読者参加型TRPG風小説   作:矢端トラム

15 / 55
依頼選択フェイズ

 

言うまでもない事だが。

開拓村はドのつく田舎である。

 

最寄りの都市は東のパレルヴァ。

そこへ辿り着くまでには、現在は町となった"元"開拓村をふたつ経由する必要がある。

距離は相応にあり、人の足はもちろん馬車であっても気軽にさぁ行こうとはならない。

 

さらに言えば、辺境においては街道とて完全な人の領域ではなく、危険は少なくない。

都市を治める辺境伯家の支援を受けた商会以外に行き来する者はほぼなく、村に持ち込まれる物品は必需品や実用品ばかりだ。

 

つまり、何が言いたいかといえばだ。

開拓村には娯楽が少ない。

 

麦や果実から作られた酒。

もう百年以上の昔から伝わってきた、遊びというより時間潰しのためのボードゲーム。

開拓に志願した者たちがそれぞれの地元での風習を持ち寄り新たに考えられた、ごった煮の季節の祭。

そういったものがせいぜいである。

 

そんな土地柄であるためだろう。

あなた達冒険者の鍛錬は、村人たちの良い見せ物となっていた。

 

 

 

ごうと風が逆巻く、どころではない。

()()()と大気が割れ砕ける轟音は、刃に遅れてあなたの耳に届いた。

 

かろうじて受け流しは間に合ってはいる。

だが、気を抜けば盾越しに伝わる衝撃だけで数歩を後退させられそうな埒外の威力は、流石は近接戦闘を専門とする者だけはあると言えた。

 

さらに。

あなたは確かに受け流したはずだ。

ハルバードによる上段からの兜割り、それを右方に流し、地面に叩き付けさせるよう刃の背を押しまでした。

 

だというのに。

 

「もいっちょぉ!!」

 

何故かその斧が、もうすでに上段に振りかざされている。

 

敵の力を利用して攻撃をさばく受け流し。

その力をさらに逆に利用して、体ごと回転しての連撃である。

竜巻か、嵐か。

さながら自然の暴威そのものと化した戦士を前に、あなたは徐々に後退を余儀なくされていた。

 

 

 

「いけぇ! そこだ姉ちゃん! やっちまえー!」

 

「あーっ危ねえ神官様っ! 避けて避けて! 距離取って落ち着こう!」

 

それを遠巻きに眺めて好き勝手に声援や野次を飛ばすのは村人たちだ。

あなた達冒険者による実戦形式の鍛錬を仕事の合間に観戦しにくるのは、今や彼らの最大の娯楽となっているらしい。

 

特に、これはあなたが村に合流してから加速した。

何しろ治癒と護りの秘蹟が仲間内で使い放題だ。

刃引きした武具の使用や寸止めの必要がなくなり流血を伴うようになった戦闘は、迫力満点だと大好評である。

 

「まいどお馴染み干し肉(ジャーキー)葡萄酒(ワイン)はいらんかねー」

 

最近では、野伏などは観戦者相手に商売まで始めていた。

彼の売る干し肉はなかなか評判が良い。

保存のための干し肉ではなく、行商人と自ら交渉して仕入れた香辛料をふんだんに使い、味を追求するための乾燥と燻製を経たそれは、酒をこの上なく美味しく飲むために欠かせないつまみとして村中に広まりつつあった。

 

もっとも、儲けはほとんど出ていないとの事だが。

理由は単純にコストのかけすぎだという。

野伏いわく、料理を作って人に食わせるのはただの趣味だから別に良い、とのことだ。

 

 

 

さておき、鍛錬である。

あなたはわずかに読みが遅れれば即座に己を敗北させるだろうハルバードの嵐を懸命にかわしながら、付け入る隙を待った。

 

「そこっ! ……ど、どうして行かないんだそこでぇ!」

 

素人たる村人はそう言うが、あなたには見えている。

先ほど生まれた一瞬の隙、ハルバードの殺傷圏の内側へ踏み入るにちょうどいい道は、戦士の作った誘いであった。

もし釣られて踏み込んでいたならば、膂力の装填が済まされた剛脚による蹴りがあなたの膝を砕いていただろう。

そうして他に伏せたならば、後は首に刃が突き付けられるのを待つばかりとなる。

 

あなたがそう気付いた事に、戦士も当然気付いている。

普段は気だるげな両目が今は爛々と輝くようだ。

あなたがひとつを凌ぎひとつを見抜くごとに口の端も釣り上がり、凶暴な笑みを形作っていく。

 

