遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

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第六十七話 「今更CPL1?とか言わないで」

 梅雨である。投稿されたのが10月だろうと、(こっちだと4月)こちらの世界では梅雨である。デュエリスト達にとってこれほど厄介な季節はない。カードやデュエルディスクが濡れないように細心の注意を払わなければならないからだ。

 そしてこれは、今回の話には特に関係ない。

 

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 昼前最後の授業をソワソワしながら聞いている者がいた。前田ケイトである。何故ソワソワしているのか。それは『コレクターズパック‐伝説の決闘者編‐』の再販されたものが、まさにこの後、ここの購買部に並ぶからである。 どうせコレクション系のカードばっかりなんだろ?などと侮ってはいけない。このパックには実用性のかなり高い《BF》が多数収録されているのだ。

 授業の終了が刻一刻と迫ってきている。そして・・・・・・・。

 

キーンコーンカーンコーン―――――

 

「えー、それでは日直、号令を・・・」

「起立!!」

 

 奇跡的に今日の日直はケイトだった。

 

「礼!!」

 

 言うが早いかケイトは教室を飛び出していった。不幸なことに彼女らの教室は購買部から比較的遠い。全力を出さなければならない。そう覚悟していた。

 

「気合入ってるわね、ケイト」

「ま、今日はCPL1が売られる日だからね。・・・・・ってアレ?」

 

 千鳥とそんな話をしていてフユがある事に気付いた。いつの間にかもう一人教室にいない人間がいることに。

 

 

 

 ここで時は少し遡り、購買部近くの駐車場。そこに一台のトラックが置かれていた。

 

「いつもいつも、ありがとうございます」

「あ、校長先生。いえいえこちらこそ」

 

 業者さんと校長の会話である。お察しの通り、トラックの中にはカードやら何やらが積まれているのだ。

 そして何故校長がここに居るのかというと、購買部の人がたまたま風邪で休んでいるのだ。で、今日だけ代わりに校長が働くことになったのである。

 

 しかし、これこそが校長の不幸につながるのだった。

 

 校長が商品を諸々棚に並べ終えると、丁度授業終わりのチャイムが鳴った。

 

(昼は一番忙しいからな。頑張るぞ!)

 

 それだけで済めばどれほど楽だったことだろう。

 

「ぅオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 その雄叫びに校長は卒倒しそうになった。

 その声のする方を見ると、案の定ケイトが迫ってくる。

 

「ヒイィッ!」

 

「校長!!CPL1を売ってくれ!!」「CPL1を売ってくれ」

 

 しかしケイトの気迫で気付かなかったが、彼女と全く同じタイミングで同じものを買おうとする者がいた。零士だ。

 

「お前、なんで追いつけるんだよ?」

「あれだ」

 

 零士は後ろを指差した。見るとケイト達がいた教室近くの窓にロープが垂れ下がっていた。

 

「ケッ。お前も無茶なことするな」

 

 そんなやり取りを見ながら、校長は我に返った。

 

「・・・・あ、ああ。CPL1だね。ちょっと待っててね」

 

 校長が後ろの方でゴソゴソし始めて、直後「あれ?」と呟いた。

 

「ごめん。これ一つしかないみたい。発注数間違えたかな?」

 

 機械音痴な校長ならやりかねない。この言葉にケイトと零士は睨み合った。

 

「譲ってもらおうか?レディは丁重に扱うもんだぜ」

「オレは男女平等主義だ。それにお前がレディだと言うなら、世界中の雌生物全てがレディだ」

「へぇ、言ってくれるねぇ」

 

 ケイトは拳を握り締めた。

 

「ふ、二人共、落ち着いて」

「「アンタは黙ってろ」」

「・・・はい」

 

 まさに一触即発、その時だった。

 

「はいはい。そこまで」

 

 千鳥が割って入った。ついでにフユも。

 

「アンタ達がリアルファイトしたら街一個滅ぼしかねないわよ」

「二人共気持ちは分かるけど、ここはデュエルで決めたらどうかな?」

 

 フユの一言で互いに相手の顔を見据えた。

 

「構わねぇぜ。お前とはケリをつけたかったからな」

「いいだろう。相手をしてやる」

 

「デュエル!」「デュエル」

 

 

ケイト LP8000

 

 

零士  LP8000

 

 

「オレの先攻。モンスターをセット。カードを二枚伏せ、永続魔法《魂吸収》を発動し、ターンエンド」

 

 

零士 LP8000 手札1

モンスター/リバース×1

魔法・罠/《魂吸収》リバース×2

 

 

「ッハ!オレのターン、ドロー!」

「永続罠、《マクロコスモス》発動」

 

「出た!零士のマクロ吸収コンボだ!」

「何年前のネタ使ってんのよアンタは!」

 

 しかしケイトは至って平然としていた。

 

「オレが何回お前のデュエルを見てきたと思ってんだよ!?オレは永続魔法《黒い旋風》を三枚発動!」

「三枚だと?」

「そしてオレは《BF-蒼炎のシュラ》を召喚!」

 

 

BF-蒼炎のシュラ 星4 闇 鳥獣族 攻1800/守1200

 

 

(いざ、参る!)

