遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

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第五十六話 「言葉でもデュエルでもダメなら拳で語り合え」

ケイト LP6750 手札0

モンスター/《BF-暁のシロッコ》《零鳥獣シルフィーネ》《BF-精鋭のゼピュロス》《BF-そよ風のブリーズ》

魔法・罠/《黒い旋風》

 

 

BF-暁のシロッコ 星5 闇 鳥獣族 攻2000/守900

 

 

零鳥獣シルフィーネ ランク4 水 鳥獣族 ORU 1 攻2000/守2200

 

 

BF-精鋭のゼピュロス 星4 闇 鳥獣族 攻1600/守1000

 

 

BF-そよ風のブリーズ 星3 闇 鳥獣族 チューナー 攻1100/守300

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP3500 手札0

魔法・罠/《デプス・アミュレット》

 

 

 

 火山の頂上で始まったケイトとオーガ・ドラグーンのデュエル。ラヴァル三姉妹にラヴァルの仇討ちを託されたケイトだったが、彼女はオーガ・ドラグーンにトンデモない一言を告げるのだった。

 

 

「オレ、お前飼う!」

 

 

「「「・・・・・ええええええ!?」」」

 

 

 そりゃ驚くわな。

 

「テメェ、この俺を飼うだと?」

「ああ。要するに、お前をオレのカードとして使うって言ってんだ」

「俺を許さないんじゃなかったのか?」

「もちろん許せねぇよ。けど、オレは訳あって力が欲しい。お前みたいに闘いに飢えてるヤツなら尚更な。それに、お前をオレの目の届くところに置いとけば、悪さできねぇだろ?」

「ハッ!笑わせるな。そんなことは俺に勝ってから言いやがれ」

「だったら・・・、勝ってやるよ!!オレはメインフェイズ2でレベル4の《BF-精鋭のゼピュロス》にレベル3の《BF-そよ風のブリーズ》をチューニング!―――再び天空へ駆け上がる翼となれ!シンクロ召喚!《BF-アーマード・ウィング》!」

 

 

BF-アーマード・ウィング 星7 闇 鳥獣族 攻2500/守1500

 

 

「オレはこれでターンエンドだ!」

 

 

ケイト LP6750 手札0

モンスター/《BF-暁のシロッコ》《零鳥獣シルフィーネ》《BF-アーマード・ウィング》

 

 

「今のが《デプス・アミュレット》を発動して三度目のエンドフェイズだったから、このカードは自壊する」

 

 オーガ・ドラグーンのフィールドから骸骨の首輪が消えた。

 

「俺のターン、ドロー!―――フフフフフ。ハハハハハハ!!」

「何典型的な悪役の笑い方してんだよ?」

「そういう時は、決まって勝敗を決めるカードが来るもんだ。俺は《インフェルニティ・ミラージュ》を召喚!」

 

 オーガ・ドラグーンのフィールドに紅葉みたいな顔をしたモンスターが召喚された。だが体が半透明になっていて、向こう側が見える。

 

 

インフェルニティ・ミラージュ 星1 闇 悪魔族 攻0/守0

 

 

「《インフェルニティ・ミラージュ》が手札0で発動できる効果は、自身をリリースしてミラージュ以外の《インフェルニティ》を二体まで特殊召喚する、だ。―――レベルに関係なくな」

「ってことは・・・。またかよぉ・・・・・」

 

 ケイトは分かりやすくヘコんでいる。

 

「俺は墓地の《インフェルニティ・デス・ドラゴン》と、《インフェルニティ・ネクロマンサー》を特殊召喚!」

 

 

インフェルニティ・デス・ドラゴン 星8 闇 ドラゴン族 攻3000/守2400

 

 

インフェルニティ・ネクロマンサー 星3 闇 魔法使い族 攻0/守2000

 

 

「まずは《インフェルニティ・ネクロマンサー》の効果を発動する!墓地の《インフェルニティ・デーモン》を特殊召喚!」

 

 

インフェルニティ・デーモン 星4 闇 悪魔族 攻1800/守1200

 

 

「さらに!《インフェルニティ・デーモン》が特殊召喚されたことで、デッキから《インフェルニティ・バリア》を手札に加えて、そのままセット!」

 

