狂信者+ダンジョン=農家栽培   作:ストマフィリア

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なんか続いたわ



2話 当面の目的作り

 

 

 晴れた空を見ると日光が目に差して少し眩しい。

 日の昇り様から見るに今の時間は昼時だろうか。

 

【迷宮都市オラリオ】というイルヴァには存在すらしないであろう異世界。

  

 あなたは未踏の地の大通りを悠々と歩きながら目まぐるしく映り変わる光景に目を輝かせていた。

 

 見たことのない構造物、見たことのない衣服、野外商店で売られている見たことすらない食材や品物の数々。

 あなたにとって全て初見な光景に情報の処理が追い付かない。

 よそへ目を移すたびにどんどん新しい情報が舞い込んできて頭がどうにかなりそうだった。どうにかなりそうだったあなたは、念のためユニコーンの角を使って自分の狂気度を下げておくことにした。

 

 先の見えない人の羅列は大通りを埋め尽くしている。

 この都市の人口はおそらく、ノースティリスが誇る最大の王都『パルミア』に匹敵する――いや、それ以上だろう。

 

 特にあなたが驚いているのが、構造物の清潔さと人肉などの血生臭さの無さだ。

 所々に血痕もなく、建物の壁に大穴すら開いていないことに衝撃を隠せない。

 ノースティリスでは、毎日のように冒険者の手で町中の建物が崩壊し、情け容赦のない殺戮の応酬で血だまりの雨が形成されているというのに。ちなみに破壊の原因は大体核だ。

 

 この都市の治安は驚くほどいいのだろうとあなたは感心する。

 

――らっしゃいらっしゃい! 今日は大安売りだよ~!

――……嫁さんの機嫌がいいからって限度超えた安売りしやがって。赤字になりやがれクソッタレ

――なんだとこの野郎!?

――やるかオラァ!?

 

 商人同士のじゃれ合い(?)を横目に見ながらあなたは微笑ましく笑った。殴り合いに発展しかけているが問題ないだろう。ノースティリスではあんなものじゃれ合いの部類だ。

 

「兄ちゃん兄ちゃん」

 

 と、微笑ましい光景を立って傍観しているあなたに誰かが話しかけてきた。

 

 声のするほうに体を向けると、簡易型のテーブルに肘をついたイケた親父みたいな人物が座っていた。顎鬚と顔立ちを見るだけなら意外と威圧感がある。

 テーブルには売り物らしき食べ物のような物が平面のかごの中に置いてある。どうやらここで商売をしている商人のようだ。

 もしかして、人の通り道を止めてしまったのだろうか。

 だとしたら申し訳ない。とあなたは普通に誠意ある謝罪した。

 

「ああいやいいんだよ、別に迷惑ってわけじゃないんだ」

 

 本当に迷惑そうじゃないらしい商人は首を横に振って否定の意を示した。

 ではどう言った理由で引き留めたのかをあなたは商人に聞く。

 

「なぁにただの商売催促だよ。あんさん、腹減っちゃいないかい? 今なら安くしとくよ」

 

 テーブルに肘を付けながら笑顔で店主は言った。

 

 どうもこうしたもなく、本当にただの商売での引き留めだったらしい。

 

 再び上を見ると太陽は真上に位置しているのを確認しつつ、あなたは昼である今の時間帯が食事時だということを思い出す。

 ノースティリスでは食事というものはおなかが減ってからだという感じで食べていたため、食事に対する時間間隔を完全に忘れていた。思い出せたのは何年ぶりだろうか。

 

 あなたは確かにお腹が減っている。

 数時間かけてネフィアに潜っていたのとは別件で、ただ単純に寝起きのため小腹がすいている。

 

 ただ、食事は我が家に帰ってからでも問題ないだろうと踏んでいた。

 あなたは異世界に降り立った興奮で食事を先延ばしにしていた、というより忘れていた。

 別に飢餓状態になろうとも体力がゴリゴリ削られるのと空腹によって死ぬほど気持ち悪くなるだけで問題はないからだ。

 

