読者参加型TRPG風小説   作:矢端トラム

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【お知らせ】

聖域の効果に、使用条件の記載漏れがありました。
修正された内容は以下のものになります。
(前話までの部分も修正済)

秘蹟習得
『聖域』
初級の秘蹟、消費MP6。
小規模な聖火を顕現させる
休息中に以下の効果
通常のランダムエンカウント停止
環境によるダメージと休息妨害を無効化
時間経過により回復する状態異常を確定回復
HP&MP回復判定のダイス数が1増加
休息が終了/中断した時、効果終了




【お知らせ2】

前話の描写に一部漏れがありました。
以下の2点です。

村人達は祭壇を訪れた帰りだった
インプの痕跡は新しく、まだ湖周辺に居ると分かる


投票結果にはおそらく大きな影響はないと思われるため、このまま続行します。
大変失礼しました。



【投票結果】

→ 半島の大蛇を訪ねる



クエスト『湖畔の ???る インプ』(2/3)

 

 

 

あなたは湖に突き出した半島に向き直ると、そちらへ歩き始めた。

 

半島には翠緑の鱗持つサーペントの巣が存在する。

まずそこに赴き、大蛇に接触するべきだとあなたは判断した。

インプ討伐のために有効な手だと、そう考えたためである。

つまりは協力要請ということになる。

 

本来、これは効率的とは言えない。

サーペントは基本的に人間に対して関心がなく、言葉も通じない。

相手の機嫌が特別に良いか、よほど質の良い供物でも持参するか。

もしくは以前に恩でも売ったか。

そのどれかでない限りまともに相手にもされないだろう。

 

しかし、今回ばかりは話が異なる。

 

古来より蛇は創世の四神の遣いとされている。

水に棲むサーペントとくれば水神ニムストゥルの御子の血筋、神の末裔とも言われる神獣だ。

 

そんな存在が、ニムストゥルの眷族たる魚を歪め己の尖兵として扱うインプを、果たしてただの獣と放置するだろうか。

 

インプがいるぞと教えたならば、積極的な協力を得られる可能性は高い。

あなたはそう睨んだ。

 

 

 

そうして、まずは半島の根元に到着する。

 

神獣なだけはあり、開拓村の住民も時折捧げ物をしている。

主に狩りの獲物が多く獲れた時や、季節の節目などにだ。

そのために道はある程度整えられている。

 

 

 

判定内容探索
判定方法2D6+感覚SB

7以上で成功/普通

判定結果2D6+4=13(成功)

 

 

 

と、そこであなたはある物を見つけた。

 

背嚢である。

いわゆる背負い鞄だ。

特に珍しい形ではなく、村でも良く見るデザインである。

というより、村人達が使っているそれそのものだ。

 

おそらく捨てていったのだろう。

今も教会で寝込んでいるはずのあの若者が毒で倒れた時、連れ立った者が彼を担いで村まで走ったとあなたは聞いている。

その際に邪魔になった背嚢はここに捨て置いたという事に違いない。

 

あなたはそれを探った。

彼らはサーペントに会った帰りだったという話だ。

用件が済んだ後ならば大した物が入っているとも思えないが、もしかしたら余った供物が残っている可能性もある。

 

背嚢に荒らされた形跡はなく、中身があるならそのままになっているはずだ。

もしかしたらサーペントが満腹だったために受け取られなかっただけの、良質な供物が入っているかもしれない。

 

 

 

判定内容アイテムの品質向上
判定方法2D6+幸運SB

11以上で成功/難

判定結果2D6+3=6(失敗)

 

 

 

が、どうやら世の中そんなに甘くはない。

出てきたのは幾らかの保存食だけだ。

村の冬を支えた干し魚の束である。

量はあるので捧げ物にと持参したのだろうが、自前でいくらでも魚を獲れるだろうサーペント相手には少々弱く、受け取ってもらえなかったと思われる。

 

多少の足しにはなるかもしれないが、機嫌を取るには目が薄い。

残念ながらこれが現実だ。

 

