読者参加型TRPG風小説   作:矢端トラム

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→ 『森林の ?い シュリーカー』



クエスト『森林の ?い シュリーカー』(1/3)

 

 

 

村近くのその森はすっかり葉を落としていた。

春夏秋と豊かな色彩で染まっていた姿はまるで様変わりし、寒々しい白に包まれている。

もっとも、それはそれで見応えのある光景ではある。

冬という季節の静けさを象徴する佇まいは、見るものによっては人の手の及ばぬ美として映るだろう。

朝日を浴びて光を反射する今の時間帯ならば特に。

 

ただし、残念ながら。

今ばかりは森から静謐は奪われているようだ。

 

「────ォオ、オオォォウ、アァアアァ」

 

遥か遠くから、距離を無視してそれはあなたへ届いた。

 

失ったものを嘆くような、あるいは絶え間無く沸き続ける恐怖から正気を守るために発しているような。

そんな叫びだ。

そして、確かに人間のそれに似ている。

 

不快な音色だった。

あなたは咄嗟に耳を塞いだが、届く声量はわずかも減じない。

どうやら真っ当な音ではないらしい。

おそらくは魔術だと、あなたは当たりをつける。

 

嘆きの声はあなたにすがりつくようであった。

魂に指先を絡め、しがみつき、まるで、お前も一緒に苦しんでくれと懇願するような。

 

 

 

判定内容状態異常抵抗
判定方法2D6+精神SB

5以上で成功/容易

判定結果2D6+5=8(成功)

 

 

 

それをあなたは振り払った。

不可視の力を弾くように頭を振れば、何者かの不快な接触は離れていく。

 

そう強い魔術ではないのか。

それとも射程の外であったために効果が抑えられているのか。

どちらであるかは今はまだ何とも言えないが、心の強い者なら耐えられるようだ。

叫びを聞いた村人のうち、被害が出た者と出なかった者に分かれたのはそのためだろう。

 

 

 

あなたが選んだ依頼は、森の叫びに関するものだった。

他の依頼よりも被害の程度が大きかったためか。

雪山や坑道の環境を嫌ったか。

それとも単に近場だったためか。

どういった理由での選択かはあなたが知っていれば良い事であるからさておき、ともかくあなたは森に踏み入った。

 

そうして今、件の叫びを耳にした。

魂を直接掴み揺らす、そんな声にあなたは──

 

 

 

判定内容魔種知識
判定方法2D6+知識SB

10以上で成功/難

判定結果2D6+4=11(成功)

 

 

 

心当たりがあった。

シュリーカーという魔種である。

余り発見された例のない、希少な種だ。

 

特徴はもちろん、あなたがたった今聞いた叫びだ。

魔術が籠められた咆哮はシュリーカーの最大の武器である。

聞いた者の魂にしがみつく呪いは対象を徐々に衰弱させ、ゆっくりと死に至らしめる。

そうして死んだ生物の死骸を貪っているのではないかと、あなたが過去に見た書物には語られていた。

 

そしてその姿は……わからない。

何しろ討伐の報告が妙なのだ。

 

"シュリーカーと思しき魔種は討伐され、叫びは止んだ"

 

いずれの文献にもそのように曖昧に記され、具体的な容貌に関してはどうも一貫しない。

ゴブリンに似ていたとする記録もあれば、狼のようであったとするものもあり、鹿や馬に似た形の毛むくじゃらとも言われる。

少々信頼性に欠けるものになると、余りにも醜く書き記すのもおぞましいと誤魔化すものや、何を思ったか頭にキノコを生やした愛らしい少女だったと主張する書まであった。

 

叫んでいる以上、おそらく口と喉はあるだろうが、今わかる事はこの程度だ。

 

 

 

技能判明/シュリーカー
『呪いの叫び』

耳にした者を呪う咆哮。

広範囲に対し状態異常『呪詛』の付与判定。

対象との距離が近いほど抵抗難度が上昇する。

 

TIPS/状態異常『呪詛』
時間経過毎にHPとMPにダメージ。

ダメージ量は原因によって異なる。

 