(《インフェルニティ・バリア》・・・・・。あのカードは確か、カード効果全般を無効化して破壊する効果を持ってたはず。何とか手を打たねぇと、シルフィーネの効果が使えねぇ)

 

「俺は《インフェルニティ・デス・ドラゴン》の効果発動!もう一度消えてもらおうか。アーマード・ウィング!!」

 

 前のデュエルとかだと大活躍だったのに、今回は召喚即破壊×2というあんまりな扱いを受けるアーマード・ウィング。

 

「そしてアーマード・ウィングの攻撃力の半分のダメージをお前に与える!」

「グッ・・・!」

 

 

ケイト LP6750→LP5500

 

 

「ターンエンドだ」

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP3500

モンスター/《インフェルニティ・デス・ドラゴン》《インフェルニティ・ネクロマンサー》《インフェルニティ・デーモン》

魔法・罠/リバース×1

 

 

「オレのターン、ドロー!―――よっしゃ!オレは魔法カード《ダーク・バースト》を発動!」

「チッ!いい引きしてやがる!リバースカード発動!カウンター罠《インフェルニティ・バリア》!」

 

「先輩。なんでオーガ・ドラグーンは《ダーク・バースト》を無効化したんだ?シルフィーネに使うつもりだったはずなのに」

「君の言うとおり、前田さんはシルフィーネの効果を発動して相手モンスターの効果を無効化プラス攻撃力の上昇をしたかったはずだし、オーガ・ドラグーンとしてはそれを阻止したかったのは間違いない。だが、彼女の墓地には今《BF-疾風のゲイル》がいる。あのカードを手札に加えて召喚。さらに効果を使われたら、シルフィーネの効果を発動せずにオーガ・ドラグーンのモンスターは破壊される。向こうもそれを読んでここで止めたのだろう」

 

 以上、(忘れられてるかもしれないけど)プロデュエリスト秋人の解説でした。

 

「これでシルフィーネを止めることはできねぇ!オレは《零鳥獣シルフィーネ》の効果発動!お前の表側表示のカードの効果を全て無効化し、シルフィーネ以外の表側表示のカードの数だけ攻撃力を300ポイントアップする!パーフェクトフリーズ!!」

 

 辺りが再び氷の世界と化す。

 

 

零鳥獣シルフィーネ ORU 1→0 攻2000→3500

 

 

「行っけぇー、シルフィーネ!!アイス・レイ!!」

 

 デス・ドラゴンに無数の氷の刃が突き刺さった。

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP3500→LP3000

 

 

「続けてシロッコで《インフェルニティ・デーモン》を攻撃!ダークウィングスラッシュ!」

 

 シロッコの爪がデーモンを切り裂いた。が、オーガ・ドラグーンのライフは変わっていない。

 

「んだよ。守備表示だったのかよ。ターンエンド!」

 

 

ケイト LP5500 手札0

モンスター/《零鳥獣シルフィーネ》《BF-暁のシロッコ》

 

 

「――――オレのターン、ドロー」

 

 危機的状況であるにもかかわらず、オーガ・ドラグーンはク○ッシュタウン編クライマックスの○柳が如く落ち着いていた。

 

「――――手札0でこのモンスターをドローした時、相手に見せることで特殊召喚できる」

 

 そう言って見せたのは、二枚目の《インフェルニティ・デーモン》

 

「何っ!?」

「そして特殊召喚に成功したデーモンの効果により、俺はデッキから《インフェルニティ・リベンジャー》を手札に加え、そのまま召喚する」

 

 

インフェルニティ・リベンジャー 星1 闇 悪魔族 チューナー 攻0/守0

 

 

「今、この状況は俺にとって幸運だった。なんせお前の切り札であるシルフィーネは、もう効果を使えないからな。―――俺はレベル4の《インフェルニティ・デーモン》と、レベル3の《インフェルニティ・ネクロマンサー》に、レベル1の《インフェルニティ・リベンジャー》をチューニング!―――地獄と天国の間(はざま)・・・。煉獄よりその姿を現せ、《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》!」

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン 星8 闇 ドラゴン族 攻3000/守3000

 

 

 しかしオーガ・ドラグーンがシンクロが口上を言っても何も現れない。

 

「どういうことだよ?今までだったら同じモンスターが二体並んだのに」

 