ともかく、あなたは背嚢を荷物に加えた。

無いよりはマシであろうし、村に持ち帰って元の持ち主に渡す必要もある。

背嚢の素材は羊の皮だ。

もう使えないほどに破れたならばまだしも、無事に原型を保っているなら無駄にすべきではない。

 

 

 

やむを得ず、最低限の供物だけを手にあなたは道を進む。

半島はそう大きなものでもない。

大蛇の祭壇まではそう時間もかからなかった。

 

 

 

こんもりと盛り上がった半島の坂を登る。

 

半島に密生する広葉樹は春らしい柔らかな葉をつけていた。

涼しい風にさやさやと枝葉を揺らし、心地良い音を奏でている。

足元は毎年落ちた葉が朽ちて積もった土で、柔らかく歩きやすい。

 

そんな道の先に、それは居た。

 

巨大な蛇であった。

サイズとしては人間ぐらいならば丸呑みにできそうなほどはある。

 

昨年は病に倒れたというが、今はもう快癒しているようだ。

濡れたように艶めく翠緑の鱗が木漏れ日に照らされて輝いていた。

長く太い体はとぐろは巻かず、木々の隙間にねじ込むようにうねりくねり、ゆっくりとした呼吸に合わせて波打っている。

 

そして、つぶらながらもどこか眠たげな瞳はぼんやりとあなたに向けられる。

ただしやはり、あなたに興味があっての事とは思えない。

人の言葉にするならば『なんだ人間か』程度のものだろう。

 

実際、サーペントの目はあっさり逸らされ、平たい頭は『よいしょ』と声が聞こえそうな動きで地面に下ろされた。

まるっきり昼寝の体勢である。

蛇にまぶたは無いため目は開いたままだが、そこにあなたはもう映ってはいまい。

 

警戒はされていないが、相手にもされていない。

あなたはそう理解した。

 

それでも、来た以上は出来る事をやるべきだ。

あなたは大蛇の前にある祭壇を軽く手で払って整え、その上に供物を乗せていく。

サーペントはピクリと目を動かし、二股に別れた舌をチロチロと出し入れした。

 

 

 

判定内容サーペントの反応
判定方法2D6+供物の質

10以上で成功/難

供物Lv1/『+2』

判定結果2D6+2=8(失敗)

 

 

 

……そしてすぐにやめた。

舌は引っ込んだままになり、ため息のような深い呼吸の後に祭壇を見る気配も無くなる。

 

干し魚はお気に召さなかったらしい。

正攻法で彼女──産卵した事から雌とわかっている、なお無精卵だったようだ──の気を引くには、もっと良質な供物が必要なようだ。

 

 

 

ただ、今回は正攻法以外の手段がある。

 

あなたは祭壇の横を抜け、サーペントへと近付いた。

何か用かと、あなたの胴ほどもある大きさの頭が持ち上げられる。

 

そこに警戒は感じられない。

良くも悪くも人間に関心がない存在である。

こちらが何もしなければ何も返さず、こうして近寄る程度ならば大きな反応はない。

馴れ馴れしくその鱗を撫でるなどして不快を感じさせれば、相応の報いは覚悟せねばならないだろうが。

 

もちろん、あなたはそんな事はしない。

代わりにあるものを掌に乗せて差し出す。

道中で新たに見つけて採取しておいた、毒の果実だ。

 

 

 

判定不要

確定成功

 

 

 

反応は劇的だった。

 

舌を覗かせる事、数度。

それで毒の気配を察知したのだろう。

気怠げに眠気を見せていた姿は一瞬で消え去った。

 

ずん、と足元が揺れる。

見れば大蛇の尾が不快感をあらわに地面に何度も叩き付けられていた。

その度に土はえぐれて吹き飛び、周囲の木々を汚している。

 

また、横たわっていた体の半分ほどが持ち上げられた。

大口が開き、鋭く長い牙は剥き出しに、見る者に死を覚悟させる形相へと変じていく。

 

 

 

幸いな事に、その怒りの矛先はあなたではない。

蛇身から迸る殺意は、あくまであなたが差し出した果実に向いていた。

 

