NTR主人公にならない為に!R-15版 作:ボルメテウスさん
18禁要素ではなく、ストーリー関係になりますが、不定期更新なので、ご注意を。
俺、エロゲ・シュジンコーは、前世を含めて、この転生した世界においても様々な不幸が次々と襲い掛かっていた。
前世において、どこにでもいる普通の高校生であった俺だった。
バイト代を貯めて、今は伝説となってしまった『月姫』さらには『Fate/stay night』を手に入れる事が出来た。
世に言う、18歳以上しか手に入れられないゲームを手に入れる事が出来た俺は、上機嫌で、原付を走らせながら、帰っていた。
既に深夜という事もあり、周囲には人影はない。
というよりも、この周辺は森であり、人が通る事はない。
だからだろうか。
「魔力!」「えぇ!?」
突然、跳びだしてきた奴に気づかず、ぶつかってしまった事を。
原付とは言え、そのままぶつかり、そのまま俺達は吹き飛ばされてしまった。
ブレーキを行う事も出来ず、そのまま俺達は道路に倒れ込んでしまった。
「一体、何が起きたんだぁ!?」
俺はそのまま、周囲を見渡す。
見ると、先程、魔力と叫びながら、跳びだしてきた奴が倒れていた。
「おい、あんた、大丈夫か!」
さすがに頭が可笑しくなっているとは思うが、それでも放っておけない俺はすぐに駆け寄る。
ピクピクっと、気絶しているようだが、死んでいない。
「とりあえず、救急車を」
それがいけなかったんだろう。
俺は、迫るトラックに気づく事なく、その男と一緒に牽かれてしまった。
それが、一度目の人生の終わりである。
そんな前世の、悲惨な終わり方を迎えてから10年後。
俺は、行商人となっていた。
親が商人である事もあり、ある程度は裕福な暮らしではあった。
同時に、俺はある意味、退屈をしていた。
この世界では、ある意味、格差は激しくあり、地方によって、その暮らしは大きく違う。
それでも、行商人をしていたら、ある程度は刺激もあった。
普通ならば、1人だけに馬車を与える事はなかったが、前世の知識という能力もあり、俺は普通の人間よりも頭が良かった。
そんな俺に将来は有望だと思われたのか、俺は1人だけ、馬車を与えられた。
各街に行きながら、やがて儲かるだろうと思っていた品物。
それらを買いながら、将来に備えていた。
だが、ある意味、想定外な出来事もあった。
「……その、大丈夫か」
そう、俺は馬車の中で、匿っている少女に話しかける。
彼女との出会いは、本当に偶然。
立ち寄った村。
そこで世話になった少女。
エルフという種族で、ゲームの中だけかと思っていた存在だ。
その中でも、特に世話になった彼女。
だが、今はまるで肉塊になりかけている。
悪魔憑き。
その噂は聞いた事があり、なぜそうなったのか、分からない。
悪魔憑きと呼ばれ、教会に処刑される化け物のことを。はじめは普通の人間として産まれ、ある日を境に肉体が腐り出す。
放っておけば直に死ぬが、教会は生きた悪魔憑きを買い取り、浄化と称して処刑している。悪魔の浄化、病人を虐殺しているだけだが、それに民衆は喝采し平和が護られたと教会を讃える。
俺はそういうのは、結構嫌いなので、放っておく事は出来ない。
だけど、まだ肉塊となりかけているが、それでもまだ正体を隠す程度には出来る。
「ごめんなさい、これ以上は」
「気にするな、俺は一応は沢山喰っているから」
そう、俺は腕を差し出す。
それに対して、戸惑いを隠せない彼女だが、俺の腕を噛んだ。
同時に流れるのは血。
血が、そのまま彼女の口の中に入ると、魔力の暴走が僅かに収まるように、その身体は収まる。
この悪魔憑きが一体どういう原理か分からない。
そして、先程行ったように、俺の血を飲めば、なぜ暴走が収まるのか。
それは分からない。
「これじゃ、まるで吸血鬼ね、本当に」
「まぁ、これでなんとかなるんだったらね」
「けど、それじゃ、あなたに」
「迷惑だって考えているんだったら、違うぞ、俺は自分の為にやっているから」
見捨てたら、気分が悪い。
ただ、それだけだ。
「まぁ、治す方法が見つかれば良いけどな」
「えぇ、本当にっ」
そんな中、聞こえた悲鳴。
疑問に思うよりも先に、俺は彼女に抱えられた。
「えっ、どうしたの?」
「盗賊がっ来たっ」
「うわっと」
困惑を隠せない最中、彼女は俺を抱えて、そのまま逃げた。
見ると、そこには行商人を襲いに来た盗賊だった。
それに対して、驚きを隠せない最中、俺は彼女に助けられた。
「っ」
その際、俺は彼女に抱き締められて、少し興奮したのは場違いだろう。
だが、同時に見れば、既に両親を含めて、商人はおそらくは全滅している。
だが、その状況を、俺は冷静に見ていた。
「ごめんなさいっ、何も出来なくて」
「……気にしないで、どうしようもなかったから」
