読者参加型TRPG風小説 作:矢端トラム
村から目的地である草原までは、そう遠くはなかった。
早朝に出立し、到着しても日は未だ中天にはほど遠い。
迅速に事が運んだならば、ゆっくりと帰路に着いたとしても日暮れ前に悠々と宿に戻れるだろう。
さて、草原に辿り着いたあなたはまず周囲を良く見渡した。
そこは、いかにもな『草原』であった。
起伏の少ないなだらかな丘陵が、遠く霞んで見える山々のふもとまで広がっている。
前日から空もよく晴れているおかげで、地面が湿り気を帯びている事もない。
歩きやすく走りやすい、激しい戦闘にも支障のない土地と言えた。
草の高さは宿で聞いた通りである。
村に近いあたりはザックリとではあるが刈り取られ、足首から膝ほどの高さだ。
奥へと進むほどに背は高くなっているが、それも腰よりは低い。
これでは大型の獣が潜むには向かないだろう。
居るとしても蛇や狐、最大で狼といったところか。
少なくとも熊ほどの体躯ならば遠目での発見も容易いに違いない。
また、ここからでは良く見えないが、その途中には幾本かの川が流れているともあなたは聞いている。
村の外れに流れ込んでいる太い川の、支流なのだそうだ。
それらは川とはいってもごく細いもので、せいぜい小魚が住む程度であるらしい。
水棲の獣や魔種が現れる心配はいらないだろう。
おおむね、のどかな平原そのものだ。
一面の緑に、ところどころ季節の花が彩りを添えている。
何も知らずに立ち入ったならば、ここを魔種の領域とは思う者は少ないのではないだろうか。
もしあなたがのんきな性質であるならば、小一時間ほど休憩したい衝動に駆られたかも知らない。
とはいえ、あなたはここにピクニックに来たわけではもちろんない。
この草原のどこかに、魔種が潜んでいるはずなのだ。
レッドキャップ。
殺戮に飢えた獰猛な狩人が、今この時草むらから飛び出てこないとも限らない。
素人ならばいざ知らず、冒険者を志すあなたがまさかそれほど程度の低い油断などするわけもない。
あなたはいつ何が起こっても対応できるようメイスと盾を握りながら、草原をもう一度、今度は標的の痕跡を探すために念入りに眺め回した。
| 判定内容 | 追跡 |
| 判定方法 | 2D6+感覚SB 7以上で成功/普通 |
| 判定結果 | 2D6+3=10(成功) |
すると、あなたの目にあるものが捉えられた。
草の中に埋もれるように存在する、赤黒い何かである。
もしかすればレッドキャップに関係するものであるかも知れない。
あなたは周囲にしっかりと警戒を向けながら、そちらへと近付いていった。
果たして、そこに横たわっていたのは……。
| 判定内容 | 生物知識 |
| 判定方法 | 2D6+知識SB 12以上で成功/困難 |
| 判定結果 | 2D6+3=11(失敗) |
……それの
そこに転がっていたのは、骨と肉と血の混合物としか呼べないものだった。
動物の死骸と呼ぶ事にすら違和感を覚えるだろう。
それほどまでに原型を破壊された、かつて生きていたらしい何か、である。
余りにも惨い有様だ。
喰らうために狩るのであればこうはならない。
遊ぶように、肉を裂き骨を断つ感触を楽しむために。
つまり殺すために殺したのだと、あなたには一目でわかっただろう。
魔種、時にモンスターとも呼ばれる生き物は数多いが、これほどの残虐性を持つものは限られる。
あなたが標的とする、レッドキャップの仕業と考えて間違いない。
| 判定内容 | 精神の鎮静 |
| 判定方法 | 2D6+精神SB 7以上で成功/普通 |
| 判定結果 | 2D6+4=12(成功) |
ならば、これは有力な手がかりだ。
凄惨極まる死に様。
辺りに充満する死臭。
死にたかりうるさく飛ぶ羽虫。
それらに惑わされる事なく、あなたは肉塊のそばにしゃがみ込み、観察を続ける。
肉塊の周りには、当然のように大量の血が飛び散っていた。
あなたが近付き足を下ろしただけで、ニチャリと耳障りな音を立て、不快な感触が足裏に伝わる。
そして、それだけでも大きな情報であった。
血が、まだ乾ききっていないのだ。
