遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

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第六十二話 「外道VS外道」

秋人 LP4700 手札1

モンスター/《剣闘獣ヘラクレイノス》《剣闘獣ディカエリィ》

 

 

剣闘獣ヘラクレイノス 星8 炎 獣戦士族 攻3000/守2800

 

 

剣闘獣ディカエリィ 星4 地 獣族 攻1600/守1200

 

 

??? LP5800 手札0

 

 

 ついに敵の親玉と対面したフユ達一行。零士や秋人が暮らしていた教会に似せた場所で戦うのは秋人。他の者達は炎の檻に囚われてしまう。ローブと仮面で顔も声も分からない敵と、かつて何も守れなかった自分に対するケジメを付けるために奮戦し、互角の戦いを見せる秋人。しかし秋人が召喚したディカエリィのダイレクトアタックで敵の姿が明らかになるのだった。

 

 

 

「お、女・・・・?」

 

 精霊世界を、そして人の住む世界の支配を目論んだ、零士と秋人の育ての親の仇。その正体は彼らと同じ年頃の少女だった。

 

「キレイ・・・・」

 

 そして春が思わず感嘆するほどに美しい。

 

 しかし少女は嘲るように笑った。

 

「フッ、私が女だと分かって動揺しているな?所詮お前の覚悟とやらはその程度のものだったということだ」

「なっ・・・!?」

「お前では私に勝つことはできない」

「言ってくれるじゃないか。俺はバトルフェイズ終了時にディカエリィの効果発動!このカードをデッキに戻し、デッキから《剣闘獣アウグストル》を特殊召喚!」

 

 

剣闘獣アウグストル 星8 闇 鳥獣族 攻2600/守1000

 

 

「というか、顔バレした途端急に喋りだしたな」

「きっとアレだよ零士。長い間黙ってると口臭くなるらしいから」

「こんな時までボケんでいいわ!!」

 

「こいつには手札の《剣闘獣》を守備表示で特殊召喚する効果があるが、今の俺の残りの手札は前のターン墓地から回収した装備カードマニカだけだ。ターンエンド」

 

 

秋人 LP4700 手札1

モンスター/《剣闘獣ヘラクレイノス》《剣闘獣アウグストル》

 

 

「相手が誰だろうが、もう一息だ先パイ!!」

 

 ケイトの声援に英雄も続く。

 

「そうだ!!それに相手のフィールドはガラ空き!!手札も0!!これなら行けるぜ!!!」

 

「!!!英雄、今何て!?」

 

「ん?だから、フィールドはガラ空きって・・・」

 

「しまった・・・。なんで気付かなかったんだ僕は!?」

 

「ちょっと、どうしたのよフユ?とても数秒前にボケてたとは思えないんだけど?」

 

 

「無いんだよ・・・・・。さっき彼女が伏せていたはずのカードが無いんだよ!!」

 

 

「何!?」

 

 目を見開き、振り返る秋人。おそらく彼も気付いていなかったのだろう。そして確かに残り一枚の伏せカードが無くなっていた。

 

「あの時と同じだな。勝負に焦り、勝ちを確信して周りが見えなくなる。そのせいであの女は死に、今度はお前自身が命を落とすんだ」

 

「どんなカードをいつ使ったのかは知らないが、フィールドに何の変化も起きないあたり大したカードではなかったのだろう?―――下らないハッタリだ」

「そうか。お前には”何も変わらなかった”ように見えたか。―――私のターン、ドロー」

 

 その直後――――――――。

 

ドカァァァァァァン!!!

 

 少女の後ろで再び不死鳥が爆誕した。

 

 

炎王神獣 ガルドニクス 星8 炎 鳥獣族 攻2700/守1700

 

 

 さらには周りに炎を飛ばし、秋人のモンスターを全て破壊した。

 

「馬鹿な!?そのモンスターは確かに倒したぞ!!」

「お前達の読みは正しかった。私のこのエースモンスター《炎王神獣 ガルドニクス》は効果で破壊された場合、次のスタンバイフェイズに墓地から特殊召喚し自身以外のモンスターを破壊する効果がある」

「だが戦闘で破壊したのだから蘇生は不可能なはずだ!」

「種明かしはこれからしてやる。―――《炎王神獣 ガルドニクス》でダイレクトアタック。フェニックス・バースト」

 