怒れるサーペントはシュウシュウと威嚇音を上げながら這いずり、祭壇の供物を飲み込んだ。

言葉が通じないなりの意思表示であろう。

利を得たなら、利を返す。

サーペントの人間に対する対応は通常そのようなものであり、定型に沿う事であなたに協力すると示してみせたのだ。

 

その次にあなたに頭を寄せた。

そして、鼻先から強く息を吐く。

吐き出された吐息は霧状となって滞留し、あなたへとまとわりついた。

 

 

 

判定内容神獣知識
判定方法2D6+知識SB

6以上で成功/普通

判定結果2D6+4=10(成功)

 

 

 

その効果を、あなたは神官として当然知っていた。

 

この霧はサーペントの感覚器として機能する。

目、鼻、あるいは耳としてだ。

水神の末裔としての、水に関連する権能として伝えられている。

 

これであなたがインプと遭遇すればサーペントは即座に気付く事が出来る。

湖畔という環境において水の権能から逃れ得る場所があるとも思えない。

戦闘が始まったなら、本体が遠く離れていたとしても彼女は即座に援護を始めるはずだ。

 

 

 

端的に言って、インプは現れた場所があまりにも悪すぎた。

四神の恩寵を汚す者が、よりにもよって水神の縁者、神に直接連なる獣が巣を張る湖を訪れるなどほとんど自殺に等しい。

まだ生きていると思われる以上、この半島には近付かないだけの頭はあったようだが。

 

サーペントはその身をくねらせて移動すると、祭壇の奥、湖に突き出した崖から水中へと飛び込んだ。

彼女の最大の武器は水であるはずだ。

剣をいつでも抜けるよう鞘に手をかけた、そういう行動と同じものと見て良い。

 

大きく水飛沫が上がった後、半島には静寂が戻った。

だが湖の主が残した怒りの跡は、地に大きく刻まれている。

 

 

 

すべき事はこれで済んだ。

もうここには用はない。

あなたは踵を返し、祭壇を後にする。

 

 

 

坂を下り、再び湖のほとりへ。

広葉樹は姿を消し、砂上を這う低木ばかりとなった。

寄せては返す波の音の中、あなたは周囲を警戒して視線を回す。

 

 

 

判定内容探索
判定方法2D6+感覚SB

7以上で成功/普通

判定結果2D6+4=15(成功)

クリティカル

特殊処理ダミーの探索判定のため、

クリティカル特典なし

 

判定内容隠密(インプ)
判定方法2D6+敏捷SB(インプ)

あなたの探索出目以上で成功

???る補正『+4』

判定結果2D6+7=12(失敗)

 

インプ判定失敗によりシークレットダイス状態解除

 

 

 

その時だ。

あなたは湖畔の風景の中、一ヶ所にふと違和感を覚えた。

 

茂みの中に埋もれるように、景色が歪んでいる部分がある。

まるで透明なガラス細工の彫刻がそこに置いてあるような、そんな歪みだ。

そしてその輪郭に目を凝らせば、羽の生えた赤子ほどの大きさの生き物が這いつくばっているように見える。

 

インプだと、あなたは確信した。

 

どうやらつけられていたようだ(前話シークレットダイス)

こそこそついて回り、奇襲するつもり(エンカウント判定失敗済)だったに違いない。

 

 

 

特殊条件判明
湖畔の 這い寄る インプ

隠密補正『+4』

行動基準の狡猾さが上昇

 

 

 

なるほどと、あなたは納得したかもしれない。

どうやらこのインプは自身の身を隠す魔術も操るようだ。

そのためにこれまでサーペントにも見つからずに済んでいたのだろう。

あるいは、この能力を頼りに大蛇の縄張りで人を害する事で、水神の威光を穢そうとでも思いついた線も濃い。

 

どうやら逃がすと面倒な事になりそうである。

視界に捉えている今は問題ないが、一度見失えば次も発見できる保証はない。

 

 

 

判定内容演技
判定方法2D6+精神SB(あなた)

2D6+感覚SB(インプ)

比べ合い/大きい方が勝利

判定結果2D6+5=16(あなた)

2D6+2=12(インプ)

 

 

 

