ノーダメで圧勝して、悠々と戻ってきたフユ。
「圧勝だったじゃねえか、フユ」
そんなフユの肩をポンポンと叩くケイト。
「ありがとう。次はケイトの番だったよね。頑張ってね」
「おう!サクッと決めらぁ!」
そう言ってケイトはリングに上がった。
「Oh!Are you my opponent?(アナタが私の相手ですか?)」
英語を喋るこの対戦相手の名はスーザン シアモ。担当は英語でいわゆるALTである。
「Yes!My name is Kate Maeda. Nice to meet you!(ああ!オレの名は前田ケイト。よろしくな!)」
ケイトも英語で返した。
「それでは! It’s time to Duel!!」
「何でMCまで英語!?」
「「Duel!!」」
ケイト LP8000
スーザン LP8000
「オレのターン、ドロー!」
さすがにこの辺は日本語のようだ。
「まずは《BF‐蒼炎のシュラ》を召喚!」
最初に現れたのは、青いトサカに黒い翼のモンスターである。
BF-蒼炎のシュラ 星4 闇 鳥獣族 攻1800/守1200
「そして同名カード以外の《BF》がいるから、こいつらを特殊召喚!来い、ゲイル、ブラスト!」
BF-疾風のゲイル 星3 闇 鳥獣族 チューナー 攻1300/守400
BF-黒槍のブラスト 星4 闇 鳥獣族 攻1700/守800
これで《BF》の主力級モンスターが勢揃いしたことになる。
「行くぜ!レベル4の《BF-黒槍のブラスト》に、レベル3の《BF-疾風のゲイル》をチューニング!―――黒き旋風よ、天空へ駆け上がる翼となれ!シンクロ召喚!《BF-アーマード・ウィング》!」
颯爽と現れた(戦闘に関しては)無敵のモンスター。
BF-アーマード・ウィング 星7 闇 鳥獣族 攻2500/守1500
(ブラフにはなるか?《フェイク・フェザー》でもセットしとくか)
「最後にカードを一枚セットしてターンエンド!」
ケイト LP8000 手札2
モンスター/《BF-アーマード・ウィング》《BF-蒼炎のシュラ》
魔法/リバース×1
「ワタシのターン、ドロー!」
どうやらカタコトながらも日本語を話せるようだ。
「ワタシは《ジュラック・グアイバ》をNormal Summon!(通常召喚!)」
召喚されたのは背に炎を纏った小型の恐竜だ。
ジュラック・グアイバ 星4 炎 恐竜族 攻1700/守400
「サラニワタシはField Magic(フィールド魔法)《バーニング・ブラッド》をハツドウ!」
スーザンがディスクにカードをプレイするのと同時に、周囲にいくつもの噴火する火山がそびえ立った。
「コノeffect(効果)で炎属性のモンスターは攻撃力を500point up!And、守備力を400point downシマス!」
ジュラック・グアイバ 攻1700→2200/守400→0
「おいおい、マジかよ・・・!?」
苦笑するケイト。
「っていうか、ちょいちょい英単語出でくるの読みづらいんじゃない?」
千鳥の指摘も当然っちゃあ当然。
「でもまあデュエルでも英語は使われるわけだから、母国語が僕らより流暢なのは当たり前だよ」
フユが口を挟む。
「Battle!《ジュラック・グアイバ》で蒼炎のシュラを攻撃シマス!」
グアイバがシュラの喉元に喰らいついた。
ケイト LP8000→LP7600
「サラニ!《ジュラック・グアイバ》のeffectをハツドウシマス!コノカードがバトルでエネミー(相手)を破壊した時、デッキから攻撃力1700以下の《ジュラック》モンスター一体をSpecial Summon(特殊召喚)デキマス!タダシコノeffectでSummonされたモンスターは、このターン攻撃デキマセン。ワタシは《ジュラック・モノロフ》をSpecial Summon!」
場に現れたのは青い胴体に黄色い顔と四肢の、グアイバよりさらに小型の恐竜。
ジュラック・モノロフ 星3 炎 恐竜族 チューナー 攻1500→2000/守1200→800
「ソシテ、レベル4の《ジュラック・グアイバ》に、レベル3の《ジュラック・モノロフ》をチューニング!―――Synchro Summon!(シンクロ召喚)カモン、《ジュラック・ギガノト》!」
地面を踏み鳴らし、咆哮をあげたのはさっきのモノロフをより巨大化、凶暴化させたようなモンスターだ。