 ガルドニクスが全身に炎を纏い、秋人に突っ込んだ。

 

「ぐああああああああああああああああぁぁぁっ!!!」

 

 

秋人 LP4700→LP2000

 

 

 少女は秋人の絶叫を聞いても嘲笑っていた。

 

「では教えてやるとしよう。何故ガルドニクスが蘇ったのか」

「・・・・・・・・・・・・・」

 

 秋人は立っているだけでやっとだった。話す気力は残っていない。

 

「それはお前が戦闘で破壊する前に私が効果で破壊していたからだ。速攻魔法《炎王炎環》を発動!」

 

(炎王・・、炎環・・・・?)

 

「このカードは墓地とフィールドの炎属性モンスターを一体ずつ選び、フィールドのモンスターを破壊し、墓地のモンスターを特殊召喚する速攻魔法。つまりはこういうことだ。私はフィールドの《炎王神獣 ガルドニクス》と、墓地の《炎王神獣 ガルドニクス》を選択!」

 

(なるほど・・・。そういうことだったのか・・・・・。どうやら、彼らに託すしかないようだな・・・・・)

 

「これは、かなりえげつないコンボだな・・・!!」

「どういう事なんだケイト?」

 

 これには代わりにフユが答えた。

 

「あの速攻魔法で破壊されたガルドニクスというモンスターは、次のスタンバイフェイズに蘇り全モンスターを破壊する。墓地から特殊召喚したもう一体のガルドニクスも含めてね。そしたらこれで破壊されたガルドニクスがまた蘇生されて全体破壊。つまり、これが決まれば毎ターン彼女は《ブラック・ホール》を発動しているのと何ら変わらないんだよ」

「でもそれには事前にもう一体ガルドニクスが墓地にいなければいけないじゃない。一体いつ!?」

「おそらく、あの伏せモンスターが破壊された時だ」

 

「それと、《鳳翼の爆風》の手札コストとしても墓地へ送っていた」

 

 今の話を聞いていたのか、少女が口を挟んだ。

 

「そしてこの《炎王炎環》はヘラクレイノスが《次元幽閉》を無効化した時にチェーンして発動していたのさ。あのモンスターは手札さえあれば同一チェーン上だろうと何度でも発動できるが、気付かなかったようだな。さて、種明かしはここまで。ここからは・・・、処刑の時間だ」

 

 少女は右腕を高々と上げた。

 

「《炎王神獣 ガルドニクス》を破壊!」

 

 ガルドニクスは自らを焼き灰と化す。

 

「そして墓地のガルドニクスを特殊召喚!」

 

 しかしその中から赤いヒヨコのようなモンスターが出てくると、急成長して元のガルドニクスと同じ大きさになった。

 

「私のバトルフェイズは終わっていない。・・・・この意味は分かるな?」

 

「秋人。今すぐ逃げろ」

「零士、折角の忠告ありがたいんだが・・・、もう正直、そんな余力はない」

 

「《炎王神獣 ガルドニクス》でダイレクトアタック!フェニックス・バースト!」

 

 ガルドニクスの攻撃が迫る中、秋人は皆の方に振り返った。

 

 

「後のことは、任せたぞ」

 

 

 攻撃を受けても彼はいつもの笑顔を絶やさなかった。

 

 

秋人 LP2000→LP0

 

 

ドサッ

 

 秋人は一言も発することなく倒れた。

 

「そんな・・・。先輩が・・・・!!」

 

 春は顔を覆い、ショックでその場に崩れ落ちた。

 

「クソッ!!ここから出しやがれ!!」

 

 ケイトが炎の柱を掴んで押したり引いたりするが、ビクともしない。

 

「安心しろ。死んではいない。もっとも、今は、だがな」

 

「おい、オレをここから出せ。次はオレが相手をしてやる」

 

 零士だ。表に出さないだけで、一番頭にきてるのは間違いなく彼だろう。

 

「いいだろう。ならば次の相手は・・・、お前だ」

 

 そう言うと少女は指を弾いて一人の炎の檻を消した。その一人は―――――フユだ。

 

「え、僕?」

「貴様、怖いのか?」

「ふん、安い挑発だな。そんなのに引っかかるのは二流までだ」

 

 確かに零士が戦えば、相性的には有利だ。ならば勝てそうな相手を選んで戦うというのは理にはかなっている。

 