半ばの確信と共に、あなたは肉塊を見つめる。
そこにウジの類はまだうごめいていない。
手を伸ばしかきわけたならばまだ温もりが残っているのではないかとあなたには思えたかも知れない。
つまり、この肉塊はまだ死にたてなのだ。
レッドキャップは、どうやらそう遠くない所に居るようだ。
あなたは観察を終え、その場に立ち上がり、情報をまとめた。
どうやら今回のレッドキャップは、実にレッドキャップらしい個体のようだ。
少なくとも……『大人しい』『穏やかな』などといった文言とはまるで縁が無いだろう。
硬いはずの骨までが粉々に砕かれている事から、膂力も同種の平均以上はありそうである。
『弱い』個体でもなさそうだ。
肉塊が残された現場からは、良く見れば血液で作られた足跡が草原の奥へと続いている。
これを辿ればレッドキャップはあっさりと見つけられるかも知れない。
ただし、それは上手く追えたならの話だ。
血の足跡は当然、距離を進めば薄れていくだろう。
途中で見失ってしまえば、逆に草むらに潜んだレッドキャップから奇襲を受ける恐れもある。
他には、単純に待つ事も考えられる。
レッドキャップの残虐さはあなたが今見た通りだ。
こんな現場を作り出せる精神性の持ち主が、『遊び』を我慢できるとは到底思えまい。
遠からず、また草原のどこかで獲物を探すはずだ。
それを待ち、お楽しみに夢中になったところに襲い掛かるのはひとつの手だ。
その場合、囮となる獣でもあればなお良いだろう。
兎でも鹿でも狐でも、それこそ何でも良い。
脚のひとつでも砕いて手負いにさせて転がしておけば、血と悲鳴を愛するレッドキャップにとっては垂涎のご馳走だ。
ただし、獣を上手く捕えられず時間と体力を浪費する可能性や、見つけた獣の種類によっては狩りの最中に思わぬ反撃を受ける可能性も考慮すべきだ。
あるいは、大胆に自らを囮とするのも有効かも知れない。
適当に切り傷でも作り、血の臭いを漂わせながら歩き回れば、レッドキャップがおびき出される可能性は恐らく低くない。
戦闘は真っ向からの遭遇戦となるだろうが、相手は秘蹟に弱いレッドキャップであり、あなたは秘蹟の使い手だ。
あなたの優位はそうそう揺らぎはしないはずである。
どうすべきか。
あなたはその場でしばし考えた。
| 名前 | (あなたが自由に決めて良い) |
| 職業 | 神官 |
| HP | 36/36 |
| MP | 17/17 |
| 筋力 | 7 | SB=2 |
| 耐久 | 13 | SB=4 |
| 敏捷 | 9 | SB=3 |
| 器用 | 6 | SB=2 |
| 感覚 | 9 | SB=3 |
| 知識 | 11 | SB=3 |
| 精神 | 12 | SB=4 |
| 幸運 | 8 | SB=2 |
| 装備 | 性能 |
| メイス | 『2D6+筋力SB』の物理ダメージ |
| バックラー | 防御成功時、 物理ダメージを『耐久SB』追加軽減 |
| 特殊技能 | 詳細 |
| 信仰 | 秘蹟の使用権を得る |
| 治癒 | 初歩の秘蹟、消費MP5。 肉体をあるべき姿に戻す。 『1D6+精神SB』のHP回復。 |
| 守護 | 初歩の秘蹟、消費MP3。 肉体があるべき姿を保つ力を強める。 『精神SB』だけ全ダメージを軽減。 効果時間は1戦闘。 |
あなたの行動は?
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足跡を追う
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身を潜めて待つ
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獣を囮にして待つ
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自分を囮にして歩き回る
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まだ情報が足りない、探索を続ける