遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

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第七話 「知ってた?Chaosって本当はケイオスって読むんだぜ」

フユ LP6800 手札2

モンスター/《マスター・ヒュペリオン》《ミスト・ウォーム》

 

 

マスター・ヒュペリオン 星8 光 天使族 攻2700/守2100

 

 

ミスト・ウォーム 星9 風 雷族 攻2500/守1500

 

 

零士 LP9900 手札2

モンスター/《ネクロフェイス》《異次元の生還者》リバース×1

魔法・罠/《マクロコスモス》《魂吸収》《混沌空間》

 

 

カオスカウンター 11

 

 

ネクロフェイス 星4 闇 アンデット族 攻3700/守1800

 

 

異次元の生還者 星4 闇 戦士族 攻1800/守200

 

 

 零士が落ち着き払って言った。

 

「―――《ネクロフェイス》で、《マスター・ヒュペリオン》に攻撃」

「攻撃力は《ミスト・ウォーム》の方が低いのに!?」

 

 驚いたのはフユではなく龍一の方であった。それを千鳥が解説する。

 

「多分、フユが何らかの手段で《マスター・ヒュペリオン》の効果を使ってくるのを警戒したんだと思う」

 

 人形の首から出ていた触手が《マスター・ヒュペリオン》を締め上げた。

 

 

フユ LP6800→LP5800

 

 

零士 LP9900→LP10400

 

 

カオスカウンター 11→12

 

 

「オレは永続魔法《フィールドバリア》を発動し、ターン終了だ」

 

 

零士 LP10400 手札1

モンスター/《ネクロフェイス》《異次元の生還者》リバース×1

魔法・罠/《マクロコスモス》《魂吸収》《フィールドバリア》《混沌空間》

 

 

「・・・・・僕のターン、ドロー!」

 

 千鳥が心配して話しかけてきた。

 

「ちょっとフユ。あんなモンスター、勝てるの?」

「大丈夫。手はある。―――力に対して力で返すのは愚策!でもまずは・・・、魔法カード《大嵐》を発動!」

 

 フィールドに暴風が巻き起こる。

 

「《フィールドバリア》の効果で《混沌空間》は破壊されない」

「でもこれで除外もライフ回復もできない!僕は《創造の代行者 ヴィーナス》を召喚!さらにモンスター効果!ライフ500につき一体、《神聖なる球体》を特殊召喚する!」

「《ガチガチガンテツ》でも召喚するつもりか?」

「いや、そうじゃない」

 

 フユがニヤリと笑った。

 

 

フユ LP5800→LP4300

 

 

「僕は《神聖なる球体》を三体特殊召喚!」

 

 フユの場に三つの球体が浮遊する。

 

「レベル2のモンスターが三体・・!どうする気なの・・・・?」

「僕は《神聖なる球体》三体で、オーバーレイ!――レベル2のモンスター三体で、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!漆黒の闇からの使者、《No.96 ブラック・ミスト》!!」

 

 鋭い爪と胴体にある口のような部分が特徴的な黒いモンスター。

 

 

No.96 ブラック・ミスト ランク2 闇 悪魔族 攻100/守1000

 

 

「《No.96 ブラック・ミスト》で《ネクロフェイス》に攻撃!」

「ちょっ、自滅する気!?」

「いいや、ブラック・ミストの効果発動!エクシーズ素材を一つ取り除き、相手モンスターの攻撃力の半分を吸収する!―――シャドーゲイン!!」

 

 ちなみにこの場合エクシーズ素材の《神聖なる球体》は除外されるけど、カオスカウンターは追加されないらしいよ。

 

 

零士 LP10400→LP10900

 

 

No.96 ブラック・ミスト ORU 3→2 攻100→1950

 

 

ネクロフェイス 攻3700→1850

 

 

「行け、ブラック・ミスト!―――ブラック・ミラージュ・ウィップ!!」

 

 ブラック・ミストの触手状に変化した爪が《ネクロフェイス》を切り裂いた。

 

 

零士 LP10900→LP10800

 

 

「いや思いっ切り力で返してんじゃねーかぁ!!!」

 

 やっぱり入る千鳥ツッコミ。

 

「あと、もうちょっと主人公っぽいカード使えよ・・・」

 

 龍一も呟く。

 

「続けて僕は《ミスト・ウォーム》で《異次元の生還者》を、ヴィーナスでセットモンスターを攻撃!」

 

