「あ゛〜、暑ぢぃ〜」
などといきなり愚痴をこぼすのはケイト。現在火山の頂上まで移動中である。
英雄がアーミタイルを倒した翌日(精霊世界に来て三日目)。零士、秋人、ケイト、英雄、そしてエアトスの一行は次なる目的地『ラヴァル紅蓮地帯』の奥にある『ラヴァル炎火山』に向かっていた。しかしこの紅蓮地帯、○ンハンの火山フィールドよりタチが悪く、周りの草木も枯れるを通り越して燃えているのだ。確かにこれでは暑くないと言う方がおかしい。誰かの指示というわけでもなく、エアトス以外の四人が上着を脱いでいる。
「全員暑いんだ。弱音を吐く暇があるなら歩け」
零士が叱咤した。
「普段通り仏頂面してる奴に言われても暑そうには聞こえねーよ」
「だが、軽口をたたけるだけマシな方だな」
秋人はチラリと後ろを見た。
「・・・・・・・・・・」
この中で唯一の一般人(表現がいかがなものかと思うかもしれないが実際にほかのメンバーが規格外なのだからしょうがない)である英雄はフラフラしていて、喋る気力もない。
「――――しゃーねーな!オレが水か何か探してくるよ!」
「そうは言うが、とてもそんなものが簡単に見つかるとは思えんが」
「ここは『ラヴァル紅蓮地帯』って名前なんだろ?だったらこの辺に《ラヴァル》の連中が住んでるかもしれねえじゃねえか。そいつらに頼むか、最悪でもどこか涼める場所教えてもらえばいいしよ」
「前田君、君意外と賢いな」
「意外とってどういうことだよ?・・・ま、いいや。お前らちょっと待ってろ」
そう言うとケイトは道を外れてどこかへ走っていった。
「結局走るだけの元気があるんだな」
秋人はヤレヤレといった感じだ。
「頼んだぞ、ケイト・・・」
「英雄さん、大丈夫ですか?」
「ああ、なんとかな。・・・・それとここまで疲れてるのは多分寝不足のせいだ」
「寝不足?」
「ケイトとモンスター(エアトスを除く)のいびきがうるさすぎるんだよ!!二人共よく寝られたな!?よく寝られましたね!?」
英雄はクラスメイトと先輩、それぞれに疑問をぶつけた。で、それに対して二人は即答。
「「耳栓してたからな」」
「・・・息ぴったりですね」
「これは・・・、流石に無理だよな」
ケイトは離れてから数分後、池を見つけた。しかしただの池ではない。水が赤いのだ。メチャメチャ熱いですよ感が半端なく漂っている。案の定ケイトが足元に落ちていた木の枝を投げ込むと一発で燃えた。
「どーすっかなぁー」
考えを巡らせていると、
(・・・誰かいるな?)
何者かの気配を感じ取った。
「おい、そこに誰かいるんだろ?」
ケイトは振り返って声を上げるが誰もいない。目に見える範囲では。
「木の後ろに隠れてるのは分かってるぜ。頭数は・・・、三人。そこまでデカイ木じゃないから全員ガキか女か」
するとケイトの読み通り三人の少女が姿を見せた。三人共肌の色は黒く、髪が炎のように赤い。
《ラヴァル炎湖畔の淑女》、《ラヴァル炎樹海の妖女》、そして《ラヴァル炎火山の侍女》の三姉妹である。
「ラッキー!《ラヴァル》の連中か。アンタらから見りゃ怪しい奴だろうけど怪しい奴じゃねえよ。オレは前田ケイト。この辺を仕切ってる奴を倒しに来たんだけど、ちょっと頼みたいことが・・・、っておわっ!?」
話の途中で三姉妹はケイトに走り寄ると、跪き、泣きついてきた。
「あぁっ、望みなら何でも聞き入れます。ですから、どうか、どうか私達をお救いください!」
「お、おいおい。オレはカミサマじゃないんだ。そういうのは教会育ちの零士かロリコンのフユにでもやってくれ!」
慌てて三人を立たせるケイト。
「別にコッチの頼みは大したことねぇよ。今五人で旅してんだけど、水か何かが欲しいってだけだ。―――で、お前らを助けてくれって具体的にどういうことだよ?」
「『ある方』を、倒して欲しいのです」
「それは貴方がたが倒そうとしている方と同じです」
「その方は『鬼』と言われています」
「鬼だぁ?」
彼女達が言うには、こういうことだそうだ。
彼女らを含む《ラヴァル》は元々戦闘好きが大多数だったという。しかしリチュアとの争いから、《ラヴァル》は滅亡しかけた。その後少しずつかつての繁栄を取り戻したが、その過程で彼らは、『戦いを求めたから、力を持つから滅びの危機に瀕した』という考えを持つようになり、平和に生きる道を選んだ。それはいいのだが・・・・・。
