遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

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第六話 「ラスボスは大抵自分のこと神とか○王とか言うよね」

 やっと主人公対ヒロインのデュエルが行われた翌日のことである。

 

「えーと・・・・・、どういうこと?」

 

 フユ、千鳥、龍一の三人は囲まれていた。

 え?何にかって?

 

 不良軍団。

 

 そういうわけで学校の廊下で顔の怖~い人達に完全に逃げ場がないように囲まれている三人なのでした。

 

「ねえフユ、これ絶対この間の仕返しでしょ?」

 

 明らかに恐怖している千鳥。

 

「このままいったら私・・・、襲われたりとかするんじゃない?」

「う~ん、そうなったら、一部読者の方々は喜んでくれるんじゃないかな?」

「アンタに聞いた私が馬鹿だった―――――!!!」

 

 千鳥がヒステリックな叫び声を上げた直後、奥から男の声がした。

 

「おい、見つけたのか?」

 

 声のした方がにわかに騒がしくなり、徐々に道が開けていく。そこから現れたのは、端正な顔立ちのフユとはまた違うタイプの美少年だった。だがその瞳は冷たく、鋭く、そしてどこか悲しげだった。

 

「零士さん、こいつです!!このデケー男!!」

 

 大声を出したのは先日フユにフルボッコにされた男だった。

 零士と呼ばれた少年はフユを見据えて念を押すように言った。

 

「お前が白雪姫フユだな?」

「うん。そうだけど?」

「よし・・・・」

 

 少年は振り返って告げた。

 

「お前らは帰れ」

 

 周囲の不良たちがどよめいた。

 

「ええ!?ちょっ、どういうことですか!?」

 

 声を荒げたフルボッコ君の顔を少年は鷲掴みにし、床にヒビが入るほど叩きつける。少年は一貫して無表情だった。

 

「何度も言わせるな。こいつを連れてさっさ帰れ」

「は、ハイィ!!」

 

 不良達は皆どこへともなく散っていった。

 

 

 

「改めて名乗らせてもらおう。俺の名は天城零士(れいじ)だ」

「え、『てんじょう』?」

「違う、『あまぎ』だ」

 

 というフユと零士のどうでもいいやり取りの後、

 

「何でこんなことさせたのよ?」

 

千鳥が怒気を含めた口調で聞いた。

 

「この間の仕返しかよ?」

 

龍一も続ける。

 

「勘違いするな。奴等のリーダー格を断罪したら、連中がオレを新たなトップに祭り上げただけだ。正直オレも迷惑している。それにオレの目的は、お前と闘うことだ、白雪姫フユ」

「え・・・?」

 

 話のつかめていないフユに構わず言葉を続ける。

 

「昨日のお前とその女のデュエル、見せてもらった。一デュエリストとして、お前の強さには興味がある」

「ハハ、照れちゃうなぁ」

 

 少し演技がかった笑いをするフユ。

 

「・・・それと、オレは笑顔の仮面で本心を隠す奴が嫌いだ」

「おっと」

「ってちょっと待ちなさいよ!今更だけど、なんで初対面のアンタがこいつの名前知ってるのよ?」

 

 横から千鳥が口を挟んだ。

 

「同じクラスなんだ。名前ぐらい知っていてもおかしくないだろう」

「ええ!?」

「でも僕、君に会った覚えが・・・・・」

「当然だ。基本サボっているからな。―――――とにかく、今日の放課後、屋上で待つ」

 

 そう言い残し、立ち去ろうとする零士を

 

「待って!あ、間違えた、MA☆TTE!」

 

フユが引き止めた。

 

「なんで言い直した!?」

 

ついでにパクリボケに千鳥がツッこんだ。

 

「どうした?」

「二回連続でフワッとした理由でデュエルするのもアレなんだけど・・・」

「そうか。なら、お前たちの未来を賭けよう。お前が勝ったら奴等には一切手を出させないと誓おう。だがオレが勝ったら、お前等の高校生活は酷いものと思え」

 

 サラッとエグイことを言って、零士はその場を離れた。

 

「ちょっ、フユ!!絶対勝ちなさいよ、私の青春のために!!」

 