 セットモンスターは予想通り《異次元の偵察機》だった。

 

「僕はこれでターンエンド!」

 

 

フユ LP4300 手札1

モンスター/《ミスト・ウォーム》《No.96 ブラック・ミスト》《創造の代行者 ヴィーナス》

 

 

「オレのターン、ドロー。オレは永続魔法《次元の裂け目》を発動。さらに《混沌空間》のさらなる効果を発動する。オレはカオスカウンターを4つ取り除き、除外されていた《異次元の生還者》を特殊召喚」

 

 

カオスカウンター 12→8

 

 

(なるほど。あれはカウンターを取り除いて、その数と同じレベルの除外された自分のモンスターを特殊召喚する効果を持つのか)

「《異次元の生還者》で《創造の代行者 ヴィーナス》を攻撃」

 

 

フユ LP4300→LP4100

 

 

カオスカウンター 8→9

 

 

「《光の護封剣》を発動し、ターン終了」

 

 フユのフィールドに無数の剣が突き刺さった。

 

 

零士 LP10800 手札1

モンスター/《異次元の生還者》

魔法・罠/《次元の裂け目》《光の護封剣》《混沌空間》

 

 

(・・・・・時間稼ぎか)

「僕のターン・・・・・、ターン終了」

 フユのフィールドに突き刺さった剣の一部が消滅する。

「オレのターン、ターン終了」

「僕のターン・・・・・、ターン終了」

「オレのターン・・・・・、終了」

 

「・・・恐ろしいぐらい黙々と進むな」

 

 龍一が沈黙に耐え切れず声を漏らした。

 

「もしかすると、嵐の前の静けさってやつかもしれないわね・・・!」

 

 そして、千鳥の予感は的中することになった。

 

「僕のターン、ドロー。・・・・・ターンエンド」

 

 

フユ LP4100 手札4

モンスター/《ミスト・ウォーム》《No.96 ブラック・ミスト》

 

 

これでフユのフィールドに突き刺さっていた護封剣が完全に消えた。

 

「オレのターン、ドロー。・・・・オレはカオスカウンターを8つ取り除き、《マスター・ヒュペリオン》を特殊召喚」

「何だって!?」

「誰が自分のモンスターしか特殊召喚できないと言った?」

 

 

カオスカウンター 9→1

 

 

 フユの表情が険しくなった。

 

「まさか僕のモンスターまで呼べるとはね」

「そうだ。が、厳密にはレベル4以上限定だ。ちなみにオレのメインフェイズはまだ終わっていない。オレは《異次元の生還者》をリリースし、《邪帝ガイウス》をアドバンス召喚」

 

 黒い鎧に身を包み、邪悪なオーラを放つモンスターが現れる。

 

 

邪帝ガイウス 星6 闇 悪魔族 攻2400/守1000

 

 

「《邪帝ガイウス》の効果発動。このカードがアドバンス召喚に成功した時、フィールドのカード一枚を除外し、それが闇属性モンスターなら、相手に1000ポイントのダメージを与える。消え失せろ、ブラック・ミスト」

 

 ガイウスの胸元で何やらどす黒い物質が発生し、それがブラック・ミストを襲う。

 

 

フユ LP4100→LP3100

 

 

カオスカウンター 1→2

 

 

「フユのライフが、半分を切った・・・!?」

「うわっ、初めてライフ8000スタートでよかったと思うよ」

 

 だがまだ零士の追撃は終わらない。

 

「さらに《魂の解放》を発動し、オレの墓地の《異次元の生還者》二体、《異次元の偵察機》《ネクロフェイス》を除外」

 

 

カオスカウンター 3→7

 

 

「《ネクロフェイス》が除外されたことにより、互いにデッキの上からカードを五枚除外する」

「言っておくけど除外された中にモンスターはいないよ」

「運がいいな。オレもいない。だがこれでオレの墓地のモンスターをゼロになった。―――出でよ、《ガーディアン・エアトス》」

 

 鷲の冠を被った純白の翼を持つ、美女モンスターが舞い降りた。

 

 

ガーディアン・エアトス 星8 風 天使族 攻2500/守2000

 

 

 三体の上級モンスターがフユの前に立ち塞がる。

 そして零士は冷たく言い放った。

 

「行くぞ。まずは《マスター・ヒュペリオン》で《ミスト・ウォーム》を攻撃」

 