「だとしても、なぜ僕を?」

「貴様さっきはよくも私のことを口が臭いとか言ってくれたな。お前だけは塵一つ残さず焼き殺してやる」

「そんな理由!?」

「・・・分かりました。相手をしましょう。でも、僕もこれだけは言っておく」

 

 いつになく真剣な眼差しのフユ。

 そしてこういう時大体この男は・・・、

 

「前回からモンスター組がほぼ空気!!」

 

ボケる。

 

「もー!ずっといるもん!!」

 

 頬を膨らませるセームベルに、

 

「主、私もいますから・・・」

 

遠慮気味に言うカオス・ソルジャー。

 

「マスター、あの人斬っていいですか?」

「・・・・・今は駄目だ」

 

 

 

 などと普段通りのgdgdっぷりをみせたが、それはほんの一瞬だけだったようで・・・。フユは秋人の1m程前に構えた。

 

(秋人先輩、力を貸してください・・・!!)

 

「あなたは止めてみせる。皆のためにも!」

 

「悪いが、私にも戦わなければならない理由がある」

 

 この時、少女の顔が暗くなった気が、フユにはした。

 

(いや、今はデュエルに集中するんだ!)

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

フユ  LP8000

 

 

??? LP8000

 

 

「私の先攻!私は《炎王獣 ヤクシャ》を召喚!」

 

 少女のフィールドに人の体に虎のような顔がついたモンスターが召喚された。

 

 

炎王獣 ヤクシャ 星4 炎 獣戦士族 攻1800/守200

 

 

「私はカードを一枚伏せてターンエンド」

 

 

??? LP8000 手札3

モンスター/《炎王獣 ヤクシャ》

魔法・罠/リバース×1

 

 

(さっきのデュエルでは使われなかった新しいモンスター・・・)

「僕のターン、ドロー!」

 

ピシッ、ミシッ!

 

 軋むような音を立てて、上から埃が落ちてきた。

 

「っ!まさか・・・!!」

 

 フユが天井を見上げると、案の定いたるところにヒビが入っていた。

 

「おいおいやべぇぞ!!このままじゃ全員生き埋めだ!」

「フユ!何とかできないの!?」

 

「・・・一つだけ方法がある。でも・・・」

 

 フユは零士を見た。

 

「零士、君と先輩が育ったこの場所が、ちょっと酷い目に遭うけど・・・、いいかい?」

「何を言っている?ここは奴が似せて作った教会だ。何の愛着も未練もない。好きにしろ」

「なら、そうさせてもらう!―――僕はスケール1の《星読みの魔術師》とスケール8の《時読みの魔術師》で、ペンデュラムスケールをセッティング!」

 

 

星読みの魔術師 Pスケール:青1/赤1 星5 闇 魔法使い族 攻1200/守2400

 

 

時読みの魔術師 Pスケール:青8/赤8 星3 闇 魔法使い族 攻1200/守600

 

 

「ほう。早速ペンデュラム召喚か」

「と、思いますよね?」

「何?」

「《時読みの魔術師》はフィールドにモンスターがいると発動できないんでね。先に発動しただけのこと!まずは《神秘の代行者 アース》を召喚!」

 

 

神秘の代行者 アース 星2 光 天使族 チューナー 攻1000/守800

 

 

「アースの効果発動!召喚成功時にデッキから《創造の代行者 ヴィーナス》をサーチ!」

「なるほど。そういうことか」

「時読みの発動条件と、アースの召喚時の効果を同時に満たすにはこの手順がベストですからね。―――そしてここからが本番!揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ、僕のモンスター達!」

 

 今回ペンデュラム召喚されたモンスターは二体。

 

「《ネクロ・ガードナー》!《創造の代行者 ヴィーナス》!」

 

 

ネクロ・ガードナー 星3 闇 戦士族 攻600/守1300

 

 

創造の代行者 ヴィーナス 星3 光 天使族 攻1600/守0

 

 

「《創造の代行者 ヴィーナス》の効果発動!ライフを1000払い、デッキから《神聖なる球体》二体を特殊召喚!」

 

 

フユ LP8000→LP7000

 

 

神聖なる球体 星2 光 天使族 攻500/守500

 

 

「僕はレベル2の《神聖なる球体》二体で、オーバーレイ!―――二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ《ガチガチガンテツ》!」