 千鳥がものすごい剣幕でフユにつっかかった。当のフユはその言葉を上の空で聞いている。

 

(また、『あのカード』を使うべき時が来たのかもしれないな・・・)

 

 

 

 ―――放課後。

 フユは一人で屋上へと向かっていた。屋上に行くためのドアの前まで来たところで、後ろから千鳥の彼を呼び止める声が聞こえた。龍一も一緒だ。千鳥が尋ねてくる。

 

「フユ、正直、勝てそう?」

「ウ~ン・・・。分かんないね」

 

 でも、とフユは続けた。

 

「彼は今までデュエルしてきた人の中でも、かなり強いと思うよ」

 

 笑って答えたフユを睨みつける二人だが、千鳥は一つため息をつき、言った。

 

「アンタなら勝てるって、信じてるから」

 

 フユは少しだけ微笑み、ドアを開けた。

 

「―――待っていたぞ」

 

 そこには朝のように無表情な零士がいた。

 

「さあ、始めるか」

 

 そう言ってデュエルディスクを構えた。そのデュエルディスクはかなり特異で、十字架のような形をしていた。

 

「神様のつもりかい?」

 

 そう言ったフユが、自分でハッとする。

 

「もしかして君がラスボス?ってことはもうすぐ最終回!?」

「んなわけあるか!!」

 

 千鳥がツッコんだ後、零士も言う。

 

「そんなことは知らん。それにオレは咎人(とがびと)を罰するだけだ」

 

 零士の言葉に疑問は残ったがこの小説最初の大一番は始まるのだった。

 

「デュエル!」 「・・・・・・」

 

 

フユ LP8000

 

 

零士 LP8000

 

 

「あの、せめて小声でもいいから『デュエル』って言って。でないとなんか一人だけカッコつけてるみたいに・・・」

 

 フユがやんわりと提案する。

 

「オレのターン」

(無視られた!しかも先攻取られた!)

「オレはモンスターを一体セット、さらにカードを二枚セットし、ターン終了」

 

 

零士 LP8000 手札3

モンスター/リバース×1

魔法・罠/リバース×2

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

 フユがドローした瞬間、零士が声を上げた。

 

「永続トラップ発動、《マクロコスモス》」

「!!!」

 

 絶句するフユ。

 

「もしかしてアイツが使うのって除外デッキ!?エグ過ぎ!」

 

 千鳥の本日二度目のヒステリックな声。

 

(これじゃ《マスター・ヒュペリオン》も出しにくくなるし、効果も使えないに等しい)

 

 千鳥の心の声でも聞こえたのか、フユが話しかけた。

 

「大丈夫、何とかしてみせるよ。―――僕は速攻魔法《フォトン・リード》を発動し、《創造の代行者 ヴィーナス》を特殊召喚!」

 

 

創造の代行者 ヴィーナス 星3 光 天使族 攻1600/守0

 

 

「続けてレベル4以下のモンスターが特殊召喚されたことにより、手札から《TG ワーウルフ》を特殊召喚!」

 

 現れたのは左腕が機械化した二足歩行の狼。

 

 

TG ワーウルフ 星3 闇 獣戦士族 攻1200/守0

 

 

「さらに《朱光の宣告者》を召喚!」

 

 

朱光の宣告者 星2 光 天使族 チューナー 攻300/守500

 

 

「そして《創造の代行者 ヴィーナス》の効果で《神聖なる球体》を二体特殊召喚!」

 

 

フユ LP8000→LP7000

 

 

神聖なる球体 星2 光 天使族 攻500/守500

 

 

 フユの場が低級モンスターで埋まる。

 

「よし!フユの十八番、数の暴力!」

 

 テンションが上がって微妙にひどいことを言う千鳥を「それ言っちゃダメだよ」みたいな目でフユが視線を送った後、咳払いをして言った。

 

「レベル2の《神聖なる球体》二体とレベル3の《TG ワーウルフ》に、レベル2の《朱光の宣告者》をチューニング!!―――シンクロ召喚!轟来せよ、《ミスト・ウォーム》!!」