「で?そんな時にその『鬼』とやらが攻めてきたってのか?」
「はい。その通りです」
「私達も戦ったのですが・・・」
「力及ばず・・・・・」
「そっか・・・・」
ケイトは三姉妹を抱きしめた。
「よし!分かった!オレが何とかしてやるよ!!」
ニッと笑ってウインクした。
「「「あ、ありがとうございます!」」」
三人はしばらくの間涙を流していた。
「よぉ!待たせたな!」
十数分後、ケイトが戻ってきた。手には五つの水筒(魔法瓶製)が。
「いい仕事をしたね。どこでこれを?」
「向こうでラヴァル三姉妹に会ってさぁ、頼んだらくれたぜ。―――ついでに色々託されてきた。悪いが今回は、オレがやらせてもらうぜ」
「託された?」
ケイトは先刻どんな会話をしたか語った。
「なるほど。だが、それはオレ達を欺くための策とも考えられるが?」
零士は彼女達をあまり信じてはいないようだ。しかしケイトは首を横に振る。
「そりゃねぇと思うぜ。それなら大なり小なり『殺気』があったはずだ。気配も隠してただろうしな。だがアイツらは逆に殺気が無くて気配が有った。ってことはただ隠れてただけってことになるだろ?」
「いや、言ってることは頷けるんだが、普通気配とか殺気とか感じ取れるものなのか?」
英雄の意見もご尤もである。いくら『デュエルマッスル』なる単語が存在するとはいえ、ここまでくるともはや別ジャンルのキャラである。
「ま、オレは地元で色々あったからな。死線をくぐり抜けてきたらその内できるようになるぜ。なぁ?」
そう言ってケイトは他三人に振った。
「はい。私もできます」
「オレもできるぞ」
「俺も殺気までは分からないが気配ぐらいなら・・・」
「凄すぎるだろ!!」
まぁこれは振った相手が悪すぎる。
「さ!善は急げだ。早く行こーぜ!」
ケイトを先頭に、一行は再び火山へと歩を進めた。
そして――――――――――。
「この辺りか・・・・・」
彼らは火山の頂上付近まで来ていた。しかし、五人の他に人がいるようには見えない。
「おい!《ラヴァル》を襲った奴!ここにいるんだろ!?出てきてオレとデュエルしろ!!」
ケイトが大声を上げた。数秒後、どこからともなく声が響いた。
「テメーらか?最近噂になってる人間共は」
全員辺りを見回すが、声の主と思しき姿はない。
「ど、どこだ!?」
「!!そこか!!」
やはりいち早く気付いたのはケイト。彼女が見ているのは火口だ。他の四人もそちらを見る。
直後、淵から黒い巨大な手が伸びてきた。
「そんな・・・!あの火山の深さは、50mあるんですよ・・・!?」
「それは『○撃の巨人』ネタか?」
「だが、あの手のサイズから考えて、大きさはおよそ10m。おそらく飛んできたか、登ってきたか」
それでも巨体であることに変わりはない。そこから徐々にその姿が見えてきた。顔の両頬と頭のてっぺんから伸びた銀色の角。額、胸、手の甲、腰、膝の両側に赤い水晶。そして頭と背中に黒い翼。
《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》だ。
「テメーか!?《ラヴァル》達を襲ったってのは!!何でそんなことしやがった!?」
オーガ・ドラグーンは少し間を開けて言った。
「・・・・・別に。退屈だったからだ」
「なっ!?」
「戦闘好きの集まりって聞いてたから期待してたんだが、やっぱ爪も牙も失った獣なんざ愛玩動物と変わらなかったな」
それを聞くケイトは拳を強く握り締めていた。
「そんな・・・、そんな理由で罪もないモンスターを傷付けたってのかよ!?許さねぇ、絶対に許さねぇ!!!」
英雄は隣にいた零士を小突いた。
「なぁ、あそこまでキレてるケイト、見たことあるか?」
「いや、ないな」
「フン、お前が相手かメスガキ。名は?」
「デュエルアカデミア一年兼生徒会庶務、前田ケイト。――――――満足させてくれよ?」
「いやそれどっちかっつーと俺の台詞・・・・・」
さて、最後はギャグっぽくなったが今回はシリアス展開。零士、秋人、英雄、エアトスは彼らの向こうに火口が見える形でケイトを見守っている。だがそのケイトとオーガ・ドラグーンは睨み合ったまま動かない。そして―――――――――
ドオオオオォォォン!!!