 オーガ・ドラグーンは指を鳴らしながら言った。

 

 

「ここから先は、俺自身が闘う」

 

 

「マジか!?」

「本気だ。闘いというのは本来己の身で味わうものだ」

(ケッ。コイツ、オレの地元のデュエルがどんなのか知ったら歓喜するだろうな)

「バトルだ!俺は《BF-暁のシロッコ》を攻撃!煉獄の混沌却火(インフェルニティ・カオス・バースト)!!」

 

 オーガ・ドラグーンは自ら黒い炎を放ち、シロッコを焼き尽くした。

 

 

ケイト LP5500→LP4500

 

 

「ウッ・・!やっぱ自分で攻撃してるからかな?さっきよりダメージがデケェ」

「これが俺のデュエルだ。ターンエンド!」

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP3000 手札0

モンスター/《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》

 

 

(オーガ・ドラグーンを倒せるかどうかはこのドロー次第か)

「オレのターン、ドロー!―――オレはシルフィーネを守備表示に変更!そしてカードを一枚セットしてターンエンドだ!」

 

 

ケイト LP4500 手札0

モンスター/《零鳥獣シルフィーネ》

魔法・罠/《黒い旋風》リバース×1

 

 

「俺のターン、ドロー!チッ。ここでこんな奴を引くとはな。俺は《インフェルニティ・ナイト》を召喚!」

 

 

インフェルニティ・ナイト 星3 闇 悪魔族 攻1400/守400

 

 

「バトル!まずは俺が《零鳥獣シルフィーネ》を攻撃!煉獄の混沌却火!!」

「かかったな!永続罠、発動!《デモンズ・チェーン》!これでお前は攻撃とモンスター効果が使えなくなるぜ!」

「!!ケイト、それはマズイ!!」

 

 秋人は珍しくケイトを下の名前で呼び捨てにするほど焦った。

 

「え?」

 

 しかしもう遅い。すでにカードから数本の鎖が放たれている。

 

「無駄無駄ァ!!」

 

 オーガ・ドラグーンの一喝で鎖は粉々に砕けた。

 

「何だと!?」

「俺は確かに《インフェルニティ》じゃねぇ。だがその効果は、手札0の時1ターンに一度魔法・罠を無効にして破壊する!」

「っ・・・!?・・・・・・へぇ」

 

 一瞬驚いたそぶりを見せたが、すぐニヤリと笑った。

 

「何がおかしい?」

「条件付きとはいえ魔法・罠を無効化できて、攻守3000たァ、ますます欲しくなっちまうじゃねぇか」

「――――言いたい事はそれだけか?ならバトル続行だ!」

 

 オーガ・ドラグーンの炎はシルフィーネを跡形もなく溶かした。

 

「さらに《インフェルニティ・ナイト》でダイレクトアタック!」

 

 騎士の名を持つ悪魔が斬りかかった。

 

「ヘッ!」

 

 しかしそこはケイト。剣を片手で受け止めた。だが!しかし!(例のファンサービス風)減るものは減るわけで。

 

 

ケイト LP4500→LP3100

 

 

「これでお前のモンスターは全滅だ。ターンエンド」

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP3000 手札0

モンスター/《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》《インフェルニティ・ナイト》

 

 

「さーて、ちょっとヤバイな。オレのターン、ドロー!――――――」

 

 ドローしたカードを見て、ケイトは何かを考えるように目を閉じた。それを皆訝しんだ。

 

 

「―――――二話のフユのマネ!!」

 

 

 この一言にはいつもの二人以外ズッコケる。

 

「そもそもあの時点ではお前はいないだろ」

 

 そして零士の冷静なツッコミ。

 

「堅ぇ事言うなよ。―――それに、閃いたぜ。逆転の一手をな」

「何だと!?」

「オレは《BF-極北のブリザード》を召喚!」

 

 

BF-極北のブリザード 星2 闇 鳥獣族 チューナー 攻1300/守0

 

 

「何かと思えばそんなモンスターか。そのモンスターの効果でシンクロ召喚でもするのが狙いか?」

「ヘッ。何もブリザードの効果で特殊召喚できるのは非チューナーだけじゃないんだぜ?オレはブリザードの効果で墓地の《BF-疾風のゲイル》を守備表示で特殊召喚!」

 