 

(う〜わ、また聞こえやがった)

 

 ケイトは頭を軽く叩いた。

 

「ケイト。お前が聞いているものは幻聴ではない」

「は?」

「オレにも聞こえている。おそらくフユもだ」

「え?マジ?」

 

 聞いたのは零士ではなくフユにだ。

 

「まぁね。それは紛れもなくシュラの声だよ」

「な〜るほど。ま、あんな世界に行ったあとじゃ、もう驚かねぇけどな。じゃ、改めて・・・。《黒い旋風》三枚の効果で、デッキから攻撃力1800未満の《BF》、カルート二体とブラストをサーチ!さらにブラストを二体特殊召喚!」

 

 

BF-黒槍のブラスト 星4 闇 鳥獣族 攻1700/守800

 

 

「オレはブラスト一体とシュラでオーバーレイ!―――二体の鳥獣族モンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!舞い降りろ、《零鳥獣シルフィーネ》!!」

 

 

零鳥獣シルフィーネ ランク4 水 鳥獣族 攻2000/守2200

 

 

「上手い!これで《マクロコスモス》と《魂吸収》を無効化して一気に勝負を付ける気だ!」

「まさか今回も後攻1キル?―――そう言えば、なんで零士とケイトはこの間のフユと夏希さんのデュエルがすぐ終わるって分かったの?」

 

 これにはフユが答えた。

 

「ああ、それは作者がしばらくは一話完結の話ばかりにするつもりらしいから」

「ああ、そう・・・」

 

「オレはシルフィーネの・・・」

「お前がシルフィーネをエクシーズ召喚した時、速攻魔法《グランドクロス》を発動」

「あ」

 

 フィールドにいたモンスターが全て消し飛んだ。

 

「これで除外されたカードは6枚。よってオレはライフを3000回復し、お前は300のダメージを受ける」

 

 

ケイト LP8000→LP7700

 

 

零士 LP8000→LP11000

 

 

「まさかオレがシルフィーネを召喚してくることを読んでたとはな」

「オレが何回お前のデュエルを見てきたと思っている?もっとも、《黒い旋風》三枚は予想外だったがな」

「チッ。カードを一枚セットしてターンエンドだ」

 

 

ケイト LP7700 手札2

魔法・罠/《黒い旋風》×3リバース×1

 

 

「お前のターン終了時に、《グランドクロス》で破壊された《異次元の偵察機》を特殊召喚する」

 

 

異次元の偵察機 星2 闇 機械族 攻800/守1200

 

 

「あーあ、伏せモンスターはそいつだったか」

「オレのターン、ドロー」

 

 零士はケイトの言葉には反応しない。

 

「オレは偵察機をリリースし、《氷帝メビウス》をアドバンス召喚」

 

 青いマントを翻す、白い帝が召喚された。

 

 

氷帝メビウス 星6 水 水族 攻2400/守1000

 

 

「メビウスゥ!?」

「オレがガイウス以外の《帝》を入れていないといつ言った?メビウスの効果発動。お前の《黒い旋風》二枚を破壊する。フリーズ・バースト」

 

 新たなる帝は《黒い旋風》を氷漬けにした。

 

「さらにリリースした《異次元の偵察機》、破壊した《黒い旋風》の合計三枚が除外されたことでライフを1500回復する」

 

 

零士 LP11000→LP12500

 

 

「メビウスの攻撃。アイス・ランス」

 

 巨大なツララがケイトに迫る。

 

「ハッ!オレがあっちの世界で得たものがカード一枚だけだと思ったら大間違いだぜ!」

「何?」

「見せてやるぜ!これがオレの新たなる力!」

 

「スタイリッシュ回避!!」

 

 ケイトは文字通りスタイリッシュな体勢を取ることでツララを避けた。

 

「要するに・・・」

「ただ○ョジョ立ちしただけじゃねぇかァ!!」

「それに何度も言ってるけど、攻撃を受け止めても躱してもライフは減るんだよ?」

 

 

ケイト LP7700→LP5300

 

