遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

50 / 67
第五十話 「ロボットは全ての少年達のロマン」

 世界を救うために精霊世界まで来たというのに、何故かコスプレしてデュエルの大会に出たアホ、もといフユ。しかし対戦相手がはぐれてしまった一人零士だったので白熱するデュエルを繰り広げる二人。そしてエアトスの攻撃がカオス・ソルジャーに直撃しようとした時、アーマード・ウィングが割って入る。直後気絶した千鳥と英雄を担いだケイトが降り立った。

 

 

 

「ケイト!!千鳥と英雄も!どうやってここに!?」

「決まってんだろ。あの門くぐってこっちまで来たんだよ。―――にしてもお前ら二人して何やってんだよ。二つの世界の一大事って時に仲間同士でやりあっても意味がないだろ」

「校長はどうした?旧校舎にいなかったのか?」

「あぁ、それはよぉ・・・・。説明すんのメンドクセーから回想シーン入るわ。はい、ホワンホワンホワワ〜ン」

「いや回想に入る音自分で入れなくていいよ!!」

「あ、そうそう。こっから先は回想だけど普段どうり地の文は三人称視点だぜ!」

「その説明も・・・、いらないわよ・・・・・」

 

 久々の(やっと気が付いた)千鳥のツッコミで、回想スタート。

 

 

 

 時間は遡り、生徒会室前の廊下。偶然ケイトがそこを通りかかっていた時、生徒会室の中から声が聞こえてきた。

 

(コイツは・・・、会長さんの声か?)

 

 で、ケイトは何か面白そうな話でもしてるんじゃないかと窓を覗き込んだり、扉に耳を当てて盗み聞きを始めた。

 

(おいおい・・・。コイツは・・・!!)

 

 その話はケイトにとっては確かに面白い話だったが、予想を超えていた。まず例のマークの話、そして精霊世界の存在、さらにはその世界がピンチでこっちの世界にもいずれ危険が及ぶということ。そして何より四人が精霊世界を救いに行くということ。

 

「・・・・・・」

 

 ケイトは大体の話を聞くとダッと駆け出した。

 

 

 

 ケイトが向かった先は自分達の教室だった。

 

「おい!!千鳥と英雄はいるか!?」

 

 教室に入った途端大声を上げたケイトに皆ビックリした。

 

「教室戻ってきて早々どうしたのよ?」

 

 運良く二人共教室にいた。

 

「よし、お前ら。デッキとデュエルディスク用意しな」

「え?あ、ああ」

 

 ケイトに言われるがままに千鳥と英雄はデッキをデュエルディスクにセットし、ディスクを装着した。

 

「で、どうすんの?これから私と英雄でデュエルでもするの?」

「いいや」

 

 首を横に振ったケイトは二人の腰の辺りに腕をかけると軽々と持ち上げた。

 

「うわっ!?何すんだよ!?」

「あ?なんか千鳥の方が重てぇ気がすんだけど?」

「ちょっ、そんなわけないでしょ!!」

 

 顔を真っ赤にして否定する千鳥。

 

「ま、その辺はどうでもいいや。行くぞ」

「行くってどこに?」

 

「異世界」

 

「「は、はぁ!?」」

 

 普段から奇抜な言動の多いケイトだったがこれには驚かされた。

 

「もっと分かりやすく説明してよ!」

「ワリィな。それは・・・、移動しながら言う!!」

 

 ケイトは風のごとく教室を出ていった。

 

「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

 千鳥と英雄にとってはまるで後ろ向きの状態でジェットコースターに乗っているようだった。

 

「ちょっとーっ!!!こんなに急いでどうしたのよ―――っ!!!」

「ああ。そいつはな・・・・・・」

 

 カクカクシカジカでよ・・・。と、生徒会室での話をあらかた説明した。

 

「そんなことが・・・」

 英雄もこれには驚きを隠せなかった。

「モンスターの精霊っていうのはある程度知ってたけど、まさかそんなことになってたなんて・・・!!」

「っつーわけだ。無理矢理連れてきたけど、どうする?それでも行くか?」

 

 

「当然だ/よ!!」

 

 

 二人共即答だった。そしてその答えにケイトはニヤリと笑った。

 

「決まりだな。オレ達も精霊世界、行ってやろうじゃねえか!!」

 

 そう言ってケイトはさらに加速した。

 

 

 

 ケイトのスピードなら普通に廃校舎まで行けば簡単に追いついただろう。しかし悲しいかな、最初に向かった先は屋上だった。しかし当然誰もいないし何もない。

 

「くそ、ここじゃねぇのかな?」

 

 三人は辺りを見回すがそれらしいものは見つからなかった。

 

「あ、もしかしたら!」

 

 思い出したように言ったのは千鳥。

 

「廃校舎にいるかもしれないわよ!前にあそこで精霊絡みの事件があったから」

「廃校舎だな。よ〜し・・・」

 

 それを聞いたケイトはジッと廃校舎の方を見た。

 

「おっ。いたいた。フユに零士に先輩さんに春!それと校長だ!」

 

