NTR主人公にならない為に!R-15版 作:ボルメテウスさん
廃村での生活も慣れた。
村の住人がたった2人というだけの生活であり、シドは基本的に領主の息子という立場もあって、屋敷で生活している。
ある意味、俺達とは生活の差はあるかもしれないが、特に気にしない。
「そう、あまり変わらないとは思ったけど」
「おい、少し黙ってろ!」
「えぇ」
その日、俺は誘拐された。
廃村での生活を維持する目的もあり、日用品の買い出しの為に村へと向かっていた。
基本的に子供1人なので、少しは危険だとは思うが、まぁ大丈夫だろう。
けど、それは油断だった。
「とにかく、本当にこの近くに悪魔憑きが運ばれたのは本当なのか?」
「あぁ、エルフの悪魔憑きが隠れているという噂だ。だが、そいつはなぜか行方が分からなくなった。悪魔憑きが1人で逃げたとは思えないからな」
「その時にいた行商人の生き残りがこいつという訳か」
さて、一体、どこから掴んだのか、分からない。
けど、どうやら、狙いは俺ではなく、アルファのようだ。
さすがに、このままでは不味いなと思いながらも、俺はどこかの馬車へと放り込まれる。
「お前はそこで、大人しくしていろ」
「痛いなあ、たく」
痛みを抑えながらも、俺はその場であぐらを掻く。
さすがに、村で暮らし始めて、アルファと共に、ある程度は訓練しているが、それでも多少運動出来る程度の子供だ。
大人相手では、未だに勝てない。
「さて、どうしたもんか」
そう考えていると、隣に気配を感じる。
気になって、見てみると、そこには肉塊が一つ。
「なるほど、悪魔憑きを攫っているのか」
悪魔憑きは、教会に売れば、金になる。
それを含めて、考えれば、アルファもおそらくは金を目的に攫おうと考えていたんだろう。
ここにいる悪魔憑きもまた、その犠牲者という訳か。
「大丈夫かって、言いたいけど、まだ痛むか」
悪魔憑きになった事はないが、その痛みは尋常だ。
何よりも、自分が自分じゃなくなるような恐怖が襲い掛かっていた。
そう、アルファから話を聞いた。
だからこそ、今の彼もしくは彼女も似たような感じだろう。
そう、考えながらも、俺はナイフを造り、そのまま指先を切る。
「痛っ、とりあえず、これで応急だ、痛みは少し引くと思う」
俺はそう、血を与える。
すると僅かだが、変化が起きる。
それに対して、驚きを隠せない様子だ。
表情は分からないけど。
それと同時進行で、俺は隠し持っていた物を使う。
「さて、これでこの辺の魔力を濃くしたから、アルファが助けに来るのを待つだけだな」
はっきり言えば、現状のアルファの強さはかなりとんでもない。
俺のなんちゃって魔術講座と、シドの剣術指南。
その二つが合わさった事によって、その強さはかなりヤバい。
さっき、俺を攫った奴らだったら、多分、瞬殺だろう。
「さて、それまで暇だしなぁ」
それと共に、俺は、その手から流れる血を絶やさないように、その手を置く。
「そうだな」
なるべくならば、少しでも希望を抱く話をしたい。
僅かでも。
ならば。
「これは、指輪の魔法使いのお話だ」
この時代に合わせながら。
そうして、一時間頃、経った時。
外から、少し物音がした。
「エロゲ、大丈夫かしら」
そう、俺を迎えにアルファが来てくれた。
「あぁ、悪かった」
「それは、良いけど、その子は」
そう、俺の隣にいる悪魔憑きを見た。
「どうやら、俺よりも少し前に攫われた子みたいなんだ。悪いけど、手伝ってくれる?」
「えぇ、勿論よ」
それと共に、俺とアルファは、その子を連れて、廃村へと帰っていく。
エロゲ・シュジンコー
ある意味、攫われた経験は、これが一度目。以降も度々攫われる事が多い。
尚、この際にベータに話した指輪の魔法使いの話は、日曜朝のヒーローである。
アルファ
エロゲを救いに来たヒーロー。
悪魔憑き
まだ、名を付けられていない少女。家族に捨てられて、希望を失っていた時に、エロゲから聞いた話で、生きる希望が出来たらしい。