 

「やれやれだ。オレは《異次元の偵察機》を攻撃表示で特殊召喚し、ターンエンド」

 

 

零士 LP12500 手札1

モンスター/《氷帝メビウス》《異次元の偵察機》

魔法・罠/《マクロコスモス》《魂吸収》

 

 

「余裕ぶっこいてられるのも今のうちだぜ!オレのターン、ドロー!オレは《BF-月影のカルート》を召喚!」

 

 

BF-月影のカルート 星3 闇 鳥獣族 攻1400/守1000

 

 

「どうしてカルートを召喚したの?手札から捨ててこそ意味があるのに・・・」

「だからこそだよ。今零士の場には《マクロコスモス》がある。そのせいでカルートは墓地に送ることができないから、手札に持っていても効果を発動できないんだ」

「そういうこった。オレは《黒い旋風》の効果で、《BF-疾風のゲイル》を手札に加えて、そのまま特殊召喚!」

 

 

BF-疾風のゲイル 星3 闇 鳥獣族 攻1300/守400

 

 

「ゲイルの効果発動!攻・守を半減させるのは・・・、《異次元の偵察機》!」

 

 この言葉にはデュエルを見ていた者全員が驚かされた。

 

 

異次元の偵察機 攻800→400/守1200→600

 

 

「何故ゲイルの効果を使ったら破壊できるメビウスじゃなくて、偵察機の方を!?」

「!まさか・・・・!?」

 

 フユは何かに気付いた。

 

「リバースカードオープン!《ゴッドバードアタック》!!」

「やはりか・・・」

「カルートをリリースして、お前の《マクロコスモス》と《氷帝メビウス》を破壊だ!」

 

 

零士 LP12500→LP13000

 

 

「チョイスもタイミングも上手い!これで偵察機は復活できなくなった!」

「バトルだ!ゲイルで《異次元の偵察機》を攻撃!ブラック・スクラッチ!」

 

 

零士 LP13000→LP12100

 

 

「カードを一枚伏せてターンエンド!」

 

 

ケイト LP5300 手札1

モンスター/《BF-疾風のゲイル》

魔法・罠/《黒い旋風》リバース×1

 

 

「オレのターン、ドロー。オレは手札から速攻魔法《帝王の烈旋》を発動」

「《帝王の烈旋》?」

「このカードはエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない代わりに、お前のモンスターを使ってのアドバンス召喚を可能にするカードだ」

「ってことは・・・、まさか・・・・・?」

「お前のゲイルをリリースし、《邪帝ガイウス》をアドバンス召喚」

「だよなー」

 

 

邪帝ガイウス 星6 闇 悪魔族 攻2400/守1000

 

 

「ガイウスの効果発動。お前の伏せカードを除外する」

 

 ケイトのセットカードが闇に飲まれた。

 

 

零士 LP12100→LP12600

 

 

「《ブラック・リベンジ》か・・・。《BF》を戦闘で破壊したときに発動し、トークンを二体特殊召喚するカードだな」

「つっても、お前のせいで意味なくなったけどな」

「それがデュエルだ。ガイウスの攻撃」

 

 

ケイト LP5300→LP2900

 

 

「・・・づぅッ・・・・!テメ、攻撃リアル化させやがったな!?」

「悪く思うな。一回は一回だ」

「あれ?ってことは・・・、もしかして、さっきの攻撃もリアルダメージになってた?」

「ああ」

「すごいねケイト。いつの間にそれだけの力を?」

「んー・・・。思い当たる節はあるけどな。―――で?お前の手札はもうないから、ターンエンドだろ?」

「そうだ」

 

 

零士 LP12600 手札0

モンスター/《邪帝ガイウス》

魔法・罠/《魂吸収》

 

 

「さて、ちっとマズイな・・・。オレのターン、ドロー!―――おい、零士。知ってるか?」

「?」

「最近リミットレギュレーションが改訂されて、ゲイルって準制限カードになってるんだぜ!?オレは《BF-暁のシロッコ》をリリースなしで召喚!」

 

 

BF-暁のシロッコ 星5 闇 鳥獣族 攻2000/守900

 

 

「《黒い旋風》の効果発動!デッキから二体目のゲイルをサーチして、そのまま特殊召喚!ついでに効果も発動!」

 

 

邪帝ガイウス 攻2400→1200/守1000→500

 

 

「さーて、勝手は分からねぇけど、普段の攻撃と変わらないように調節してみっか。シロッコでガイウスを攻撃!ダークウィングスラッシュ!」

 

 

零士 LP12600→LP11800

 

 