ジュラック・ギガノト 星7 炎 恐竜族 攻2100→2600/守1800→1400
「コノモンスターがイル時、フィールドの《ジュラック》モンスターはセメタリー(墓地)の《ジュラック》モンスター一体につき攻撃力を200ポイントアップシマス!」
ジュラック・ギガノト 攻2600→3000
「ワタシはカードを一枚セットしてターンエンドデス!」
スーザン LP8000 手札3
モンスター/《ジュラック・ギガノト》
魔法・罠/リバース×1
「へっ!攻撃力が3000だろうと10000だろうと、アーマード・ウィングの前では無意味だってことを教えてやるよ!オレのターン!」
ケイトはロクにドローしたカードを見もしない。
「バトル!《BF-アーマード・ウィング》で《ジュラック・ギガノト》に攻撃!ブラック・ハリケーン!」
アーマード・ウィングのパンチがギガノトに直撃するが、どちらも破壊はされない。しかしアーマード・ウィングが殴った箇所には黒い楔が。
「これでその恐竜には楔が打ち込まれたぜ」
「クサビ?」
「That’s right(その通り)!アーマード・ウィングが攻撃したモンスターには、楔カウンターが乗る。そして次のオレのターンでその楔カウンターを外せば、攻守が0になる!」
「Oh my God!!」
相手は少しオーバーなリアクションを取った。
「ケイトー、あんまり中途半端に英語使ってると元キャラが伊達の人だと思われるよー」
フユが余計な注意を促す。
「オレをあんなチャラ男と一緒にすんなよ」
「てゆーかアンタらなんつー会話してんのデュエル中に!!あと全国の筆頭ファンの方々、すいません!」
そんな外野のやり取りなどお構いなしにデュエルは進む。
「オレはこれでターンエン・・・」
「チョットMa☆tteクダサーイ!」
真ん中がアルファベット表記になっているが、あえてつっこまない。
「アナタのエンドフェイズにトラップカード《ジュラック・インパクト》をハツドウシマース!コノカードは、攻撃力2500以上の《ジュラック》がイル時にハツドウデキマス。ソノ効果は、フィールドのカードを全て破壊シマース!」
「マジかよ!?」
ノリノリで説明するスーザンと、慌てるケイト。
そして天高く飛翔したかと思うと隕石のように落下してきたギガノト。
ズドォォォォォン――――――――。
爆煙が消えると、そこにはアーマード・ウィングも、火山も、何も残っていなかった。
「オォ―――ットォ!!スーザン先生のナイス判断により、フィールドがガラ空きのままケイト選手はターンを渡すことになってしまった!!」
「チッ、ターンエンド」
ケイト LP7600 手札3
「Yeah!ワタシのターン、ドロー!―――ワタシは《ジュラック・ヴェロー》をNormal Summon!」
更地となったフィールドに最初に現れたのは頭部は赤、手足は青、胴は黄緑色という、なんともカラフルな恐竜で、大きさはグアイバと同じくらいだ。
ジュラック・ヴェロー 星4 炎 恐竜族 攻1700/守1000
「イキマス!《ジュラック・ヴェロー》でDirect Attack!」
小型の肉食恐竜は躊躇なくケイトの腕に噛み付いてきた。
「イデッ!!」
ケイト LP7600→LP5900
「ワタシはカードを二枚セットしてターンエンドデス!」
スーザン LP8000 手札1
モンスター/《ジュラック・ヴェロー》
魔法・罠/リバース×2
「なんだか押され気味だな、ケイトのやつ。ちょっと不味くないか?」
ここで始めて英雄が喋った。
「大丈夫。―――始まるよ、ケイトの逆襲が」
「いやそれ王様のセリフパクったわよね!?っていうかパクるならもうちょっとメジャーなセリフパクりなさいよ!」
「だがフユの言っていることは正しい。あの女ほど絶望や諦めという言葉の似合わない者はいない」
夫婦漫才に零士が割って入った。それにケイトの顔を見ても諦念の色は伺えない。むしろ燃えてきているように見えた。
「行っくぜぇ〜。オレのターン、ドロー!!――――ヘッ」
ドローしたカードを見て、ケイトはニヤリとした。
「オレは永続魔法《黒い旋風》を発動!」
「出たああァァァ!!《黒い旋風》!!これは大量展開が予想されるぞ―――ッ!!」
MC秋人の実況で観客も盛り上がる。
「相手フィールドにのみモンスターがいることにより、《BF-暁のシロッコ》をリリースなしで召喚!」