 

 空に暗雲がたちこめ、その中から青い蟲のようなモンスターが顔をのぞかせる。

 

 

ミスト・ウォーム 星9 風 雷族 攻2500/守1500

 

 

「《ミスト・ウォーム》の効果発動!君のフィールド上のカード三枚全てを手札に戻す!万丈目サンダー!!」

「それ他人の決め台詞だろーがぁ!!」

 

 《ミスト・ウォーム》の背から煙霧のようなものが発せられ、それは零士のフィールドを覆う。そして霧が晴れた後には何も残っていなかった。

 

「よっしゃ!これで奴のフィールドはがら空き!」

「行っけぇ!フユ!」

 

 龍一と千鳥が歓喜する。

 

「《創造の代行者 ヴィーナス》、《ミスト・ウォーム》の順に攻撃!」

 

 

零士 LP8000→LP3900

 

 

 二体のモンスターの攻撃により大ダメージを受けたにもかかわらず、零士は微動だにしなかった。フユにはそれが不気味に見えた。

 

「ぼ、僕はこれでターン終了」

 

 

フユ LP7000 手札2

モンスター/《ミスト・ウォーム》《創造の代行者 ヴィーナス》

 

 

「オレのターン、ドロー。―――オレは《異次元の生還者》を召喚」

 

 ボロ衣を纏った青年が現れた。

 

 

異次元の生還者 星4 闇 戦士族 攻1800/守200

 

 

「《異次元の生還者》で《創造の代行者 ヴィーナス》を攻撃」

 

 《創造の代行者 ヴィーナス》に《異次元の生還者》の鉄拳が炸裂する。

 

 

フユ LP7000→LP6800

 

 

「クッ!」

「オレは永続魔法、《魂吸収》とフィールド魔法、《混沌空間(カオスゾーン)》を発動」

 

 彼らの周囲が真っ暗になり、歪曲した升目が地に浮かび上がる。

 

「さらにカードを二枚セットし、ターン終了」

 

 

零士 LP3900 手札2

モンスター/《異次元の生還者》

魔法・罠/《魂吸収》《混沌空間》リバース×2

 

 

(あれは、さっきのターン伏せていた二枚と同じと考えていいだろう・・・。なら、一枚は《マクロコスモス》・・・!)

「僕のターン、ドロー!――よし!」

 

 フユの言葉とほぼ同時に零士が言った。

 

「オレは再び《マクロコスモス》を発動」

「だったら僕は、《サイクロン》を発動して、《マクロコスモス》を破壊させてもらう!」

 

 小規模の竜巻が《マクロコスモス》のカードに向かっていく。

 ――――が、

 

「トラップ発動、《封魔の呪印》」

「そ、そのカードは・・・・・!み、み・・・・・、」

 

フユはそこまで言って千鳥と龍一の方を向いて言った。

 

「えーっと、G○で誰が使ってたんだっけ?ほら、初期の方はそれなりに出番のあって、最終的に全裸になったりした・・・・・」

「「忘れてやるなよ!!○沢だよ、み・○・わ!!」」

 

 ダブルツッコミが返って来た。

 

「・・・・・続けていいか?」

「ああ、ごめん」

「オレは手札の魔法カード一枚を捨て、《サイクロン》を無効にする。さらに、お前はこのデュエル中《サイクロン》を発動できない」

 

 そこでフユが少し気まずそうに言った。

 

「あの、それはいいんだけど、僕のデッキ《サイクロン》一枚しか入ってないよ」

「・・・・・オレは《魂吸収》の効果で合計1500ポイントのライフを回復」

 

 

零士 LP3900→LP5400

 

 

(また無視られた・・・・・)

 

 それはお前が空気読めないこと言うからだ。

 

「僕は《ライトロード・パラディン ジェイン》を召喚!」

 

 

ライトロード・パラディン ジェイン 星4 光 戦士族 攻1800/守1200

 

 

「《ライトロード・パラディン ジェイン》で《異次元の生還者》を攻撃!このカードはモンスターに攻撃する時、攻撃力を300ポイントアップする!――ライトスラッシュ!!」

 

 