 この時零士の受けたダメージの感覚は、通常のそれとほとんど変わらなかった。驚異的な飲み込みの早さだ。

 

「続けてゲイルでダイレクトアタック!ブラック・スクラッチ!」

 

 

零士 LP11800→LP10500

 

 

「そんじゃこのメインフェイズ2で、フユと千鳥にも見せてやるよ、オレニュー切り札をな」

「ニュー切り札?」

 

「おうよ!オレはレベル5の《BF-暁のシロッコ》に、レベル3の《BF-疾風のゲイル》をチューニング!―――地獄と天国の狭間・・・、煉獄よりその姿を現せ、《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》!!」

 

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン 星8 闇 ドラゴン族 攻3000/守3000

 

 

 

――――ドクン―――――――

 

「んっ・・・・!」

 

 ケイトは自らの意識に違和感を覚えた。

 

(なんだよ・・・。この自分が自分じゃなくなるような感覚は・・・・・!?)

 

「ぐっ・・・。ターン、エンド・・・・」

 

 

ケイト LP2900 手札0

モンスター/《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》

魔法・罠/《黒い旋風》

 

 

(何がなんだか分からねぇけど、さっさとケリをつけねぇと、オレがヤバイかもな・・・)

 

「ねぇ、何だかケイト、様子おかしくない?」

「うん。最悪の場合、僕が割って入る必要があるかも・・・」

 

「・・・・オレのターン、ドロー。―――モンスターを一体セットし、ターンエンド」

 

 

零士 LP10500 手札0

モンスター/リバース×1

魔法・罠/《魂吸収》

 

 

「オレの、ターン!!よし、オレは三体目のブラストを召喚!そして《黒い旋風》の効果でデッキから最後のカルートをサーチする!」

 

「ここで貫通持ちを引くか」

 

「行くぜ!!ブラストでセットモンスターを攻撃!さらにダメージ計算前に手札のカルートを墓地へ送って、効果を発動だ!!」

 

 

BF-黒槍のブラスト 攻1700→3100

 

 

 ブラストの槍が貫いたのは壺のようなモンスターだった。

 

 

メタモルポット 星2 地 岩石族 攻700/守600

 

 

零士 LP10500→LP8000

 

 

「《メタモルポット》のリバース効果。互いに手札を五枚ドローする」

 

 この時二人共手札は0なので、五枚ドローするだけなのだが、これは零士にとってはメリット、ケイトにとってはデメリットとして働いた。

 

「これでオーガ・ドラグーンは魔法・罠を無効化できない」

「だからどうした!?オーガ・ドラグーンでダイレクトアタック!!煉獄の混沌却火(インフェルニティ・カオス・バースト)!!!」

 

 

零士 LP8000→LP5000

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 オーガ・ドラグーンの攻撃を受けた時、零士は強烈な痛みを感じた。それは秋人とのデュエルで受けたものに似ているが違うものだ。

 その炎には、何かどす黒い感情がこもっているように思えた。怒りや憎しみとも違う何かを。

 

「ハァッ、ハァッ・・・!!カードを四枚セットして、ターンエンド!!」

 

 

ケイト LP2900 手札1

モンスター/《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》《BF-黒槍のブラスト》

魔法・罠/《黒い旋風》リバース×4

 

 

「ケイト・・・」

「ん?」

 

「今楽にしてやる。そのデカブツを倒してな」

 

 一種の勝利宣言といえよう。

 

「零士があんなことを言うってことは、何か手があるってことだね」

「でも、ケイトの場には伏せカードが四枚。そのどれかで止められたら・・・」

 

「オレのターン、ドロー。―――オレは魔法カード《魂の解放》を発動する」

「あのカードを発動するってことは、彼女を召喚するつもりだね」

「オレが墓地から除外するのは、《メタモルポット》《邪帝ガイウス》《氷帝メビウス》《異次元の偵察機》の四体」

 

 

零士 LP5000→LP7000

 

 

「これでお前の墓地にモンスターがいなくなった、ってか?」

「そうだ。出でよ、《ガーディアン・エアトス》」

 

 

ガーディアン・エアトス 星8 風 天使族 攻2500/守2000

 

 

「装備魔法《団結の力》をエアトスに装備」

 

 

ガーディアン・エアトス 攻2500→3300

 

 

「エアトスの効果発動。自身に装備されている装備魔法を墓地へ送り、お前の墓地のカルート二体とゲイルを除外。そして一体につき攻撃力を500アップ」

 

(貴方がたのマスターを救うために、私に力を貸してください)

 

 ケイトの墓地から三つの光る球体が出てきて、エアトスの中に吸い込まれた。

 

