読者参加型TRPG風小説   作:矢端トラム

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【外部アンケート結果】

ハーメルン内と合算

鍛錬を行う 57+7=64
技能を磨く 52+8=60
奉仕に勤む 104+33=137
武具の新調 110+30=140
村人と交流 21+5=26



依頼選択フェイズ

 

 

 

村の中、中心から大きく外れた位置に鍛治工房はある。

 

不便との声もあるがこれは仕方がない。

何しろ常に火を扱う建物だ。

周りに多くの家屋があれば、ちょっとした事故が大きな事態を招きかねない。

 

火と言えば教会の聖火もだが、そちらはまた別。

信仰の拠り所かつ日々の安寧の保証なのだ。

村の中心になくてどうするという話である。

 

さて、ともかく鍛治工房だ。

辺りに民家はなく寂しい佇まい。

ではあるが、だから静かかというとそうでもない。

 

「おう、誰かそっち抑えろォ! 反りが足らん! 叩いて曲げんぞ!」

 

「ウス! ここスか!?」

 

「馬鹿野郎! そこじゃ捩れンだろが! ──おうヨシ、そこだ! そのまま体重かけとけ!」

 

「ウス!!」

 

男達の野太い声が工房の外にまで響いている。

これが鍛治工房の常だった。

職人達の罵声と怒号で満たされ、朝から晩まで鉄を叩く音は鳴り止まない。

 

特に今は村の拡張期だ。

大から小まで金属製品の需要は高く、彼らの前には急ぎの仕事が山と積み上がっている。

中でも最大のものは兵舎の建設関連だろう。

西征に備えるため、春になればパレルヴァから兵が送られ駐屯を始めるという話がある。

雪が降る前に完成をとの号令で、村は慌ただしくなっていた。

 

そんな中へ、あなたは踏み込む。

 

「アァ!? 誰だ! 悪いが今は──」

 

来客の予定はなかったのだろう。

職人のひとりが突然開けられた扉に振り向き、迫力のある目つきでギロリとあなたを睨み。

 

「──っとと、なんだアンタか! いや悪い悪い! 今日はどうした?」

 

直後、態度がすぐに軟化する。

途中だったらしい作業を素早く維持の状態に持ち込み、手を離してまでだ。

 

冒険者の注文は最優先で。

そんな指示が村長から出ている事ももちろんある。

が、最大の理由は日頃行っている彼らとの共同作業だろう。

すでに同胞と認められているあなたは、こういった場面で多少の特別扱いを受ける事もある。

 

また、フェノゼリーの件も大きい。

宿の前に列を作ってまで感謝を伝えに来た者のうち、職人は相当な割合が居た。

あなたもその際、この職人の顔を見た覚えがあるはずだ。

 

なので、あなたは遠慮なく注文する。

武具の調整を行いたいと。

それに職人はなるほどと頷き。

 

「そんなら親方案件だな。奥行ってくれ! 今日は炉の前で籠もりっきりだからよ!」

 

親方も良い気分転換になるだろ、などと快活に笑って、工房の最奥を指差した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズン、と。

地を揺さぶる踏み込みをもって、あなたは突進した。

 

目標は鎧で覆われた体。

その左肩の装甲を抜き、鎖骨を割り砕くと定めて、鉄塊を振り下ろす。

大気をまっぷたつに裂く轟音と共に炸裂した衝撃は、見事にあなたの狙い通りに対象を破壊した。

 

「──お見事!」

 

それを、職人達の棟梁が賞賛する。

パァンと強く手を叩き、口の端を笑みの形に吊り上げてだ。

 

実際、感嘆に値する一撃だった。

あなたの打撃は鎧──試し切り用に人の形に整えられた藁束に鎧を被せたもの──を打ち砕き、メイスの頭部は人間でいう心臓ほどの位置までめり込んでいた。

現実の対人戦闘なら一発で決着がついていただろう。

 

「で、どうだ? 俺としちゃ上手いことやれたと思うんだがね」

 

そしてそれは、あなただけの力によるものではない。

あなたが愛用してきたメイスには、今や職人の手が加えられていた。

 

大した変更ではない。

ただあなたの手に合わせて握りの形を変えただけだ。

これまでも、あなた自身で多少の調整を行ってもいる。

 

だが、そんな素人仕事と棟梁の調整とでは天地の差であった。

今日こうしてメイスを振るい、あなたは初めて気がついた事だろう。

ああ、自分はこうメイスを握りたかったのだなと。

 

「ふふん。満足してもらえたようで何よりだ。……どうだい、俺の腕もなかなかのもんだろ?」

 