 かなり距離があるはずなのに見えるの?とか聞いてはいけない。なぜならそれがケイトなのだから。

 

「よっしゃあ!待ってろよお前ら!!」

 

 再びケイトは二人を担ぎ上げた。だが今度はこともあろうに屋上から助走をつけて飛び降りようとした。

 

「イヤアアアッ!!!ストップストップストップ!!!」

 

 あと一歩踏み出せば確実に三人とも空中というところでケイトは止まった。

 

「っと。これじゃ流石に無傷でいられるのはオレぐらいか」

 

 というわけで階段を使って(それでも結構なスピードが出てるけど)廃校舎まで向かう一行なのだった。

 

 

 

 廃校舎に足を踏み入れた三人。というか実際に走っているのはケイト一人なのだが、それは置いておいて、だ。とりあえず一階の廊下を突っ走っていると彼女は二つのものを見つけた。

 一つは○リアンが移動に使っているような異次元に続いていそうな穴。そしてもう一つは、というより、もう一人はその穴の前でこちらの行く手を阻むように立っている男が一人。校長である。ケイトは二人を下ろした。

 

「どいてくんねぇかな校長?オレ達はソイツ通って精霊世界ってとこに行かなきゃならねぇんだ」

「君達こそ、学校に戻ってくれないかな?これ以上大事な生徒を危険な目に遭わせたくないんだ」

「だったらぶっ飛ばしてでも通る」

「ぶっ飛ばされてもここは通さない」

 

 校長の決意は固い。

 

「もしも通りたいというのなら・・・、僕にデュエルで勝ってもらおうか!君達三人の内二人まとめて相手をしてあげよう!」

 

 校長はデュエルディスクを起動させた。

 

「そういうことなら!」「俺達が受けて立とう!」

 

 そう言って一歩前に出たのはケイトと英雄。

 

「二人共・・・・・」

「だってオレ達!!」

「最近は出番があっても活躍の場がないんだもの!!」

「そんな理由かよ!!やましすぎるわ!!」

 

 三人のミニ漫才をよそに校長は考えていた。

 

(最悪勝てなくてもいい。カオス・ソルジャーの話だと、もうしばらくすればこの穴は閉ざされる。その間の時間稼ぎさえできれば、彼らも諦めざるを得ない)

 

「なら僕の相手は前田さんと不屈野君で構わないね?」

「おう!ぜってー勝つ!!」

「校長先生といえど、全力でいかせてもらいます!!」

 

 

「「「デュエル!!」」」

 

 

校長  LP8000

 

 

ケイト LP8000

 

 

英雄  LP8000

 

 

「僕の先攻!ドロー!―――僕は《ブリキンギョ》を召喚!」

 

 現れたのは『○ょきんぎょ』みたいなモンスター。

 

 

ブリキンギョ 星4 水 機械族 攻800/守2000

 

 

「へぇ〜。機械に弱い割に使うカードは機械族かよ?」

 

 ケイトの一言は校長の心にグサリときた。

 

「うぅっ、それは言わないで。『校長っぽくない』っていわれるのと同じくらい気にしてるから・・・・・・。で、でも!このカードには強力な効果がある!《ブリキンギョ》は召喚に成功した時、手札のレベル4モンスター一体を特殊召喚できる!僕は《レッド・ガジェット》を特殊召喚!」

 

 おもちゃの金魚の口がパカッと開き、その中から赤い歯車に手足がついたモンスターが出てきた。

 

 

レッド・ガジェット 星4 地 攻1300/守1500

 

 

「《レッド・ガジェット》の効果発動!このカードが召喚または特殊召喚に成功した時、デッキから《イエロー・ガジェット》を手札に加える!」

 

 これは校長の手札がずっとウハウハな予感。

 

「さらに《ブリキンギョ》と《レッド・ガジェット》でオーバーレイ!―――二体の機械族モンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!発進せよ、《ギアギガントX(クロス)》!!」

 

 召喚されたモンスターは体の大部分が歯車でできていて、背中にも巨大な歯車がついているロボットだ。

 

 

ギアギガントX ランク4 地 機械族 攻2300/守1500

 

 

「なっ・・・!?こ、コイツは・・・・・!!」

 

 ケイトが目を見開いた。

 

「お前も感じたかケイト。俺もだ」

 

 英雄の頬にも汗が流れた。

 

「ちょっ、ちょっと。どうしたのよ二人共?」

 

 千鳥もつられて不安になった。

 

 

「「カ、カッケェェェェェ!!!」」

 

 

二人は子供のように目をキラキラさせてはしゃいでいた。

 

「そっちかいいいいいいいいいいいいいいいいィィィィィィィ!!!!!」

 

当然千鳥のツッコミも炸裂するわけで。

 

「いやー、僕も子供の頃から巨大ロボットが大好きで。○ンダムとか」

 

 校長も照れたように後頭部に手をやる。

 

「そんな話はいいですからデュエル続けてください!!」

「あ、ゴ、ゴメン!僕は《ギアギガントX》の効果発動!エクシーズ素材を一つ取り除いて、デッキからレベル4以下の地属性機械族モンスター、《マシンナーズ・ギアフレーム》を手札に加える!これでターンエンド!」

