読者参加型TRPG風小説   作:矢端トラム

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中々切るところがなくて1日遅れました



【投票結果】

→ 武器をしまって無害を装いながら近付く



エピッククエスト『湿原の 戮力の 調査任務』(6/8)

 

 

 

「マジか。……や、まぁ確かに目はある、か。なんでもかんでも噛みついてくって感じではねぇしな」

 

あなたの言葉に野伏は目を見開いて驚いた。

が、やや考えて納得する。

 

水牛とヒューリクの群れに獰猛さは感じないと野伏は言った。

それを信じるならば害意なく近付いたぐらいでは即座に攻撃を受ける事はないだろう。

初めに警告、次に威嚇、そして最後に実力行使。

それが最もありえそうな展開ではなかろうか。

 

自分達を無害な動物とアピールしながら、なんとなく通り過ぎて川へ向かう。

そんな試みに大きな危険はおそらく伴わない。

ならばやってみる価値はあるとあなたは考えた。

 

 

 

あなたは早速そのための準備を始めた。

握っていたメイスを腰に戻し、金属部を布で覆う。

光の反射で余計な刺激を与えないためだ。

バックラーなど他の荷物にも同様の処置を行う。

 

野伏もまた、あなたの決定に従った。

ダガーを仕舞い、弓を隠し、いかにも無害そうな柔らかい外見の動物を装う。

 

「へへ、いっちょ度胸試しといくか」

 

そうしているうちに覚悟も決まったのか。

野伏の四肢からは硬さが抜けている。

これならば余計な緊張から何かミスを起こす事もないだろう。

 

互いに外見を確認しあい、対策に抜けがない事を確かめてから、あなた達はゆっくりと歩を進める。

 

 

 

草地に生える植物はどれもそう背が高くない。

普通に歩けば姿を隠してくれるものはなにもなく、あなた達が群れに発見されるまでは少しもかからなかった。

 

「──?」

 

ピクリ、と。

耳を震わせて顔を上げたのはまず、1頭のヒューリクだった。

千切った草を咀嚼しながらあなた達を見つめ、長い水の尾を揺らしている。

 

あなたはそれに対し、一度立ち止まった。

重要なのは与える刺激を極力減らす事だ。

 

何もしない。

害意はない。

自分達はここを通りたいだけなのだと、態度と気配をもって主張する。

 

それが伝わっているかどうかはわからない。

彼我の距離はまだ遠い。

馬の表情に浮かぶ感情がどのようなものかを読み取るには、今少しの接近が必要だろう。

 

 

 

ジリジリと、あなた達は進んだ。

今殺すべきは己の中の緊張である。

硬い心は身を強張らせ、それは相手から敵意とみなされかねない。

 

「……ふぅ。普段こんな事しねぇから、なかなか慣れねぇな。いつもは隠れたりなんだりだからよ。細い体ってのも案外便利がいいんだぜ」

 

そのためには多少の軽口も有効だ。

言葉と共に不要な力みが吐き出されてくれる。

 

そんな風に距離を詰めること、しばし。

相手があなた達に気付いた時から比べ、距離は半分ほどまで近付いた。

ヒューリクはもう草を食むのを止め、じっとあなたの動向に注意を払っている。

 

そうして。

あなたがまた立ち止まって様子を窺い始めた時だ。

 

 

 

判定内容固定エンカウント(数)
判定方法1D4
判定結果1D4=1

 

 

 

ヒューリクのうち、1頭が動いた。

 

「ブルルルッ」

 

最もあなた達に近かった個体である。

鼻を鳴らし、蹄を石に打ちつけ、音を立てた。

さらには長い尾が地面を数度叩き、鋭い音色が草地に響く。

 

 

 

判定内容対象の観察
判定方法2D6+感覚SB(野伏)

8以上で成功/普通

判定結果2D6+6=15(成功)

 

 

 

警告か、威嚇か。

それとも攻撃の事前準備か。

 

「いや、多分どれでもねぇ。大丈夫だ。今の所はまだな」

 

正解はおそらく野伏の言通りだ。

どれでもない。

 

ヒューリクの立てた音に反応したのは水牛達であった。

どれもが顔を上げ、ヒューリクに意識を向けている。

言葉にするなら『なんだなんだ?』といったところか。

慌てた様子はなく、草地にどっしり座り込んでいた個体がのっそり起き上がった程度。

 

発されたのが警告や威嚇であったなら、もう少し様相が違うはずだ。

仲間内に対する、ちょっとした異変の知らせ。

そんなところだろう。

 

 

 