 

BF-疾風のゲイル 星3 闇 鳥獣族 チューナー 攻1300/守400

 

 

「次に《黒い旋風》の効果で《BF-隠れ蓑のスチーム》をサーチだ」

「テメェ、どういうつもりだ?チューナー同士じゃシンクロはできないし、レベルも違うからエクシーズ召喚もできない。それでどうやって俺を倒すって?」

「ま、お前の言うとおり、これだけじゃ勝てねぇ。だからこうするのさ!オレはゲイルの効果を発動!お前の攻撃力と守備力を半分にする!」

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン 攻3000→1500/守3000→1500

 

 

「グゥッ・・・!なるほど、確かにブリザードの効果で特殊召喚したモンスターの効果は失われない。だがそれでも俺を倒すことはできない!さぁ見せてみろ!お前の次なる一手を!!」

 

 

「え?いや、もうこのターンできることないからターンエンドだけど?」

 

 

 

ケイト LP3100 手札1

モンスター/《BF-極北のブリザード》《BF-疾風のゲイル》

魔法・罠/《黒い旋風》

 

 

「・・・何が逆転の一手だ。ただのハッタリじゃねぇか」

 

 さらに何かしてくるんじゃないかと期待していたオーガ・ドラグーンにとって、ケイトのこの行為には軽い怒りを感じた。

 

「俺のターン、ドロー!―――そろそろ終わりにしてやるよ。お前とのこの茶番をな」

「!?」

「俺は《インフェルニティ・ナイト》をリリースし、《インフェルニティ・デストロイヤー》をアドバンス召喚!!」

 

 ナイトに代わって現れたのは、こげ茶色の鬼のようなモンスターだ。

 

 

インフェルニティ・デストロイヤー 星6 闇 悪魔族 攻2300/守1000

 

 

「バトル!!《インフェルニティ・デストロイヤー》で極北のブリザードを攻撃!」

 

 デストロイヤーはブリザードを地面へ叩きつけた。

 

 

ケイト LP3100→LP2100

 

 

「くっ!」

「さらにデストロイヤーの効果発動!手札0でモンスターを戦闘破壊した時、相手に1600のダメージを与える!」

 

 

ケイト LP2100→LP500

 

 

「うああっ!」

「そろそろ諦めたらどうだ?お前のハッタリに付き合わされる身にもなりやがれ」

 

 しかしケイトはニカッと笑った。

 

「い〜や、ライフが500も残れば十分だ」

「チッ!だったら潰せる可能性は全て潰す!俺は疾風のゲイルを攻撃!!煉獄の混沌却火!!」

 

 これでケイトのフィールドには再びモンスターがいなくなった。あるのは《黒い旋風》のみ。手札も《黒い旋風》でサーチした《BF》一体だけ。

 

「ターンエンド!!」

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP3000 手札0

モンスター/《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》《インフェルニティ・デストロイヤー》

 

 

 

 

「ケイトの奴、全然諦めた感じには見えないが、大丈夫なのか?」

 

 そう言って心配する英雄。

 

「そこまで心配するとは、君は彼女のことが好きなのかい?」

 

 そんな英雄を茶化すのは秋人だ。

 

「違いますよ!あいつが大事な仲間だからです!それに俺が好きなのは・・」

 

 言いかけて英雄は慌てて口を閉ざした。

 

「こいつが好きなのは女装したフユだ」

「あっ、零士余計なことを・・・!!」

「・・・うわー・・・・・・」

 

 秋人はドン引きした顔をした。

 

「・・・とまぁ、悪ふざけはここまでにして」

「悪ふざけで人の心えぐらないでください」

 

 

「心配する必要はないだろう。―――想いを託された人間は、少なくとも戦闘狂より断然強い」

 

 

 

 

「オレのターン、ドロー!―――ヘヘッ」

「何がおかしい?」

 

「どうやらこのデュエル、俺の勝ちみたいだぜ」

 

「どうせまたハッタリなんだろ?」

「ちげーよ。ついでにさっきのターンのもな。オレは《BF-隠れ蓑のスチーム》を召喚!」

 

 ケイトのフィールドに召喚されたのは忍者のような格好をした小さい黒い鳥だ。

 

 