 

 

校長 LP8000 手札6

モンスター/《ギアギガントX》

 

 

「へっ、カッチョイイモンスターだけど、さっさとぶっ壊させてもらうぜ!オレのターン、ドロー!―――オレは《BF-精鋭のゼピュロス》を召喚!」

 

 

BF-精鋭のゼピュロス 星4 闇 鳥獣族 攻1600/守1000

 

 

「さらに場に《BF》がいることで《BF-疾風のゲイル》を特殊召喚!」

 

 

BF-疾風のゲイル 星3 闇 鳥獣族 チューナー 攻1300/守400

 

 

「召喚したついでだ!ゲイルのモンスター効果、発動!《ギアギガントX》の攻撃力と守備力を半分にするぜ!」

 

 ゲイルが翼をばたつかせたことで発生した風がギアギガントに直撃した。

 

 

ギアギガントX 攻2300→1150/守1500→750

 

 

「最初っからクライマックスで行くぜ!!オレはレベル4の《BF-精鋭のゼピュロス》に、レベル3の《BF‐疾風のゲイル》をチューニング!―――黒き旋風よ、天空へ駆け上がる翼となれ!シンクロ召喚!《BF-アーマード・ウィング》!」

 

 

BF-アーマード・ウィング 星7 闇 鳥獣族 攻2500/守1500

 

 

「ケイト。最初からクライマックスとか言ってたけど、序盤からアーマード・ウィングが召喚される頻度ものすごく高い気がするんだけど・・・」

「千鳥よ、こういうのはノリなんだよ、ノリ。―――っと。今回はバトルロイヤルルールだからな。全員最初のターンは攻撃できねぇ。オレはこれでターンエンドだ」

 

 

ケイト LP8000 手札4

モンスター/《BF-アーマード・ウィング》

 

 

「やっと俺の出番か。俺のターン、ドロー!俺は《E・HERO エアーマン》を召喚!」

 

 

E・HERO エアーマン 星4 風 戦士族 攻1800/守300

 

 

「エアーマンの効果発動!デッキから《E・HERO ブラスト》を手札に加える!さらに手札から魔法カード《融合》を発動!《E・HERO ブラスト》と《E・HERO オーシャン》で手札融合!」

 

 英雄は三枚のカードを高々と掲げた。するとブラストとオーシャンが飛び上がった。

 

「燃え上がれ!《E・HERO ノヴァマスター》!!」

 

 

E・HERO ノヴァマスター 星8 炎 戦士族 攻2600/守2100

 

 

「俺はカードを一枚セットしてターンエンド!!」

 

 

英雄 LP8000 手札2

モンスター/《E・HERO ノヴァマスター》《E・HERO エアーマン》

魔法・罠/リバース×1

 

 

「フッ、最初からエースモンスターを召喚するとは、今君達が相手をしている者の実力がどれほどのものか、そのぐらいは分かるようだね」

「校長先生。カッコつけてるところ悪いんですけど、この二人の場合レギュラー陣の中でも初手からエースを召喚する頻度は多いです」

「あ、そうなの・・・。まあいいや。言ってみたかっただけだし。僕のターン、ドロー!―――僕は《ギアギガントX》を守備表示に変更して、もう一度効果を発動!エクシーズ素材を取り除いて、デッキから二枚目の《マシンナーズ・ギアフレーム》を手札に加える!そしてそのまま召喚!」

 

 細身でオレンジ色のロボットが召喚された。

 

 

マシンナーズ・ギアフレーム 星4 地 機械族 攻1800/守0

 

 

「《マシンナーズ・ギアフレーム》の効果発動!このカードが召喚に成功した時、デッキから同名カード以外の《マシンナーズ》一体を手札に加えることができる!僕はこの効果で《マシンナーズ・フォートレス》を手札に加える!」

「さっきからどんだけ手札を増やす気だよ?」

 

 ケイトも呆れ気味だ。

 

「それこそがこのデッキの戦術だよ。それに偉い人も言ってたじゃないか、『手札の数だけ可能性がある』って。というわけで、この溜まりきった手札を存分に使わせてもらおう!僕は手札の《マシンナーズ・フォートレス》と《マシンナーズ・ギアフレーム》、合計のレベルが8以上になるようにモンスターを墓地へ送って、フォートレスの効果発動!今墓地へ送った《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚する!」

 

 下半身はキャタピラ、上半身はロボットで、左肩に大砲を装備したモンスターが現れた。

 

 

マシンナーズ・フォートレス 星7 地 機械族 攻2500/守1600

 

 

「自らをコストにしても特殊召喚可能なモンスターだと!?」

 

 英雄の言うとおり、初めてフォートレスを相手にした人は「え?それできるの?」と言いたくなるだろう。

 

「でもフォートレスの力はこんなものじゃない!バトル!《マシンナーズ・フォートレス》で《BF-アーマード・ウィング》を攻撃!」

 

 キャタピラが動き出し、アーマード・ウィングに迫った。

 