それはヒューリクが見せたその後の動きにも現れている。

先ほど音を発したヒューリクがあなた達へと接近を始めた。

走ってでもなければ、耳を寝かせて怒りをあらわにするでもない。

警戒は当然しているようだが、それ以上のものではなさそうだ。

あなた達を全方向から眺めるように、距離を取って周囲を大きく回っている。

 

あなたは身を低くし、相手の動きを待った。

繰り返しになるが刺激を与えてはならないためだ。

 

群れには文句も害意もない。

用があるのは川だけで、何もする気はないのだと。

 

 

 

近くで見るヒューリクは、水牛同様体格が良かった。

野生馬らしい頑丈な骨格の上に分厚い筋肉が乗っている。

特に発達しているのは腰と尻だ。

 

「ブフルル……」

 

小さないななきと共に尾が揺れる。

草地の表面を払うように振られたそれは、パシッパシッと鋭い音を奏でた。

 

おそろしく長い尾である。

尾の根元から先端までの長さは、頭から尻までと比べておよそ2倍以上。

にもかかわらず自在に細かく動くようで、先ほど見たように感情表現や仲間への指示にも用いられるようだ。

 

おそらく攻撃にも利用できるだろう。

尾に生えた毛は水で出来ているが、その芯となる部分には骨と筋肉が感じられる。

速度もそれなりにあり、鞭として使われたなら、受け方を間違えれば人の骨程度は容易く折れそうだ。

腰と尻の発達ぶりはこの尾を持つがためと思われる。

 

 

 

そして、だからこそだろうか。

ヒューリクの背中、そこに生える謎の植物があなたには妙に思えた。

 

まるでラクダのコブのような形の木の根だ。

それが前後にひとつずつ、つまりはフタコブとなっている。

根が張っているのは体表の浅い部分、毛皮と脂肪あたりまでのようだ。

そして、そこから伸びた指ほどの太さの蔓が顔と頭に絡む。

 

機能の目的、肉と骨の連なりが理解しやすい尾と違い、随分と不自然な部位だった。

むしろ邪魔そうですらある。

実際、ヒューリクは時折()()()()()に小さく頭を振っている。

立派な2本の角に絡み、結び目までできている蔓が特に鬱陶しいようだ。

 

 

 

判定内容対象の観察
判定方法2D6+感覚SB(野伏)

8以上で成功/普通

判定結果2D6+6=10(成功)

 

判定内容ひらめき
判定方法2D6+精神SB

10以上で成功/やや難

判定結果2D6+6=9(失敗)

 

 

 

「なんか、臭うな」

 

ヒューリクを眺めて考えていたあなたの耳に、そんな呟きが聞こえた。

スン、と鼻を鳴らして、野伏が眉をしかめている。

そんな彼が目を向けているのはもちろん、ヒューリクである。

 

「腐敗臭……多分あいつからだ」

 

言われてあなたも気付く。

すえたような臭いだ。

ヒューリクの立つ側からそれは流れてきている。

 

それに気付いてよくよく観察してみると、原因らしきものが判明した。

あなたも気になっていた、背中の植物である。

それが根を張っているヒューリクの体表部分が……どうやら腐っている。

 

「寄生種か何かかね。根を張って腐らせてる、のか?」

 

なるほど、ありそうな話ではある。

 

だが、あなたは違和感を覚えた。

それならば放置する理由がない。

長く器用な尾でも魔術でも、自分の背に生えるものを排除する程度はやれそうなものだ。

また、ヒューリクは同種とも水牛とも群れている。

互いに除去し合うことも出来るはずだ。

 

それに、ヒューリクばかりに生えているのも不自然だろう。

単純な寄生植物だとするなら、生活を共にする水牛にも生えていて然るべきではないだろうか。

 

 

 

「っ、くるぞ」

 

思考はそこで中断された。

ヒューリクが大きく動いたためである。

あなた達から一定の距離をたもって円を描いていた動きから一転。

ジグザグと斜めに切り込むようにしながら、ゆっくりとあなた達へ近付き始める。

 

ここが正念場だと、あなたは理解した。

見慣れない存在だろうあなた達が害のあるものか、そうでないのか。

ヒューリクは今まさに判断を下そうとしている。

 

だからこそ、あなたはいっそう体から力を抜いた。

どうあがいてもここから素早く立ち上がり牙や爪を振るうなど出来ない、そんな体勢を取り、敵意を含まない視線で無抵抗を訴えかける。

 

 

 

判定内容意思の疎通
判定方法2D6+精神SB

12以上で成功/難

判定結果2D6+6=13(成功)

 

 

 