ライトロード・パラディン ジェイン 攻1800→2100

 

 

 ジェインの剣撃に《異次元の生還者》があえなく散る。

 

 

零士 LP5400→LP5100→LP5600

 

 

「この瞬間、《混沌空間》にカオスカウンターが一つ乗る」

「カオスカウンター?」

「そのうち分かる」

 

 

カオスカウンター 0→1

 

 

「さらに《ミスト・ウォーム》でダイレクトアタック!―――ストレイ・ミスト!!」

 

 

零士 LP5600→LP3100

 

 

「僕はエンドフェイズに《ライトロード・パラディン ジェイン》の効果でデッキの上から二枚を墓地に送る。まあ、この場合除外されるんだけどね」

 

 

零士 LP3100→LP4100

 

 

 ここで零士が話しかけた。

 

「おい、さっき墓地へ送ったカードの中にモンスターカードはあったか?」

「いや、なかったけど?」

「そうか。・・・一つ教えてやると、モンスターが除外される毎にカオスカウンターがのるようになっている」

「へえ、そうなんだ。―――で、そっちも《異次元の生還者》の効果を発動するんでしょ?」

「ああ、表側表示の《異次元の生還者》が除外されたターンのエンドフェイズ時、フィールドに帰還する」

 

 空間が裂け、そこから《異次元の生還者》が現れた。

 

 

フユ LP6800 手札1

モンスター/《ミスト・ウォーム》《ライトロード・パラディン ジェイン》

 

 

「オレのターン、ドロー。――――オレは魔法カード《封印の黄金櫃》を発動。デッキのカード一枚を除外し、発動後二回目のスタンバイフェイズに除外したカードを手札に加える。対象は・・・、《ネクロフェイス》」

「なっ!?」

「《ネクロフェイス》の効果。互いのデッキの上から五枚を除外する」

 

 

零士 LP4100→LP10100

 

 

「LP10100・・・!!」

(一気に6000もライフを回復されたか・・・!ただでさえ8000スタートなのに、長期戦になりそうだな)

 

 最後の一言は余計だったが、フユの方が僅かに押され気味になってきた。

 

「おい、さっきのでお前のモンスターは何体除外された?」

「え?ああ、三体だよ」

「そうか、オレも《ネクロフェイス》を含めて三体だ」

 

 

カオスカウンター 1→7

 

 

「そして《異次元の生還者》で《ライトロード・パラディン ジェイン》に攻撃」

「相打ち狙いか!?」

 

 龍一の言葉は、即座に千鳥に否定された。

 

「いいえ、それだけじゃない!」

 

 ジェインの剣と生還者の拳が一瞬交わり、二体のモンスターはその場で倒れ伏した。

 

 

零士 LP10100→LP11100

 

 

カオスカウンター 7→9

 

 

「そうか!奴はライフ回復とカウンターを増やせる!」

 

 龍一は思わず声を上げた。

 

「それに《異次元の生還者》だけはまたフィールドに戻ってくる」

 

千鳥が付け加えた。

 

「エンドフェイズ時に除外された《異次元の生還者》を守備表示で特殊召喚し、ターンエンドだ」

 

 

零士 LP11100 手札1

モンスター/《異次元の生還者》

魔法・罠/《マクロコスモス》《魂吸収》《混沌空間》

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

 ドローしたカードを確認したフユの表情は戸惑っているようだった。

 

(やむを得ないか・・・!)

「僕は墓地の《創造の代行者 ヴィーナス》を除外!」

 

 

零士 LP11100→LP11600

 

 

カオスカウンター 9→10

 

 

「・・・・・来るか」

 

「天空に住まいし太陽神よ、矛を向ける者全てを灼き払え!!来い、《マスター・ヒュペリオン》!!!」

 

 

マスター・ヒュペリオン 星8 光 天使族 攻2700/守2100

 

 

「来た!フユの切り札!」

 

 龍一は歓喜するが、千鳥の表情はまだ少し険しい。

 

「でも、今フユの墓地に《マスター・ヒュペリオン》の効果を発動するためのモンスターがいない・・・!」

「僕は《ミスト・ウォーム》で《異次元の生還者》を攻撃!ストレイ・ミスト!!」

 