BF-隠れ蓑のスチーム 星3 闇 鳥獣族 チューナー 攻800/守1200

 

 

「さらに《黒い旋風》の効果発動!デッキからスチームより攻撃力の低い、《BF-突風のオロシ》を手札に加える!そしてコイツらはフィールドに同名以外の《BF》がいる時、特殊召喚できる!来い、《BF-突風のオロシ》!《BF-黒槍のブラスト》!」

 

 お馴染みのブラストとセットで特殊召喚されたのは、喉に赤い袋のある小鳥だ。

 

 

BF-黒槍のブラスト 星4 闇 鳥獣族 攻1700/守800

 

 

BF-突風のオロシ 星1 闇 鳥獣族 チューナー 攻400/守600

 

 

「手札一枚でモンスターを三体も召喚しただと!?」

「これが《BF》だ!!オレはレベル4の《BF-黒槍のブラスト》に、レベル1の《突風のオロシ》をチューニング!―――シンクロ召喚!現れろ、《BF-煌星(きらぼし)のグラム》!!」

 

 ケイトの場に現れた、新たなシンクロモンスターは、純白の鎧を着た西洋騎士のようなモンスター。

 

 

BF-煌星のグラム 星5 闇 鳥獣族 攻2200/守1500

 

 

「まだまだ行くぜ!オレはレベル5の《BF-煌星のグラム》に、レベル3の《BF-隠れ蓑のスチーム》をチューニング!」

「連続でのシンクロ召喚だと!?」

 

「漆黒の風を纏い末世から飛翔せよ!!シンクロ召喚!《玄翼竜 ブラック・フェザー》!!」

 

 

 召喚されたのは《ブラックフェザー・ドラゴン》とよく似た名、ステータス、姿をしているが、その効果は異なるモンスターだ。

 

 

玄翼竜 ブラック・フェザー 星8 闇 ドラゴン族 攻2800/守1600

 

 

「ブラック・フェザー・・・!!っていうかお前、決闘竜(デュエルドラゴン)のカード持ってるんなら別に俺必要ないじゃないか!?」

 

「は?オレがこれぐらいで満足するわけねぇだろ?それに、持っていい力に限度なんてないんだしよ」

 

「だったら!!そのモンスターだけで何ができるというんだ!?」

「悪ィな。オレのモンスターはブラック・フェザーだけじゃねぇ!さっきシンクロ素材にしたスチームの効果発動!このモンスターがフィールドから離れた場合、《スチーム・トークン》を特殊召喚できる!」

 

 目のついた小さい竜巻がフィールドに出現した。

 

 

スチーム・トークン 星1 風 水族 攻100/守100

 

 

「そしてフィールドの《黒い旋風》を手札に戻し、墓地の《BF-精鋭のゼピュロス》を特殊召喚!この時オレは400ポイントのダメージを受ける!」

 

 

ケイト LP500→LP100

 

 

 これでケイトのライフは残り100。しかしダメージを受けることこそがケイトの狙いだった。

 

「この瞬間、《玄翼竜 ブラック・フェザー》の効果発動!オレがダメージを受けた時、デッキの上からカードを五枚墓地へ送って、その中にモンスターカードがあれば、ブラック・フェザーの攻撃力は400アップだ!」

 

 ケイトはデッキの上のカードを五枚引いてそれを確認した。

 

「ま、当然あるよな」

 

 

玄翼竜 ブラック・フェザー 攻2800→3200

 

 

「さらにオレは墓地の《BF-大旆のヴァーユ》と《BF-アーマード・ウィング》を除外して擬似シンクロ!!」

 

「何っ・・・!?」

(おそらくヴァーユは今のブラック・フェザーの効果で墓地へ送ったカードの一枚。運のいいヤツだ!)