「ヘッ、何を企んでるか知らねえが、タダじゃやられねえぜ!手札から《BF-月影のカルート》を墓地へ送って効果発動!アーマード・ウィングの攻撃力を1400ポイントアップ!」

 

 

BF-アーマード・ウィング 攻2500→3900

 

 

「なっ!?」

「迎え撃て、アーマード・ウィング!!ブラック・ハリケーン!」

 

 アーマード・ウィングの拳がフォートレスを貫いた。フォートレスはギシギシと軋んだ音を立てている。

 

 

校長 LP8000→LP6600

 

 

「フッ、正直カルートは驚いたよ。おかげでライフが削られてしまった・・・。でも僕の狙いは最初から《マシンナーズ・フォートレス》が破壊されることだったんだよ!」

「何だと!?」

「《マシンナーズ・フォートレス》の効果発動!このカードが戦闘破壊されて墓地へ送られた時、相手フィールドのカード一枚を破壊する!僕が破壊するのは、《BF-アーマード・ウィング》!」

 

 半壊しながらもフォートレスは大砲の照準をアーマード・ウィングに合わせた。そして発射と同時にフォートレスは爆発を起こして壊れ、弾はアーマード・ウィングを打ち抜いた。

 

「召喚条件ユルユルな上に、戦闘破壊されたら破壊効果発動だぁ?インチキ効果も大概にしろ!!」

 

 今回ばかりはケイトに同意したい。

 

「僕自身ホントこの効果は正直すごいと思うよ。多分レギュラー陣の中じゃ零士君しか対応できないんじゃないかな。でもだからといって攻撃の手を緩めるつもりはないよ!《マシンナーズ・ギアフレーム》で前田さんにダイレクトアタック!」

 

 ギアフレームはケイトに殴りかかった。

 

「おおっと」

 

 しかしケイトは余裕で全ての攻撃をかわした。

 

 

ケイト LP8000→LP6200

 

 

「僕はカードを一枚セット!さらに永続魔法《機甲部隊の最前線(マシンナーズ・フロントライン)》を発動してターンエンド!」

 

 

校長 LP6600 手札4

モンスター/《ギアギガントX》

魔法・罠/《機甲部隊の最前線》リバース×1

 

 

「オレのターン、ドロー!」

 

 ケイトはカードを引くと早速シンキングタイムに入った。

 

(さーて、どうすっかな〜。おそらく次の校長のターン、何か手を打たねぇとまた《マシンナーズ・フォートレス》が復活する。それに破壊効果も墓地で発動するから、フィールド上のカード効果だけを無効化するシルフィーネじゃあ防ぎきれねぇ。除外が一番手っ取り早いけど、それができる手札じゃねぇ。・・・って、一個あるじゃねぇか。《マシンナーズ・フォートレス》を封じる手が!)

 

「オレは手札から《BF-極北のブリザード》を召喚!」

 

 

BF-極北のブリザード 星2 闇 鳥獣族 チューナー 攻1300/守0

 

 

「極北のブリザードの効果発動!墓地のレベル4以下の《BF》一体を守備表示で特殊召喚できる!甦れ《BF-精鋭のゼピュロス》!」

「レベルの合計は6。狙いはアームズ・ウィングをシンクロ召喚しての貫通ダメージかな?」

「それも悪かねぇが、オレがやるのはこれだ!オレの場に闇属性モンスターがいることにより、《クロクロークロウ》を特殊召喚!」

 

 

クロクロークロウ 星2 闇 鳥獣族 攻900/守600

 

 

「これでレベルの合計は8になった。オレはレベル2の《クロクロークロウ》とレベル4の《BF-精鋭のゼピュロス》に、レベル2の《BF-極北のブリザード》をチューニング!―――王者の決断、今赤く滾る炎を宿す、真紅の刃となる!熱き波濤を超え、現れよ!シンクロ召喚!炎の鬼神、《クリムゾン・ブレーダー》!」

 

 赤い鎧を身にまとった細身の二刀流の剣士が剣をブンブン振り回しながら登場する。

 

 

クリムゾン・ブレーダー 星8 炎 戦士族 攻2800/守2600

 

 

「バトルだ!《クリムゾン・ブレーダー》で《マシンナーズ・ギアフレーム》を攻撃!レッドマーダー!」

 

 赤い剣士が敵を切り刻んだ。

 

 

校長 LP6600→LP5600

 

 

「くっ、この瞬間、《機甲部隊の最前線》の効果発動!機械族モンスターが戦闘破壊された時、デッキから破壊されたモンスターより攻撃力の低い、同じ属性のモンスター一体を特殊召喚できる!」

「へぇー、なかなかしぶといねぇ。けど、今はまだ構わねぇけど、《クリムゾン・ブレーダー》の効果で次のアンタのターン、アンタはレベル5以上のモンスターを召喚・特殊召喚することはできねぇぜ!!」

「な、何だって!?」

「これで次の校長先生のターン、《マシンナーズ・フォートレス》を召喚される危険はなくなった」

「やったじゃないかケイト!!」

「で、でも僕は《機甲部隊の最前線》の効果で《グリーン・ガジェット》を守備表示で特殊召喚!」

 