 

 

ガチガチガンテツ ランク2 地 岩石族 攻500→900/守1800→2200

 

 

ここまでは鉄板の動きである。

 

「そしてもう一度ヴィーナスの効果発動!」

 

 

フユ LP7000→LP6500

 

 

「レベル3の《ネクロ・ガードナー》とレベル2の《神聖なる球体》、そしてレベル3の《創造の代行者 ヴィーナス》に、レベル2の《神秘の代行者 ヴィーナス》をチューニング!―――シンクロ召喚!蹂躙せよ、《A・O・J ディサイシブ・アームズ》!」

 

 

A・O・J ディサイシブ・アームズ 星10 闇 機械族 攻3300→3700/守3300→3700

 

 

 しかし、その姿は見えない。

 

「どういうことだ?」

「ま、まさか・・・、あいつがやろうとしてることって・・・!!」

 

 千鳥は引きつった笑みを浮かべた。しかもよく見るとフユの手には既に『W』の文字が浮かんでいる。

 

「ディサイシブ・アームズで《炎王獣 ヤクシャ》を攻撃!あと全員伏せて!!」

 

 その直後だ。

 

 頭上を光の束が覆った。間違いなくディサイシブ・アームズの攻撃によるものだ。しかもその光、というかビームは段々近づいてきている。

 

(あ、駄目だ。これ死んだわ。あのリアリストのせいで)

 

 ほとんどの者がそう思いながら破滅の光に包まれた。

 が、ビームの光が収まっても、全員ピンピンしていたし、教会もパッと見は変わらなかった。変わったところがあるとすれば、《炎王獣 ヤクシャ》と天井が消えて青空が見えているところぐらいだ。

 

 

??? LP8000→LP6200

 

 

「あれ、生きてる?なんで?」

「いやぁ、とりあえず天井さえ破壊できればそれでよかったからすぐマーク引っ込めたんだよね。よかったよかった」

 

 そう言ってフユは手をひらひらさせた。確かにもうマークは浮かんでいない。しかし批難集中するわけで。

 

「よかったじゃないわよ!!殺す気!?」

「え?そんなつもりないけど?」

「なくても寿命が縮んだぞ!!」

「大体やることがぶっ飛び過ぎてんだよ!!」

「お前が言うか」

 

 ちなみに最後の二つはケイトと零士である。

 

「だが、まさかこんな手を使ってくるとは思わなかったぞ」

 

 少女が起き上がって言った。

 

「これで昔の二の舞にはならないし、思う存分暴れられる」

「ふん。だが、お前はミスを犯した」

「え?」

「《炎王獣 ヤクシャ》の効果発動!このカードが破壊された場合、手札または場のカード一枚を破壊できる!」

「フィールドだけでなく、手札のカードも破壊!?」

「当然私が破壊するのは・・・、手札の《炎王神獣 ガルドニクス》!」

「!!」

「お前もさっき見ただろう?私のガルドニクスは、破壊されたターンの次のスタンバイフェイズに蘇り、自身以外の全てのモンスターを破壊する!」

 

 しかし、フユは笑っていた。

 

「フッ、僕に一度見せた手がそう何度も通用するとでも?」

「何だと?」

 

「僕は、既にあなたのエースモンスターへの対処策を四つ思いついている!!」

 

「ほぅ。ならば見せてもらおうか」

「まぁそう焦らずに。僕はカードを一枚セット。さらに永続魔法《補給部隊》を発動してターンを終了します」

 

 

フユ LP6500 手札0

モンスター/《A・O・J ディサイシブ・アームズ》《ガチガチガンテツ》

魔法・罠/《星読みの魔術師》《時読みの魔術師》《補給部隊》リバース×1

 

 

「私のターン、ドロー!――この瞬間、墓地のガルドニクスの効果発動!―――甦れ不死鳥よ!!目に映るもの全てを焼き払え!!!」

 

 口上通り何度でも蘇る不死鳥。

 

「そして自身を除く全モンスターを破壊!」

 

 外の方から爆発音が聞こえた。おそらくディサイシブ・アームズが破壊されたのだろう。

 

「でも!ガンテツはエクシーズ素材を一つ取り除くことで、破壊されない!さらに《補給部隊》の効果でカードを一枚ドロー!」

 

 