「現れろ、《BF-孤高のシルバー・ウィンド》!!」

 

 

BF-孤高のシルバー・ウィンド 星8 闇 鳥獣族 攻2800/守2000

 

 

「まだだ!まだオレのシンクロ召喚は終わってねぇ!!」

「チューナーもいないのにシンクロ召喚ができるはずがない!!」

「いないなら呼べばいいんだよ!!オレは墓地の《BF-隠れ蓑のスチーム》の効果発動!フィールドのモンスター、《スチーム・トークン》をリリースして特殊召喚!!」

 

 竜巻が激しく動き出すと中からスチームが飛び出してきた。

 

「フィールドから離れたらトークンを出す上に、モンスターをリリースすれば墓地から特殊召喚可能だと?インチキ効果も大概にしろ!!」

「お前も人のことそこまで言えないだろ。それにこの効果デュエル中一回しか使えねぇし。―――と、それは置いといて。オレはレベル4の《BF-精鋭のゼピュロス》に、レベル3の《BF-隠れ蓑のスチーム》をチューニング!―――シンクロ召喚!現れろ、《ダーク・ダイブ・ボンバー》!!」

「何ィッ!?」

 

 

ダーク・ダイブ・ボンバー 星7 闇 機械族 攻2600/守1800

 

 

「最後の最後に鬼畜爆弾魔を召喚しやがって・・・!!」

「よっしゃ行くぜ!!まずは《ダーク・ダイブ・ボンバー》の効果発動!このモンスター自身をリリースして、そのレベル×200のダメージを与える!」

 

 (最近釈放された)《ダーク・ダイブ・ボンバー》は戦闘機へと変形し、オーガ・ドラグーンに特攻した。

 

「グオオッ!!」

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP3000→LP1600

 

 

「バトルフェイズだ!まずはシルバー・ウィンドで《インフェルニティ・デストロイヤー》を攻撃!パーフェクト・ストーム!」

 

 鬼の姿をした破壊者は黒い翼の戦士による剣の一突きで破壊された。

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP1600→LP1100

 

 

「これで最後だ。《玄翼竜 ブラック・フェザー》でお前を攻撃!!黒怒尖闘撃(ブラック・レイジ・エントリー)!!!」

 

 ブラック・フェザーの黒い波動がオーガ・ドラグーンを包んだ。

 

 

「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン LP1100→LP0

 

 

 

 

「クッ・・・・・!」

 

 オーガ・ドラグーンは片膝を着いて顔を伏せていた。

 

「さて、オレが勝ったんだ。約束通り・・・・・・・・ん?」

 

「クックック・・・・。ハハハハハ・・・・・・・。ッハ―――――ハッハッハッハッハッハ!!」

 

 いきなり声を上げて笑い出すオーガ・ドラグーン。

 

 

「所詮・・・、デュエルなどこんなものかアアアアァァァ!!!!」

 

 

 言うやいなやオーガ・ドラグーンは黒炎を吐いた。

 

「うわっ、あぶねっ!」

 

 それをケイトはすんでのところで躱す。

 

「こんにゃろー・・・・!零士、これ持ってろ!」

 

 ケイトがそう言って投げたのはデュエルディスク。そして投げると同時にケイトはオーガ・ドラグーンの懐に飛び込んだ。

 

 

「テメェそれでもデュエリストか!?」

 

 

 ケイトは跳躍してオーガ・ドラグーンの腹部に拳を叩き込むが、片手で受け止められた。

 

 

「リアリストだ!!」

 

 

 オーガ・ドラグーンも空いた腕でケイトに殴りかかる。

 

 

「【インフェルニティ】使ってるお前が言うセリフかよ!?」

 

 

 しかしケイトも大きく後方に飛び、それを避ける。

 

「やはり、こっちの方が俺は得意みたいだなぁ」

 

「だったらお前の得意分野でもオレが勝ってやるよ!」

 

「無駄だ!人間ごときがこの俺に敵うはずがないだろうが!!」

 

「人間舐めんなよ!!無駄かどうか、その体で見定めやがれ!!」

 

「ふん、だったらかかってこい!!」

 

 ケイトはオーガ・ドラグーンとの間合いを詰めた。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!」

 

 

ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!