ケイトの場に現れたのは鳥の被り物を被った男。だが鳥の手足や黒い翼が生えている。
BF-暁のシロッコ 星5 闇 鳥獣族 攻2000/守900
「《黒い旋風》の効果発動!オレは二枚目の《BF-黒槍のブラスト》を手札に加え、コイツを特殊召喚!」
徐々にケイトのフィールドのモンスターが増えていく。
「さらに魔法カード《死者蘇生》を発動して、オレの墓地の《BF-アーマード・ウィング》を特殊召喚!」
そしてケイトのエースモンスターも復活した。
「バトルだ!《BF-暁のシロッコ》で《ジュラック・ヴェロー》を攻撃!ダークウィングスラッシュ!」
シロッコの鉤爪がヴェローを捕らえた。
スーザン LP8000→LP7700
「《ジュラック・ヴェロー》のeffectをハツドウシマース!攻撃表示のコノモンスターがバトルで破壊された時、デッキから攻撃力1700以上の《ジュラック》モンスターをSpecial Summonデキマス!ワタシはもう一体の《ジュラック・ヴェロー》を召喚シマス!」
再び場に出た小型の肉食恐竜。
「だったらそいつもぶっ倒すまでだ!行けっ、アーマード・ウィング!ブラック・ハリケーン!」
これもクリーンヒットする。
スーザン LP7700→LP6900
「モウイチド《ジュラック・ヴェロー》のeffectを使いマス!《ジュラック・プティラ》を守備表示でSpecial Summonデス!」
次に現れたのはプテラノドンのようなモンスター。
ジュラック・プティラ 星3 炎 恐竜族 攻800/守1500
「だったらブラストで《ジュラック・プティラ》に攻撃だ!貫通効果も受けてもらうぜ!」
ブラストは飛翔し、その槍でプティラを貫いた。
スーザン LP6900→LP6700
「《ジュラック・プティラ》のeffectをハツドウシマス!コノカードのダメージ計算の後、攻撃モンスターを手札にモドシマス!」
ブラスト、速攻退場。
「サラニ!守備表示の《ジュラック》モンスターが破壊サレタノデ、手札の《ジュラック・ヘレラ》をSpecial Summonシマス!」
二本の火炎放射器を担いだ恐竜が召喚される。
ジュラック・ヘレラ 星6 炎 恐竜族 攻2300/守1500
(攻撃力2300か・・・。どっちにしろブラストは出さない方がいいな)
「オレはこれでターンエンド!」
ケイト LP5900 手札2
モンスター/《BF-暁のシロッコ》《BF-アーマード・ウィング》
魔法・罠/《黒い旋風》
「ワタシのターン、ドロー!―――――Oh!」
また少々オーバーリアクションを取るスーザン先生。
「ワタシはMagic card《貪欲な壺》をハツドウデス!」
「ここでドロー強化かよ・・・」
「ワタシは墓地のギガノト、グアイバ、モノロフ、ヴェロー二体をデッキに戻し、デッキから二枚ドローシマス!」
ドローしたカードを見て、ちょっとシンキングタイム。
「――――ワタシは手札を一枚墓地へ送って永続トラップ《化石発掘》をハツドウデス!コノカードは、墓地の恐竜族モンスターを一体Special Summonシマス!ワタシが選ぶのは《ジュラック・プティラ》デス!」
蘇るプテラノドン。
「マダデス!〈ジュラック・アウロ〉を召喚デス!」
今度は下半身に卵の殻がくっついているかなり小型の恐竜だ。
ジュラック・アウロ 星1 炎 恐竜族 チューナー 攻200/守200
「ワタシはレベル6の《ジュラック・ヘレラ》と、レベル3の《ジュラック・プティラ》に、レベル1の《ジュラック・アウロ》をチューニング!―――Synchro Summon!カモン、《ジュラック・メテオ》!」
光の束から現れたのは様々な恐竜が集合した、まるで隕石のようなモンスターだ。
ジュラック・メテオ 星10 炎 恐竜族 攻2800/守2000
「おーおーこいつぁまたバカでけえモンスターを・・・!」
ケイトが引きつった笑みを浮かべた。
「マダマダコレカラデース!コノモンスターでアナタに大ダメージアゲマース!恐竜のパワー、思い知ってクダサーイ!」
勘のいい読者はうっすら予想できていると思いますが、今回対戦しているティーチャーズは、全員ターミナル出身のカードを使います。ターミナル出のカードは本当に強力なものばかりですね。¥は飛んでいきますが。
さて、次回はケイトのデュエルの続きと千鳥のデュエルの、豪華二本立てとなります。