狂信者+ダンジョン=農家栽培   作:ストマフィリア

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3話 olz

 

 あなたがオラリオの地に立ち、3ヶ月の月日が経った。

 

 慣れずじまいだったこの大地も、今ではノースティリスを歩くかのように闊歩できるようになった。

 この世界の常識等は、未だ勉強中の身ではあるが。農家行商の際に人と関わり合える程度の知識と常識は持ち合わせることは可能になった。というかしてみせた。

 少なくとも、この世界で核を容易に爆破させようものなら、大罪人待ったなしな判決を食らうことが理解できる程度には。

 

 今では、しっかりオラリオからその外の都市に至るまで行商を進めているあなたである。

 

 さて、そんな日進月歩を進めているあなたは今日、ダンジョンに潜っていた。

 

 階層はノースティリスのすくつに潜っていた頃の癖で数えてはいないが、まあそこそこ深めな場所だろう。

 ギルドの職員が聞いたら卒倒しそうな一言だ。

 何せ、世間的にはあなたはレベル1の冒険者なのだから。駆け出し丸わかりな称号が訳も分からない階層まで潜っているとなると自殺志願者としか思われないはずだ。

 

 


 

 

 ここであなたがこの世界の常識を知らないままギルドに出向き、冒険者登録をした時の話をしよう。

 

 あなたは意気揚々とギルドの職員に頼み、その登録とやらを頼んだのだが。

 どうやらダンジョンに潜るため、あるいはギルドに冒険者登録をする際には神と契約をしなければならなかったらしい。

 その際、神の恩恵(ファルナ)という力を手に入れるとギルド職員の説明であったが。ここで一つの問題とぶち当たる羽目になった。

 

 あなたは既に、崇め奉る女神が存在している。

 ジュア神とクミロミ神。今はクミロミを信仰しているあなただったが、そこはまあいい。

 問題は、冒険者になるために誰かの神とやらと契約をし、冒険者に必要な強さの証(ファルナ)が必要だというのだ。

 

 "――それが発覚した瞬間、あなたは思わず発狂しそうになった!"

 

 今信仰している神から、あなたが愛してやまない女神を捨て置いて、新たな神の元へ改宗しろというのだから無理はない。

 別に改宗した際のペナルティなどどうでもいい。地に底が埋まるような超重力で鈍足になろうが、1度2度死のうが別に構わない。

 

 ただ、あなたは愛する女神を裏切り、異界の神と契約を結ぶなど到底耐えられないだけである。

 一度想像し、耐えることができないと踏んだあなたは壁に頭を叩きつけ、脳漿(のうしょう)が飛び散るまで頭蓋を砕き、熱を帯びていた頭を冷やした。

 

 そして、あなたは一度冒険者になる選択を撤回しかけたわけだ。

 冒険者以外にも職はある。それを探してこのオラリオを満喫すべきか、と頭を抱えたあなただったが。

 ここに一つの天恵が生まれる。

 

 ――こういう時、神への助言を得らずしてどうするか、と。

 

 もはや他力本願という、神にすがる想いだったが方法も浮かばなければしょうがない。

 

 あなたは愛しの女神達に祈るため、一度ギルドを後にしそこらの誰も居ない路地裏で祭壇を設置し神に祈った。

 捧げものは昼頃に買ったじゃが丸くん3個セットである。

 何の問題も無く神々しい光と共に捧げられた捧げものを後に、あなたは神の電波を待つことにしたわけだが。

 

 と、ここでイレギュラー。

 神の電波の代わりに、いきなりあなたの背中に鋭い痛みが走ったのである。

 

 そして、2枚の用紙が頭上に降ってきた。

 路地裏の壁を蹴りあがって手に取り、着地。そしてまず1枚の紙を確認してみると内容はこのようになっていた。

 

 

 Lv.1    

 

 力:■ olz

 耐久:■ olz

 器用:■ olz

 敏捷:■ olz

 魔力:■ olz

 

《魔法》

《スキル》

 

 

 "難解だ!"