半生をかけて錬磨し積み上げたのだろう、女戦士の武。

それを全力で叩き付けてなお容易には倒せない守りの技を持つあなたという存在を、彼女は喜ばしいものと見なしているらしい。

 

 

 

それでも、あなたはやはり追い込まれていく。

 

ほんのわずかずつ、対応が遅れ始めた。

初めは打ち落とせていた斬撃は今や浅く肌を裂く。

戦士の力に押し負けて盾が流れ、次撃に間に合わずに無理な回避を余儀なくされる。

 

そして、ついに。

横振りのハルバードをギリギリでかわした次の瞬間、あなたの腹に後ろ蹴りが突き刺さった。

人の脚が生み出したとは到底思えない、まるで丸太が直撃したような衝撃にあなたはよろけ、膝から力が抜けて体が落ちる。

 

「──終っわりぃ!」

 

どこか残念そうに宣言し、女戦士はトドメを振るった。

ここに来ての、彼女の十八番。

あなたをして回避も防御もほぼ不可能と判ずるほかない、超速の刺突だ。

 

最後の最後まで緩みなし。

むしろトドメだからこそ全力で、最も信頼する技をというのは、まさしく戦士としての理に沿った選択だろう。

 

 

 

それは、だからこそ読みやすいという事でもあった。

 

回避も防御も出来ないというのは間違いではない。

ただし、来るとわかっていたならば話は別だ。

この一撃こそが、あなたが守備に徹して待ち続けた隙である。

 

膝からは力が抜けたのではない。

あなたが自ら抜いたのだ。

ならば当然、体が地に落ちていく速度は制御できる。

 

正確に鳩尾を狙い来るハルバードの穂先を、あなたは下方にかいくぐった。

 

女戦士が驚愕に目を見開く。

確実に取ると決定して振るった刃はそう簡単には引き戻せない。

戦闘の興奮に笑んでいた顔の端が引き攣る様が、全霊で地を蹴り懐へ飛び込んだあなたの目にきっと映っただろう。

 

 

 

冒険者の宿にて、初めて女戦士と相対した時。

あなたはこう感じた。

 

正面からの戦闘では、勝ち目など全くない。

 

それは確かに真実であり、あなたは自身を過小評価してはおらず、女戦士の力量を見誤ってもいなかった。

だが……それはもう過去の話だ。

谷底での死闘を経験した今のあなたは、過去よりも前へと進んでいる。

 

 

 

あなたの振り上げたメイスが、咄嗟にかざされた片手の防御をすり抜けて女戦士の顎をカチ上げた。

秘蹟の護りのために骨が砕ける感触こそない。

しかし、衝撃が減衰なく頭頂まで突き抜けた手応えがあなたには感じられた。

 

「ごッ──」

 

悲鳴と歓声。

驚愕と歓喜が鍛錬用の広場に響き渡る。

戦士との手合わせにおいて、あなたが初めて見せた完璧なクリーンヒットだ。

観客が盛り上がらないわけがない。

おそらく、これからしばらくの間は酒盛りの肴として村の話題をかっさらうだろう。

 

さらにそれだけではない。

あなたの攻勢は止まらない。

 

メイスの重い打撃を顎に、それも()()()受けたのだ。

いかに戦士の鍛え上げられた肉体であろうと、意識が『朦朧』とするのは避けようがない。

 

「ッ、がぁ! こんっ、のぉ!」

 

反撃に振るわれるハルバードの軌跡も、常と比べれば精彩を欠いていた。

狙いが甘く、速度もない。

そこらの獣相手ならばともかく、あなたに対してのそれは絶好の──

 

「ぎ、い゛ぁ゛っ……!」

 

──カウンターの好機としかなりえなかった。

 

あなたを押し返そうとした、前進しながらの横振り。

それに対し刃の内側へ踏み入っての顔面へのシールドバッシュ、からの横面を殴り飛ばすメイスの追撃だ。

戦士の意識は『さらに揺れ、状態が悪化』していく。

 

瞬く間に戦闘はあなたの優位に傾いた。

あるいは、このまま押し切る事も出来るのではと思うほどに。

 

 

 

が、敵とてそう甘くはなかった。

冒険者、それも歴戦の戦士とは、そう易々と敗北に追い落とせるような存在ではない。

 

「お゛お゛お゛る゛ぁ゛アアアッッ!!」

 

裂帛の気合いと共に、戦士がハルバードを手放した。

そして次瞬、メイスを再び顔面で受け止め──それでも止まらずにあなたに掴み掛かる。

被弾上等。

意識を完全に刈り取られる前に仕切り直すためならばこの程度は安いと突き進んでみせたのだ。

 