得意げに鼻を鳴らす棟梁に、あなたは頷く他ない。

以前よりも力が籠めやすく、また安定した軌道での打撃が可能となっているのがハッキリ分かるのだ。

彼の仕事は確かなものだと認めないわけにはいかない。

 

 

 

「よし、なら次はこっちだ。持ってみてくれ」

 

気分を良くした棟梁は次いで、バックラーをあなたに手渡した。

メイスと違い、こちらはそれなりに分かりやすく改良されている。

 

まずはバックラー中央、持ち手を刃の貫通から守る半球型の金属部がより大きくなっている。

また、外縁部もだ。

これまでよりも厚い鉄で覆われ、幾分か()()()変わった。

木製の部分が相対的に減ったことで、見栄えもするようになっている。

 

「あんたの戦い方は鍛錬の時に何度も見たからな。そこらをもう少し補強した方が良いと思ってたんだ。その分多少重くはなったが……まぁあんたなら問題ないだろう?」

 

棟梁の言通り、確かに重量は増している。

だがまだ余裕のある範囲だ。

取り回しに影響するほどではない。

 

それよりも明らかにプラスが大きいとあなたは勘付いた。

棟梁に目を向け、試したいと要求する。

 

「よしきた。俺でいいならやらせてもらうぜ。……実はこう見えて昔はヤンチャでな。冒険者の真似事をして狼やらに挑みかかっては親に怒られたもんだ。く、懐かしくなるぜ」

 

刃を潰してあるロングソードを構え、棟梁が言う。

もしここに戦士か野伏か魔術師が居たなら、遠慮なく真っ向から『こう見えても何もどこぞの蛮族にしか見えない』とでも言っただろう。

あなたが口さがない人物であるなら、やはり同じ台詞が飛び出したはずだ。

 

棟梁の構えはそれだけ堂に入ったものだった。

冒険者と名乗るにはやや足りないが、そこらの野盗程度ならば震えて逃げ出しかねない。

上背があり、筋肉も分厚く、()に良く焼けた浅黒い肌は迫力満点だ。

日々の仕事で刻まれた深い皺も凶相を形作り、威圧感を放っている。

 

「……セィヤァッ!!」

 

そんな棟梁の放つ大上段からの斬り下ろしは、半端な使い手ならば威に押し負けてそのまま脳天を割られかねない鋭さだった。

 

が、もちろんあなたには通用しない。

 

「う、ぉぉっ!?」

 

つるん。

あるいは、くるん。

そんな擬音が似合う様だった。

混乱の声を上げて棟梁がたたらを踏む。

 

あなたが見せたのは『巻き落とし』もしくは『(ひね)り』と呼ばれる技だ。

流派によって名が違うだけでどちらも同じもの。

盾術の基礎よりも少し踏み込んだ応用の技である。

 

バックラーに備えられた鉄製の半球。

これを相手の武器に()()()()()ように絡め、どこに振るわせるかを受けた側で決定するというもの。

 

棟梁のロングソードはこれに見事にやられ、あなたの体のどこにも擦りすらせず地面に切先を叩き付けた。

そしてその勢いに引っ張られ、完全に体勢を崩している。

こうなれば後はやりたい放題だ。

メイスで殴るなり、地面に引き倒して潰すなり、どうとでも調理できる。

 

「は、はは……いや、通用するなんざ思ってなかったが……何されたかわからんほどとは」

 

棟梁は顔を引き攣らせるが、仕方のない事だ。

教会、つまり神殿勢力は何百年と武を磨き、技を積み上げてきた。

あなたはその戦闘術を正式に学んだ神官である。

これに対するには、同じくいずれかの武門で学び、正しい対処を知る他にない。

もしくは獣や魔種のように人外の力を身につけるかだ。

 

 

 

さて、本題であるバックラーの調整だが……完璧と言って良い。

今までは盾の守りが薄くやりにくかった技も、これならば十全に使っていけるだろう。

 

ロングソードを防いだ際の衝撃は、明らかにこれまでよりも軽くなっていた。

盾の技を操るにも余裕が生まれるという事。

 

真の達人は剣を選ばない。

そんな言葉が世にはあるが、これは明確に誤りだ。

 

剣を選ばずに圧倒できるのは格下のみ。

同格以上の者に対するには、武具の選択を疎かにしてはならない。

武を学んだ者なら誰でも知る常識である。

 

 

 