 召喚されたモンスターは先刻の《レッド・ガジェット》の緑色バージョンといったところだ。

 

 

グリーン・ガジェット 星4 地 機械族 攻1400/守600

 

 

「《グリーン・ガジェット》の効果発動!このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから《レッド・ガジェット》を手札に加える!」

「オレはカードを一枚セットしてターンエンドだ。英雄、一気に畳み掛けてやれ!」

 

 

ケイト LP6200 手札1

モンスター/《クリムゾン・ブレーダー》

魔法・罠/リバース×1

 

 

「任せておけケイト!俺のターン、ドロー!―――俺は《E・HERO アナザー・ネオス》を召喚!」

 

 

E・HERO アナザー・ネオス 星4 光 戦士族 攻1900/守1300

 

 

「さらに俺は手札から《ミラクル・フュージョン》を発動!場のアナザー・ネオスと墓地のブラストを除外して、《E・HERO The シャイニング》を融合召喚!!」

 

 

E・HERO The シャイニング 星8 光 戦士族 攻2600/守2100

 

 

「シャイニングは除外されている《E・HERO》一体につき攻撃力を300アップする!今除外されているのは二枚!」

 

 

E・HERO The シャイニング 攻2600→3200

 

 

「バトル!まずはノヴァマスターで《ギアギガントX》を攻撃!フレイムノヴァ!!」

 

 灼熱の戦士が歯車の戦士を焼き尽くした。

 

「ノヴァマスターの効果発動!モンスターを戦闘破壊して墓地へ送った時、カードを一枚ドローできる!」

「でも僕だって《機甲部隊の最前線》の効果を発動するよ!デッキから《レッド・ガジェット》を守備表示で特殊召喚!モンスター効果も発動!デッキから《イエロー・ガジェット》を手札に加える!」

「まだまだ!エアーマンで《グリーン・ガジェット》を攻撃!」

「《グリーン・ガジェット》は破壊されるけど、《機甲部隊の最前線》の効果で今度は《イエロー・ガジェット》を守備表示で特殊召喚!」

 

 今度のは黄色である。

 

「《イエロー・ガジェット》の効果でデッキから《グリーン・ガジェット》を手札に加える!」

「まだまだまだぁ!!!俺のバトルフェイズは終わっていない!!手札から速攻魔法《マスク・チェンジ》を発動!《E・HERO ノヴァマスター》を墓地へ送り、エクストラデッキから同じ属性の《M・HERO 剛火》を特殊召喚!」

 

 

M・HERO 剛火 星6 炎 戦士族 攻2200/守1800

 

 

「さらに剛火は墓地の《HERO》一体につき、攻撃力が100ポイントアップ!今俺の墓地にいるのはオーシャンとノヴァマスターの二体!」

 

 

M・HERO 剛火 攻2200→2400

 

 

「《M・HERO 剛火》で《イエロー・ガジェット》を攻撃!」

「・・・僕のデッキに《イエロー・ガジェット》より攻撃力の低い地属性機械族モンスターはいない」

「よっしゃァッ!俺はカードを一枚セットしてターンエンド!」

 

 

英雄 LP8000 手札0

モンスター/《E・HERO エアーマン》《E・HERO The シャイニング》《M・HERO 剛火》

魔法・罠/リバース×2

 

 

 校長の場もかなり変化があったので、ここで確認しておきたい。

 

 

校長 LP5600 手札7

モンスター/《レッド・ガジェット》

魔法・罠/《機甲部隊の最前線》リバース×1

 

 

「て、手札が7枚だと!?」

「なるほどな。《機甲部隊の最前線》は戦線を維持するだけじゃねぇ。手札の増強も狙ってたってわけかい」

 

 ケイトの読みに校長は不敵な笑みを返す。

 

「その通り。特に不屈野君は考えもなしに突っ込んできてくれたからこんなにも手札を補充することができた」

「だが今の校長はケイトの《クリムゾン・ブレーダー》の効果で上級モンスターを呼ぶことはできない。《マシンナーズ・フォートレス》を封じられた校長に逆転の手はないはず!」

「あるさ!僕のターン、ドロー!―――僕は手札から《イエロー・ガジェット》を召喚!そしてモンスター効果でデッキから《グリーン・ガジェット》をサーチ! でもまだこれだけじゃあない!永続罠《血の代償》を発動!」

「何ですって!?」

「霧谷さんが驚くのも無理はない。このカードはライフ500を払うことで追加の通常召喚が可能になるのさ。何度でもね」

「「ッ!!」」

「さあ見せてあげよう。僕のデュエルを!僕は《血の代償》の効果発動!ライフを500払って、《グリーン・ガジェット》を召喚!」

 

 

校長 LP5600→LP5100

 

 

「―――――これで僕の場にはレベル4のモンスターが三体揃った。僕は《イエロー・ガジェット》、《グリーン・ガジェット》、《レッド・ガジェット》でオーバーレイ!―――三体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!解放しろ、怒りを!現れろ!《No.69 紋章神(ゴッド・メダリオン)コート・オブ・アームズ》!」