この状況になって、助かったのだ、むしろ感謝すべきだろう。
現状、俺が冷静になっているのは、抱き締められた際の彼女の感触のおかげだろう。
肉塊になった影響が収まりながらも、僅かに膨れ上がっているせいか、かなり柔らかく感じる。
そういう風に考えてはいけないからこそ、俺は冷静に、その状況を確認する。
「さすがに、この状況で逃げるには子供だけでは難しいからな。盗賊達が寝静まった時に逃げるしかないな」
奴らは知らず知らずに囲まれており、それを注意しながら、俺達は奴らの根城である廃村へと辿り着いていた。
このまま、どうやり過ごすべきか、考えていた。
息を殺して、盗賊達が寝静まるのを待つ。
しかし、時間が許してくれない。
「うっ」
「不味い、もぅ」
魔力暴走が始まった。
この状況で物音が出るのはヤバい。
そう考えていた時だった。
廃村から聞こえたのは、悲鳴。
疑問に、俺は見つめると、信じられない光景が広がっていた。
俺と同じぐらいの年齢の少年だろう。
黒いコートを身につけている奴によって、全滅させられた。
だけど。
「ヒャッハー!! てめぇら金目のモノを出せ!!」 「おらぁ、金出せつってんだろ!」「仇はとったし、荷物も有効活用するから安心して成仏してくれ」
そんな台詞を言い回っている。
それらを聞いて、こいつに見つかっても不味いと思った。
だけど。
「んっ生き残りか」
「ちっ」
僅かな物音。
それが奴に聞こえてしまった。
そのまま奴は、俺の方へと近づく。
「んっ、さっきの盗賊の子供じゃなさそうだね、それにそっちのは悪魔憑き?」
「……だったら、なんだ」
そう、俺達は互いに見る。
この状況は、ある意味不味い。
「いやぁ、盗賊を狩っていたけど、まさか所有者がいるとはね。けどまぁ、僕が仇を取ったし、この辺の物頂戴よ」
「……良いぜ、けど、この子は渡すつもりはないぞ」
「珍しいねぇ、けど、まぁ別に良いけど」
そう、飄々としている態度。
その態度にむかつくが、ふと気づく。
「んっ?」
俺は、何か違和感を感じた。
こいつの顔、どこかで見た事があるような。
「なんだい、そんなに見て」
「……お前、もしかしてだけど、前世の記憶とか持っているか?」
その最中で、俺が思い出したのは、転生でよくあるトラックに牽かれて死んでしまう。
その出来事を、なぜここで思い出したのか。
「あれ、それって、つまりは君も転生者という事? へぇ、なんで分かったの」
「いや、だって、お前、道の真ん中で突然、跳びだしただろ。俺の原付に向かって」
「えっ、マジで、あっもしかしてあの時にぶつかった人かぁ」
「なるほどなるほど」
俺の死因がまさかのこいつかよ!
「いや、なるほどじゃねぇよ! お前のせいでこっちは苦労したんだぞ!」
「いやぁ、ごめんごめん。悪気はなかったんだ。にしても、まさかねぇ」
「まさかねぇ、じゃねえょ! あぁもぅ」
目の前に死因になった奴が飄々とした態度をしていると思うと、ムカつく。
「それよりも、そっちの子、大丈夫なの?」
「あっ、そうだった!」
こいつに構っている場合じゃない。
俺はすぐに、彼女に血を飲ませる。
幸い、悪魔憑きの暴走は少し収まった。
「んっ、魔力暴走?」
「お前、知っているのか?」
「まぁね、けど、へぇ」
すると、俺の血を見て、何か興味深そうに見ていた。
「……なんだ?」
「いやいや、ただ、そうだね。少しだけお詫びにと思って、一つ提案があるんだけど」
そう、奴はこちらを見る。
「その子を助けられる方法があるんだったら、協力するかい?」
「……」
その言葉に対して、どうするべきか少し迷う。
けど、すぐに決まった。
「お前に殺された恨みを少しだけ許すんだったら」
「交渉成立」
そう、俺達は手を組んだ。
これが、ある意味、俺と奴の腐れ縁の始まりでもあった。
エロゲ・シュジンコー
前世ではどこにでもいる普通の高校生だったが、道の真ん中に現れた謎の人物に巻き込まれ、トラックに跳ねられて死亡。
生まれ変わった後は行商人の息子に転生し、前世の知識を使って、成功。
したまでは良かったのだが、盗賊に襲われる。
その後は、後にアルファとなる少女と、前世での死亡の原因となったシドに助けられ、命が助かる。
シド
原作主人公であり、エロゲの死因。
原作での思考は変わらないが、さすがに死んだ原因になってしまった事に対しては悪気があるのが2割、悪魔憑きの暴走を抑えながら、寄り添う姿が主人公かもしれないと思ったのが8割でエロゲを助ける。
アルファとなる少女
とある村で、エロゲと知り合った少女。同時に悪魔憑きとなり、エロゲに匿われる。
本来ならば、つらい経験となったが、エロゲに助けられ、恩義を感じている。
自分を見捨てなかったエロゲに幸せになって欲しいと思っているが、悪魔憑きとなった自分では無理だとどこか諦めていた。