラ空き。ゴーズや〈トラゴエディア〉さえ警戒すれば問題ない。
「次に《混沌空間》の効果発動。カオスカウンターを8つ取り除き、《異次元の生還者》と《異次元の女戦士》を特殊召喚」
再び現れた異次元コンビ。
「さらにオレの墓地にモンスターがいないことにより、〈ガーディアン・エアトス〉を特殊召喚」
そして止めと言わんばかりにエース召喚。
ガーディアン・エアトス 星8 風 天使族 攻2500/守2000
「これで終わりだ。―――女戦士、生還者、ガイウス、エアトスの順でダイレクトアタック」
三つの物理攻撃と闇の気弾が一斉に襲い掛かった。そして少し遅れて断末魔が。
村田 LP8000→LP0
「うぅッ・・・。こんなオバさんをいじめるなんて・・・。相手がイケメンだって期待してたのに・・・」
そう言って泣き崩れる(フリをした)村田先生。
「知るか。それ以前に、時々面食い発言しているが既婚者だろう?」
それだけを言って零士は早々にリングを後にしていく。そしてフユの正面に立った。
「勝ってこい」
「ああ、もちろんだよ」
準決勝のティーチャーズですが、真理亜先生以外は作者の高校にいた教師が元になったりしています。もちろん彼らは遊戯王は一切していません。
いよいよ次回はフユのデュエル。そしてなぜ彼がピリピリしていたのか理由が分かります。