マグマが噴出した瞬間が、合図となった。
「「デュエル!!」」
ケイト LP8000
オーガ・ドラグーン LP8000
ズバッ!
先攻後攻はク○ッシュタウン編よろしくカードの早引きで決まった。しかしこれ、どちらもあまりに早かったので常人(英雄)には分からなかった。
「お前の方が早かったな」
「当然だ」
「僅差だったがな」
「コンマ数秒の差でしたね」
しかしこのバケモノ達にはやはり見えているようで。
「だーかーらァ!!何で皆そんなに身体能力高いんだよ!?」
で、英雄の肩に手を置いたのが秋人。
「大丈夫さ。俺もあまり良く分からなかったから」
「でもちょっと見えてるんじゃないですか」
そんな絡みがあったが、とりあえずデュエルスタート。先攻はオーガ・ドラグーン。
「俺のターン、ドロー!・・・は、ルール改定で最初のターンはドローできないなァ〜」
「やっぱそれやるんだな」
「まぁな。だが、これは俺にとって不利に働くことはない。むしろプラス!オレはモンスターをセット!さらにカードを二枚セットしてターンエンド!」
煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP8000 手札2
モンスター/リバース×1
魔法・罠/リバース×2
「よっしゃ!オレのターン、ドロー!―――このモンスターは、相手のフィールドにのみモンスターがいる時リリースなしで召喚できる!来い、《BF-暁のシロッコ》!」
BF-暁のシロッコ 星5 闇 鳥獣族 攻2000/守900
「さらにド定番!ゲイルとブラストも特殊召喚だ!」
BF-疾風のゲイル 星3 闇 鳥獣族 チューナー 攻1300/守400
BF-黒槍のブラスト 星4 闇 鳥獣族 攻1700/守800
「バトル行くぜ!ブラストでセットモンスターを攻撃!デス・スパイラル!」
ブラストは伏せられたカードに特攻する。
「確かそいつは貫通持ちのモンスターだったな。だったら止めさせてもらう!永続罠発動、《デプス・アミュレット》!手札を一枚捨てて、攻撃を無効にする!」
しかし骸骨の首飾りが盾となった。
「ドローできないのがプラスに働いて、その上効率の悪い《デプス・アミュレット》を入れてるってことは、やっぱりそのデッキ、【インフェルニティ】だな!?だったらこのまま手札がなくなるまで攻撃するのも良い手じゃないな。オレはメインフェイズ2に移る!そしてレベル4《BF-黒槍のブラスト》にレベル3の《BF-疾風のゲイル》をチューニング!―――黒き旋風よ、天空へ駆け上がる翼となれ!シンクロ召喚!〈BF‐アーマード・ウィング〉!」
BF-アーマード・ウィング 星7 闇 鳥獣族 攻2500/守1500
「オレはこれでターン・・・」
「ちょっと待ちな」
「!?」
「テメーの読みは当たってるよ。そして《デプス・アミュレット》を発動した途端お前が攻撃しなくなるのも読めていた。だからこそ俺はこのカードも伏せておいたのさ!罠発動、《インフェルニティ・インフェルノ》!このカードは手札のカードを二枚まで墓地へ送り、墓地へ送ったカードの枚数分デッキから《インフェルニティ》を墓地へ送る!」
「げっ!?」
「俺は残り一枚の手札を墓地へ送り、デッキから《インフェルニティ・デーモン》を墓地に送る」
これでオーガ・ドラグーンの手札は0となった。いや、なってしまった。しかしこれを打開するカードはケイトの手にはない。
「チッ、ターンエンド」
ケイト LP8000 手札3
モンスター/《BF-暁のシロッコ》《BF-アーマード・ウィング》
「どうやらお前ごときの実力じゃあ、暇つぶしにもならないようだな。速攻で片付けてやるよ。俺のターン、ドロー!―――俺は永続魔法《インフェルニティガン》を発動!」
