読者参加型TRPG風小説   作:矢端トラム

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→ 北、鹿の足跡を追う



クエスト『森林の ?い シュリーカー』(2/3)

 

 

 

あなたは北へ針路を取った。

 

鹿は足跡を見る限り弱っている。

その理由として考えられるのはシュリーカーだろう。

呪いを受けて心身を蝕まれ、死に近付いているのではないだろうか。

 

とすれば、そこを狙いにシュリーカーが現れる可能性はある。

あるいはもう襲われた後かもしれない。

その場合でも鹿の死骸からは何かしらの情報が得られるはずだ。

 

また、シュリーカーに関する曖昧な報告の中には、鹿に似るという例もいくつかあった。

直近の叫びは北西からだが、その前は北から聞こえていた。

この足跡が実は鹿ではなくシュリーカーのものという可能性もあるのではないだろうか。

 

 

 

あなたは鹿の足跡を追う。

道程は順調だ。

雪上の足跡はハッキリと残っており、追うに苦労はない。

 

足跡はやはり不安定なものだった。

十数歩に一度ほどの割合で乱れた位置に足をついている。

時には、倒れ込んだのか、それとも疲れ果てて座り込んだのか、雪に体を預けたような痕跡も見られた。

 

もう長くはないと、誰でも一目で分かるだろう。

 

 

 

そうして、あなたはそれを発見した。

 

鹿の死骸である。

喉笛を噛み裂かれ毛皮を真っ赤に染めて横たわっていた。

腹部は大きく開かれて、内臓を貪られたと分かる。

湯気が立つほどではないが、まだ温かく柔らかそうである。

 

あなたはそれに近付き、しゃがみ込んだ。

 

雪の上に大きな痕跡はない。

争いは起こらなかったようだ。

それだけ弱っていたのだろうか。

 

鹿の周囲には、狼のものらしき足跡が残っていた。

数は1頭分だけ。

東からまっすぐに来て、鹿を襲い、西へ去ったと分かる。

 

 

 

判定内容状態異常抵抗
判定方法2D6+精神SB

7以上で成功/普通

判定結果2D6+5=13(成功)

 

 

 

「──ォォォオオオアアァ……」

 

つまり、この叫びが聞こえる方向へ。

鹿の進路とはほぼ直角に交差していた。

 

叫びがまだ聞こえている以上、シュリーカーはこの鹿ではありえない。

ならば件の魔種の正体はと考えると、現場の状況が語ってくれている。

 

あなたはもう一度足跡を見た。

形も深さも狼のそれに酷似している。

だが状況は、これがシュリーカーの痕跡である可能性が高いと示していた。

 

シュリーカーは狼のような姿という報告も確かにあった。

正しかったのはその情報なのだろう。

普通の狼がたまたま弱った鹿を見つけて狩り、その後たまたまシュリーカーが居る方角へ向かった、という可能性もあるにはあるが、そんなところまで考えてはキリがない。

 

 

 

あなたはさらに観察を続ける。

今度は鹿の死骸をだ。

喉と腹をどう破られたかが分かれば、シュリーカーの能力がさらに知れるかもしれない。

 

 

 

判定内容観察
判定方法2D6+感覚SB

8以上で成功/やや難

判定結果2D6+4=13(成功)

 

 

 

それは何の変哲もない傷跡だった。

ただの牙と爪、ごく普通の自然の凶器をもって裂かれたと分かる。

 

ただし、あなたはわずかに違和感を覚えた。

 

特に腹部が顕著だが、傷跡が荒れている。

一度で綺麗に破れなかったのだろう。

何度も繰り返し牙と爪を突き立て、必死にこじ開けようとした様がありありと思い浮かぶ。

 

あなたは気付いた。

もしやこの鹿を襲った推定シュリーカーは、()()()()のではないだろうか。

 

 

 

情報一部判明
森林の ?い シュリーカー
??????

??のステータスが1D6弱化

?????????

 

 

 

と、その時だ。

 

あなたは東、シュリーカーが来たと思われる方角から音を聞いた。

雪を踏み、駆ける音だ。

それも複数。

あなたと鹿の元へと近付いてきている。

 

迎え撃つか、それとも隠れてやり過ごすか。

瞬時に考えてあなたは隠れる事を選んだ。

 

過去の依頼を振り返れば分かる通り、あなたは慎重な人間だ。

こういった場合で応戦を選ぶ事はまずないだろう。

今後、選択と決断を重ねて方針が変わっていく事があれば話は別だが。

 

 

 

判定内容隠密
判定方法2D6+敏捷SB(あなた)

2D6+感覚SB(?)