「飢餓って……ダメだろう兄ちゃん。若い男が食事を後回しにしたらよ、肉がつかねぇぞ肉が」

 

 冗談だと思っている風な店主は苦笑しながら意外と筋肉のついている二の腕を叩きながらあなたに言う。

 いや別に冗談ではないのだが。本当に死ぬわけじゃあるまいし。

 

 ちなみに、あなたの外見が若い姿に見えるのはただ単純に願いの杖で青年の姿まで若くなっているからだ。

 実年齢はさも言わん。一定量の力を持ったノースティリスの冒険者とはそういった者達が多い。

 

「ま、そりゃともかくだ。一つ食ってかないかい兄ちゃん」

 

 そう言って顎鬚の店主は売り物の食べ物らしき物をかごの中から取り、あなたへ差し出した。

 色は茶色でそれは丸く、やわらかそうな見た目をしており、ふわりと甘みのある香りがあなたの鼻腔を刺激する。

 

 はて、この食べ物は何なのだろうか。

 

 ノースティリスには存在しないような、というより似ているような材料で作られた妙な食べ物にあなたは疑惑の目を向けた。

 

「ありゃ、あんさん『ジャガ丸くん』を知らないタチか」

 

 疑問に思ったあなたが店主にこの食べ物の名前を聞くと、そういった答えが返ってきた。

 

 どうやら『ジャガイモ』という野菜をふかして色々手を施した料理らしい。

 『ジャガイモ』という野菜をあなたは初めて耳にする。ノースティリスの定番野菜である

『サツマイモ』や『イーモ』とはまた違うものだったりするのだろうか。非常に気になるところだ。

 

 収穫の神であるクミロミの信仰者たるもの、野菜などの食材には多くの興味がひかれる。

 特に大地の恵みを好む彼ならこのような初めて見る食材を使った料理は非常に良く思ってくれるだろう。

 

 内心ウキウキであなたは店主へ注文した。

 

「お、買ってくれんのかい? 8つ欲しい!? 大食漢だねぇ兄ちゃん! よく食う男は好きだぞおじさんは!」

 

 店主は勘違いしているようだがそんなに食べるつもりはない。

 2つはあなたが食べる用に、3つはクミロミ神に捧げるために。

 あとの3つは、我が家に帰った際にあなたの仲間(ペット)にあげるのだ。

 

 喜んでくれるだろうか。と、あなたは考えていたところだったが、次の店主の一言で思考を一瞬停止することになる。

 

「ジャガ丸くん8つ味指定なしで、合計が320()()()()だぜぃ兄ちゃん」

 

 ……はて《ヴァリス》とは一体何なのだろうか。

 いや、答えなど丸わかりだ。明らかに金の単位だ。

 深く考えずともそんなことはわかりきったことではないか。

 ここは異国。あなたの見知らぬ未踏の地【オラリオ】なのだから。

 

 あなたは頭を抱えた。

 考えてみれば、ノースティリスでのお金(gp)が通用しないことは可能性の内だったろうに。

 だといえども、本当に金の単位が違うのはさすがに聞いてない。

 あなたはノースティリスでは所持している額が12桁を優に超える億万長者なのだが、この異世界では無一文ということではないか。

 

「……なんだい兄ちゃん、もしかして手持ちがないのかい?」

 

 頭を抱えたあなたの様子を察して店主がそう声をかけた。

 正解だ。あなたとしてもどうしようか悩んでいるところではある。

 悩みながら、視線を店主の持っているジャガ丸くんへと向けた。

 

 そして

 

 ……ふと一瞬。

 ほんの一瞬、核が爆破するかのような刹那の瞬間だったがこんな思考があなたの頭の中をよぎる。

 

 ①

 店主を殺して売り物ごと奪い取りこのままわが家へ帰還する。

 

 ②

 手持ちがないことを明かした後、去る瞬間に《窃盗》スキルで商品を盗む。

 

 どちらも危険性はある。が、この世界の通貨を持たないあなたはこの食べ物を取得する術を持たないのだ。

 

 危険性としては、店主を殺した際にもしくは窃盗を万が一にでも失敗して、それを見られ犯罪者扱いされること。

 

