ワンピース竜姫物語   作:裕介

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転生した先はルフィの姉、椿だった件 〜黒龍バハムートと最上大業物黒桜を引っ提げた魔法あり覇気強力、ガープ直伝愛ある拳インパスパクト系使える、オリジナル技ありガールラブ、修羅場あり
転生した先はルフィの姉、椿だった件 〜黒龍バハムートと最上大業物を引っ提げた竜姫、海軍と冥王に孫として全力で溺愛される〜



転生した先はルフィの姉、椿だった件 〜黒龍バハムートと最上大業物を引っ提げた竜姫〜

 

 

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転生した先はルフィの姉、椿だった件 〜黒龍バハムートと最上大業物を引っ提げた竜姫、海軍と冥王に孫として全力で溺愛される〜

 

 

  あらすじ

 

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【東方×ONE PIECEクロスオーバー】

別作品『椿の幻想入り幼少期』の主人公「ゆうちゃん」が、今度は原作の16年前のONE PIECEの世界へ、冷静沈着なスタンスのまま転生!

 

転生先は、あの『鷹の目』をも凌いだ伝説の賞金稼ぎ『剣姫』の娘であり、ルフィの義姉となる少女・椿(つばき)。

最上大業物「黒桜」、幻獣種「ウォウォの実 モデル:黒龍(バハムート)」、さらには魔法の素質。女神の焦りを余所に最強スペックを盛り込んだ彼女は、赤ん坊の頃にガープに拾われ、海軍本部で4年間育つことに。

しかし、5歳になった彼女の才能はあまりにも規格外。海軍本部が大混乱に陥った結果、教育係として白羽の矢が立ったのは、まさかの『冥王』シルバーズ・レイリーだった!?

 

「椿はわしの孫じゃ!」「訂正したまえガープ、私の孫だ」

二人のじいじ(ガープ&レイリー)に全力で溺愛されながら、シャボンディ諸島で育つ椿。

戦場では海賊たちに絶対的な恐怖を植え付けるトラウマの権化『鬼巫女』、日常では誰もがメロメロになるみんなのアイドル『白巫女』。二つの顔を持つ最強の竜姫が、世界の均衡を跡形もなくひっくり返す!

 

※本作は『ツバキの幻想入り幼少期』の設定を引き継いてます。

 

(第1話〜第5話)

 

 

第1話:女神と冷静なゆうちゃんの交渉(と、紫の乱入)

 

「……というわけでね、ゆうちゃん。貴方には今からONE PIECEの世界に転生してもらうわけだけど」

真っ白な空間で、神々しい光を放つ女神は、目の前に座る『ゆうちゃん』に微笑みかけた。

ゆうちゃん「なるほど。ONE PIECEの世界か。なら、スペックは盛れるだけ盛ってくれ」

女神「ふふ、いいわよ。どんな設定がいいかしら?」

ゆうちゃん「まず、ルフィの義姉ポジション。原作の16年前、5歳スタート。血筋は『鷹の目』を凌ぐ伝説の賞金稼ぎ『剣姫』の娘だ。最上大業物の名刀『黒桜(こくおう)』、幻獣種『ウォウォの実 モデル:黒龍(バハムート)』。それから魔法の素質も頼む」

女神「盛りすぎじゃない!?……まあいいわ。でも、それだけのスペックだと、生まれてすぐに凄まじい覇気と剣気を放っちゃうから、普通の人じゃ近づくこともできないわよ? 下手したら無人島に小舟で漂着するようなスタートになるけど……」