あなたは棟梁に礼を言い、適切な報酬を支払った。

十分な腕を持つ職人に相応しい額はそれなりのものだったが、その価値はあるはずだ。

何しろ、メイスとバックラー。

このふたつはあなたを直接に人外の力から護る、最後の砦なのだから。

 

 

 

装備更新
『メイス+1』

2D6+筋力SBの物理ダメージ

命中力のダイスを常に+1

 

『バックラー+1』

防御成功時、物理ダメージを『耐久SB』追加軽減

防御成功判定のダイスを常に+1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、また時は過ぎた。

幾つかの依頼をこなし、宿でゆっくり休み、休日を村で過ごす。

そんな繰り返しを3度か4度ほど。

 

季節は巡り、冬が訪れた。

近頃は雪も降り始め、緑の平原は真っ白に染められている。

 

「あぁぁぁうさっむ……! もーいや、冬なんて大っ嫌い……!」

 

これに一番苦しんでいるのはあなたの同輩、女戦士だろう。

外の用事を済ませて戻ってきた彼女は、自分の体を抱いてガタガタと震えている。

 

どうやら寒さが大の苦手らしい。

特に依頼の際は大変な事になっている。

普段ならば二重三重に着込んで対処すれば良いが、依頼中にそれでは動きが鈍ってまともに武器も振れない。

 

「はいはい、いつものコレ、いるだろう?」

 

「あ、あぁ〜〜〜……たすかるぅ……」

 

ならどうするかと言うと、最近は魔術師と組んでばかりだ。

炎を操る魔術師と寒がりのハルバード使いは、少なくとも冬の間は相性抜群なようである。

今もまた、差し出された掌の上で燃える炎に当たって暖をとっている。

 

 

 

「あんたのその体質も難儀なもんだね。ほら、これでも食べてあったまんなさい」

 

女戦士の介護には宿の主、老婆も加わった。

トロトロのシチューである。

秋に獲れた魚を干したものをぶつ切りにしてゴロゴロ放り込んだ逸品だ。

羊の乳とバター、麦の粉で出来たクリームの中に魚の風味がたっぷりと溶け出した、この辺りの冬の名物。

そこにさらに数種の根菜まで加えた一皿となっていた。

 

何しろ冒険者は体が資本である。

村長の指示により質の良い食材は優先的に回され、開拓村で最も美味く、そして贅沢な食事が許されていた。

 

戦士もこれにはたまらず、礼を言うやいなやすぐさま飛びついた。

匙を猛速で動かし、美味い美味いと大喜びだ。

その横で、魔術師とあなたにもそれぞれ一皿ずつが供される。

 

 

 

あなたは匙を取り、シチューをひと口分すくった。

そこには根菜は入っていない。

 

代わりに炒ったクルミが見つけられる。

また、表面に浮いた油は果実の種から絞ったものらしく香りが強い。

根菜を抜いた事による食感の減少や風味の単調化を補う工夫だ。

戒律のために野菜を口に出来ないあなたのために、わざわざ鍋を分けて作ったらしい。

 

あなたはありがたくシチューを口に運んだ事だろう。

寒い冬の中。

物理的にも心象的にも温かいそれは、次の依頼へ向かう英気を養ってくれたはずだ。

 

 

 

 

 

さて、シチューを堪能し終えたあなたは老婆に依頼書を要求した。

仕事の時間である。

すぐさま差し出された3枚を、あなたはいつものように並べて確認する。

 

 

 

判定内容依頼の目的地
判定方法1D10

1/街道

2/湖畔

3/雪原

4/廃墟

5/川辺

6/森林

7/荒野

8/谷底

9/洞窟

0/雪山

判定結果①1D10=6(森林)

②1D10=0(雪山)

③1D10=9(洞窟)

 

判定内容依頼の特殊条件
判定方法1D10

1-2/??る

3-4/???い

5-6/??な

7-8/?い

9-0/???な

判定結果①1D10=7(?い)

②1D10=5(??な)

③1D10=0(???な)

 

判定内容依頼の主目標
判定方法1D10

1/採取

2/ワーグ

3/ローパー

4/ミミック

5/猫

6/シュリーカー

7/ワーム

8/ウェンディゴ

9/鳥

0/ブロブ

判定結果①1D10=6(シュリーカー)

②1D10=7(ワーム)

③1D10=0(ブロブ)

 

 

 

まずひとつめ。

森での依頼だ。

 

近頃、村近くの森に関する奇妙な噂が流れている。

人の叫び声が聞こえる、というものだ。

 

そしてこれはただの噂ではない。

時間を問わず、朝でも夜でも、森に近付いた者はそれを実際に聞いている。

抱いてしまった大きな恐怖を誤魔化すために叫んでいるような、そんな声だそうだ。

 