比べ合い/大きい方が勝利

判定結果2D6+3=6(あなた)

2D6+2=4(?)

 

 

 

あなたは即座に立ち上がり、まずは自身の足跡を踏んで10歩ほどを戻った。

そしてそこから、跳ぶ。

獣が己の痕跡を隠すために行う事のある止め足という技術、その模倣である。

 

ここからはさらに応用だ。

跳んだ先は木。

そこにしがみついて登り、さらに木々の枝を伝って移動する。

 

そうして、あなたは足跡を残さずに姿を隠した。

樹上に陣取り、幹の陰に潜みながら様子を窺う。

 

 

 

ややあって現れたのは……狼だった。

数は3頭。

息を荒げてはいるものの、体力は十分にあるようだ。

足取りにふらつくような様子もなく健康とわかる。

シュリーカーの呪いはまだ受けていないらしい。

 

3頭の狼達は鹿に辿り着くと、死骸に顔を近付けて鼻を動かした。

臭いを嗅ぎ、何かを確かめて……。

 

「ヴゥゥ……グルル」

 

怒りと不快が滲んだ唸り声を上げた。

 

3頭の中で最も大きな体のリーダーらしい個体が顔を上げ、西を睨んで一声吠える。

その号令に弾かれるように狼はまた駆け出し、去っていった。

あなたの臭いや足跡も当然残っていただろうに、全く興味を示す事なく。

 

 

 

一部始終を見届けてあなたは木から降りた。

再び鹿の元へと戻り、再確認する。

 

狼達の足跡は、シュリーカーの足跡を完全にトレースしていた。

東から来たものも、西に消えたものもである。

さらに、彼らは鹿の肉を漁ることもしなかった。

食事よりも優先すべき目的があるらしい。

 

 

 

あなたは泉に残った痕跡を思い出す。

慌てて走り去ったような、4頭の狼の足跡。

あれはもしや4頭ではなく、1頭と3頭のものだったのではないだろうか。

つまり、逃げる1頭と追い立てる3頭だ。

 

この森には元々、叫びの噂などなかった。

最近になって発生した事案である。

つまりシュリーカーはどこかから森に紛れ込んだ新参者だ。

 

もし先住者が居るなら怒り狂っただろう。

縄張りを荒らされたというだけの話では済まない。

シュリーカーは四六時中呪いを撒き散らしているのだ。

移住者としては最低最悪の部類に入る事はまず間違いない。

なんとしてでも殺さねばならぬと、狼達がそう思っても不思議はなかった。

 

 

 

情報一部判明
森林の ?い シュリーカー
??????

??のステータスが1D6弱化

敵対者が配置される

 

 

 

それでもシュリーカーに大きな力があれば返り討ちに出来たのだろう。

だがどうやらこの森の個体はそう強くもない。

ともすれば、追跡者に追い付かれて今度は自分の喉を破られかねないほどに。

 

あなたはなんとなく、シュリーカーの発見例の少なさと、その記録の曖昧さの理由がわかった。

 

そも、この魔種は生態が破綻している。

狩りにおいて、無差別に撒き散らされる呪いは一見脅威に思える。

だが裏を返せば、それは無差別に敵対者を作り出す行為に他ならない。

呪いで敵対者が死ぬのが先か、追われて力尽きた己が死ぬのが先か、ひどい綱渡りの生き方だ。

強力な力や才を持って生まれない限り、そう長くは生きられまい。

 

結果、シュリーカーは大半が人の目のない場所でいつの間にか死ぬのだろう。

討伐に出た冒険者の都合など知りもしない。

探索をしている間に叫びが消え、事件は勝手に終わる。

そこを後から現場を歩き回り、見つけたそれらしき死骸を持ち帰って『おそらくこれがシュリーカーなのではなかろうか』との報告がなされるわけだ。

これでは情報が曖昧にもなるわけである。

 

 

 

今回もそうなる可能性は低くないかもしれない。

 

あなたは西を見た。

シュリーカーの足跡の上には、新たに狼達の足跡が残っている。

時をかけすぎれば彼らは怨敵に追い付き、その喉笛に牙を突き立てかねない。

そうなれば、あなたは狼に似た死体を探し出し、おそらくこれが……と村に報告するしかなくなるだろう。

 

