ある日、僕は上からおちてきた。
色が無いブルーシートとクッションのような物が下に敷かれていた。
まさか、誰かがここにおちてくることを予測していたのかと考えてしまうほどに準備が整っていた。
ガチャガチャと扉が開く音がして、僕は逃げるように走った。
「待ってくれよ、そんなに急がないでくれ。」
フードを被った青年が迫ってくる。
『誰なんだ…それを言ってくれれば僕は止まる。それだけ言ってくれ…』
ひとしきり沈黙した後に、青年はフードを取りながらこう言った。
「あー…なんて言うんだろうな…スケルトン、スケルトンって言う種族のサンズって言うんだ。多分さ…」
多分…?そう首を傾げていると、やはり相手にも伝わったようで説明をしてくれた。
見かけによらず優しいのかもしれない。なんせ彼の目は片方カラスについばまれたように飛び出ていたものだから…
「そうだな…多分って言うのは、そもそも自分が存在しているかも、そもそもここに誰かがいたのかも分からないからなんだ。」
「なんせ、データも無い、しかもココにあるのは光が無くなった家ばかり…存在を疑ってしまうのは仕方ないと思わないか?」
hehe...と苦笑しながら言うその姿には違和感もあった。
何かを懐かしんでいるような、それでいて何も知らない、覚えていない忘れた小さいころを問われる少年のように、【何も覚えていない】と一目でわかるしぐさをしている。
とても僕の知識量で補える記憶じゃないことはばかみたいにおちてきた僕でもわかった。
「ああ、そうだ。なんでお前には色があるんだ?」
「いや、おちてきたばかりだからかもしれないが…」
ああ、そういえばここに来てからまともな色を見ていない…
いや、白、黒、灰以外見ていないと言った方が良いか。
上から差す光も、色とりどりなはずの花も、彼の目も全てが白色、灰色、黒色以外が存在していない。
ふと自分の手を見ると、濃く肌色が残っている。元々色白だったため、普段から【肌色】【橙色】として認識することは少なかったけれど、なんせさっきも言った通りつまらない色しかなかったせいか、いつもよりも肌がオレンジのように蛍光色な橙色に見える。
『逆に、なんで色が無いんだ…』
「さあ?知らないさ、気付いた時からこうだったからな。年の功ってか?hehe...白骨死体だけにな!」
『笑えねえ。なんてひどく死をばかにしたジョークなんだ…!』
申し訳ないが、それだけは反論しずにはいれなかった。
人の死をばかにしているようなジョークに聞こえてしまったから…もしかしたら自虐性をふくんだジョークだったのかもしれない。だったら可哀想で申し訳ない。
「うーん…すまない。そういうつもりは無かった…はず。僕は物忘れが激しい‥‥!」
さっき言っていたデータが無い、という言葉に関連しているのだろうか?
データが無い…もし、サンズだけが残っていた場合、何かしらの干渉が施されて、脳みその役割をはたすデータが破損してしまっているのかもしれない…
『もしかしたら頭部…いや、脳のどこかしらのデータが壊れている可能性があるかもな。』
「なんてこった…最悪だ!そもそもなんで気付かなかったんだ…自分でデータが無いと言っておきながら…?」
解決法を調べた方がいいだろう…そう彼に伝えると、まるで何でもかんでも知りたがる好奇心旺盛な子供のように首を縦に振っていた。
ハーメルンを使用するのは初めてです…あとこんなにマトモに書いたのも初めてなので許してください…自AUって難しい…