 

 

 何十発、何百発もの拳が激しくぶつかり合う。

 

「す、すごいラッシュだ!互いに一歩も引いていない!!」

 

「『○ョジョの奇妙な冒険 ○ターダストクルセイダース エジプト編』好評放送中ゥ――――ッ!!!」

 

「セコい番宣を・・・」

 

「ですが、互いに一歩も引いていませんね」

 

「!!いや待て!!」

 

 秋人が焦りを見せた。

 

「彼女の足元をよく見てみろ!!」

 

 見ると、ケイトの足場だけがめり込みだしていた。そのせいで、わずかずつだが彼女の姿が見えなくなっている。

 

「そんな!?何故!?」

 

「おそらく彼らの純粋なパワーはほぼ互角。だが彼女の体格は同世代の女子と比べても小柄。しかし、一方のオーガ・ドラグーンの全長は約10メートル!圧倒的なまでの体格差!!それにより、オーガ・ドラグーンはパンチに体重をかけることで威力を上げているんだ!!」

 

 

「ぬおっ!!」

 

 直後、ケイトの両手から血が噴き出した。

 

「フハハハハ!!もうその腕では殴ることはできまい!!これで終わりだああああぁぁぁ!!!!」

 

 オーガ・ドラグーンがこれまで以上の勢いで拳を振り下ろした。ケイトは防ぐことも避けることもせずにそれを受けた。しかし殴った本人だけは違和感を感じていた。

 

 

(馬鹿な!?手応えが・・・、全く無いだと!!?)

 

 

 そう思った瞬間、ケイトの姿が消えた。

 

「なっ・・・!?」

 

 

「どうやらスピードはオレの勝ちみたいだな!」

 

 

 ケイトは生きていた。それも、オーガ・ドラグーンの頭上まで跳躍している。

 

 

「残像だ!!!」

 

 

「「「えええええ―――――――――!?」」」

 

「もうなんでもアリだな」

 

 零士とエアトス以外が驚く中、ケイトはさらに告げた。

 

「次にテメーは、『小娘、貴様本当に人間か!?』と言う!!」

 

「小娘、貴様本当に人間か!?―――ハッ」

 

 一瞬!!この、作られた一瞬の隙が、ケイトとオーガ・ドラグーンの運命を分けた!!

 

「何で地の文まで○ョジョ風なんだ?」

 

「そして!!それに対するオレの答えは・・・・・・」

 

 ケイトは空中で何度も体を回転させる。

 

 

「『イエス』だああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

 

ゴシャアアア!!

 

 その言葉と同時にケイトはオーガ・ドラグーンに頭突きを決める。

 

「・・・・・・・・!!」

 

 オーガ・ドラグーンは何も言葉を発せられずに地面に倒れ伏した。

 

「いよっしゃあああ!!!」

 

 ケイトは額から血を流し、フラフラだったが、しかと立っていた。

 

「ぬ、うぅ・・・」

 

オーガ・ドラグーンは呻き声を上げるが、立ち上がることはできない。

 

「まだ意識はあるみたいだな。ひとまず、勝負アリだ」

「ふん。いいだろう・・・。約束通り、お前の仲間になってやるよ。・・・・だが、モンスターを力で服従させることが何を意味するか・・・・・、覚悟しておくんだな」

 

 オーガ・ドラグーンの体が光りだした。

 

「へぇ。―――こっちも礼とは言わねぇが、そのうち満足できる勝負に付き合わせてやるよ」

「―――――それは・・・、楽しみだな・・・・・」

 

 光が徐々に収まり、オーガ・ドラグーンのいた辺りに白いカードが落ちていた。《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》のカードだ。ケイトはそれを拾った。

 

「うっし。これで火山もクリアだな」

「次は凍土だったな」

「エアトスよ、やはりかなり距離があるんじゃないかい?」

「いえ、それでしたら・・・・・」

 

 エアトスは案内するように火山の反対側までゆっくりと飛んだ。

 

「あそこが『氷結世界』です」

 

 エアトスが指差した方向の景色は、火山を下ればすぐに海が広がり、10キロほど行った先に氷でできた島が浮いていた。

 

「おい、なんでオレら火山にいるのに目の前に氷山が見えんだよ?○ンクハザード!?ここ○ンクハザード!?二年前に海軍大将同士で闘ってたのか!?」

 

 ついさっきまで色々な意味で激闘を繰り広げていたケイトだが、ここに来て激しいツッコミを入れる。

 

 

「あー、クソッ!!流石にもうちょっとマシなとこ行かせろチクショオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

 




 終盤は「おい、デュエルしろよ」と言いたくなるような展開でしたが、たまにはこういうのもいいんじゃないでしょうか。
 それにしてもここ最近のケイトは次々と伏線を作っていますね。ただこれを全部回収できるのはかなり先の話になると思います。
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