木々の隙間から空を見上げれば、太陽は中天に近付きつつある。

シュリーカーの逃走がいつまで続けられるかはわからない。

確実にシュリーカーが森から消えたと証明するには、早急な対処が求められていた。

 

 

 

絶対条件は、最低限、狼達がシュリーカーを殺す前に発見する事。

必ずしもあなた自身で殺す必要はないが、シュリーカーを特定する前に殺されては依頼は完全に成功したとは言えない。

 

その手段としては、追いつくか待ち伏せるか。

あるいは狼達をあなたが殺してしまい、それからゆっくりとシュリーカーを探すか。

 

他には──

 

 

 

判定内容ひらめき
判定方法2D6+精神SB

9以上で成功/やや難

判定結果2D6+5=13(成功)

 

 

 

──と考えて、あなたは閃いた。

 

また鹿へと振り返る。

シュリーカーはこの鹿を発見して襲い掛かった。

状況からそれはおそらく間違いない。

ここでひとつ疑問が起こる。

 

()()鹿()()()()()()()()()

 

森の北から中央の泉に来る。

これは分かる。

シュリーカーの声は初め、北から響いていた。

ならば逃れるために南下するのは自然な事だ。

 

だがその後、どうして北へ戻ったのか。

 

村人の話では、呪いを受けたなら頭の中で叫び声がこだまし続けるという。

そのような症状に見舞われれば、獣とてシュリーカーの叫びが自身の衰弱の原因とわかりそうなものである。

この鹿の行動は不自然に過ぎた。

 

そもそも、シュリーカーがここで鹿を狩り腹を満たせた、その事実さえ余りにシュリーカーに都合が良い。

 

たまたまかちあったとでもいうのだろうか?

ちょうどよく弱った食べ頃の鹿と、腹を破って内臓を貪っても敵に追い付かれないタイミングで。

……偶然と考えるには出来すぎている。

それよりは、シュリーカーには特殊な能力が備わっていると考えるのが自然ではないだろうか。

例えば、呪いで十分に弱った獲物を操る事の出来るような。

 

 

 

技能判明/シュリーカー
『束縛:呪詛』

『呪詛』状態の生物のHPと居場所を常に把握する。

『呪詛』状態でHPが10%以下になった対象の行動を、自身に都合の良いものに強制変更する。

 

 

 

これはシュリーカー捜索に利用出来るかもしれない。

もし呪いを受けた獣を発見し、弱らせる事が出来れば、シュリーカーの移動先を誘導できる可能性がある。

つまり、罠を張っての待ち伏せが可能という事だ。

 

ただもちろん、そんな獣を見つけられるかは運が絡む。

自分の足で走って追った方が早かった、などという結果に終わる事もあろう。

結局はあなたの判断次第だ。

 

 

 

シュリーカーの叫びは、今は森の西から聞こえている。

 

どうすべきか。

あなたは素早く思考をまとめた。

 

 

 

名前(あなたが自由に決めて良い)
職業神官

 

HP36/36
MP17/17

 

筋力8SB=2
耐久14SB=4
敏捷9SB=3
器用7SB=2
感覚12SB=4
知識14SB=4
精神16SB=5
幸運9SB=3

 

装備性能
メイス+1『2D6+筋力SB』の物理ダメージ

命中力+1

バックラー+1防御成功時、

物理ダメージを『耐久SB』軽減

防御成功率+1

 

特殊技能詳細
重撃攻撃命中時、『朦朧』判定

クリティカル時、『朦朧』確定付与

信仰秘蹟の使用権を得る
治癒初歩の秘蹟、消費MP5。

肉体をあるべき姿に戻す。

『1D6+精神SB』のHP回復。

守護初歩の秘蹟、消費MP3。

肉体があるべき姿を保つ力を強める。

『精神SB』だけ全ダメージを軽減。

効果時間は1戦闘。

賦活初級の秘蹟、消費MP5。

肉体と魂をあるべき姿に引き戻す。

状態異常を回復。

 

アイテム詳細
チェインメイル1度だけ死亡を回避

 





【選択肢】

声をまっすぐ追っていく
移動先を推測して先回りする
狼達を殺す
森の北、今の場所で待機する
森の東を探索する
森の西を探索する
呪われた獣を探す

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