「・・・早速来やがったな」
オーガ・ドラグーンの場にガトリング型の砲台が出現した。
「《インフェルニティガン》には1ターンに一度手札の《インフェルニティ》を墓地へ送る効果があるが今は使えねぇ。だがこのカードの強みは手札が0の時に使えるこの効果だ!!俺はこのカードを墓地へ送り墓地の《インフェルニティ》を二体特殊召喚する!地獄より甦れ、《インフェルニティ・ネクロマンサー》《インフェルニティ・デーモン》!」
《インフェルニティガン》から二発の弾丸が発射された。直後、弾はモンスターへと姿を変え、一体は紺色のローブを着た骸骨、もう一体は顔だけは獣のモンスターになった。
インフェルニティ・ネクロマンサー 星3 闇 魔法使い族 攻0/守2000
インフェルニティ・デーモン 星4 闇 悪魔族 攻1800/守1200
「さらに《インフェルニティ・デーモン》の効果!このモンスターが手札0で特殊召喚した時、デッキから同名以外の《インフェルニティ》のカード一枚を手札に加える!俺が手札に加えるのは、《インフェルニティ・フォース》!」
(《インフェルニティ・フォース》・・・。確かあのカードの効果は《インフェルニティ》が攻撃対象にされた時、攻撃モンスターを破壊して、墓地の《インフェルニティ》一体を特殊召喚するとかそんなんだったな。メンドクセー)
「そして俺はカードを一枚セット。――これで俺の手札はまた0になった。よって《インフェルニティ・ネクロマンサー》の効果発動!墓地のネクロマンサー以外の《インフェルニティ》を特殊召喚する!甦れ、《インフェルニティ・ビースト》!」
地面が割れ、そこから出てきたのは黒い大型犬のようなモンスター。
インフェルニティ・ビースト 星3 闇 獣族 攻1600/守1200
「さっきからモンスターがかなりの数召喚されてるが、いつの間にあんな数のモンスターを墓地に?」
「《インフェルニティ・デーモン》はさっきの《インフェルニティ・インフェルノ》の後半の効果でデッキから墓地へ送っていたが、残りの二体はおそらく《デプス・アミュレット》と《インフェルニティ・インフェルノ》の効果で手札から捨てていたんだろう」
英雄の質問に答えた秋人。
「さらに俺は《インフェルニティ・リベンジャー》を反転召喚!」
現れたのは小人のガンマン。しかしその顔は凶悪そのもの。
インフェルニティ・リベンジャー 星1 闇 悪魔族 チューナー 攻0/守0
「チューナーってことは三大満足龍のうちのどれかが来るな?オレのフィールドのモンスター的には・・・・・」
「俺はレベル4の《インフェルニティ・デーモン》とレベル3の《インフェルニティ・ビースト》に、レベル1の《インフェルニティ・リベンジャー》をチューニング!―――死者と生者、ゼロにて交わりしとき、永劫の檻より魔の竜は放たれる!シンクロ召喚!いでよ、《インフェルニティ・デス・ドラゴン》!」
オーガ・ドラグーンのフィールドに黒い不気味な龍が現れた。しかもよく見ると目玉が四つもある。
インフェルニティ・デス・ドラゴン 星8 闇 ドラゴン族 攻3000/守2400
「《インフェルニティ・デス・ドラゴン》の効果発動!手札が0の時、このターンの自身の攻撃を放棄する代わりに、相手フィールドのモンスター一体を破壊し、その攻撃力の半分のダメージを与える!消えな、アーマード・ウィング!インフェルニティ・デス・ブレス!」
デス・ドラゴンの口から黒い霧のようなものが噴出し、それがアーマード・ウィングを襲った。その霧が晴れると、そこには何も残っていなかった。
「さぁ、テメーも喰らいな!人間共の世界じゃ味わえないリアルダメージを!!」
デス・ドラゴンは再び霧を放った。今度はケイトに向けて。
「っ!ああああああああっ!!」
直後、絶叫。
