「決まったぁ――――っ!!デュエルフェスタ決勝戦、第三試合は、チームACEの勝利だぁ――――っ!!」
というわけで、【BF】使いなら一度はやってみたい(え?そうでもない?)墓地から罠発動がキーとなって三戦目はケイトの勝利である。
「いいデュエルだったねケイト」
戻ってきたケイトに声をかけたのはもちろんフユである。
「サンキューな。とりあえず、流れは作ってやったから、後は任せたぜ。イケメンコンビ」
そう言ってケイトは千鳥、英雄の方へ歩き出す。ちなみにフユと零士はリングのすぐそば、千鳥と英雄はその5メートル程後ろにいる。
「ハハ、任されちゃったね。どうする?イケメンその2」
フユは笑いながら零士の肩に手を置いた。
「誰がその2だ」
零士はすぐに手を払いのける。
「決まっている。このイベントでのオレの目標は優勝だ。ならば勝つしかあるまい」
そう言うと零士はリングに上がった。
「・・・・・遅かったわね」
これは千鳥ではなく零士の相手である。
「ああ・・・・・・」
零士もそれだけ返す。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
二人共驚く程会話がない。
ちなみに相手は相手チーム唯一の女子である。黒紫色のツインテールで、セームベルよりは背は高いが、それでも小学校高学年と言えば納得されるぐらい小柄な美少女だ。
「おい、あの女本当は小学生なんじゃないか?」
英雄が傍らにいたケイトに言った。
「・・・・・・」
すると少女は制服の内ポケットから何かのスイッチを取り出した。前に零士も似たようなことをやったが、彼の場合はロウソクみたいな形で、彼女のはテレビ番組の罰ゲームのスイッチみたいだった。で、それを押すと、
ガァ―――――ン!
天井からタライが落ちてきて、見事に英雄の脳天に直撃した。で、英雄は白目をむいて気絶したんだが、特に誰も気にしていない。ただただ皆
(『ちっさい』の類のワードを言ったらダメだ!)
そう思っていた。
「さ、さあ――――――っ!!少々横道にそれてしまったが、デュエルフェスタ決勝戦、第四試合のスタートだぁ――――――!!!」
「「・・・・・・・」」
零士 LP8000
豊橋 LP8000
「いや何か喋れや!!」
どっちも喋らないもんだから千鳥も思わずつっこんでしまう。
「オレのターン、ドロー。―――オレは《異次元の生還者》を召喚」
異次元の生還者 星4 闇 戦士族 攻1800/守200
「さらに永続魔法《魂吸収》を発動し、カードを一枚伏せてターンエンドだ」
零士 LP8000 手札3
モンスター/《異次元の生還者》
魔法・罠/《魂吸収》リバース×1
零士にとっては定番のスタートである。
「私のターン、ドロー」
「永続罠、《マクロコスモス》を発動」
相手がドローしてすぐ《マクロコスモス》を発動するのも相変わらずである。
「・・・・・・貴方のその単調なコンボ、このターンで崩させてもらう」
「何?」
「貴方達のデュエルは全て見ていた。今までのデュエリストと同じとは思わないで。―――私は《聖刻龍―トフェニドラゴン》を特殊召喚」
召喚されたのは白い龍だ。そして金色の鎧を纏っている。
聖刻龍―トフェニドラゴン 星6 光 ドラゴン族 攻2100/守1400
「このカードは相手フィールドにのみモンスターがいる時特殊召喚できる。さらに私は《聖刻龍―アセトドラゴン》をリリースなしで召喚」
今度は紫色のドラゴンだ。こちらも似たような鎧を着ている。
聖刻龍―アセトドラゴン 星5 光 ドラゴン族 攻1900/守1200
「このモンスターは攻撃力を1000にすることでリリースなしで召喚できる」
聖刻龍―アセトドラゴン 攻1900→1000
「そしてこのカードは《聖刻》と名のつくモンスター一体をリリースして特殊召喚できる。私はアセトドラゴンをリリースして、《聖刻龍―ネフテドラゴン》を特殊召喚」
次に現れたドラゴンはアセトドラゴンによく似ているが、鎧の細部が異なる。
零士 LP8000→LP8500
聖刻龍―ネフテドラゴン 星5 光 ドラゴン族 攻2000/守1600
「さらにアセトドラゴンの効果発動。このカードがリリースされた時、手札・デッキ・墓地からドラゴン族の通常モンスターを一体、攻撃力と守備力を0にして特殊召喚する。私はデッキから《神龍の聖刻印》を特殊召喚」