ゆうちゃん「問題ない。想定内だ。ガープに拾わせて海軍スタートにする。4歳から剣術を叩き込み、ガープの技もその段階で仕込ませるから問題ない」

女神「ふーん……」

ゆうちゃんのあまりに冷徹で完璧な計算に対して、女神は急にスンッと真顔になった。

女神「……察した。なんか貴方、最初から全部の展開を完璧に計算してない? つまんないなー……もっとこう、現地で困る可愛い顔とか見たかったのに……」

ゆうちゃん「神なら私情を挟まず、冷静に手続きを進めてくれ。早く転生を」

女神「だから! だからそういう塩対応がツマンナイって言ってるのよお前はー!!」

女神が頭を抱えてギャーギャーと叫び出した、その時だった。

空間の裂け目から、視線がいくつも走る怪しげな『スキマ』が、ぬるりと開く。

紫「あら? 向こうの世界の椿よねぇ? 随分と豪勢な設定を持っていくのね」

日傘を優雅に差し、境界のスキマからひょっこりと顔を出したのは、幻想郷の妖怪賢者――八雲紫(ゆかりん)だった。

ゆうちゃん「あ。なんだ、ゆかりんか」

女神「ちょっと待って!!?」

女神が目を剥いて、ゆうちゃんを指差す。

女神「なんで私の問いかけには死んだ魚の目でスルーを決め込むくせに、紫の登場には普通にテンポよく答えるのよ!? 私だって一応神様なんですけどー!?」

ゆうちゃん「……」

女神「え、無言!? ちょっと、さすがあせるのよその無言は!? なんか言ってよ!!」

ゆうちゃん「あ、そうだ。ゆかりん。今回の世界、私『鬼巫女』にも『白巫女』にもなれるぞ」

女神「え!?」

紫「あらまー、そうなの? ゆうちゃん」

女神のツッコミを完全に無視して、二人の会話はさらに加速していく。

ゆうちゃん「ああ。白桜がね、向こうの世界で私に会いたいって言ってる。……なら、ここで召喚するか?」

紫「ふふ、ありね!」

女神「え? ちょっと待って、白桜って誰!? ここで勝手に召喚するの!?」

ゆうちゃん「これ以上の詳しい経緯を知りたい奴は、『椿の幻想入り幼少期』を参照だ」

女神「ちょ、うそでしょ!? 盛大な別作品の伏線回収と宣伝!? メタい! メタすぎるわよゆうちゃん!!」

ゆうちゃん「では、行ってくる」

女神「あ、ちょっと待ち――!!」

こうして、女神のガチ焦りとツッコミを置き去りにしたまま、前世の繋がりと新たな巫女の力、そして規格外のスペックを詰め込まれた少女が、ONE PIECEの世界へと産み落とされた。

――転生名、『椿(つばき)』。海軍本部と新世界を巻き込む彼女の無双伝説が、今幕を開ける。

 

第2話:海軍本部での4年間と、贅沢すぎる教育会議

 

――遡ること、4年前。

そこは、地図にも載っていない名もなき無人島だった。

海岸に乗り上げられた一艘の小舟。海軍中将モンキー・D・ガープが見つけたのは、ただの赤ん坊だった。

しかし、その赤ん坊を中心に吹き荒れていたのは、常人なら立ちくらみを起こして即座に気絶するレベルの、濃厚で圧倒的な覇気。

さらに傍らには、生物を拒絶するような禍々しい剣気を放つ最上大業物「黒桜(こくおう)」が突き立てられていた。

ガープは小舟に残された手紙を読み、驚愕する。

「……まさか! このガキ、あの『剣姫』の娘か……!?」

歴史の闇に消えた伝説の名。その血を引き、これほどの覇気と黒龍(バハムート)の実、さらには奥底に「魔法」の素質まで秘めた赤ん坊――それが、転生した椿だった。

ガープはすぐさま本部のセンゴクへ連絡を入れ、この事実は海軍のトップ層によって「剣姫は死亡した(※本当は生きている)」と上手く伏せられることになった。

◇

それから、海軍本部で4年の歳月が流れた。

5歳になった椿は、海軍の化物たちに囲まれてすくすくと育っていた。

そして、ある日の海軍本部・元帥統帥室。

招集された海軍トップ層は、ガープが連れ帰った椿の処遇、あるいは目の前に置かれた「黒桜」と「バハムートの実」を前に、一堂に会していた。

クザン「あらあら……。あの『剣姫』の娘なら、俺たちにとっては可愛い姪っ子みたいなもんかなぁ?」

長い足を机に投げ出し、アイマスクをずらしながら気怠げに呟いたのはクザンだ。

サカズキ「ふん、ふざけるなクザン。元世界最強とも噂された賞金稼ぎの血筋、おまけに幻獣種バハムートの実だと? これほどの危険因子、いくら子供とはいえ海軍で大っぴらに育てるなど不届き千万。悪の芽は若いうちに『徹底的に』摘んでおくべきじゃ」