 別に犯罪者扱いされるのは慣れているのでいいのだが、この世界から去る方法が不確定なために我が家に帰れない可能性を考えたらそれはそれでリスクになってしまう。

 せっかくの異世界滞在を犯罪者で終えるのは、数々のカルマを背負ったあなたですら抵抗がある。もっと普通の人間として楽しみたいというのが本音だ。

 

 それに気づかれずに殺害をここで行うには人通りも多く悪目立ちもする。店主を静かに刺殺することで何とかなるかもしれないが、この街の建設物の清潔さと治安を鑑みるに()()()()そのもの、もしくは()()()()()()ことですら危険を伴うかもしれないのだ。

 

 この『犯罪者認定』の可能性を考えてしまうと、どうしても行動には手が届きそうにない。

 

 なぜならそうなってしまった場合、あなたの異世界()()生活がそこで終了してしまうのだ。

 確かに珍しいものを獲得できれば我が家に帰るといったが、流石に一つだけというわけにはいかないし、せっかくのイレギュラーなので存分に楽しんでいきたいという気持ちがあなたにはあった。

 

 犯罪者になってしまえば、その時点で楽しむどころか厄介ごとに絡まれる未来しか見えない。

 ちなみにこれはあなたが未熟だった頃の経験談だ。

 ノースティリスで税金を払えずに犯罪者扱いされ『犯罪者に売る物はねえよ消えろゴミがッ!!』と店で何も買えず追っ払われたあなたが言うのだから間違いない。

やはり税金は糞だ。

 

 ……苦悩しながら店主の顔を見る。眺めたその目は不安に染まっていた。

 

 あなたは自身の要望に忠実すぎるがゆえに、正解と言えない行動もよくとってしまう。

 井戸や噴水の水をがぶ飲みすることで願いを叶えてもらおうとして、何度モンスターを呼び出してしまったりエイリアンに寄生されてしまったことか。両手の指と両足の指、病気によって生えた触手の数を合わせても数えきれないだろう。

 

「冒険者みたいな風貌をしてるのに手持ちがないなんて珍しいねぇ。財布でもなくした?」

 

 頬杖をつきながら店主は言う。

 

 店主といい衛兵といい、この世界の住人は冒険者を見抜く目でも持っているのだろうか。

 客観的に見ても布製の装備に身を包んだ人間なんて普通はホームレスに見えるものだろう。

 それとも、これがこの世界の()()なのか。異世界の常識はあなたにはわからない。

 

「これでも元冒険者なんでな。同業者は雰囲気でわかるものなんだよ」

 

 ……のようだ。

 あなたの見立てでは、店主はそれほど強い冒険者というわけじゃなさそうに見えた。おそらく既に引退した身なのだろう。

 

「正解だ。数年前に冒険者家業はやめちまってそれきりさ。嫁もできたしな」

 

 自身の実力を思い知ったのか、それともほかの目的を見つけたからなのか。

 懐かしそうに語る店主の目は少し寂しげに感じた。

 

「…………なあ、もしアレだったらなんだが」

 

 店主はあなたに再び話しかける。その眼には商人としての目が輝いている。

 じゃが丸くんと呼ばれる商品を手に持ちながら、店主はある提案をした。

 

「こいつに見合った物が兄ちゃんの手元にあるってんなら、交換という手を取ってもいいんだが、どうだい?」

 

 ……おお、と。

 

 困り顔の店主から放たれたその提案に、あなたは目から鱗が落ちた思いになった。

 

 俗にいう『物々交換』という手法だ。 

 

 提供する物に見合う物を同時に交換することで商売を成立する方法もあったことにあなたは気が付かされた。長年冒険者をやってきたあなたがこの提案を思いつけなかったのはある意味屈辱と呼べるだろう。

 

 ……いや、言い訳をするでもないがノースティリスでも冒険者同士が物々交換という手段を用いて装備品やアイテムを交換し合うことは多くある。

 だが、この素晴らしい提案に至らなかったのは()()()()()()()()()()()ためかもしれない。

 ノースティリスでは商人との交渉はすべて金の上で成り立っていたのだ。

 故に、思いつかなかったのも致し方ないだろう。

 