ガチガチガンテツ ORU 2→1 攻900→700/守2200→2000

 

 

「ならばガルドニクスで《ガチガチガンテツ》を攻撃する!」

「耐えろ、ガンテツ!」

 

 

ガチガチガンテツ ORU 1→0 攻700→500/守2000→1800

 

 

「分かっていたこととはいえしつこいな。モンスターを一体伏せてターンエンド」

 

 

??? LP6200 手札2

モンスター/《炎王神獣 ガルドニクス》リバース×1

魔法・罠/リバース×1

 

 

「僕のターン、ドロー!」

(来た。対処法その1)

「僕はカードを一枚セットしてターンエンド」

 

 

フユ LP6500 手札1

モンスター/《ガチガチガンテツ》

魔法・罠/《星読みの魔術師》《時読みの魔術師》《補給部隊》リバース×2

 

 

「威勢がいいのは1ターン目だけか?私のターン、ドロー」

 

 その瞬間、フユの目がカッと見開かれた。

 

「ここだ!罠発動!《強制脱出装置》!」

「何?」

「そっか、破壊せずにフィールドから離せば、あのモンスターも効果を発動できない!」

「それに手札に戻せばあんな上級モンスター腐ること間違いねぇ!」

「流石だなフユ!!」

 

「なるほど。これが対処策の一つというわけか」

「そう。バウンスです」

「ク、フフフフ・・・。ハハハハハ。その程度、私が何一つ対策を練っていないとでも!?カウンター罠、《リ・バウンド》発動!」

「なっ」

「このカードは、手札に戻すカード効果を無効にし、フィールドのカード一枚を墓地へ送る効果がある!これも破壊ではないから《ガチガチガンテツ》の効果も《補給部隊》の効果も使えない。とは言っても、エクシーズ素材は既に無いがな」

 

 直後、《ガチガチガンテツ》が消滅した。

 

「さらに私は《炎王獣 バロン》を召喚!」

 

 前のデュエルでも召喚されていた下級モンスターだ。

 

 

炎王獣 バロン 星4 炎 獣戦士族 攻1800/守200

 

 

「バトル!《炎王獣 バロン》でダイレクトアタック!」

 

 バロンの攻撃がフユに迫る。しかし、今度は逆にフユが笑った。

 

「フッ、僕の策に対してあなたが対策をしていることに何の対策もしていないとでも!?」

 

 一瞬聞いたら「え?どう言う意味?」となるが、要するに想定内だと言っている。

 

「永続罠、《リビングデッドの呼び声》を発動!墓地のディサイシブ・アームズを特殊召喚!」

 

 今度はちゃんと見えるぐらいの大きさに縮んだ。

 

「チッ。攻撃は中止。ガルドニクスを守備表示に変更して、カードを一枚伏せてターンエンド」

 

 

??? LP6200 手札2

モンスター/《炎王神獣 ガルドニクス》《炎王獣 バロン》リバース×1

魔法・罠/リバース×1

 

 

「僕のターン、ドロー!」

「この瞬間、罠カード《燃え上がる大海》を発動!」

 

 これも先程のデュエルでは使われなかったカードだ。

 

「このカードは、レベル7以上の炎属性モンスターがいる場合は、フィールドのモンスター一体を破壊し、手札があれば一枚捨てる効果!ディサイシブ・アームズを破壊だ!」

 

 せっかく蘇ったのにロクに活躍できなかったディサイシブ・アームズ。

 

「《補給部隊》の効果で一枚ドロー。そして僕は、墓地の《神秘の代行者 アース》を除外!」

「この程度では動じないか・・・」

 

「天空に住まいし太陽神よ、矛を向ける者全てを灼き払え!!来い、《マスター・ヒュペリオン》!!!」

 

 

マスター・ヒュペリオン 星8 光 天使族 攻2700/守2100

 

 

「エースモンスターを守備表示にしたのは間違いでしたね」

「二つ目の作戦はやはり・・・」

「そう、戦闘破壊!―――《マスター・ヒュペリオン》で《炎王神獣 ガルドニクス》に攻撃!プロミネンス・ブラスト!!」

 

 ガルドニクスは爆発を伴って破壊された。

 

「これなら蘇ることもないでしょう」

「そうだな。蘇ることはないな」

 

 しかし少女にはまだ何か秘策があるようだ。

 