 《マスター・ヒュペリオン》の生み出した火球が《ミスト・ウォーム》を焼き尽くした。

 

「うあっ!!」

 

 

フユ LP3100→LP2900

 

 

「最後に《邪帝ガイウス》と《ガーディアン・エアトス》でダイレクトアタック」

 

 エアトスがフユに向かってくる。

 

「「フユ!!」」

「まだだ!手札から《バトルフェーダー》を特殊召喚し、バトルフェイズを終了する!!」

 

 

バトルフェーダー 星1 闇 悪魔族 攻0/守0

 

 

「・・・・・しぶといな。オレはカードを一枚セットし、ターンエンド」

 

 

零士 LP10800 手札0

モンスター/《マスター・ヒュペリオン》《邪帝ガイウス》《ガーディアン・エアトス》

魔法・罠/《混沌空間》《次元の裂け目》リバース×1

 

 

 

(・・・まずいな)

 

 フユは自分の手札を見た。

 

(勝つためのカードは揃いつつある。けど、肝心の『あのカード』が無い。・・・ここで引くしかないか・・・・・!)

 

 そう思いつつデッキの上に手を置く。

 

(諦めないでください、主)

 

 どこからともなく声が聞こえた。それは零士でも、千鳥でも、龍一の声でもなかった。

 

「誰?」

 

 フユは辺りを見回した。

 その様子を千鳥と龍一は不思議そうに見ていた。

 

(私です、主。ちなみに心の声同士で会話できますから)

(!まさか・・・!)

 

 フユはカードを引いた。そしてそのカードを確認する。

 

(やはり君か・・・!)

(はい。というか今更ながら驚かないんですね)

(ああ、世の中にはまだまだ不思議なことが溢れてるからね。あと、僕も聞いていいかな?何で『主』って呼ぶの?普通『マスター』じゃね?)

 

 その問いに声は真面目に答えた。

 

(いえ、それだと《マスター・ヒュペリオン》殿とかぶってしまいますので・・・)

 

 この答えにフユは少し笑ってしまう。

 

(フフ。あ、最後に一つ言っておくよ)

(なんでしょう?)

 

(僕はライフが残っている限り、デッキが尽きない限り、諦めるつもりはないよ)

 

(・・・それでこそ、我が主です)

 

 

 

「・・・・・零士」

「どうした?」

 

「攻略できないカードもコンボも存在しない!」

 

 フユが笑った。そしてこの言葉で二人もテンションが上がる。

 

「僕は手札から《ブラック・ホール》を発動!」

 

 上空に全てを吸い込む闇が発生する。

 

「よし!これでフィールドのモンスターを一掃すればフユにもまだチャンスがある!」

 

 今回ツッコミと解説兼業と忙しい千鳥。

 

「それはどうかな?―――オレは《神の宣告》を発動。ライフを半分にし、《ブラック・ホール》を無効化する」

 

 

零士 LP10800→LP4900

 

 

 零士の場に神様、そしてそのお付きの女性と思しき人が現れると、《ブラック・ホール》は徐々に小さくなり、そして消えていった。

 

「残念だったな」

 

「いや・・・・・、狙い通りさ!!」

 

「何?」

 

 このピンチにおいても、フユの微笑みは消えなかった。

 

「君がライフを半分も削ってくれたおかげで、勝利が確定した!まずは《異次元からの埋葬》を発動!墓地に戻すのは、ブラック・ミスト、ヴィーナス、ワーウルフの三枚!続けて墓地の《神聖なる球体》と、《TG ワーウルフ》をゲームから除外!!」

 

 白い光と黒い光が天に登り、白と黒の螺旋状の渦が生まれた。

 

 この時、零士だけは捉えていた。フユの右手の甲に白く『W』の文字が浮かび上がっていたのを。

 

「光と闇、二つの魂交わりて、我が剣となれ!!光臨せよ、《カオス・ソルジャー ―開闢の使者―》!!!」

 

 渦の中から青い西洋甲冑に身を包んだ騎士が姿を見せた。

 

 

カオス・ソルジャー ―開闢の使者― 星8 光 戦士族 攻3000/守2500

 

 

「あれがフユの真のエース・・・!」

 

 千鳥が思わず呟く。

 

「だが、そのモンスター一体で何ができる?」

 

 零士は表情を変えない。

 だが、フユはその問いには答えずに言った。

 