 

 全くもって意味不明である。

 ほぼ全てが文字化けと化している表示にあなたは思わず目を細めた。魔法を使う故、魔法書を読破できるように読書スキルはカンストしてあるのだが、あなたをしてもこの文字化けは理解の外であった。

 念の為、ノースティリスで使っている冒険者カードを確認してみるがこっちは問題なし。主能力がカンスト(2000)した表記を見て安堵する。

 

 よく分からずに確認した数値を眺めているのもあれなので、2枚目の確認すると。

 

《やあ、とんだ災難に巻き込まれたようだね》

 

 なんと、開幕一文で分かる筆記。

 あなたの愛すべき神であるクミロミからの手紙ではないか。しかも実筆。

 わーお! あなたはあまりの喜びに思わず《魔術師の収穫の魔法》を詠唱した。あたり一面に(gp)とプラチナコインが散らばった。

 

 そして第二文に一言、こんな言葉が書かれていた。

 

《突然だけど、あなたは少し僕達の手が出せないところにいるんだ》

 

 Oh、なんてこった。何とかならないのかマイ女神よ。

 あなたは思わず悲劇的一言に核を起動しそうになった。

 が、それは早計というもの。爆破させるのは全ての文章を読んでからで遅くないという思考に至り、続きを読む。

 

《経緯を一応語るよ、あなたはネフィアに潜ってたんだけど。その際にオパートスの脳筋が銅像を起動させちゃったんだよね。

 あの銅像、あなたも知ってる通りあれに触れれば意図的に地殻変動を起こしてランダムネフィアが生まれるんだけど。……問題は、あなたが入ったまま起動しちゃったこと》

 

 その記憶は残っている。

 雪の村『ノイエル』で行われる祭りに1日ほど時間が余っていたのを暇と見て、あなたはランダムネフィアに潜っていた。

 確かにその際、《オパートス像》を起動させたような振動があったが、本当に起動していたとは。

 

《結果、あなたを巻き込んだままネフィアが作り変えられた》

《で! その際になんの偶然か分からないけど、あなたは次元の狭間に放置されたの! その後のことは見れなかったから分からないけど、多分あなたはどこか出口のようなものを見つけて、その穴に飛び込んだんでしょ。そして偶然が重なっちゃったことでそんな世界に降り立ちゃったのよ》

《普通はあり得ないんだけど……近くによっぽど私達と似た作りのダンジョンでもあったのかな。因果って怖いね》

 

 クミロミの筆記を巻き込む形で、もう一つの筆記が書き込まれていた。

 小綺麗では無いこの筆記は、おそらくあなたのもう一人の女神ジュアのものだろう。1つの便箋に2つの筆記を混ぜるとは。

 

 紙をよく見ると、所々がぐしゃぐしゃになっているのが分かった。多分揉みくしゃになりながら書いたのだろう。微笑ましい光景を想像してあなたは思わず笑みを浮かべた。

 

《とにかく! あなたはオパートスが起こした事故と偶然によってその世界に飛び込まされたってわけ。ムーンゲートを経由していないから、私達の力もほとんど届かないし結構苦労してるのよ?》

 

 なるほど、事情は把握した。

 帰る方法は不透明。あなたの神の力も薄く、いつもの常識が通用しないこの世界に放り込まれたわけだ。

 とりあえず、事を起こしたオパートスは帰った際にぶち殺すとして――

 

《因みにオパートスの脳筋だけど……今『ノイエル』で召喚されて、君の友達の【廃人】達にボコボコにされているよ。数えてるけどもう18回くらい死んでると思う。とりあえず100回は死ぬまで殺すってさ》

 

 そうか、ならあとはあなたの友人に任せることにした。

 彼ら【廃人】ならば神程度など数万回でも撲殺できるだろう。どうぞ徹底的にぶっころベイベーしておいてくれ。

 

《さて、本題なんだけど。あなたに贈ったもう一つの紙、もう見たよね。

 あれは私たちの世界で言う冒険者カード。そっちの世界の用語だとステイタスとか神の恩恵(ファルナ)って言うのかな?背中にも紋様みたいなものがあるはずだから確認しておいて。多分、その世界にとっての身分証明書みたいなものだから大事にしてほしい》