腕を組み、不機嫌そうに帽子の庇を下げてサカズキが低く唸る。

ボルサリーノ「コ〜ワ〜イ〜ねぇ〜、サカズキは。そんなにピリピリしなさんな。でもねェ……その5歳児が放っている覇気、ただ事じゃないよぉ〜。下手な海兵じゃ近づいただけで泡を吹いて気絶しちゃうねェ〜」

ボルサリーノが黄色いストライプのスーツを揺らし、薄薄しい笑みを浮かべて椿を覗き込む。

当の椿はというと、三大将の放つ凄まじい威圧感などどこ吹く風。

なんと、ガープから直接教わったばかりの『ギャラクシーインパクト(拳骨衝突)』の真似事をして見せたのだ。

椿「――えい」

子供サイズながらも、明確な中威力の衝撃波が放たれ、統帥室の頑丈な壁を綺麗に丸く消し飛ばした。

サカズキ「……なっ!?」

ボルサリーノ「おや、おや、おやぁ〜……?」

クザン「……うわ、マジかよ」

さしもの三大将も、5歳児が放った規格外の破壊力に一瞬で言葉を失い、顔を引きつらせる。

「ぶはははは! 見たかお前ら! 5歳でこれだぞ! よし、わしの孫(仮)にするか!」

大爆笑するガープに、センゴクの額の青筋がはち切れそうになる。

「笑い事かガープ!! この娘の今後の教育はどうするつもりだ!」

まだ大佐の地位にあるモモンガが、生真面目に一歩前に出た。

「え……? それならば、自分(海軍)が剣術を教えますが――」

「あほ!!!」

ゼファー教官が即座に一喝する。

「モモンガ、お前の実力じゃあ、最上大業物『黒桜』に選ばれたこの娘の師匠は荷が重すぎるわ! 剣術の指導となれば……それこそ、ロジャー海賊団の『レイリー』くらいしかおらんだろうな!」

ガープも腕を組んで頷く。

「全くだ! レイリーしかおらんな!」

「馬鹿を言うな! なぜ海軍の宝を海賊の元へ送る!」

センゴクが怒鳴るが、ゼファーはさらに考え込む。

「いや、レイリーなら確かに腕は確かだが、あの女癖の悪さは教育に良くないな……。なら『ギャバン』か? いや, 奴もな……」

「……冥王か。確かに奴は(元世界最強の剣士)……」

センゴクも頭痛をこらえるようにこめかみを押さえた。

海軍で大っぴらに育てるには、椿の才能はあまりにも規格外で目立ちすぎる。サカズキのように危険視する者もいれば、クザンやボルサリーノのように持て余す者もいる。

結果、海軍トップ層が出した結論は――「宿敵であるあの男に、極秘で預ける」という、あまりにも大胆なウルトラCだった。

 

第3話:じいじ達の奪い合いと、苦労人ボガード

 