ケイト LP8000→LP6750
「ハハハ!!どうだ!?これがこの世界でのデュエルだ!テメーらが今までやって来たお遊戯とは違うんだよ!!」
「・・・・・演技ですね」
「ああ」
「うああああああああああっ!!・・・・・・・・・なんちって」
そこにはいつも通りのケイトが立っていた。
「なん、だと・・・!?」
「あいにく、この手のダメージは昔から慣れっこでね!オレには普段のデュエルとたいして変わんねぇよ!」
「チッ、ネクロマンサーは守備表示だし、そもそも攻撃力は0。自滅するだけだな。ターンエンド!」
煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP8000 手札0
モンスター/《インフェルニティ・デス・ドラゴン》《インフェルニティ・ネクロマンサー》
魔法・罠/《デプス・アミュレット》リバース×1
「オレのターン、ドロー!」
(さーて、どうすっかな・・・・・。とにかく満足龍はなんとかしないとな。相手の手札は0だから《デプス・アミュレット》で攻撃を防がれることはねぇ。それより厄介なのは《インフェルニティ・フォース》だ。―――――ま、何とかできるんだけど!)
「オレは永続魔法《黒い旋風》を発動!続けて《BF-蒼炎のシュラ》を召喚!さらに《黒い旋風》の効果でデッキから二体目のブラストをサーチ!」
BF-蒼炎のシュラ 星4 闇 鳥獣族 攻1800/守1200
「そして《BF-黒槍のブラスト》を特殊召喚!」
「レベル4の鳥獣族が二体・・・。この展開は・・・!!」
「ちょーっと待ちな英雄。その前に面倒な伏せカードを破壊しておく!オレはフィールドに《BF》が三体いることにより、手札から《デルタ・クロウ―アンチ・リバース》を発動!お前のセットカードを破壊する!」
「手札から罠カードだと!?」
オーガ・ドラグーンのセットカードが爆散した。
「さぁ、こっからだぜ!オレは《BF-蒼炎のシュラ》と《BF-黒槍のブラスト》でオーバーレイ!―――二体の鳥獣族モンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!舞い降りよ、《零鳥獣シルフィーネ》!」
零鳥獣シルフィーネ ランク4 水 鳥獣族 攻2000/守2200
「シンクロ主体のデッキでエクシーズ召喚!?」
オーガ・ドラグーンが驚く一方、ケイトはいたずらっ子みたいな笑みを浮かべた。
「にしても、ここはやっぱ暑いよなぁ・・・・・。少しの間涼ませてもらおうか!シルフィーネの効果発動!エクシーズ素材を一つ取り除いて、相手の表側表示のカード効果を無効にする!パーフェクトフリーズ!」
零鳥獣シルフィーネ ORU 2→1
オーガ・ドラグーンの二体のモンスターとドクロの首飾りが凍りつき、辺り一面が氷に覆われた。
「さらにこのカード以外のフィールドの表側表示のカード一枚につき300ポイント攻撃力アップだ!」
零鳥獣シルフィーネ 攻2000→3500
「上手いぞ前田君!《インフェルニティ・デス・ドラゴン》の攻撃力を超えただけじゃない。このターン倒しきれないネクロマンサーの効果を無効にすることで次の相手ターンに強力なモンスターを蘇生される危険性がなくなった!」
「行くぜ!《零鳥獣シルフィーネ》で《インフェルニティ・デス・ドラゴン》を攻撃!アイス・レイ!」
シルフィーネは氷漬けのデス・ドラゴンを無数の氷の刃で砕いた。
煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP8000→LP7500
「グッ・・・!」
「お前もダメージは受けるんだな。ま、そりゃそーか。オレは《BF-暁のシロッコ》で《インフェルニティ・ネクロマンサー》を攻撃!ダークウィングスラッシュ!」