 

ガーディアン・エアトス 攻3300→2500→4000

 

 

零士 LP7000→LP8500

 

 

「さらに装備魔法《女神の聖剣―エアトス》をエアトスに装備」

 

 

ガーディアン・エアトス 攻4000→4500

 

 

「女神の聖剣の効果は、エアトスの効果を使って墓地へ送っても発動できない。ということは、何か他の方法で墓地へ送る手段があるということ」

「お前の言う通りだ、フユ。オレは《拘束解放波》を発動。女神の聖剣とお前のセットカードを全て破壊する」

 

 エアトスは聖剣から衝撃波を放った。そしてケイトのセットカードをなぎ払う。

 セットされていたカードは、

 

相手のセットカードを全て破壊する《デルタ・クロウ―アンチ・リバース》

《BF》が戦闘破壊された時に相手フィールドのカードの数だけダメージを与える《ブラック・サンダー》

《BF》の特殊召喚に成功した時、相手モンスターをバウンスし、その攻撃力分ライフを回復する《ブラック・リターン》

そして《ブラック・リターン》とのコンボであろう、攻撃力2000以下の《BF》を墓地から特殊召喚する《ブラック・バック》。しかしこれは自分のターンでしか発動できない。

 

奇跡的に発動できないカードばかりだった。そして女神の聖剣は、破壊されてもなおその存在を保っている。

 

「女神の聖剣の効果で、オレ達の除外されているモンスター×500、エアトスの攻撃力をアップする」

 

 

ガーディアン・エアトス 攻4000→10000

 

 

「《ガーディアン・エアトス》で《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》を攻撃。フォビドゥン・ゴスペル」

 

 エアトスの一閃がオーガ・ドラグーンを飲み込んだ。

 

(グオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!)

 

 

ケイト LP2900→LP0

 

 

 

「あーあ、敗けちまったか」

 

 デュエルが終わると、いつものケイトに戻っていた。

 

「ケイト、何があったの?最後の方、なんだか苦しそうだったけど?」

「あ?オレにもよく分かんねーよ。・・・・けど」

 

「あ、ありがとうな。助けてくれて(ボソッ)」

 

「何か言ったか?」

「別に何でもねーよ!それより、お前が勝ったんだ。あのCPL1はお前のモンだぜ」

「そう言えば、二人共どうしてそこまであのパックに固執してたのよ?」

「オレか?オレは《ブラック・ソニック》だよ。結構使えるカードだし、あれだけは持ってなくてさぁ」

「オレは二枚目の女神の聖剣だ」

「そうだったんだ。だったら僕にいい考えがあるんだけど・・・」

 

 

 

「というわけで、その二枚を引き当てて欲しいんだよ。英雄」

「よし!任せておけ!」

 

 場所は教室に戻り、元いた四人に英雄が加わった。

 フユの考えとは、英雄の強運に賭けようという至ってシンプルなものだ。

 

「じゃあ、行くぞ・・・・」

「あ、もうそんなに尺がないから。そういうのいいよ」

「ええ!?」

 

 で、普通に開けると・・・、入っていたのは・・・・。

 

《女神の聖剣―エアトス》

《ブラック・ソニック》

《決闘融合―バトル・フュージョン》

《ガーディアン・デスサイス》

《狂戦士の魂(バーサーカー・ソウル)》

 

「うん。恐いぐらい予想通りだね」

「サンキュー英雄!」

「お、おう。・・・で、ものは相談なんだが、決闘融合、もらっていいか?」

「それにデスサイスも入ってるじゃない!良かったわね零士。大幅強化じゃない?」

「おい。そのカードをよこせ」

 

 英雄がデスサイスのカードを渡した瞬間、

 

ビリィ!

 

零士はそれを破り捨てた。

 

「あああ!!何してんのよ零士!?」

「元々このカードを当てたらこうするつもりだった。こんな堕ちたエアトスに用はない」

「だからって破らなくても・・・。あぁ、売ればお金になったのに・・・・」

 

 守銭奴の千鳥らしい考えだった。

 

 

 

 しかし彼らは知らなかった。この後購買部にダンボールいっぱいに箱詰されたCPL1が送られてきたことを。

 

 

 

 

 

零士「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいだろう」

千鳥「いや分かるか!!」

零士「次回、遊戯王スノーホワイト/ブラック、第六十八話「まさかの2話連続で零士回」」

 

 




 最近リアル事情が忙しいことになってて投稿できずにいました。申し訳ありません。
 次回は予告通りまた零士回です。そしてニヤニヤ回です。
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