――シャボンディ諸島、シャッキーのぼったくりBAR。

店主のシャクヤク(シャッキー)が煙草をくゆらせる中、白髪の老人――『冥王』シルバーズ・レイリーの元へ預けられてから、さらに数ヶ月が経った。

「――ハッ!」

鋭い掛け声とともに木刀を振るう椿。5歳児の放つ『飛ぶ斬撃』が、前方の巨大なマングローブの根を、触れずして一刀解断にする。

レイリーの指導によって、椿の才能は見る見るうちに洗練されていった。

「あら、レイさん。あんまり椿ちゃんをシゴきすぎちゃダメよ?」

「ふっ、可愛い孫ができたみたいで楽しいんでね」

二人のレジェンドに孫のように可愛がられ、順調に育つ椿。そんなある日、店の扉がガラガラと開き、巨躯の影が滑り込んできた。

「ぶはははは! 椿、元気にしとるかァ!!」

「あ! ガープのじいじ!!」

椿は椅子から飛び降りて、満面の笑みでガープの胸元へと勢いよく飛びついた。「よしよしようし!」と目尻を下げてガハガハと笑うガープ。

だが、それを見ていたレイリーが、グラスを磨きながら不機嫌そうに呟いた。

「……ガープ。訂正してもらおう。椿は、私の孫だ」

「ぬかせジジイ!! わしが拾って本部で4年も育てたんだぞ!!」

レイリーは磨き終えたグラスを置くと、いつになく真剣な目で椿を見つめた。

「今ここで毎日飯を食わせ、剣を教えているのは私だ。……それに、な。あの『黒桜』の持ち主……剣姫は、私にとって娘同然の存在だったんだよ」

「……!」

ガープの動きが止まる。ロジャーの右腕と剣姫の、意外な過去の繋がり。

レイリー「だから、あの子の遺したこの椿は、私にとっては本当の孫も同然なのだよ」

ガープ「……チッ、これだから過去のあるロートルは面倒くせェ。だがわしだってルフィの姉貴分として譲る気はねェぞ!」

二人の伝説が「私の孫」を巡って火花を散らす中、店外を警戒していた側近(ボガード)がたまらず一歩前に出て口を開いた。

ボガード「……ガープ中将。それと『冥王』レイリー。お言葉ですが、海軍の中将とロジャー海賊団の副船長が一人の幼女を巡って揉めているなど、センゴク大将の耳に入れば今度こそ本部の天井が吹き飛びます」

深くため息をつく苦労人ボガード。

ボガード「それにガープ中将。あなたが任務を放り出してここに入り浸っている件、すでにお鶴中将の部隊が動き出しているとの情報があります」

ガープ「ぶ、ぶははは! お、お鶴ちゃんが動いとる!? ……ボ、ボガード、それを早く言わんか!」

さしものガープも「お鶴」の名には冷や汗を流し、大慌てで椿を床に下ろした。

ガープ「しゃあない、今日は行くが、寂しくなったらボガードの通信をハッキングしてでも連絡してこい!」

ボガード「不穏な命令を教えないでください。……椿お嬢様、それでは。レイリー殿、シャクヤク殿、お嬢様をよろしくお願いします」

椿「ボガード、じいじ、またねー!」

ボガードというストッパーが胃を痛めつつも、海軍と海賊のトップに愛される椿の最強幼女ライフは、賑やかに続いていく。

 

第4話:恐怖のトラウマと、愛されアイドル

 

ガープとボガードが慌ただしく去っていった後、BARの中に穏やかな空気が戻る。

椿はトコトコとカウンターへ近づくと、シャッキーを見上げてちょこんと小首を傾げた。

椿「シャッキー、わたし、おやつのおかわりほしいな」

その瞬間、椿の周囲の空気がフワリと変わり、言葉にできないほど神聖で、可憐なオーラが溢れ出す。

周囲の人間を無条件で魅了し、誰もが保護欲を掻き立てられる『白巫女』モード。その姿は、まさに全人類から愛される究極のアイドルそのものだった。

シャッキー「あらあら! なんて可愛いの。椿ちゃんのためなら、お店のケーキ全部あげちゃうわよ」

レイリー「ふっ、本当に大した才能(アイドル)だ。海軍の戦桃丸や、あの堅物のセンゴクすら、本部にいた頃はこの顔にメロメロだったというのも頷けるね」

シャッキーから特大の特製ケーキを差し出され、椿は「ありがとう!」と満面の笑みを浮かべる。白巫女としての彼女は、海軍本部やこのシャボンディ諸島において、荒くれ者たちの心を癒やす絶対的なアイドル枠として君臨していた。

だが――その平穏は、突如として破られる。

「おいおいおい! 随分と景気のいい店じゃねェか! 聞けばロジャーの残党が潜んどるらしいが、賞金首の首をもらいに――」

店の扉を豪快に蹴破って乱入してきたのは、シャボンディ諸島に流れ着いた、賞金数千万ベリーの野良海賊たちだった。数十人の男たちが武器を構え、下卑た笑みを浮かべて店内に踏み込んできた……はずだった。