 それと同時に、あなたはここが本当の異世界だということを再度深く体感することとなった。

 

 ――それはそうと、だ。

 物々交換が可能であるのなら、あなたとしてもその提案を不満なく呑み込める。

 リスクの高い犯罪者認定が避けられることに安心しながら、あなたは胸をほっと撫で下し提案の了承を店主へと告げた。

 

「おうよ! ちょいと待ってな。すぐに仕上げてくるからよ」

 

 告げたと同時に、店主は安心したようにテーブルの横にある調理器具に手を伸ばして最後の仕上げを開始した。

 

 さて、物々交換となるとどんなものと交換するのが良いだろうか。

 

 あなたの持ち物、及び4次元ポケットには途方も知れない数のアイテムが存在する。ゲロゲロから核まで種類はそれぞれ。なんでもござれって奴である。

 それ故、あなたは物々交換が成立しないのでは、という不安はそれほど抱えて無い。いざとなれば聖なる井戸でもなんでも投げつける予定だ。ちなみに井戸の水は枯れていない。飲み続けて運が良ければ、何でも願いが叶う可能性はあるだろう。エイリアンに寄生される可能性もあるが。

 

 ともかく、あなたは物々交換に渡す代物を考える。

 

 頭を全力回転させ思考するあなた。異界の物との交換となればそのレートは計り知れないものであることは間違いない。

 あなたに縁はないが、生きた武器との交換か、それか固定アーティファクトとの交換だってあり得る。どれも何度埋まっても手に入らないような代物だ。交換材料にするには惜しいものばかりだが……。

 

 …………と、ここであなたに天啓めいた名案が生まれた。

 

 確か、さっき衛兵との会話で聞いた内容なのだが、この世界【迷宮都市オラリオ】には神を信仰する習性があるという。

 なんでも、神を信仰することで冒険者に必要な力が手に入るとかなんとか。

 

 詳細は聞いていないが、その信仰を深めれば何かいいコトが起こるのは間違いないだろう、という考えは容易に想像がつく。あなたの故郷イルヴァでは、信仰を深めることによって使い魔や武器、アーティファクトをもらい受けたのだから。異界とはいえ、神を信仰することが日常のこの世界でもまた例外ではないはずだ。

 

 となれば、その信仰を深めるのに丁度いい物がある。

 

「ほいよ兄ちゃん!ジャガ丸くん8個おあがりよ! そんで交換のブツはどれだい?」

 

 満面笑みで完成したジャガ丸くんを見せる店主に、あなたも微笑みを返してから。

 

 あなたは4次元ポケットから信仰の巻物を取り出した。

 この世界でも、いわばイルヴァにおいても若干希少価値のある代物だ。これを交換材料にしておけば問題ないだろう。

 

「……何だいそりゃ、巻物(スクロール)かい?」

 

 その通り。

 信仰の巻物は、その当人が崇めている神との信仰を深めることができる代物である。

 

「曰く付きの代物じゃないだろうな?」

 

 怪訝な目であなたを見る店主だが、全くもってその様なことは無い。正真正銘、呪われておらず、祝福も受けた巻物である。

 そもそも、あなたは呪われたアイテムは限定的なものを除いて持ち合わせない主義だ。2人の神を崇める狂信者たるもの、呪われたモノなど持っていたら撲殺されかねない。具体的には狂人抹殺の女神パンチが飛んでくる。

 

「…………ちょいと怪しいんだが。なあ、なんか別のモンとか無いか? 流石にこれだけじゃ価値に合わないっていうかよ」

 

 なんと。これだけでは足りないと。

 

 あなたは異界との物価の差に驚愕した。イルヴァとこのオラリオとではアイテムの貴重差があるという程度の想像はできていたが、まさか信仰の巻物程度ではこのじゃが丸くんという食料と交換条件にすらならないとは。

 

 ならばどうするかと、あなたは再び頭を捻らせる。

 これ以上のものはある。正直ある。ダンジョンの権利書、グウェンの肉片、祝福されたストマフィリアとなんでもある。因みに核はバーゲンセール並みに売られているので珍しくもなんともない理由で除外だ。