《レベルが1とか舐めたこと書いてるけど、あなたの強さは変わってないから安心してよね》

 

 あなたは文章の続きを読んだ後、先ほどの用紙を見る。

 どうやらこの文字化けした用紙がこの世界においての身分証明書になるようだ。それと背中にあるという紋様も確認することを頭に入れておく。

 

 あなたの強さも変わっていないとのことらしい。

 一応、空に向かって《暗黒の光線の魔法》を放ってみれば空気の層を破り、空を駆け雲を抜けていった。なるほど威力に低減がないことが確認できた。この様子だと主能力もそのまま(2000)だろう。

 

 恐らく、これをギルドに見せることで冒険者登録もできるはずだ。

 

《僕とジュアが手伝えるのはこれくらい。他はどうも手が出せなさそうだから……ごめんね》

 

 なにを謝ることがあるか! あなたは自分の神が放った謝罪に一人否定の意を示した。

 事故とはいえ、干渉もできないはずの世界にあなたの女神達から手を貸してくれるなどどんな慈悲よりもありがたい! その証明にあなたは血涙を流している。感謝感激雨あられ。この際メテオも落としてみようか。

 

 あなたは血涙をふき取り、便箋に書かれた一文を見る。

 一番下に書かれているあたり最後の一言だろう。

 

《これが最後かな。もし帰れる方法が見つかったら、あなたが僕達に祈った時に教えるよ。だから……うん。

 その世界での生活、今は満喫してて。 あなたの神より》

《な、何よ。アンタなんか、いなくたって寂しくないんだからね! あなたの神より》

《うみみみゃぁ!!》

 

 その一文を読み切って、あなたは便箋を懐に入れた。

 なんて愛おしい神様だろうか。どこの世界を見たって、あれほどあなたを心配し大事にしてくれる神はいないだろう。

 彼、彼女の為ならば喜んで狂信者を名乗る所存。あなたはその決意を再び胸に秘め。

 

 まずは冒険者登録をするために、ギルドへ向かうのであった。

 

 


 

 

 そうして現在。

 あなたは名実ともに、こうしてダンジョンに潜ることができているというわけである。

 

 暗い暗い闇の底。

 どこまでも続くような奈落の落とし穴の道はあなたにとっては慣れた道だ。

 

 階層は不明。適当にそこら辺を歩きながら襲われたら撃退を繰り返す。

 魔石の回収は忘れずに。あなたの神への捧げものだ、一つたりとも見逃しはない。

 ジュア宛はダンジョン産の魔石を。クミロミ宛にはあなたが家で作ったこの世界の食べ物を。

 

 この世界に降り立っても、あなたの捧げものはしっかりと神への元へ届いていることは確認済みだ。毎朝に必ず捧げ、1日3回朝昼夜の祈りは異なる世界に立とうとも欠かしてなどいない。

 

 閑話休題。

 

 ダンジョンに潜っているあなたは今日、何の予定もないことから悠々とその歩を進めていた。

 モンスターの強さは、正直物足りないと何度も感じてはいるが、冒険者のあなたとしては新しい地を踏むという事実だけで高揚感を得る。

 【狂信者】を名乗っていようとも、元は冒険者だ。あなたのその癖はそう簡単には治らない。

 

 ……ふと、あなたがそんな高揚感に浸っていれば遠くから叫び声のようなものが耳に入る。

 

 おおよそ人間には発声できないような奇声。

 まるでモンスターが上げたような悲鳴を聞いたあなたは、気の向くままにその現場に向かった。

 

 

 急ぎもせず数分後。そこに広がっていた光景はまさに鏖殺だった。

 

 四肢が切断され、死体が散らされ、血の水溜りが形成された道。明かりも無く視界が薄い中でも、鼻腔を揺さぶる鉄の匂いが充満している。

 そして辺りには、そこそこ大きめの魔石もちらほら落ちていた。

 

 なるほど、ここはもう他の冒険者が通った道か。とあなたは察する。

 察した後、あなたが取った行動は魔石拾いであった。せっかく金目のものが落ちているのだから拾わずしてどうする。たとえ他の冒険者が狩ったものだとしても拾わないのが悪い。ノースティリスでも遺品は拾った人物のものになるのだ。