まずいと思った時にはあなたの体は宙に浮いていた。

ここからの最悪の展開は、このまま地面に叩き付けられてからの殴り合いだ。

それだけは許容できないと、あなたは戦士の手を振り払い、地を転がるようにして距離を離した。

 

……嵐のような連撃といい、この放り投げといい、まるでグリズリーのようだとあなたは思ったかもしれない。

まさに、といったところだ。

戦士とはつまり、人の身でありながらそういう領域に立った者を指すのだから。

 

 

 

「はぁ、っ、たくさぁ……なかなか、やってくれんじゃん……えぇ?」

 

そして、今は敵として対しているあなたにとっては悪いことに、打たれ強さに関しても彼女はグリズリー並か、ともすれば凌駕しかねない。

それも手負いではない、万全の個体と比して、という意味でだ。

 

鼻からも口からもダラダラと血を漏らしながら戦士が壮絶に笑う。

いよいよ楽しくなってきたと、青黒く腫れた顔にはハッキリと書いてあった。

拾い直されたハルバードは上機嫌に回転し、ピタリとあなたの心臓へ穂先を向けて止まる。

 

 

 

あなたはもう一度メイスを握り締めた。

どうやらここからが本番だ。

戦士の意識にはまだモヤがかかっているだろうが、その優位を活かしきり勝利をもぎ取るにはもうふたつみっつの綱渡りが要求される。

 

以前と違い勝機は生まれた。

だがそれは、必ず勝てるというわけでは当然ない。

むしろ勝率は目を覆いたくなるほどに低いだろう。

 

だからこそ、この鍛錬は身になるというものだ。

武の業というものはえてして、不可能に挑む極限の応酬の中でこそ開花するものである。

 

 

 

「さ、流石姐さんっ! よく耐えたぁっ! こっから反撃だぜ! 姐さんが負けるわけねぇよなぁ!?」

 

「ぃよっしゃぁそれを待ってたんだよ神官様! ずっとアンタに賭けてた甲斐があったッッッ! スカッとすんぜぇ!」

 

「……この後、次は俺があいつらとやんのかぁ」

 

血湧き肉躍る展開に拳を振り上げて沸き上がる観衆と。

宿における武器を振るう者のうちで唯一戦人の心意気に縁のない、渋い顔の野伏が見守る中。

あなたと戦士の戦いはもう少しばかり続いた。

 

その勝敗については、さて。

当事者たるあなた自身が最もよく知る以上、ここで語る意味はないだろう。

 

 

 

技能習得
『重撃』

攻撃が命中した時、対象に『朦朧』判定。

クリティカルヒット時、確定で『朦朧』を付与。

 

TIPS/状態異常『朦朧(もうろう)
器用/敏捷/精神SB-2

防御判定時のみ、耐久SB-2

魔術と秘蹟の使用に精神判定が必要になる。

 

この状態異常は蓄積し、3段階まで悪化する。

3段階目に達した時、1ターンの行動不能。

 

休息か秘蹟により回復できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからまた時は流れる。

季節が変わるほどの経過だ。

過ごしやすかった涼しさは近頃はすっかり鳴りをひそめ、村人の間ではジリジリと肌を焼く陽射しの強さばかりが話題に上がる。

 

それに呼応するかのように野の命たちは活発さを増していた。

緑は色濃く、花々は瑞々しく。

春先に産まれた獣たちは大きく育ち駆け回る。

 

だから……というわけでもなかろうが。

やたらと元気ばかりが有り余った者があなたの周りにもひとり居た。

 

「やあおはよう! どうだい今日の体調は? 元気に魔種どもをぶち殺しに出掛けるにはちょうどいい日和だよ!」

 

開拓村に所属する冒険者のひとり。

魔術師である。

真っ黒のローブを着て真っ黒の帽子を被ったその女は、色合いにまるで似つかわしくない満面の笑顔と大袈裟な身振りでもって、宿の1階へ降りてきたあなたを歓迎した。

 

「ほぉら見てごらんよこの天気! まさに()()()とやらが冒険に出ろと言っているかのようじゃないか! 嗚呼、なんて気持ちの良い日だろうねえ! 偉大なるお方々が血を欲していらっしゃるに違いないよ!」

 

魔術師は宿の扉を勢い良く開け放ち、燦々と差し込む陽光を浴びて高らかに笑っている。

 