 

「冒険帰りならアレだ【魔石】とか持ってねぇのかい? 俺も元冒険者なもんで、ギルドでの換金はできるからよ」

 

 ああ、と。あなたは目から鱗が落ちた。

 

 そうだ。あなたは持っていたではないか。この世界で拾ったドロップ品を。

 ☆も付いておらず珍しさはないと思うが、それでもこの世界において明らかに価値のあるものを。

 一応、女神ジュアに捧げようと思っていた代物だったのだが、まあ珍しくもないのならそこらへんで拾えるだろうと若干楽観的な思考をする。

 

 あなたは懐から【魔石】を取り出し店主に見せる。

 

「おおなんだあるじゃねぇか! しかも大きさも丁度いい。よっしゃそれなら交換は成立できるぜ!」

 

 先ほどの不安めいた様子とは違い、上機嫌な店主を見てあなたは安堵した。

 

 どうやら交渉は成立したようだ。

 あなたは店主からじゃが丸くん8個入りの紙袋を受け取った代わりに、魔石を手渡した。

 

 確かに、改めて考えてみるとこの世界でのレートとイルヴァでのレートに差があるのは当然だ。あなたの持つお金(gp)もこの世界においては、数ヴァリス程の価値しかないのかもしれない。

 あなたはこの世界の基準を知る必要がある、と再認識するに至った。

 

「あ、おいおい兄ちゃん! この巻物どうするんだい!?」

 

 思考を回しながら店の前を離れようとするあなたに店主が大声で語りかけてくる。

 

 なに、その信仰の巻物は授業料として取っといてもらって欲しい。

 どうせ信仰値がカンスト(9999)のあなたにはほぼ無用の長物だ。使える者が使っておいて損はないだろう。

 

 そう伝えて、あなたは店の前から去った。

 

 


 

 

 さて、あなたはこれから何を優先に動こうかと思考する。

 

 当面の目的はこの世界においての常識確認。及び情報収集。

 そして同時進行に、この世界の資金調達を進めるべきだろうか。満喫生活というからには、ある程度の金銭を持っておいた方が都合がいい。

 

 家もあった方がいいだろう。いつどこでも神に祈る事は欠かさない為、あなたは祭壇を持ち歩いている。休む家があった方が祈る場も確保できるだろう。

 

 となれば、現状の目的達成にはまず職の確保を優先に動くべきだ。

 情報収集、金銭確保、そしてその金で家の確保。それが出来てまずはスタートラインだとあなたは目的を定めた。

 

 職だが、この世界にも冒険者という職がある。イルヴァにおいても冒険者家業をしていたあなたなら何の問題も無くその職を為せるはずだ。

 

 だが、冒険者一筋というのも味気ない。

 せっかくの異世界生活だ。何か視野を広く、情報収集を兼に人とのつながりを作っておくのも悪くない。

 複数の街を行き来し、関係を築く方法。

 それは何かと考えた時。

 

 あなたの脳裏には『行商』という案が浮かんだ。

 

《なら、僕はあなたの作った作物が欲しいな》

《あ、私も! この世界の鉱物とか気になるから!》

《うみみゃぁ!!》

 

 同時に、あなたの神の電波を受信する。

 

 ふむ、となれば冒険者家業で【魔石】の収集を。

 農家栽培でこの世界の食材を確保し、それを神に捧げるという案はどうだろうか。

 金銭を稼げ、人との交流もでき情報収集もできる。まさに一石二鳥な名案だと思うのだが。

 

 そう提案すれば、幻覚であなたの神が喜んでいる微笑ましい姿が見えた。

 良し。なら当面はその方向でことを進めると。

 

 あなたはじゃが丸くんを一つ、口に含んで足を進めるのであった。

 

 

 

 





《信仰の巻物》
あなたの神との信仰値を上昇させる巻物。

なお、オラリオで使用した場合の効力は不明である。
ちなみにこの世界では完全な【魔道具】扱いの為、売れば相当な値が付くだろう。 


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