するとでっかい金色の球体が出現した。中央には目のようなマークがある。よく見ると他の《聖刻》モンスターにも同じマークがあった。
神龍の聖刻印 星8 光 ドラゴン族 攻0/守0
「さらに私はトフェニドラゴンとネフテドラゴン、攻撃力が2000以上のモンスター二体をリリース」
この召喚条件で彼女が何をしようとしているのか分かった人もいると思いますが、もうしばらくお付き合いください。
零士 LP8500→LP9500
「闇に輝く銀河よ、希望の光になりて、我が僕(しもべ)に宿れ。光の化身、ここに降臨。現れろ、〈銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)〉(棒)」
「いや(棒)て!」
千鳥のツッコミはともかく、青い光を放つ対エクシーズ最強とも言えるドラゴンが召喚された。
銀河眼の光子竜 星8 光 ドラゴン族 攻3000/守2500
「そして今リリースされたトフェニドラゴンとネフテドラゴンも、リリースされた時にアセトドラゴンと同じ効果がある。私は《神龍の聖刻印》と《ガード・オブ・フレムベル》を守備表示で特殊召喚」
続けて現れたのはさっきと同じ球体と全身に炎を纏った小さいドラゴンだ。
ガード・オブ・フレムベル 星1 炎 ドラゴン族 チューナー 攻100→0/守2100→0
「さらに私は《銀河眼の光子竜》と《神龍の聖刻印》二体でオーバーレイ。―――逆巻く銀河よ、今こそ、怒涛の光となりてその姿を現すがいい。降臨せよ、我が魂。《超銀河眼の光子龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)》(棒)」
流石に本家のように赤い槍を天井に向けてぶん投げたり、よく分からない赤いオーラを纏ったりはしないようだ。
超銀河眼の光子龍 ランク8 光 ドラゴン族 攻4500/守3000
「《銀河眼の光子竜》をエクシーズ素材としてこのカードがエクシーズ召喚に成功した時、フィールドに表側表示で存在するカードの効果を無効にする。フォトン・ハウリング」
ネオ・ギャラクシーアイズは口と翼にある二つの顔らしき部分から音波を発生させた。
「そうきたか・・・・・」
零士も内心どう思っているのかは分からないが、仏頂面は崩していない。
「バトル。《超銀河眼の光子龍》で《異次元の生還者》を攻撃。アルティメット・フォトン・ストリーム」
ネオ・ギャラクシー・アイズの放った波動は《異次元の生還者》を一瞬で破壊する。
零士 LP9500→LP6800
「《マクロコスモス》も《魂吸収》も無効化しているから、モンスターは除外されないし、ライフも回復しない」
「だがまた《次元の裂け目》か新しい《マクロコスモス》を発動すればいいだけだ」
「そんな運任せのデュエルでは、私は倒せない。私はこれでターンエンド」
豊橋 LP8000 手札2
モンスター/《超銀河眼の光子龍》《ガード・オブ・フレムベル》
「オレのターン、ドロー。―――オレは《光の護符剣》を発動」
相手のフィールドに何本もの光の剣が突き刺さった。
「うっし!これで3ターンはしのげる!」
「その間に体制を整えれば・・・!」
「オレはモンスターを一体セット。さらにカードを二枚セットしてターンエンドだ」
零士 LP6800 手札0
モンスター/リバース×1
魔法・罠/《魂吸収》《マクロコスモス》《光の護封剣》リバース×2
しかしケイトや千鳥の期待とは裏腹に特に反撃の兆しは見えない。
「打つ手なしのようね。なら私のターン、ドロー。―――私は魔法カード《召集の聖刻印》を発動。このカードはデッキから《聖刻》と名のついたモンスター一体を手札に加える。私は《聖刻龍―ネフテドラゴン》を選択し、《ガード・オブ・フレムベル》をリリースしてアドバンス召喚」
二体目のネフテドラゴン。さらなる連撃が予想される。
「おい地の文!俺が言えそうな台詞取るなよ!途中俺空気みたいになるんだから!」
ここで秋人が軽くキレた。
「くだらないやり取りは放っておいて、私はネフテドラゴンをリリースして、《聖刻龍―シユウドラゴン》を特殊召喚」
ネフテドラゴンの姿が消え、代わりに現れたのはそこそこ大きい水色のドラゴンだ。