海賊「――って、なんだこのかわいい子は!!?」

しかし、カウンターに座る椿のあまりの愛らしさと、白巫女の無垢なオーラを正面から浴びた瞬間、男たちの顔が一変する。武器を構えたまま全員が頬を染め、あまりの可愛さに激しい衝撃を受けて動きを止めてしまった。

海賊「おい、見ろよあの幼児……天使か? いや、妖精か何かじゃねェのか……?」

海賊たちが完全に警戒を解き、だらしなく鼻の下を伸ばし始めた、その時だった。

椿「……おやつを邪魔された。私がやります」

椿の口から、5歳児とは思えない、そしてこれまでの幼い喋り方とは一線を画す、冷徹で透き通った『聖女口調』の声が漏れ出た。

次の瞬間、店内の温度が氷点下まで一気に下がったかのような、凄まじい威圧感が吹き荒れる。

白巫女の可憐なオーラは瞬時に鋭利な刃へと変貌し、代わりに立ち上ったのは、禍々しいまでの殺気と、触れた者を文字通り『解体』する戦闘特化のオーラ。

戦場のすべてを恐怖で支配する――『鬼巫女』モードの覚醒だった。

海賊「ひっ……!? な、なんだこの威圧感は……!? 空気が、重い……!」

椿は躊躇なく、傍らにあった最上大業物「黒桜」の柄に手をかける。

通常ならガープですら容易に触れられない呪物。しかし、鬼巫女となった椿の手には、まるでおもちゃのように完璧に馴染んでいた。

椿「これ以上、神聖な場を汚さないでください。消えなさい」

ドンッ!!!

刀を抜くことすらしない。ただ鞘に収まったままの「黒桜」を軽く一閃しただけで、空間そのものを切り裂くような中威力の『ギャラクシーインパクト』を上乗せした衝撃波が放たれた。

「ぎゃああああああーーーっ!!!???」

乱入してきた数十人の海賊たちが、一瞬で店の外へと消し飛ばされ、遥か彼方のヤルキマン・マングローブの彼方へと叩きつけられる。生き残った連中も、丁寧な物腰のまま放たれた圧倒的な暴力と恐怖の前に、泡を吹いて気絶していた。

下の連中(敵)からすれば、ただの一生物のトラウマを植え付けられた瞬間だった。

レイリー「……ほう。相変わらず凄まじいな。敵を容赦なく叩き潰す『鬼巫女』の顔か。さっきの可愛い『白巫女』とのギャップで、私の心臓が止まりそうだよ」

シャッキー「あら、男の子はこれくらい強い女の子の方が、将来振り回され甲斐があって楽しいのよ?」

椿「ふふふ……♪」

何事もなかったかのように『白巫女(アイドル)』の可愛い顔に戻り、悪戯っぽく笑いながらケーキを食べ進める椿。

 

第5話:最高権力者のデレデレ電話と、元中将の悲哀

 