幸い、あなたが気付いたという事実に、インプはまだ気付いていないようだ。

透明で確認はしづらいながらも、その口元がニタニタと笑みを作っている事がわかる。

あなたをつけ回して忍び寄り、背中に取って置きの魔術を撃ち込む瞬間を夢想でもしているのだろう。

 

どうすべきか。

あなたは辺りを見渡す演技を続けながら考えた。

 

 

 

まず簡単に思いつくのはふたつだろう。

気付いてない振りを続けたまま、近付くかおびき寄せるかだ。

どちらも成功すれば見返りは大きいだろう。

 

前者、近付く方は相手を油断させたまま射程に捉えられる。

そのまま網に捕えてしまえば終わりだ。

ただし、そこに至るまでには当然演技が必要だろう。

 

後者、おびき寄せる方は大した演技はいらない。

適当に辺りの探索を続け、ある程度時間が経った頃に休憩してみせるだけだ。

気を抜いたと相手が判断して奇襲を仕掛けてきた時、狩人が最も無防備となる瞬間に逆撃を見舞わせてやれば良い。

もちろん、攻撃の気配を正確に察知する必要はあるが。

 

あるいは、一気呵成に駆け寄り勝負を決める手もある。

多少の距離はあるが、相手が油断している今、不意打ちの形にはなる。

分の悪い賭けではないはずだ。

 

はたまた、この場から網を投げ放つのも有りだろうか。

距離の分だけ精密な手先の動きが要求されるが、相手は地面に這いつくばっている。

飛んでいないインプになら命中させられる目もあろう。

 

いずれを選ぶにしても、今のあなたには援護のあてがある。

戦闘にまで持ち込めたなら逃さずに勝利を得るのは容易いと思われる。

 

 

 

……そして、身も蓋もない事を言ってしまえば。

一番楽で確実なのは、今この瞬間にインプを指差して『そこに居る』とあなたが纏う霧に教えてしまう事だ。

次の瞬間には湖の主サーペントの権能による、秘蹟の力に似た回避不能の一撃がインプに襲い掛かるだろう。

 

おそらくはそれで終わりだ。

あなたが何をするまでもなく、討伐は達成されるに違いない。

サーペントがその実力を発揮した様をあなたは見ていないが、神の末裔とはそういった存在だ。

相手が神敵でさえなければ手を抜いた攻撃で済む可能性もあるが、祭壇で見せた怒りを思えば、インプに与えられる慈悲はどうやら無い。

 

経験よりも、確実な依頼達成(入手経験点-1)を望むならそうすると良い。

 

 

 

名前(あなたが自由に決めて良い)
職業神官

 

HP36/36
MP17/17

 

筋力8SB=2
耐久14SB=4
敏捷9SB=3
器用8SB=2
感覚12SB=4
知識14SB=4
精神17SB=5
幸運10SB=3

 

装備性能
メイス+1『2D6+筋力SB』の物理ダメージ

命中力+1

バックラー+1防御成功時、

物理ダメージを『耐久SB』軽減

防御成功率+1

 

特殊技能詳細
重撃攻撃命中時、『朦朧』判定

クリティカル時、『朦朧』確定付与

信仰秘蹟の使用権を得る
治癒初歩の秘蹟、消費MP5

肉体をあるべき姿に戻す

『1D6+精神SB』のHP回復。

守護初歩の秘蹟、消費MP3

肉体があるべき姿を保つ力を強める

『精神SB』だけ全ダメージを軽減

効果時間は1戦闘

賦活初級の秘蹟、消費MP5

肉体と魂をあるべき姿に引き戻す

状態異常を回復

聖域初級の秘蹟、消費MP6

小規模な聖火の結界を顕現させる

休息中のみ以下の効果

通常エンカウント停止

環境ダメージと休息妨害を無効化

一部状態異常を即時回復

回復判定ダイス数+1

 

アイテム詳細
チェインメイル1度だけ死亡を回避
投げ網インプを捕えるための投擲具
解毒剤:インプ毒インプによる猛毒を回復

 





【選択肢】

気付いていない振りで近付く
相手の奇襲を誘い、逆に不意を打つ
全力で駆け寄って勝負を決める
この場から網を投げ放つ
サーペントに攻撃を要請する

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