聖刻龍―シユウドラゴン 星6 光 ドラゴン族 攻2200/守1000
「ネフテドラゴンの効果で、デッキから《エレキテルドラゴン》を特殊召喚」
青白い竜が姿を見せた。尾には雷が迸っている。
エレキテルドラゴン 星6 光 ドラゴン族 攻2500→0/守1000→0
「シユウドラゴンには、このカード以外の《聖刻》モンスターを一体手札かフィールドからリリースすることで相手の魔法・罠カードを一枚破壊する効果がある。―――でも今それを満たすカードはない。だから私は《聖刻龍―シユウドラゴン》と《エレキテルドラゴン》でオーバーレイ。―――二体のドラゴン族モンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。現れよ、《聖刻龍王―アトゥムス》」
現れたのは紫色のドラゴン。しかしネフテドラゴンやアセトドラゴンと違って、こちらは人間のように二足歩行型だ。
聖刻龍王―アトゥムス ランク6 光 ドラゴン族 攻2400/守2100
「ターンエンド」
豊橋 LP8000 手札1
モンスター/《超銀河眼の光子龍》《聖刻龍王―アトゥムス》
彼女のエンド宣言で剣の三分の一が消滅した。
「オレのターン、ドロー。―――オレは《メタモルポット》を反転召喚」
メタモルポット 星2 地 岩石族 攻700/守600
「《メタモルポット》のリバース効果を発動。互いに手札を全て捨て、デッキからカードを五枚ドローする」
「これで《マクロコスモス》か《次元の裂け目》が手札にくれば・・・!!」
ケイトは期待に目を輝かせた。
が、
「・・・・・・ターンエンド」
零士 LP6800 手札5
モンスター/《メタモルポット》
魔法・罠/《魂吸収》《マクロコスモス》《光の護封剣》リバース×2
零士は何もしなかった。いや、顔を少し俯け、腕がダラリと垂れる。
「え?ちょっと、どうゆうこと?そんなに手札が悪かったの!?」
千鳥は悲痛な声を上げた。
「いや、多分そうじゃない」
フユも苦しそうな顔をしていた。
「じゃあどうして!?」
「クソッ、そういうことかよ・・・!千鳥、アイツの魔法・罠ゾーンを見てみろ」
ケイトも何かに気付いたようだ。
「魔法・罠ゾーン・・・・・。――――――!!」
千鳥もやっと零士が何もできない理由が分かった。
「カードを置くスペースがない・・・・・・」
そう。零士の魔法・罠ゾーンには効果が無効になっている《マクロコスモス》と《魂吸収》。そして《光の護符剣》と伏せカードが二枚。つまり新たに魔法カードや罠カードを発動することができないのだ。
「《メタモルポット》の効果で受ける損失を減らしたかったのだろうけど、初歩的なミスね」
相手は冷たく言い放った。
「私のターン、ドロー。―――――せめてデュエリストとして、私の全力で倒してあげる。私は《聖刻龍王―アトゥムス》の効果を発動。エクシーズ素材を一つ取り除いて、このカードの攻撃を放棄する代わりにデッキからドラゴン族モンスター一体を攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する。私は《聖刻龍―アセトドラゴン》を特殊召喚」
聖刻龍王―アトゥムス ORU 2→1
聖刻龍―アセトドラゴン 攻1900→0/守1200→0
「次に私は《ドラゴラド》を召喚」
今までの《聖刻》と異なり、黒紫色で黒い鎧を着たドラゴンが召喚される。
ドラゴラド 星4 闇 ドラゴン族 攻1300/守1900
「《ドラゴラド》には召喚成功時に墓地の攻撃力1000以下の通常モンスター一体を表側守備表示で特殊召喚できる効果があるけど、これも今回は使わない。でももう一つの効果は使う。私はドラゴン族モンスターであるアセトドラゴンをリリースして、《ドラゴラド》を選択する。これで《ドラゴラド》はこのターンのエンドフェイズまでレベルが8になり、攻撃力も800ポイントアップする」
ドラゴラド 星4→8 攻1300→2100
「さらにリリースされたアセトドラゴンの効果発動。デッキから〈神龍の聖刻印〉を特殊召喚」
これでレベル8のモンスターが二体揃ってしまった。
「私は《神龍の聖刻印》と《ドラゴラド》でオーバーレイ。―――二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。殲滅せよ、《聖刻神龍―エネアード》」
