「ふわぁ〜………ったくよぉ〜?なんで、俺が買い出しなんだよー。いくら、ゲームに負けたからってさぁ〜……まぁ、ホットドッグを買えたから構わんがね?エスさん的には」
式典から一ヶ月。プラネテューヌの街中を歩くドラグエスト、その手には大量のプリンが入った袋が握られ、片方の手にはホットドッグが握られている
「見つけたわよ?この…………バカ
漸く、目的地であるプラネテューヌの教会前の大通りに出た直前、その人物は姿を見せる。青いコートを身に纏い、緑のリボンが特徴的な茶髪の少女はドラグエストに詰め寄る
「えすっ!?な、なんで……
少女を見た瞬間に一度は危険を感じたドラグエスト。しかし、急に我に返った彼は自分が大通りを堂々と闊歩していた事に気付いた
「アンタ………自分の立場を理解してんの?神獣よ!!神獣!!其れを何もしないでふらふらと出歩いて!バカなの!?というか!バカでしょ!!亡くなった先代の
「バカバカ連呼すんな!!いくらなぁ!心が広いエスさんも
「うっさいわ!神獣の義妹ってだけでもプレッシャーなのに、そのアニキがバカだと私のキャリアにも響くのよ!」
天下の往来で兄妹喧嘩を繰り広げるドラグエストと少女基アイエフ。この光景はプラネテューヌでは風景に溶け込む程に御馴染みである
「………ん?着信か?ちょい待て、アイ」
「アニキに着信?どーせ、ネプ子でしょ」
「あー………うげぇ……まさかまさかの
「貸せバカ」
「あだだだだだだっ!!ちょっ!?アイエフさん!お兄ちゃんの顔面が抉れる!!!なんか素敵な感じにイメチェンされる!!てか!ホントにイテェ!」
「あっ、イストワール様?アイエフです、目の前にウチのバカアニキが居るんで今直ぐに連れて行きますね」
着信の名を見た瞬間に通話を切ろうとするドラグエストから、ヘッドフォンを奪い取ったアイエフは彼の顔面にアイアンクローを決めながら、向こう側にいるイストワールという人物に彼を連行すると伝える
「……………アイねぇ。アニキはどしたの?なんか死にかけてるけど」
物言わぬ屍に成り果てたドラグエストを引き摺りながら歩くアイエフは背後から呼び掛けられ、振り返る
「あら、エフ。丁度よかった、イストワール様からの呼び出しよ」
其処に佇んでいたのはドラグエストよりもやや高めの身長の少年。彼の名はドラグエフト、アイエフにとっては義弟であり彼女が現在進行形で引き摺っている少年の実弟である
「あぁ、其れなら俺も今から行くんだ。一緒に行こうよ」
「そうね。あと、エフはこのバカみたいになったりしちゃダメよ?真面目な神獣になりなさい。私との約束よ」
「う、うん……(アイねぇ……まーた…アニキと喧嘩したな…これは…)」
「あっ!あいちゃん!それにふーくんです〜」
「あら、コンパ」
教会の入り口付近に差し掛かり掛けた二人と屍に声を掛けたのはふんわりした雰囲気の美少女、彼女の名はコンパ。アイエフの親友である
「コンパさん。ネプねぇに用事ですか?」
「用事といえば用事です〜………あれ?あいちゃんが引き摺ってるの……すーくんです?」
「気にしないで良いわよ、後で口にホットドッグぶち込めば復活するから」
「アニキってなんなの……」
神獣。その名を持つにしては明らかに扱いが雑なドラグエスト、だがアイエフからすれば頼りにならない兄と認識しかない様だ
「あっ!あいちゃんにコンパ!エフ!それと………ねぷぅぅぅぅぅぅ!?エス!?エスさん!ドラグエスト!!大丈夫!?」
紆余曲折あり、辿り着いた教会の一室。中で待ち構えていたネプテューヌ。友人たちと弟分の登場に驚いたのも束の間、物言わぬ屍に成り果てた幼馴染に飛び付く
「…………んあ……ネプ?どした?なに?もう、朝な感じか?おはよう」
「おはよう!実際はこんにちはだけどねっ!」
「で?これはなんの集まり?ネプの可愛さを言い合う会?それとも、アイを愛でる会?何方の集まりだ?」
「えっ!?そんな会があるの!?アイちゃんを愛でる会は有名だけど、他にわたしが知ってるのはエスの勇姿を眺めようの会だけだよ?」
「ちょっと待てバカアニキにネプ子。なんか今、変な会をさらりと言わなかった?ねぇ」
「「えっ?何のことだい?」」
「急に標準語になるんじゃないわよっ!!引っ叩くわよ!?」
「わわっ!?どうしよう!エフくん!お兄さんとお姉ちゃんが!」
「心配無用だよ、ネプギア。あれは戯れ合いだから」
慌てふためく少女の名はネプギア。ネプテューヌで妹でありドラグエフトの幼馴染である
「三人は仲良しさんです〜……あっ、みんなに見てもらいたいものがあるんです」
「ねぷ?」
「えす…?」
手に持っていた一枚の紙切れを全員に見える様に見せる
「「……女神…と…神獣……いらない……」」
「がっ!?」
声を揃え、朗読する
「これを期にねぷねぷとすーくんのことを知ってもらう為にお仕事がんばるです」
「コンパの言う通りよ?アニキ。仕事しなさい、さっさと」
「なるほど……これが五里霧中か」
「アニキ。それを言うなら、四面楚歌だよ」
「ねぷっ!?大変じゃん!ピンチだよ!エスさん!」
「うーむ……どうしたもんかねぇ?ネプちゃんよ」
「御二人には危機感から教えないとダメみたいですね」
その言葉と共に目の色が変わったイストワールの変化をドラグエストも、ネプテューヌも見逃さなかった
(ネプよ、ネプちゃんよ、ネプテューヌよ……此奴はちょいとヤバめじゃねぇかとエスさんは思うんだがね)
(エスや、エスさんや、ドラグエストや……確かにヤバめのフラグをビンビンに感じるよ〜!!どうしよ〜!!)
(ふっふっふっ……こんな時こそ!エスさんに任せんしゃい!)
(おお!!さすがはわたしの
如何なる手段を用いているかは不明であるが脳内会議を終え、二人は顔を見合わせた後に頷きあう
「ちょっと待った!いーすん!俺に考えがある!」
「考え?ドラグエストさんにですか?」
「うむ。此処は一つ!他国の女神と神獣に心得を教わってくるとしようじゃないか!」
「さっすがはエスさん!ナイスアイデア!予想の斜め上を発想にネプちゃんは感激してるよ!というワケで!目指すはラスティション!!突撃だー!」
「てことで……ばっは〜い!」
嵐の様に部屋を飛び出す女神と神獣。そして、呆気に取られた残された面々は数秒後に我に返った
(((に……逃げやがった……!!)))