「1+1=2じゃないってよく漫画とかで言われるけど、僕から言わせたら、所詮1+1=2でしかない」

「・・・・・?」

「でも、絶対に1には敗けない!!――僕は《ジャンク・シンクロン》を召喚!でも効果は発動しない!」

 

 眼鏡のようなものをかけた機械戦士が現れた。

 

 

ジャンク・シンクロン 星3 闇 戦士族 チューナー 攻1300/守500

 

 

「レベル1の《バトルフェーダー》に、レベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング!―――シンクロ召喚!現れよ、《アームズ・エイド》!!」

 

 大きな右手甲が起動した。

 

 

アームズ・エイド 星4 光 機械族 攻1800/守1200

 

 

「《アームズ・エイド》の効果!《カオス・ソルジャー ―開闢の使者―》の装備カードとなり、攻撃力を1000ポイントアップ!」

 

 カオス・ソルジャーは剣を手離し、代わりに《アームズ・エイド》を装着した。

 

 

カオス・ソルジャー ―開闢の使者― 攻3000→4000

 

 

「まずは僕のカードを返してもらう!《カオス・ソルジャー ―開闢の使者―》で《マスター・ヒュペリオン》を攻撃!―――開闢双破拳!!」

 

 《マスター・ヒュペリオン》の体すら簡単に貫くカオス・ソルジャーの拳。

 

 

零士 LP4900→LP3600

 

 

「さらに、《アームズ・エイド》のもう一つの効果!装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!」

「何だと?」

 

 

零士 LP3600→LP900

 

 

「そして《カオス・ソルジャー ―開闢の使者―》の効果発動!このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、もう一度攻撃できる!!―――時空突破・開闢双破拳!!対象は、《ガーディアン・エアトス》!!」

 

 カオス・ソルジャーの拳がエアトスを打ち砕く。

 

 

零士 LP900→LP0

 

 

 戦闘の影響で強い爆風が起こった。

 

「これが、輻射波動だ!!」

「いや違うだろおぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

 一方零士は至近距離で発生したため、爆風に吹き飛ばされていた。それはソリッドビジョンなどではなかった。前が見えないせいで三人からも見えない。だから彼らが助けに来ることもない。そのまま校舎から落ちた瞬間、彼の腕を掴んだ者がいた。

 青い鎧、整った顔立ち。カオス・ソルジャーであった。彼は一気に零士を引き上げた。

 

「・・・礼を言う」

「・・・・・・・・」

「お前、ただのモンスターじゃないな?」

「・・・・・・・・」

「・・・・・なぜ助けた?」

「・・・・・貴方がこのデュエルで死んだ、あるいは死にかけたとなったら、我が主はきっと自らを責める。そういう人なのだ、あの方は」

「・・・そうか」

 

 その言葉を聞き終えると、カオス・ソルジャーは消えていった。

 

 

 

「お前の実力は分かった。僅かではあるがその心の内もな。・・・・・オレの敗けだ」

 

 周囲がはっきり見えるようになると、そこには何事もなかったように零士が立っていた。

 

「約束通り、奴らにはお前たちに手を出さないように言っておこう」

 

 その言葉に安堵する千鳥と龍一。そしてフユが口を開いた。

 

「楽しいデュエルだったよ。今度は、こういうの無しでやろう」

 

 零士は何も言わずに立ち去ろうとする。その背にフユは声をかける。

 

「たまには授業にも顔出したら?」

 

 ドアに手をかけたところで零士は立ち止まった。

 

「・・・・・・了解した」

 

 それだけ言って去っていった。少ししてフユが伸びを一つして、言った。

 

「じゃあ、僕たちも帰ろうか」

 

 

 

「―――――ええ、もうしばらくしたらそちらに戻ります」

 

 男は誰かと電話していた。

 とあるホテルの一室でのことである。

 

「彼は元気にしていますか?―――そうですか。それでは、またいずれ」

 

 そこで会話は終わった。

 

「あいつと会うのも何年ぶりになるかな、楽しみだ。・・・あいつも、別の意味で楽しみだろうけどな」

 

 




 今ではそこまでインパクトはありませんが、カオス・ソルジャーが制限に緩和された時の衝撃はすごかったですね。作者はその数日後に近所の○ックオフで売られているのを見て次の日には購入しました。そして有り金ほとんどなくなりましたwww
 さて、新たな強敵の登場を予感させながら、まだまだ続きます。
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