現れたのは、ネオ・ギャラクシーアイズと同じぐらい巨大で、神の名を冠するのに相応しい神々しさを兼ね備えた真紅のドラゴンだ。
聖刻神龍―エネアード ランク8 光 ドラゴン族 攻3000/守2400
「エネアードは、手札とフィールドのモンスターを任意の枚数リリースすることで、相手フィールドのカードを破壊する効果がある。貴方の《メタモルポット》の効果で、今の私の手札は五枚。貴方のフィールドをガラ空きにするのはわけない」
彼女は零士のように表情を少しも崩さない。
「このターンで、貴方の敗け」
「う、う〜ん・・・・・・」
ここにきてやっと英雄が目を覚ました。
「何があったんだ?デュエルはどうなった?」
寝ぼけ眼で辺りを見回していたが、リングの状況を見て、完全に正気に戻った。
「お、おい!零士のフィールドには攻撃表示の《メタモルポット》が一体だけで、相手のフィールドはなんかヤバそうなドラゴンが三体もいて、挙げ句の果てに全然ダメージ受けてないって、どういうことだよ!?」
英雄がまくし立てても三人とも気まずそうに目をそらし、何も答えようとしない。
「・・・・・・!!おい、零士!!」
英雄はじれったくなって今度は零士に喰ってかかる。
「よく分かんねえけど、お前には優勝しなきゃいけない理由があるんだろ!?あと一歩なんだぞ!!ここまで来て諦めんのかよ!?」
「・・・・・・・・・・」
零士は下を向いたまま何もしようとしないし、何も言葉を返さない。
「どうやら貴方はここで諦める程度のデュエリストだったみたいね。私はエクシーズ素材を一つ取り除いて、《聖刻神龍―エネアード》の効果を発動。手札のモンスター四体をリリースして、貴方のフィールドの《光の護符剣》、《メタモルポット》、伏せカード二枚を破壊する」
聖刻神龍―エネアード ORU 2→1
エネアードは両方の手の平を前方に突き出し、四つの小さな球体を零士のフィールドに放った。
「「「「零士!!!」」」」
四人の声が重なる。
もう少しで球体が直撃する。その時だった。
「速攻魔法発動。《グランドクロス》」
直後、眩い閃光がフィールドを覆う。
「え?」
相手の少女は始めて驚いた顔をした。しかし驚いたのは彼女だけではないだろう。
「これでフィールドのモンスターは全滅し、お前は300ポイントのダメージを受ける」
そこにはいつものように仏頂面で、相手を射抜くように鋭い目をした零士がいた。
豊橋 LP8000→LP7700
「悪いがひと芝居うたせてもらったぞ」
「なぜそんなことをしたの?」
「最初のターンで、お前が只者じゃないことはなんとなく分かった。そんな相手にいつものようにガイウスで除外したり《ネクロフェイス》で力押しなどという単調な手は通用しないだろう。だからスキをついて一撃で仕留めることにした」
「つまり、次の貴方のターンで、このデュエルに勝つというの?」
「そうだ」
そう言うと零士は指を突きつけた。
「俺が諦念したと思い込み、全力を出しすぎた。それが、お前の唯一にして最大のミスだ」
「でもまだ終わらせない。さっきエネアードでリリースしたモンスターの中には、トフェニドラゴンとシユウドラゴンがいた。よって二体の効果で《アレキサンドライドラゴン》二体を攻撃力・守備力を0にして特殊召喚」
体表が鉱石でできているドラゴンが二体、フィールドを飛ぶ。
アレキサンドライドラゴン 星4 光 ドラゴン族 攻2000→0/守100→0
「《アレキサンドライドラゴン》二体で、オーバーレイ。―――二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。《竜魔人 クィーンドラグーン》」
上半身は金髪の少女、下半身は炎の竜というモンスターが姿を見せる。
竜魔人 クィーンドラグーン ランク4 闇 ドラゴン族 攻2200/守1200
「《竜魔人 クィーンドラグーン》でダイレクトアタック」
クィーンドラグーンは龍を模した杖から火炎を放った。
零士 LP6800→LP4600
「・・・・・・・・」
いつものように零士はどれだダメージを受けても眉一つ動かさない。
「・・・・・私はこれでターンエンド」
豊橋 LP8000 手札1
モンスター/《竜魔人 クィーンドラグーン》