 

 校長のフィールドに現れたのは歪曲した白い一対の角の付いたモンスター。神の名を持つだけあってそのオーラは禍々しい。

 

 

No.69 紋章神コート・オブ・アームズ ランク4 光 サイキック族 攻2600/守1400

 

 

「コート・オブ・アームズには召喚した時にフィールド上のエクシーズモンスターの効果を無効化する効果があるけど、その効果は意味をなさないね」

 

 現在ケイトと英雄のフィールドにいるのはシンクロモンスターと融合モンスター、そして普通の効果モンスターだけだ。

 そしてうっすら予想がついている読者もいると思いますので、こっから先は少し巻いていきます。

 

「まだまだ行くよ!僕は《血の代償》の効果でライフを500払って《レッド・ガジェット》を召喚!もう一度《血の代償》の効果で《グリーン・ガジェット》を召喚!続いて魔法カード《貪欲な壺》を発動!墓地の《レッド・ガジェット》《イエロー・ガジェット》《グリーン・ガジェット》《ギアギガントX》《ブリキンギョ》をデッキに戻してカードを二枚ドロー!再び《血の代償》の効果でライフを払って《イエロー・ガジェット》を召喚!モンスター効果で《グリーン・ガジェット》を手札に加える!そして《血の代償》の効果でライフを払って《グリーン・ガジェット》を召喚!効果で《レッド・ガジェット》を手札に!そして最初に召喚した《グリーン・ガジェット》と《レッド・ガジェット》で《ジェムナイト・パール》をエクシーズ召喚!次に残った《イエロー・ガジェット》と《グリーン・ガジェット》で《ギアギガントX》をエクシーズ召喚!・・・・・あ」

 

 かなり長い台詞を喋ったあと、校長は何かに気付いた。

 

「どうしたんですか校長?」

 

 気になって千鳥が訊ねた。

 

「いや、ちょっと・・・、ライフの計算ミスっちゃって。何をミスったかはもうちょっと待ってもらえれば分かるからね。―――僕は《ギアギガントX》の効果でエクシーズ素材を取り除いて《マシンナーズ・ギアフレーム》をサーチ!さらに《血の代償》の効果で《レッド・ガジェット》を召喚してその効果で《イエロー・ガジェット》をサーチ!そして今手札に加えた《イエロー・ガジェット》をライフを払って召喚!《レッド・ガジェット》と《イエロー・ガジェット》で二体目の《ギアギガントX》をエクシーズ召喚!最後に《マシンナーズ・ギアフレーム》をライフを払って召喚!」

 

 なんやかんやで校長のフィールド、ライフ、手札はこんな感じになった。

 

 

校長 LP1100 手札5

モンスター/《No.69 紋章神コート・オブ・アームズ》《ジェムナイト・パール》《ギアギガントX》《ギアギガントX》《マシンナーズ・ギアフレーム》

魔法・罠/《機甲部隊の最前線》《血の代償》

 

 

「で、何をミスったってんだよ?」

「いやー、本当はね、《血の代償》を使って残りライフ1000を切りたかったんだよ。そうすれば二体目の《ギアギガントX》じゃなくてホープを召喚。ホープからホープレイにエクシーズチェンジ。それにコート・オブ・アームズには場のエクシーズモンスターの効果と名前をコピーする能力があるから、ホープレイの効果をコピーさせたらこのターンで決めれるかもと思ったんだけどね。―――でも過ぎた事はしょうがない。僕は代わりにこれを使わせてもらおう。速攻魔法《リミッター解除》!」

「げっ!!」

「そう!言わずと知れた機械族デッキの切り札!このターンの終了時にすべての機械族モンスターが破壊される代わりに、僕の場の機械族モンスターの攻撃力を倍にする!!」

 

 

ギアギガントX 攻2300→4600

 

 

マシンナーズ・ギアフレーム 攻1800→3600

 

 

「バトルだ!まずは《ギアギガントX》で《クリムゾン・ブレーダー》を攻撃!X(クロス)ブレイク!」

 

 ギアギガントの鉄の拳が《クリムゾン・ブレーダー》を打ち砕いた。

 

 

ケイト LP6200→LP4400

 

 

「次は《マシンナーズ・ギアフレーム》でシャイニングを攻撃!」

 

 

英雄 LP8000→LP7600

 

 

「くっ。シャイニングの効果発動!このカードが破壊された時除外されている《HERO》二体を手札に加えることができる!俺はアナザー・ネオスとブラストを手札に加える!」

「でもまだ僕の攻撃は終わらない!もう一体の《ギアギガントX》で《M・HERO 剛火》を攻撃!」

 

 

英雄 LP7600→LP5200

 

 

「ぬぉっ!」

 

 ダメージの衝撃で英雄は1、2メートル程後ろに吹き飛ばされた。

 

「最後にコート・オブ・アームズでエアーマンを攻撃!ゴッド・レイジ!」

「うぅっ・・・!!そうはさせん!罠発動!《ヒーローバリア》!これで攻撃を無効にする!」

 