ガープが去り、椿がシャッキーの特製ケーキを美味しそうに頬張っていた、まさにその時。

カウンターの隅に置かれていた、海軍本部直通の特殊な電伝虫が、けたたましく鳴り響いた。

プルルルル……、プルルルル……。

ガチャ。

レイリーが静かに受話器を上げると、向こう側から地響きのような怒声が室内に響き渡る。

『ガープの奴はまだおるかァ!!! 任務を放り出してシャボンディ諸島に入り浸っとるとお鶴から報告があったぞ! ガープ!! お前という奴は――』

電話の主は、海軍本部最高権力者であるコング元帥だ。

さらに受話器の奥からは、通信を傍受しているセンゴク大将の頭痛を堪えるような溜息も聞こえてくる。

その怒声に、椿は一切動じることなく、ケーキのフォークを置くとトコトコとレイリーの足元へ近づいた。

椿「レイリーじいじ、わたし、お電話でおはなししたいな」

レイリー「おやおや、元帥殿がお怒りだよ? ……まぁ、いいか」

レイリーが苦笑しながら受話器を椿の小さな耳へと近づける。

その瞬間、椿の周囲にフワリと『白巫女(アイドル)』の神聖なオーラが立ち上り、それが電伝虫を通じて本部の元帥室へと送信された。

椿「もしもし? こんぐのじいじ? センゴクのじいじ? 椿だよ。おこっちゃだめだよ?」

『――ッ!?』

電伝虫の向こう側で、二人の最高権力者が同時に息を呑む。

次の瞬間、怒髪天を衝くようだった咆哮は嘘のように静まり返り、コング元帥の顔を模した電伝虫の表情が、一瞬でデレデレの笑顔へと変形した。

『つ、椿ちゃんかい……! いや、怒ってなどおらんよ! じいじはただ、ガープの悪癖に少し大きな声を出してしまっただけなんだ……!』

センゴク『椿か。シャボンディ諸島で迷惑はかけていないか? 何かあればすぐに海軍が動くからな』

最高幹部二人の、あからさまな声のトーンの変化。

椿は受話器に向かって、先ほど店に乱入してきた海賊たちの話を、ふと思い出したように口にした。

椿「あのね。さっきおやつを邪魔しにきた海賊のひと、むかし海軍の中将だったんだって。大将になれるくらい強かったのに、『天竜人が嫌い』だから海賊になったんだって。……天竜人? えー、わたしも嫌い!」

ズバッと直球で放たれた5歳児の暴言に、本部の元帥室が一瞬静まり返る。

立場上、絶対に肯定してはならない禁句。しかし――。

センゴク『……まあ、確かに天竜人はな……』

思わず本音が漏れるセンゴク。そして、

コング『ははは! かわいい! さすが椿ちゃんじゃ、物事の本質がよく分かっておる!』

まさかの全肯定。コング元帥は完全に骨抜きになっていた。

さらにセンゴクが「しかしガープの奴から聞いたぞ。シャボンディ諸島で海賊共を文字通り解体するような、恐ろしい『鬼巫女』の力を披露したそうじゃないか。そんな危険な――」と正論を口にしかけると、コング元帥がそれを横から大声で遮る。

コング『何を言うかセンゴク! 椿ちゃん? 鬼巫女? ガープが怯えるほどの戦闘モード? ……いや、そんなのどう考えてもかわいいに決まっとろうが! さすがは我らが海軍のアイドルじゃ!!』

ガープ「ぶはははは! コングの奴め、完全に脳ミソが融けとるわい!」

いつの間にか店に戻ってきていたガープが、煎餅をバリバリと噛み砕きながら大爆笑する。

レイリー「やれやれ……。海軍の最高権力者ともあろう男たちが、電話越しに5歳児に説教されてデレデレになるとはな。海軍の未来が少し心配になってくるよ」

シャッキー「あら、椿ちゃんの可愛さは世界を救うレベルよ? 元帥の一人や二人、簡単に骨抜きにされて当然じゃない」

二人のレジェンドがカウンターの奥で完全に冷静なトーンのまま、そのカオスな光景を見つめていた。

椿「こんぐのじいじ、またね。ガープのじいじもレイリーじいじも、みんな仲良しだよ」

コング『うむ、うむ! 椿ちゃんがそう言うならじいじは何でも許そう! また本部に遊びにおいで、特製のお菓子を山ほど用意しておくからね……!』

ガチャ。

コング元帥の未練たっぷりの声を残し、椿は満足そうに受話器を置くと、再びケーキを食べ始めた。

海軍本部のトップすら手玉に取る『白巫女』の魔力に、ボガードだけが物陰で「これが世界の頂点たちの会話か……」と胃を押さえて、一人静かに遠い目をしていたのだった。

◇

――しかし、この時の海軍も冥王も、まだ知る由はなかった。

この5歳の少女・椿が、後々海軍中将の地位にまで上り詰めることを。

正式に海軍の将になり、母親の仇であるロックスの息子にして黒ひげの父親、『マーシャル・D・ディーガ』という巨悪を徹底的に叩き潰す宿命を背負っていることを。

さらには未来の海で、ココヤシ村のベルメールを救い出すという奇跡を起こし、

後に仲間となる麦わらの一味航海士ナミ「姉様ァーーーッ♥♥♥」と激しいメロメロ攻撃を受け、興奮と愛「ふふふ……ナミなに?」(ナミ)「姉様大好き♥と笑う未来が待っていることを――。」