休息によって軽減可能。

秘蹟によって回復可能。

 

 

 

ただ、この相手はおそらくあなたにとって相性の良い相手とはわかる。

 

シュリーカーの叫びは心を平らに保てば効果は無く、呪いに囚われたとしても秘蹟の光によって快癒する。

実にあなた向きの依頼だ。

あなたの心は固く、そして対応策となる秘蹟をすでに習得している。

 

正面から相対してもそう大きな脅威とはならないだろう。

シュリーカーの爪や牙、あるいは振るう武器が恐ろしいなどとはどの文献にも書かれていなかった。

 

 

 

 

 

情報を確認し終えたあなたは、足元の雪をかき分けながら森を進む。

 

木々からはとっくに葉が落ちている。

枝ばかりの森は寂しい姿をしていたが、良く探せば所々に彩りもある。

 

例えば小さく赤い、しかし大量に生っている実だ。

実の上に雪が積もって隠れてはいるが見つけるのはそう難しくない。

秋から見られるこの実は寒さに強く、冬のさなかにも食べられる木の実として知られている。

酸味が強すぎるためジャムに加工されるのが一般的だが、そのままでも食べられない事はない。

 

実のところ、食べ頃は今だ。

秋は苦味と渋味が強く、ハッキリ言って食べられたものではない。

もしあなたが過去に秋のそれに手を出した事があったなら、死人の目も覚まさせるような冒涜的な味を思い出して顔をしかめた事だろう。

 

 

 

地形効果
『森林』

目視での索敵成功率低下

食料無限により休息の効果が上昇

 

 

 

判定内容探索
判定方法2D6+感覚SB

8以上で成功/やや難

判定結果2D6+4=6(失敗)

 

 

 

それ以外にあなたが特に気付いた事はない。

 

赤い実はこの時期、鳥たちの食料になる。

普段であれば小さな囀りとともに実をつつく愛らしい姿を見る事も出来ただろう。

だが残念ながらそのような光景は見つけられない。

 

「────アァ、アアアァ」

 

理由は当然、この叫びに違いない。

人間ならばともかく、鳥が耐えられるものではないのだろう。

 

 

 

あなたは森を奥へと進む。

シュリーカー発見のためには、まずそれが必要だった。

 

 

 

判定内容状態異常抵抗
判定方法2D6+精神SB

6以上で成功/普通

判定結果2D6+5=9(成功)

 

 

 

叫びは何度もあなたの耳に届く。

絶え間なく、というほどではない。

だが声を耐えて一息吐き、しばし経って耳が静寂に慣れ、声の不快さを忘れた頃を見計らうようにまた叫ぶ。

シュリーカーが狙ってやっているかは不明だが、面倒な間隔ではある。

 

そして、声が聞こえてくる方角は都度異なる。

移動しているのか、それとも複数体が存在しているのか。

 

 

 

判定内容聞き耳
判定方法2D6+感覚SB

8以上で成功/やや難

判定結果2D6+4=9(成功)

 

 

 

おそらくは前者だとあなたは判断した。

複数体が居るにしては、同時にいくつもの叫びが聞こえた試しはない。

また、声はどれも良く似ている。

別個体が発しているとは考えにくかった。

 

となれば、それなりの速度で森を駆けながら移動している事になる。

闇雲に声を追うだけではこちらも振り回されて体力を無駄に消耗するかもしれない。

 

 

 

ならばと、響く呪いを黙殺しながらあなたはとある場所に向かった。

森の泉である。

湧き水がこんこんと染み出している泉で、跨いで渡れる幅のごく小さな川の源だ。

流れ水であるために冬も凍りきらず、端に薄い氷が張るにとどまっている。

 

森の獣、その痕跡を探すならここから始めるのが定石ではある。

シュリーカーの足跡を知らない以上、どこまで利用できる情報があるかは未知数だが。

 

 

 

判定内容追跡
判定方法2D6+感覚SB

7以上で成功/普通

判定結果2D6+4=12(成功)

 

 

 