 白い渦がエアーマンを守った。のだが・・・。

 

「何やってるのよ英雄!」

「え?」

「そこはシャイニングに使っとけよ!ライフはまだ残るだろうから!」

「あぁ〜っ!!しまったぁ――――――!!!」

「残念だったね。でも僕の攻撃はあと一回残っている!《ジェムナイト・パール》で前田さんにダイレクトアタック!」

 

 パールはケイトに飛びかかりながら腕を引いた。

 

「ヘッ。掛かってこいよ!」

 

 ケイトも同じように腕を引く。

 

 

「オラァッ!!」

 

 

 ぶつかり合った拳と拳。

 

 

ケイト LP4400→LP1800

 

 

「イデデ・・・」

 

 ケイトは殴った手に息を吹きかける。

 

「現状では僕の方が圧倒的に有利だ。できれば精霊世界に行くのは諦めてほしい。相手は世界を支配できるような大きな相手だ。そして彼らはその世界を救うために行った。君達に、世界の命運を背負う覚悟があるのかい!?」

「世界の命運?そんなもん、オレはどうでもいい」

 

 言ったのはケイト。

 

「オレが精霊世界とやらに行くのはダチを助けたいからだ。この世界や精霊世界がどうなろうが、オレにとっては二の次なんだよ!!」

「ケイトの言う通りだ」

 

 英雄も続く。

 

「ヒーローとは弱きを助け悪しきをくじく者だ。だが!友も助けられないでヒーローを名乗る資格なんてない!!」

「・・・・・二人共、考えは変わらないようだね」

 

 校長は伏し目がちに言った。

 

(にしてもどういうことだ?一斉に攻撃してくれば確実にオレは倒せたはずだ)

 

 そんな疑問を持った時だ。

 

「!?ねぇ!あれを見て!!」

 

 千鳥が指をさしたのは精霊世界に続く穴だ。しかしそれを見たケイトと英雄は驚愕した。デュエルを始める前まではフユでも余裕で通れそうな大きさだったのが、今は少し体を曲げないと通れないような大きさになっている。

 

「どうやら気付いてしまったようだね。あの穴は時間が経てば消滅する。僕の予想じゃ、あと1ターンであの穴は消える」

「チッ!最初から時間稼ぎが狙いかよ!!」

「僕だってデュエルフェスタの優勝メンバー二人を相手に勝てると思う程傲慢じゃないよ。―――ここを通したくない僕としてはこのままターンを終了せずに穴が消滅するのを待つこともできる」

「「・・・・・・」」

「でもそれは僕のデュエリストとしてのプライドが許さない。デュエルは続けさせてもらう!僕はカードを三枚セットしてターンエンド!」

 

 その時フィールドの《ギアギガントX》二体と《マシンナーズ・ギアフレーム》が爆発した。《リミッター解除》の反動である。

 

 

校長 LP1100 手札1

モンスター/《No.69 紋章神コート・オブ・アームズ》《ジェムナイト・パール》

魔法・罠/《機甲部隊の最前線》《血の代償》リバース×3

 

 

「あと1ターンで消えるだぁ?だったら、このターンで勝ってやるよ!!オレのターン、ドロー!―――――来たぜ」

 

 ケイトはドローしたカードを見てニッと笑った。対して校長は警戒の色を示す。

 

(さっき校長がセットした三枚のカード。あれが《強制脱出装置》みたいに好きなタイミングで発動できるカードだったらジ・エンドだ・・・。けど、今はもうそんなことで立ち止まってる時間はねぇ!!)

 

「オレは手札から、魔法カード《死者蘇生》を発動!甦れ、アーマード・ウィング!!」

 

 ケイトのエースモンスターがフィールドに舞い戻った。

 

「でも僕の場のモンスターの攻撃力はどちらも2600!このターンだけで倒すのは不可能だ!それにこの三枚の伏せカード、これらを全てかいくぐることができるのかい!?」

 

 しかしケイトは余裕の表情。

 

「へっへ〜。前のターンに伏せていたカード。コレ、何だと思う?」

「ッ!!まさか!?」

「リバースカードオープン!《デルタ・クロウ―アンチ・リバース》!!これで相手フィールドの全てのセットカードは破壊されるぜ!」

 

 校長のカードが破壊される直前、全てのカードがリバースされた。一枚は最強の攻撃反応型罠《聖なるバリア―ミラーフォース―》。二枚目はそれに対抗できるスターダスト系モンスターへの有効手段として知られている《次元幽閉》。そして最後の一枚は特殊召喚されたモンスターがそのターン中に効果を発動した時、その効果を無効にして破壊する罠カード《蠱惑の落とし穴》。どれも発動条件を満たしていない。

 

「ふぅ〜。なかなかおっかないカード用意してたじゃないの」

「でもその効果は英雄君にも適用される!」

「確かにこのままでは俺のカードも破壊される」

 

 だが英雄までもが自信ありげな表情をしている。

 

「だから俺はチェーンしてリバースカード《超融合》を発動する!」

「なっ!?」

「どうやら今回はプレイングミスが功を奏したみたいね」

 