「なっ・・・!?」

 

 煙が晴れると、そこにはガルドニクスを小さくしたような赤い鳥の姿があった。

 

 

炎王獣 ガルドニクス 星3 炎 鳥獣族 攻700/守1700

 

 

「残念だったな。ガルドニクスには戦闘で破壊されるとデッキから同名以外の《炎王》を特殊召喚する効果がある」

「そんな効果があったとは・・・」

 

 しかしここで一つ疑問が生じた。

 

「なら何故さっきのデュエルではその効果を使わなかったんですか?」

「使わなくても勝っていた。それだけのことだ。―――それより、まだこのターンにやることは?」

「・・・・僕はターンを終了します」

 

 

フユ LP6500 手札2

モンスター/《マスター・ヒュペリオン》

魔法・罠/《星読みの魔術師》《時読みの魔術師》《補給部隊》

 

 

「私のターン、ドロー。―――私は《炎王獣 バロン》を守備表示に変更。さらにカードを一枚伏せてターンエンド」

 

 

??? LP6200 手札1

モンスター/《炎王獣 バロン》《炎王獣 ガルドニクス》リバース×1

魔法・罠/リバース×1

 

 

「僕のターン、ドロー!――僕は《ダーク・ヴァルキリア》を召喚!」

 

 

ダーク・ヴァルキリア 星4 闇 天使族 攻1800/守1050

 

 

「《ダーク・ヴァルキリア》で《炎王獣 バロン》を攻撃!ダーク・エンジェル・ダスト!」

 

 (久々登場した気がする)《ダーク・ヴァルキリア》が両手から黒い霧を発し、バロンを飲み込んだ。

 

「続けて《マスター・ヒュペリオン》で《炎王獣 ガルドニクス》を攻撃!プロミネンス・ブラスト!」

 

 《マスター・ヒュペリオン》もまた、ガルドニクスを灼き尽くす。

 

「この瞬間、《炎王獣 ガルドニクス》の効果発動!このモンスターが相手によって破壊された時、同名以外の《炎王獣》をデッキから特殊召喚できる!現れろ、《炎王獣 ヤクシャ》!」

 

 再び召喚された虎頭のモンスター。

 

「―――僕はカードを一枚セットしてターンエンド」

 

 

フユ LP6500 手札1

モンスター/《マスター・ヒュペリオン》《ダーク・ヴァルキリア》

魔法・罠/《星読みの魔術師》《時読みの魔術師》《補給部隊》リバース×1

 

 

「私のターン、ドロー。―――――フフ」

「?」

「私は《炎王獣 キリン》を反転召喚」

 

 これはバロン同様秋人とのデュエルでも使用されたモンスターだ。

 

 

炎王獣 キリン 星3 炎 獣族 攻1000/守200

 

 

「私はヤクシャとキリンをリリース」

「まさか・・・」

「《炎王神獣 ガルドニクス》をアドバンス召喚!」

 

 まさかのアドバンス召喚である。

 

「それをするぐらいなら、《炎王獣 ヤクシャ》で《ダーク・ヴァルキリア》と相打ちして、破壊された時の効果で手札のガルドニクスを破壊して、次の僕のスタンバイフェイズで蘇生させたほうが良かったんじゃないですか?」

「私がそんな単純なプレイングミスをすると思うか?それよりももっと良い手を思いついただけだ。私は速攻魔法《炎王炎環》を発動!」

「!!?」

 

 ガルドニクスは破壊されたが、すぐまた復活した。

 

「これが意味することは、分かっているな?」

「破壊と蘇生の無限ループ、ですね?」

 

 秋人にとどめを刺したこのコンボが発動したにもかかわらず、フユの表情には余裕があった。これに少女は引っ掛かった。

 

「分かっている割には余裕のようだな」

 

「当然です。なぜなら、僕には既にこの先の展開が読めている」

 

「!?」

 

 これには少女だけでなくデュエルを見守っていた千鳥達も驚かされた。

 

 しかも、フユは人差し指を立て、更にこう告げた。

 

 

「あと一回。―――あと一回のバトルフェイズで、あなたを倒す」

 

 




 普段よりもちょっとだけカッコイイ主人公でした。
 あと、少しだけネタバレですが、すぴばる版を知っている読者は知っていると思いますが、今の敵役の少女、すぐキャラ崩壊します。
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