 《ミスト・ウォーム》の背から霧が噴出され、それが生還者に降りかかる。そこに《ミスト・ウォーム》が突っ込んでいった。

 

 

零士 LP11600→LP12100

 

 

カオスカウンター 10→11

 

 

「続けて《マスター・ヒュペリオン》で攻撃!プロミネンス・ブラスト!!」

 

 

零士 LP12100→LP9400

 

 

 零士は初期の黒薔薇の魔女かってぐらい直接攻撃を受けても無表情だ。

 

「・・・・・お前のエンドフェイズ時、除外された《異次元の生還者》を守備表示で特殊召喚」

(くそ・・・。キリがないな)

 

 

フユ LP6800 手札1

モンスター/《ミスト・ウォーム》《マスター・ヒュペリオン》

 

 

「オレのターン、ドロー。―――モンスターを一体伏せてターン終了」

 

 その性格と相まって、なんともまあ淡々と終わる零士のターン。

 

 

零士 LP9400 手札1

モンスター/《異次元の生還者》リバース×1

魔法・罠/《マクロコスモス》《魂吸収》《混沌空間》

 

 

「僕のターン、ドロー!」

(!このカードは・・・。イチかバチか)

「僕は《強欲で謙虚な壺》を発動!」

 

 フユの場に二つの顔がある壺が出現した。

 

「デッキの上から三枚をめくり、その内の一枚を手札に加え、残り二枚をデッキに戻す!ただしこのターン、僕は特殊召喚ができない。―――そしてデッキの上三枚のカードは、これだ!」

 

 その言葉と同時に壺の中から三枚のカードが出てきた。

 

「上から、《ジャンク・シンクロン》、《オネスト》、《創造の代行者 ヴィーナス》!」

「・・・・・ガチカードばっかりじゃねーか!!」

 

 千鳥のツッコミは使ったカードに対しても、ということにしていただこう。

 

(次のターン、彼の手札には《ネクロフェイス》が加わる。なら・・・!)

「僕は《創造の代行者 ヴィーナス》を手札に加える」

 

 

零士 LP9400→LP9900

 

 

(あのセットモンスター・・・。おそらく《異次元の偵察機》。そうでないにしてもライフ回復だの、カウンター追加だので、こっちが不利になるだけか)

「僕はこのままターン終了」

 

 

フユ LP6800 手札2

モンスター/《ミスト・ウォーム》《マスター・ヒュペリオン》

 

 

「オレのターン、ドロー。―――このスタンバイフェイズ、《封印の黄金櫃》の効果で除外されていた《ネクロフェイス》が手札に加わる」

(来るか!)

 

 身構えるフユ。

 

「《ネクロフェイス》を召喚」

 

 現れたのは半壊した西洋人形の頭部から触手が生えたグロテスク極まりないモンスター。

 

 

ネクロフェイス 星4 闇 アンデット族 攻1200/守1800

 

 

「《ネクロフェイス》の効果発動。このカードが召喚に成功した時、除外されているカードを全てデッキに戻し、戻したカードの数×100ポイント攻撃力をアップする」

 

 龍一が千鳥に話しかけた。

 

「な、なあ。全部で何枚のカードが除外されてたっけ?」

「分かんないけど、かなりの数だと思う」

 

 その問いには零士が答えた。

 

「全部で25枚。よって《ネクロフェイス》の攻撃力は・・・」

 

 

ネクロフェイス 攻1200→3700

 

 

 間違ってたらゴメンナサイ。

 

「こ、攻撃力3700・・・・・!!」

 

 フユにとっては分かっていたこととはいえ、流石にうろたえた。

 彼に、敗北の足音が近づいてきた。

 

 




 天城零士。彼のおかげでこの小説のシリアス成分は保たれているといっても過言ではありません。この六話冒頭で、彼の驚異的な身体能力に驚かれた読者もいるかもしれませんが、ちょっとネタバレな話、軽くこの上を行くキャラが後々登場します。
 そして次回、フユの真のエースモンスターが登場!
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