 千鳥はヤレヤレといった感じで言った。

 

「だな。さっきの校長のターン、英雄の手札は0だった。だがシャイニングが破壊されて手札が補充され、《超融合》の発動コストができたってわけだ。ま、どうせだったら攻撃される時に使えよって話だけどな」

「俺は手札のアナザー・ネオスを墓地へ送る!そして俺の場のエアーマンと校長のコート・オブ・アームズを融合素材として、《E・HERO エスクリダオ》を融合召喚!」

 

 

E・HERO エスクリダオ 星8 闇 戦士族 攻2500→3000/守2000

 

 

「ふっ。最後の最後にまたミスを犯したね!コート・オブ・アームズではなくパールを融合素材にしてガイアを融合召喚しておけばモンスター効果でコート・オブ・アームズの攻撃力を半分にできていたのに!」

「オレは別にどっちでも良かったぜ!いやむしろ、パールを残してくれたおかげでさっきのダイレクトアタックのお返しができるってもんよ!行けっ、アーマード・ウィング!ブラック・ハリケーン!」

 

 今度はアーマード・ウィングが飛びかかりながら腕を引き、パールが迎え撃つ形になった。

 

(いくら戦闘では無敵とは言え、攻撃力で劣るモンスターに攻撃!?はっ・・・!まさか・・・・!!)

「オレは手札から二枚目の《BF-月影のカルート》を墓地へ送って、効果発動!アーマード・ウィングの攻撃力を1400アップ!」

 

 

BF-アーマード・ウィング 攻2500→3900

 

 

 ぶつかり合う黒い拳と白い拳。そのまま二体のモンスターは制止していたが、徐々にパールの体にはヒビが入り、そして砕け散った。

 

 

校長 LP1100→LP0

 

 

「うおおおぉぉー!!!校長に勝った――――!!!」

 

 英雄は勝利の雄叫びを上げている。一方ケイトは意外と冷静だ。

 

「勝ったぜ。約束は守ってもらうからな」

「ああ。君達の意志の強さ、僕の心に届いたよ。ただ、君達が精霊世界に行く前に一言伝えた・・・」

「アアァッ!!!二人共、アレ!!」

 

 校長が最後まで言い切る前に千鳥が叫んだ。千鳥が見ているのはまた穴。しかしその大きさは既にちょっと大きめのマンホールぐらいにまで縮んでいる。

 

「うぉっ!?やべぇ!!おい、お前ら!!行くぞ!!」

 

 ケイトは言うが早いか千鳥と英雄の腕を掴んで穴に向けて走り、そして飛び込んだ。

 

 

「皆無事に帰ってきちぇね―――――――!!!」

 

 

「いやそこかんだら駄目でしょうがアアアアアァァァァッ!!!!」

 

 

 穴に向かって叫んだ校長とさっき自分が通った場所に向かってツッコミを入れた千鳥だった。

 

 

 

 そして三人は前に穴を通った四人と同様にまるで空を飛んでいるかのごとく前方の一際明るい場所へ移動していた。

 ということはもちろん、出口も四人と同じというわけだ。妙な空間を抜けると、前には大空が見え、下を見れば遥か遠くに街が見える。そして落下する。

 

 

「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!年末とっくに過ぎたのに大落下アアアアアアアアアアァァァァァ!!!!!」

 

 

 千鳥はどこぞの主人公と同じようなことを叫んでいる。

 

 

「ワアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ!!!!」

 

 

 英雄も流石に零士、秋人、春のような個性的なリアクションは取れない。だがしかし彼女だけはやはり別格である。

 

「さーて、どこだ?あいつら?」

 

 普通にフユ達を探している。

 

「お。いたいた。あいつらデュエルしてやがるな。人が折角追っかけてきてやったってのに、何してんだよ」

 

 そしてこの超視力である。

 

「しゃーねーな。《BF-黒槍のブラスト》を召喚!ついでにゲイルも特殊召喚!でもってアーマード・ウィングをシンクロ召喚だ!」

 

 なんでいきなりモンスターを召喚してんの?そもそも落下しながらどうやってカード持ったりデュエルディスクにプレイできるの?色々とつっこみたい読者もいるだろうが、何度でも説明しよう。これがケイトなのである。

 

「アーマード・ウィング!あのバカ二人のエースモンスターに割って入ってこい!」

「え!?そんなことできるの!?」

「なんかできそうな気がする!!」

「気がするだけなの!?」

 

 しかしアーマード・ウィングは猛スピードで下に向かって飛んでいった。

 

「本当にできたアアアアアア!!!っていうか私達も結構やばいんだったアアアアアアアアアア!!!」

「任せとけって!!」

 

 言うとケイトは回想の最初の方みたいに二人を担いだ。

 

 

「来てやったぜ、精霊世界!!―――前田ケイト、罷り通る!!!」

 

 

 




 【代償ガジェット】無茶苦茶強かったですよね。今だと《サモン・チェーン》とかが代用になるんでしょうか?
 次回からいよいよ新章となります。お楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。