もしあなたが表面だけでなく、心の底から信心深いならば。

この相手に対し怒りと不快感がとめどなく湧き上がるのを自覚しただろう。

火の神()()()()の名を間違える程度はまだ良い。

幼な子や学の無い者にはままある事だ。

が、信仰のかけらも無い──どころか神の存在を路傍の石ころ並に軽視している身で神の名をみだりに唱え、まして己の欲を天の啓示かのように語るなど、端的に言って許されざる冒涜である。

 

 

 

そも、魔術師と神官は天敵同士だ。

 

人の神が世に敷いた人のための律。

これを侵すものを魔種と呼び、彼らの扱う術を魔術と呼ぶ。

 

例えば、人の世においては石は勝手に育たない。

植物のように根や葉を伸ばすことなく、獣のように動き回る事もなく、石はいつまでも石のままだ。

だが、ノッカーの住まう土地ではそうではない。

いつかの谷であなたも見た通り、ノッカーの意思に呼応して伸び縮みし、矢玉のように飛び回る。

 

魔種の神が、そうあれと彼らを作ったためだ。

人の律と魔の律は相反し、創世以来融け合うことなく反発を続けている。

 

 

 

そういったものの術を、何故か人の身で扱う者が時折現れるのだ。

これが魔術師である。

 

理由は未だわかっていない。

ゴブリンから産まれるレッドキャップのような『歪んだ命』でもないらしく、秘蹟による浄化が効果を見せないあたりから、少なくとも神の意に反した存在ではないようだ、というのがせいぜいだ。

もしそうでなければ、この世から魔術師という存在は神官たちによって根絶やしにされていただろう。

 

何しろ、魔術師には決まってひとつの特徴がある。

神の力や存在、その偉大さをまるで理解しない事だ。

誰も彼もが聖典の教えを寝言を耳にしたかのように聞き流し、自身の遥か下に捨て置く者ばかり。

天と地の間で最も尊いのは己であると、魔術師たちは断言してはばからない。

あるいは、それこそが魔術師が魔術師たるための資格なのだろうかと囁かれるほどに。

 

当然、神官たちが魔術師を許容できるわけもなく。

魔術師も自分達を忌み嫌う神官を好くわけもない。

律と律が交わってひとつにならぬように、このふたつの人種もまた背を向け合うのが古くからのお決まりだ。

 

 

 

女魔術師はやがて演劇の役者めいた語りを始め、宿の前を通りがかった村人は『またいつものか』と苦笑して通り過ぎていく。

都市においては嫌厭され迫害にあいがちな魔術師もここでは話が別だ。

何しろ魔術は戦力としては実に便利が良い。

使えるものは何でも使う辺境においては優遇を約束され受け入れられるのが常である。

 

そんな彼女に対してあなたがどう応じるかはあなたが決める事だ。

存在を無視しても良いし、聖典を引用し説教を行っても良い。

不快感を抑えられないならローブの胸ぐらを掴み上げて頬に平手を食らわせても構わない。

あるいは、ただの同僚として平然と相対するのも自由だ。

さらにもう一段親しく友人のように接したとて、神殿が建つような都市ならともかく、開拓村では苦言を呈する者もいまい。

 

ただ、あなたがそのどれを選んだとしても、相手が考えを改めて己の言動を変えるような事はないだろう。

魔術師という人種は、およそ例外なくそういうものである。

 

 

 

一人芝居をひと通り演じ終えた魔術師は、さあ冒険に出かけよう、などと宣言して宿を立った。

その際に扉を開け放ったままで消える傍若無人ぶりも、あなたにはすでに見慣れたものだ。

代わりに扉を閉めて、それからカウンターに向かう。

 

「まったく、あの子も困ったもんだよ。腕はきっちり良いのにねぇ」

 

定位置に座っていた老婆は、そうこぼしながらあなたの前に木札を並べた。

 

この愚痴も形だけのものだ。

女魔術師は決して己を曲げず、開拓村は彼女の戦力を必要としている。

結局、真っ当な者たちがどこかで折れるほかないのだ。

 

 

 

さて、それはともかく仕事の時間である。

今宿に寄せられている依頼は、以下の3つのようだ。

 

 

 

判定内容依頼の目的地
判定方法1D10

1-2/街道

3-4/草原

5/川辺

6/森林

7/荒野

8/谷底

9/洞窟

0/山中

判定結果①1D10=1(街道)

②1D10=7(荒野)

③1D10=0(山中)

 

判定内容依頼の特殊条件
判定方法1D10

1-2/???な

3-4/???の

5-6/?い

7-8/??の

9-0/??な

判定結果①1D10=8(??の)

②1D10=3(???の)

③1D10=2(???な)

 