それだけならしばらく様子を見ても良いのだが、問題が発生した。

叫びを聞いた者のうち、何人かが体調を崩したのだ。

頭の中でずっと叫び声がこだまし続け、不吉な声色がどこまでもついて回り、悪夢に苛まれて夜も眠れないと訴えて。

 

これには幸い、薬師による眠り薬が良く効いた。

一晩ぐっすりと、夢を見ないほどに深く眠れば声は消えたのだ。

おかげで被害者達は全員もう普通の暮らしに戻っている。

 

が、害があるとわかったならば放置はできない。

森から響く叫び声の原因特定と、その排除。

これが依頼の内容だ。

 

入手経験点+3
入手成長点+1

 

 

 

ふたつめ。

今の時期は雪に白く染まっている、山での依頼である。

 

ひとつめの依頼とも関連する内容だ。

薬師の作る眠り薬のうち、最も強いものにはやや希少な素材が必要となる。

これは人の手による栽培が難しく、山に分け入って採取するしかない。

今回大量に眠り薬が消費されたため、まだ幾分在庫はあるものの念のため補充したいそうだが……。

 

目的の素材がある山で今、季節外れのワームが暴れているのだという。

人の胴と同程度の太さまで巨大化させたミミズに硬い外骨格をまとわせ、牙だらけの大口を備え付けたような生物だ。

肉ならばなんでも食い、当然のように人間も襲う。

 

採取の際には護衛をつけるにしても、より安全性を高めるには当然ワームは居ない方が良い。

何故か冬籠りをしなかったこの個体の排除が依頼内容である。

 

入手経験点+3
入手成長点+1

 

 

 

みっつめ。

今はもう使われていない、古い坑道での依頼だ。

 

あなたの居る第3開拓村が作られる前、ここは原野であった。

拓く前には様々な資源調査が行われ、その結果見つかった鉱脈から鉱石を掘り出すために作られたのが件の坑道である。

残念ながら鉱脈はすでに枯渇し、坑道は放棄され入口も塞がれていたのだが、近頃それが破られている事に村人が気付いた。

 

現場の破壊痕とそこに残された肉片から、下手人は特定された。

ブロブだ。

全身を筋肉で構成された、人間をすっぽり包めるほどの肉塊状の生物で、捕えた獲物を締め殺してからゆっくりと溶かして食べる存在である。

見た目から時にスライムと混同されることもあるが危険度は段違いと言える。

 

おそらく冬籠りのために廃坑道を利用されてしまったのだろうが、もしもそのまま住みつかれ、あまつさえ繁殖でもされたら問題だ。

村からは多少離れているものの、餌を求めてやって来ないとは保証できない距離である。

確実な討伐が必要な依頼だろう。

 

入手経験点+3
入手成長点+1

 

 

 

依頼書を比較し、あなたは考える。

今回請けるべきはどの依頼だろうか?

 

 

 

名前(あなたが自由に決めて良い)
職業神官

 

HP36/36
MP17/17

 

筋力8SB=2
耐久14SB=4
敏捷9SB=3
器用7SB=2
感覚12SB=4
知識14SB=4
精神16SB=5
幸運9SB=3

 

装備性能
メイス+1『2D6+筋力SB』の物理ダメージ

命中力+1

バックラー+1防御成功時、

物理ダメージを『耐久SB』軽減

防御成功率+1

 

特殊技能詳細
重撃攻撃命中時、『朦朧』判定

クリティカル時、『朦朧』確定付与

信仰秘蹟の使用権を得る
治癒初歩の秘蹟、消費MP5。

肉体をあるべき姿に戻す。

『1D6+精神SB』のHP回復。

守護初歩の秘蹟、消費MP3。

肉体があるべき姿を保つ力を強める。

『精神SB』だけ全ダメージを軽減。

効果時間は1戦闘。

賦活初級の秘蹟、消費MP5。

肉体と魂をあるべき姿に引き戻す。

状態異常を回復。

 

アイテム詳細
チェインメイル1度だけ死亡を回避

 





【お知らせ】

ハーメルン公式様から、DDoS攻撃が未だ継続中との発表がありました。
アンケート機能が不安定になる可能性があるため、事態収束が宣言されるまで外部アンケートを利用する事とします。

(併用としないのは、タイミングによって内部外部合わせて2票入れられる人と、外部1票しか入れられない人が出る恐れがあるため)

お手数ですが、しばらくは外部サイトへ飛んでの投票をお願いします。
ご了承ください。



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