――アンド、何よりも。

幻想郷からの追っ手であり、椿を狂信的に慕うあの月人――八意永琳(えーりん)が、空間を越えてこのシャボンディ諸島に突撃してくる未来を。

永琳「椿お姉様ーーーッ!」

椿「な! えーりん!?」

と、抱きついてくる永琳の姿と、

後々、ココヤシ村で救われたナミから「姉様♥」と懐かれる椿を見て、永琳の目が完全に据わり、

永琳「……ちょっと椿お姉様。なんでナミ……誰よその女!!」

と、ドス黒い嫉妬の炎を燃やして詰め寄る未来の超ド級の修羅場を。

解して、そんな少女たちの修羅場を、空間の『スキマ』から優雅に覗き見しながら、

紫「ふふ、修羅場! ねぇ椿ちゃん私の」(白桜)私の恋人よ!

と、面白がってふふふと笑う白桜と八雲紫の姿があることを――。

(※これは後々のお話。詳しくは今後の展開をお楽しみに!)

世界の均衡だけでなく、あらゆる世界の美女たちの心まで跡形もなくひっくり返す最強の「竜姫」の伝説は、まだ始まったばかりだ。

 

 

 

あとがき

 

ご覧いただきありがとうございます!うp主のゆうちゃんです。

本作は、別作品『椿の幻想入り幼少期』の設定をベースにしつつ、ONE PIECEの世界へと飛び込んだクロスオーバー・オリジナル最強転生モノとなります!

 

女神に対するゆうちゃんの安定の塩対応、そして突然スキマから乱入してきたゆかりん(八雲紫)との楽屋裏メタトークを楽しんでいただけていれば幸いです。「鬼巫女」と「白巫女」のさらなる経緯を知りたい方は、ぜひ『椿の幻想入り幼少期』の方もあわせてチェックしてみてくださいね!

 

今回は海軍本部の三大将や、コング元帥の反応、そしてシャボンディ諸島での『じいじ達の奪い合い』、敵にとってはトラウマ(鬼巫女)、身内にとってはアイドル(白巫女)という椿の二面性を書かせていただきました。

 

今後はさらに、バハムートの実の覚醒や、若き日のスモーカー・ヒナ少佐たちの登場、あるいは未来のベルメール救済・ディーガ討伐ルートへと繋げていく予定です。

面白いと思っていただけたら、ぜひブックマークや評価、感想をよろしくお願いいたします!励みになります!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ご覧いただきありがとうございます!うp主のゆうちゃんです。
本作は、別作品『椿の幻想入り幼少期』の設定をベースにしつつ、ONE PIECEの世界へと飛び込んだクロスオーバー・オリジナル最強転生モノとなります!

女神に対するゆうちゃんの安定の塩対応、そして突然スキマから乱入してきたゆかりん(八雲紫)との楽屋裏メタトークを楽しんでいただけていれば幸いです。「鬼巫女」と「白巫女」のさらなる経緯を知りたい方は、ぜひ『椿の幻想入り幼少期』の方もあわせてチェックしてみてくださいね!

今回は海軍本部の三大将や、コング元帥の反応、 shadowに隠れたボガードさんの心労、そしてシャボンディ諸島での『じいじ達の奪い合い』、敵にとってはトラウマ(鬼巫女)、身内にとってはアイドル(白巫女)という椿の二面性を書かせていただきました。

今後はさらに、バハムートの実の覚醒や、若き日のスモーカー・ヒナ少佐たちの登場、あるいは未来のベルメール救済・ディーガ討伐ルートへと繋げていく予定です。
面白いと思っていただけたら、ぜひブックマークや評価、感想をよろしくお願いいたします!励みになります!
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