 

 大きさ様々な魔石を拾いながらあなたは血のレッドカーペットを歩く。

 悠々と歩くその姿に迷いはない。

 

 そうして、ギルド配布の布ポーチを満杯になるまで魔石を詰めきったあなた。これだけあれば3日は捧げ物に困らないだろう、と意気揚々に踵を返そうとしたが。

 あなたの探知スキルが踵を返した反対側。つまり血の池の奥で反応した。

 

 生存者か、もしくは死にかけか。いずれにしろ反応を感じたあなたは興味本位でその現場に近づいた。

 

 そして足を運ばせたあなたはその光景を目にする。

 現場に着いたあなたが最初に思ったのはそう……モンスターも人の形をするものなのか。と言ったところだろうか。

 

「か、は……がぁ……」

 

 そこには壁に身をやつしたモンスターがいた。

 モンスター……否、その姿を正確に例えるならばケンタウロスとでも言うのだろう。

 人間の様な上半身に、馬の形をした下半身。だがやけにボロボロな様子だ。片腕は切断され、脇腹には大穴。しまいには脚が一本もげている。

 すでに息絶えなこのモンスターはもう長くはないだろうとあなたは悟った。

 

 一応、あなたは意思疎通ができるかどうか確かめるため、そのモンスターに話しかけてみることにした。

 

「何、だ……ニンゲン、まだいたのか」

 

 会話は可能らしい。

 その問いに頷くあなた。

 

「クソ……最後に眺めるのがニンゲンの顔とはな……オレも、運が無い」

 

 開口早々に暴言を吐かれたあなただったがそんな程度で怒る人でもない。

 先のセリフは気にせず、あなたはこの惨状を生み出したのは誰の仕業なのかを聞いてみた。

 

「……ざけんなっ! お前らが、お前らがオレ達に攻撃を仕掛けたからオレ達も仕返しただけだろう! お前ら冒険者がッ!!」

 

 おっと、逆鱗に触れてしまったか。やけに激高しているモンスターを眺めながらあなたは血だまりの惨状を振り返った。

 なるほど、このケンタウロスの言葉を察するに、モンスターだから冒険者に狩られ、モンスター側はそれに抗うため徹底抗戦を仕掛けたと。そういう事だろう。

 

 ははは、ならば冒険者側はミイラ取りがミイラになったというわけだ。笑い話ではないか。

 

「……イカレてるのか? アレを見て、何も思わなかったのか?」

 

 それは恐らく、先の血の池地獄を見て何とも思っていないだろうあなたに向けて放たれた。

 

 人間としてどうなんだ、というケンタウロスの問いだが別にあなたとしては因果応報だろうとしか思わない。冒険者になったからには、というか命を奪う側になったからには奪われる覚悟をして冒険をしろというものだ。

 それに誰だって攻撃されれば仕返すのは当然だろう。あなただっていきなり窃盗を仕掛けられれば《メテオ》を打ち放ち相手を粉微塵にする。

 

 そんな台詞を独り言ついでに語っていると、目の前でドン引きするケンタウロスが。

 

「…………お前、本当に人間か?」

 

 何ともまあ心外な言い方である。

 あなたはエーテルに浸食されたりエイリアンに寄生されたりで純度100%な人間ではないにしろ、れっきとした人間だ。緑髪のエレアでもないしかたつむりでもない。

 

 それはそうと、あなたはこの道すがら落ちていた魔石を布ごと取り出した。

 これはケンタウロスのモノだろうか、と見せるために。

 

「お前、何でそれを……! ……ソレは一部、オレの仲間だったものだ」

 

 急にそれを差し出されたケンタウロスは驚きながらもあなたの問いに答えた。やはりこれはこの魔石に関係する遺品だったらしい。モンスターは力尽きた際魔石を落とすのでそれ関連だろうか。

 そうか、だがしかしあなたは既にこれを拾った身だ。落し物は拾った人間のモノになる。残念ながら返すことはできないとケンタウロスに伝える。

 