判定内容依頼の主目標
判定方法1D10

1/採取

2/調査

3/護衛

4/ゴブリン

5/トレント

6/トロル

7/蝶

8/レーシィ

9/蛇

0/スライム

判定結果①1D10=3(護衛)

②1D10=2(調査)

③1D10=7(蝶)

 

 

 

まずひとつめ。

護衛の依頼だ。

 

村には様々な役職の者がいるが、その中に薬師という者がいる。

薬草や獣の臓器、時に鉱石なども用いて薬を作り、村人の健康を支える者だ。

 

そんな薬師の弟子、見習いの少年が素材の扱いをうっかり間違えてダメにしてしまったのだという。

しかもよりにもよって多くの薬に使う根幹的な素材をだ。

そういうわけで、急ぎ隣町の薬師まで訪ねて素材を融通してもらわねばならない。

 

依頼の内容は、薬師の弟子を連れて隣町へ向かい、手に入れた素材を損なう事なく村まで持ち帰る事だ。

街道が通っている以上、森や山に踏み入るよりは安全な道のりとなるだろう。

冒険者が命を落とすほどの危地は余程のことがない限りおとずれまい。

 

ただ、この依頼において重要なのは、護衛対象と荷物の無事だ。

薬師の弟子を死なせてしまったり、素材を使えない状態にしてしまったなら、経験はともかく報酬は受け取れない点には留意すべきである。

 

 

 

ふたつめ。

土地の調査依頼だ。

 

村の西方、川をいくつか越えた先には荒野が広がっている。

赤い土と岩ばかりに覆われた、乾いた土地だ。

 

あなたの所属する村は、開拓村である。

人間の領域を広げるために作られた村であり、いずれ未開の西方へ徐々に人の手を伸ばす事が決まっている。

この依頼はそのための事前調査だ。

 

荒野には何があり、どんな生物が棲むのか。

人の利になるもの、害となるものはどれほどあるか。

これらを調べることが目的となる。

 

当然ながら、事前の情報は何も与えられない。

全ては依頼を受けた者が明かさなければならない事だ。

危険度が高いのか低いのかも全く不明で、人の領域から大きく離れる以上誰の助力も期待できない。

 

だがその分、報酬の上限が高い。

一定以上の成果を持ち帰り、依頼が大成功に終わったならば、通常の倍ほどの額を得られるだろう。

 

 

 

みっつめ。

討伐の依頼だ。

 

場所は山中。

対象はヨツメオオタテハという、猫やイタチほどもある巨大な蝶である。

が、正式名称よりも毒羽タテハという呼び名の方が有名だろう。

鱗粉に含まれた強力な毒で家畜や作物に被害を出し、時に人の命さえ奪う事で知られた厄介者だ。

 

この蝶は稀に大発生するのだが、今年はその兆候があるという。

育ち切って人里近くに降りる前、まだ蝶が山中にとどまっている段階で可能な限り数を減らしてほしいとの事だ。

 

この依頼で気を付けるべきは蝶自体の危険だけではない。

人外の領域そのものたる山の中に踏み入るのだ。

跋扈する獣や魔種の質はそこらの草原などとは一線を画す事を理解しておかねばならない。

 

 

 

 

 

内容はおおよそこんなところのようだ。

あなたはじっくりと3つを比べて吟味する。

今回請けるべき依頼は、さてどれだろうか?

 

 

 

名前(あなたが自由に決めて良い)
職業神官

 

HP36/36
MP17/17

 

筋力8SB=2
耐久14SB=4
敏捷9SB=3
器用7SB=2
感覚10SB=3
知識12SB=4
精神13SB=4
幸運8SB=2

 

装備性能
メイス『2D6+筋力SB』の物理ダメージ
バックラー防御成功時、

物理ダメージを『耐久SB』追加軽減

 

特殊技能詳細
重撃攻撃命中時、『朦朧』判定

クリティカル時、『朦朧』確定付与

信仰秘蹟の使用権を得る
治癒初歩の秘蹟、消費MP5。

肉体をあるべき姿に戻す。

『1D6+精神SB』のHP回復。

守護初歩の秘蹟、消費MP3。

肉体があるべき姿を保つ力を強める。

『精神SB』だけ全ダメージを軽減。

効果時間は1戦闘。

賦活初級の秘蹟、消費MP5。

肉体と魂をあるべき姿に引き戻す。

状態異常を回復。

 

アイテム詳細
チェインメイル1度だけ死亡を回避

 

請ける依頼は?

  • 街道の ??の 護衛依頼
  • 荒野の ???の 調査依頼
  • 山中の ???な 毒羽タテハ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。