「オレのターン、ドロー。―――オレは《魂の解放》を発動。オレの墓地の《メタモルポット》、《異次元の生還者》をゲームから除外する」
「よし!これで零士の墓地にモンスターはいなくなった!」
ギュッと拳を握ったフユ。
「オレの墓地にモンスターがいない時、このモンスターは特殊召喚できる。出でよ、《ガーディアン・エアトス》」
ガーディアン・エアトス 星8 風 天使族 攻2500/守2000
「でも、そのモンスター一体で勝負を決められるというの?」
「ああ。―――オレは《団結の力》を《ガーディアン・エアトス》に装備」
ガーディアン・エアトス 攻2500→3300/守2000→2800
「そしてエアトスの効果発動。このカードに装備されているカードを墓地に送り、相手墓地のモンスターを三体まで除外し、除外したモンスター一体につきエンドフェイズ時まで攻撃力が500ポイントアップする。オレは《団結の力》を墓地へ送り、お前の墓地の《超銀河眼の光子龍》、《聖刻神龍―エネアード》、《聖刻龍王―アトゥムス》を除外する。聖剣のソウル」
相手デュエルディスクの墓地のスロットから三つの小さい球体が飛び出し、エアトスに吸い込まれた。
ガーディアン・エアトス 攻3300→2500→4000/守2800→2000
「そんな効果があったなんて・・・」
「お前の使うカードは墓地にモンスターが溜まりやすい。故にこれが最も効果的だと判断した。――――ちなみにさっきセットしていたもう一枚のカードは《次元の裂け目》だ」
「でも《ガーディアン・エアトス》の攻撃力はまだ4000。このターンで倒すことは不可能」
「確かに、『一回なら』倒せないな」
「ということは・・・・・」
「一つ言っておく。今のオレの手札はチューナーを五回連続で引き当てるより低確率だろう。―――オレは《黒いペンダント(ブラック・ペンダント)》三枚をエアトスに装備」
「うわ、これはホントにサブタイ通りだね」
フユも軽くひいている。
ガーディアン・エアトス 攻4000→5500
「エアトスの効果を発動。《黒いペンダント》三枚をゲームから除外し、お前の墓地の《神龍の聖刻印》三枚、《エレキテルドラゴン》、《ドラゴラド》、《聖刻龍―トフェニドラゴン》、《ガード・オブ・フレムベル》、《聖刻龍―ネフテドラゴン》、《聖刻龍―アセトドラゴン》の、合計九枚のカードをゲームから除外する」
次々と光る球体がエアトスに吸い込まれていった。
ガーディアン・エアトス 攻5500→4000→8500
「さらに《黒いペンダント》の効果により、一枚につきお前のライフに500ポイントのダメージを与える」
豊橋 LP7700→LP6200
「これで終わりだ。《ガーディアン・エアトス》で《竜魔人 クィーンドラグーン》を攻撃。精霊のオペラ」
エアトスは高音の声を発し、それは強力な衝撃波となってクィーンドラグーンを襲った。
豊橋 LP6200→LP0
「デュエルフェスタ決勝戦、第四試合はチームACEの勝利!!これで優勝の行方は最終戦まで持ち越された――――――――!!!」
このドラマチックな展開に生徒達もかなり盛り上がる。
「零士、色んな意味ですごかったよ今のデュエル。一時はどうなることかと思ったけど」
「当然だ。オレの目標はあくまで優勝。こんなところでつまずくわけにはいかないんだ」
相変わらずニコリともしない零士だったが、言葉の中には確かな信念が垣間見えた。
「うおおおおおお――――――――っ!!!零士ィ―――――――――!!!!」
ものすごく馬鹿デカイ声で突っ走ってきたのは半泣きの英雄。感動のあまり抱きつこうとしているのか、両腕を広げている。
「近寄るな、暑苦しい」
すぐに顔面に蹴りを入れられて近づけなかったけど。
「第一、喜ぶにはまだ早い」
そう言うと零士はジッと彼らのリーダーを見据えた。
「勝て、フユ」
「・・・・・うん」
フユの顔は自信に満ちていた。
この小説はフィクションです。なので《黒いペンダント》が一度に3枚も来るなんてことは相当不思議なシャッフルをしない限り無理です。
そして次回、ついにフユと龍一が激突し、デュエルフェスタの優勝チームが決まります。
ちなみにすぴばる版第六十八話を見た読者はご存知でしょうが、今回対戦した二人はのちの超クーデレ(クールデレという意味、のはず!)カップルです。