「鬼かお前は」

 

 何を言う。あなたは人間だ。さっきも言っただろう。

 

「そういうことを言ってんじゃ……ごはっ!?」

 

 そうツッコんでくるケンタウロスだが、突如口から吐血する。

 吐き出された血があなたにビシャリと降りかかる。言葉を話せるモンスターでも血は赤いらしい。

 

「クッソ……もう限界かよ……。最後がこんなんとか、締まんねぇなぁ……」

 

 どうやら体の限界が近いようだ。

 モンスターらしく体の節々が灰になっていく姿を眺めながら、あなたは彼に問いかけた。

 

 "さようなら……遺言は?"

 

「……何だそりゃ。お前は葬送人か何かかよ」

 

 おや、ノースティリスでは死んだ際に遺言を語るのが習わしなのだが。どうやらこの世界ではそんな習慣がないようだ。

 まあ最近あなたも知ったのだが、この世界は命の価値があまりにも大きいのだという。なんでも1度しか死ねず起き上がれないのだとか。ノースティリスでは自分で埋まらない限り何度でも生き返るというのに。不便な世界である。

 

 それはそうと、あなたは遺言があるなら聞いておきたい。なにせモンスターの遺言はこの世界では初めて聞くのだ。興味本位ではあるが一言欲しい。

 

「……く、かか。狂ってるよお前」

 

 血だらけの全身を晒しながら最後に嗤うケンタウロス。

 

「そうだなぁ……。なら遺言っていうより、ニンゲンか怪しいお前に頼みがある」

 

 あなたはその一言に目を細めてケンタウロスに近寄った。

 頼み事――つまりは依頼だ。この世界に降り立って、初めて任される冒険者としての依頼である。

 ノースティリスでは、冒険者として依頼をこなすことも多い。その報酬にはプラチナコインやアイテムなど様々なものがあるのだが、この世界での依頼報酬はどんなものか。あなたは少し興味があった。

 

「……受けてくれる、のか」

 

 もちろんである。

 

「裏切ったりしないだろうな」

 

 まさか、あなたの神に誓って依頼は遂行すると誓おう。

 あなたの依頼達成度は10割に近いのだ。どんなものだろうと必ず達成する気でいる。

 

「そうか……なら、オレも安心して……逝けるな」

 

 そうして、今にも命を散らそうというケンタウロスはその内容を語りだした。

 喀血で途切れ途切れになりながらも語られていく内容をあなたは一言たりとも聞き逃さない。

 

 そして、全ての内容を聞いたあなたはむくりと立ち上がり、彼が告げた依頼を受諾した。

 

 


 

 

 あなたは血の道を歩く。

 あなたは悠々と、その場所まで歩く。

 散らかる四肢を、死体を他所に。ただ単にそこまで向かう。

 

 そして、ダンジョンのすくつ。暗闇と鉄の匂いが蔓延る中で、あなたは彼女を見つけた。

 

 それは、女体の上半身と蜘蛛の下半身を持つ人蜘蛛(アラクネ)だった。

 病人のように白い肌と白い頭髪。一見して唯一無二の美貌を持っているだろうと思わせる可憐さ。

 しかし、それらは血に染まり所々が赤くなっていた。

 

 あなたは地面で倒れ伏していた彼女を担ぎ、少し離れたところで《シェルター》を使う。

 そして、避難小屋の入り口に身を投げた。この先に待つのは広々とした空間。ダンジョンという領域からかけ離れた安全地帯だ。

 

 護衛任務として、まずは彼女に元気になってもらわなくては。

 

 ここならば少なからず身も休まるだろう、とあなたは人蜘蛛(アラクネ)に《軽度治癒の魔法》をかけてから一服がてらに本を取り出した。

 

 

 

 

 

 





《シェルター》
文字通りの安全地帯作成機。
エーテルだろうが核爆発だろうがなんでもやり過ごせる優れモノ

《魔術師の収穫の魔法》
唱えれば金とアイテムが振ってくる
何でも願いが叶う願いの杖も降ってくる
降り注ぐ金はノースティリス産なのでオラリオでは使えない


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