「何!?攻撃力が守備力と互角のモンスターで攻撃だと!?まさか・・・!!」
「その通り!オレはダメージ計算前に手札の《BF-月影のカルート》を墓地へ送って効果発動!シロッコの攻撃力をターン終了時まで1400ポイントアップさせる!」
シロッコの爪がネクロマンサーの土手っ腹を貫いた。
「残念だったな。これでお前のモンスターは全滅だ!」
「そうだな。この一瞬だけどな!」
「何!?」
「墓地の《インフェルニティ・リベンジャー》の効果発動!手札0で《インフェルニティ》が破壊された時、墓地のこのモンスターを破壊されたモンスターと同じレベルにして特殊召喚できる!さらにこの類の効果でよくある破壊されたら除外される効果もねぇ!!」
インフェルニティ・リベンジャー 星1→3
「チューナーを残したか・・・。ターンエンド!」
ケイト LP6750 手札0
モンスター/《BF-暁のシロッコ》《零鳥獣シルフィーネ》
魔法・罠/《黒い旋風》
「俺のターン!」
(チッ。このカードじゃ逆転はできないな。壁にでもしておくか)
「俺はモンスターを一体伏せてターンエンド!」
煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP7500 手札0
モンスター/《インフェルニティ・リベンジャー》リバース×1
魔法・罠/《デプス・アミュレット》
「さぁて、一気に攻めるぜ!オレのターン、ドロー!―――オレは《BF-精鋭のゼピュロス》を召喚!」
BF-精鋭のゼピュロス 星4 闇 鳥獣族 攻1600/守1000
「《黒い旋風》の効果発動!デッキからゼピュロスより攻撃力の低い《BF-そよ風のブリーズ》を手札に加える!それだけじゃねぇ!ブリーズはカード効果でデッキから手札に加えられた時、特殊召喚できる!来い、ブリーズ!」
召喚されたモンスターは《BF》の名を冠しているが、メインカラーは黄色と朱色だ。
BF-そよ風のブリーズ 星3 闇 鳥獣族 チューナー 攻1100/守300
(《インフェルニティ・リベンジャー》はまた復活してくるかもしれないから、先にやるなら伏せモンスターか)
「バトルだ!まずはゼピュロスで伏せモンスターを攻撃!」
ゼピュロスの爪が貫いたのは黒い騎士。
インフェルニティ・ナイト 星3 闇 悪魔族 攻1400/守400
「次はブリーズで《インフェルニティ・リベンジャー》を攻撃!」
ブリーズの攻撃力は1100しかないがリベンジャーがコピーできるのはレベルだけ。守備力まではコピーできない。
「これでお前を守るモンスターはいねぇ!《デプス・アミュレット》も手札がなきゃ使えねぇ!シロッコとシルフィーネでダイレクトアタックだ!!ダークアイス・スラッシュ!」
「グオオオオオオオオオォォォォォッ!!!」
煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP7500→LP3500
「グッ・・・・・そんなもんか?」
ケイトは少し意外そうな顔をした。
「何だ?もっと攻撃してほしかったのか?M?」
「そういうことを言ってんじゃねぇ。俺が求めるのは刺激的な闘いだ!まだだ。まだこんなもんじゃ満足なんてできやしねぇ!」
「へぇ、さすがは満足龍の一角。強者との闘いが望みってわけかい。・・・・・・・・よし決めた!」
言うとケイトはオーガ・ドラグーンを指差し、とんでもない一言を放った。
「オレ、お前飼う!!」
「「「・・・・・ええええええ!?」」」
これにはオーガ・ドラグーンだけでなく、秋人、英雄も自分の耳を疑うのだった。
リアル事情がまた忙しくなってしばらく投稿できずにいました申し訳ありません。今後はできるだけ早いペースで投稿できればと思います。