冬において、動物の足跡を見つけるのは実に容易い。

何しろ雪の上に足跡がそのまま残っているのだ。

問題としては痕跡が長く残り続けて複数の情報が錯綜する事だが、これも良く観察すれば見分けはつけられる。

 

足跡の上に積もった雪の量。

重なった足跡のどちらが後についたかの確認。

そういった辺りを精査し、追う意味のないものを除外していく。

結果、残ったのはふたつだ。

 

ひとつはおそらく早朝のもの。

肉球の形や歩幅から狼だろう。

数は4頭、西から来てここで水を飲み、東へ向かったようだ。

その跡は何やら慌ただしい。

落ち着きなく補給を済ませて走り出したような痕跡だ。

 

次に、ふたつに分かれた蹄が特徴的な、鹿のもの。

こちらは1頭だけのようだ。

北から現れて北へ戻っている。

そして、何やら足跡の間隔が不安定だ。

軽く追ってみれば、ふらついたように足跡がズレている箇所がある。

弱っているのかもしれない。

この足跡は最も新しい。

あなたがここを訪れる少し前に残されたようだ。

 

それ以外の痕跡は昨日以前のものだろう。

情報が古すぎる。

 

 

 

シュリーカーがどのような姿の生き物かは文献の記述が曖昧だ。

必然的に足跡の形は分からず、この場には明確に異常な形の足跡もない。

狼と鹿の足跡と思われるどちらかがシュリーカーのものかもしれないし、どちらも全く無関係なのかもしれない。

 

 

 

あなたは立ち上がり、それぞれの方角を見た。

 

東、狼の足跡の先はこの辺りとさほど変わりない環境が続いている。

木々の葉が落ち、寒々しい環境だ。

 

北、鹿の向かった先も同じく。

 

西、狼がやってきたと思しき方角は、こことは植生が異なっている。

常緑樹が繁茂し、冬の今でも葉が多い。

雪は地面に届きにくく、木々の上にとどまっているだろう。

 

南は……こちらはあまり考えなくとも良いはずだ。

あなたがやってきた方向であり、叫びに近付いている感覚がある以上、今戻る理由はないと思われる。

 

 

 

あなたは考える。

森は、この泉を中心に、歪ではあるがほぼ円形に広がっている。

おおまかに東西南北で区域を区切って考えて良いだろう。

 

叫び声は始めは北から、今は北西へ変わった。

このまま西へ移動するかもしれないし、突然引き返すかもしれない。

今は推測に頼るしかなさそうだ。

 

時刻はまだ朝。

葉のない硬い枝の向こうから、日差しは斜めに差し込んでいる。

生命の気配薄い冬の森には似つかわしくないほどの眩さだ。

 

 

 

名前(あなたが自由に決めて良い)
職業神官

 

HP36/36
MP17/17

 

筋力8SB=2
耐久14SB=4
敏捷9SB=3
器用7SB=2
感覚12SB=4
知識14SB=4
精神16SB=5
幸運9SB=3

 

装備性能
メイス+1『2D6+筋力SB』の物理ダメージ

命中力+1

バックラー+1防御成功時、

物理ダメージを『耐久SB』軽減

防御成功率+1

 

特殊技能詳細
重撃攻撃命中時、『朦朧』判定

クリティカル時、『朦朧』確定付与

信仰秘蹟の使用権を得る
治癒初歩の秘蹟、消費MP5。

肉体をあるべき姿に戻す。

『1D6+精神SB』のHP回復。

守護初歩の秘蹟、消費MP3。

肉体があるべき姿を保つ力を強める。

『精神SB』だけ全ダメージを軽減。

効果時間は1戦闘。

賦活初級の秘蹟、消費MP5。

肉体と魂をあるべき姿に引き戻す。

状態異常を回復。

 

アイテム詳細
チェインメイル1度だけ死亡を回避

 





【選択肢】

声の方向へまっすぐ向かう
泉の近くに身を隠して待機する
東、狼の足跡を追う
北、鹿の足跡を追う
西、常緑樹の区域へ向かう
南、村に近い区域に戻る

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