通じた、という手応えがあなたの中に生まれた。

 

正面から向き合ったヒューリクの黒い両目に理解が灯ったのを、あなたは確かに感じ取った。

相手がそれを信じたかはわからない。

だが、敵意を抱いていないというあなたの主張はどうやら届いた。

 

「お、おい、大丈夫かこれ、おい……!」

 

その次にヒューリクが見せた行動は野伏を少々焦らせたようだが、あなたはゆっくりと片手を上げる事で意思を示した。

相手のやりたいようにやらせるべきだと。

 

至近にまで接近したヒューリクは、その鼻先であなた達の体を探った。

臭いを嗅ぎ、鼻で押して感触を確かめていく。

自分達よりも大きな、野生の生き物、しかも魔種から行われるそれは自然と恐怖を湧き立たせるものであろうが、あなたの心を怯えに揺らす事はない。

体と荷に与えられる圧を、ただ黙して受け入れる。

 

 

 

判定内容説得
判定方法2D6+精神SB(ヒューリク)

2D6+精神SB(あなた)

比べ合い/大きい方が勝利

異種補正『なし』/意思疎通成功

判定結果2D6+3=9(ヒューリク)

2D6+6=11(あなた)

 

 

 

「ブフゥ……──ィィイイイィン!」

 

鼻息。

後に大きないななき。

そして同時に、高く掲げられた尾が3度草地を強く叩いて泥を跳ねさせる。

 

「ッ!?」

 

野伏を驚かせたそれは、しかし攻撃の予備動作などではない。

 

パンッパンッパンッ、と。

眼前のヒューリクが発したのと同じだけの音が群れの側から返った。

動かずに残り、こちらをこちらの動向を窺っていた3頭だ。

 

そしてそれが合図だったのか。

水牛達がいそいそと移動を始める。

川へ向かってだ。

 

そこからはあっという間の出来事だ。

統率の取れた動きで進んだ群れは川に踏み込んでいく。

だが、水牛の体が水に沈む事はない。

 

音叉のように共鳴して震えるヒューリク達の角から魔術が放たれたようだ。

川水はそれでわずかに流れを変え、水牛へと道を開けた。

前方、歩む先が開き、後方で閉じる。

百を越える群れの全ては、ほとんど水を踏むことさえなくあっさりと川を渡り切った。

そうして、対岸にも存在する草地でまたのんびりと食事を再開している。

 

 

 

「──……プフ」

 

こちら側に残っていた最後の1頭、あなた達に接近していたヒューリクもそちらに合流するようだ。

背を向けて去っていく。

ただしもちろん、何度かあなたへと視線を向ける気配はあったが。

 

危険はおそらくない。

しかし、群れに近付けたくはない。

そういった判断が下されたのだろう。

あなた達にとってはありがたい事に、それで排除に動くのではなく、自分達が移動する事を選んでくれたようだ。

 

群れに食料に困っているような様子はなかった。

余裕があるために、多少譲る程度は問題ないという事だろうか。

ともかく、どうやらこれで川の調査は無事に行えそうである。

 

また、一定程度の脅威度の把握は出来たと思って良いだろう。

大きな刺激さえ与えなければ、水牛とヒューリクの群れを敵に回す事はなさそうだ。

 

 

 

評価点獲得
+1(現在8)

 

 

 

「はは、やれるもんだなぁ……。──? どうした、なんか気になる事でもあったか?」

 

喜ぶ野伏を横に、あなたの中にはまたひとつ違和感が生じていた。

 

ヒューリクはあなた達の体に鼻先を押し付け、探っていた。

その際、あなたはとある事実に気付いている。

 

メイス。

バックラー。

ダガーに弓。

 

ヒューリクが特に念入りに調べていたのはそういった部分ではなかったか。

肉や服とは感触が違うために気になったと言われればそれだけかもしれない。

だがもし、そうではないとしたら。

 

それが意味するところは何だろうか。

 

 

 

その解明は一旦置いておくべきだろう。

今優先してやるべきは川の調査だ。

群れの気が変わらないうちに、また、空いた川辺に別の獣が踏み入る前に、当初の用事を済ませなければならない。

 

 

 

判定内容地理知識
判定方法2D6+知識SB

7以上で成功/普通

判定結果2D6+4=11(成功)

 

 

 

あなた達はまず、川の周囲に存在する砂利から着目した。

それは水流で深く掘られた川に沿うように、なだらかな下りの斜面を作りながら存在する。

 

上流から少しずつ、砕かれ削られしながら運ばれてきたのだろう石達だ。

それはつまり、砂利の存在する部分は定期的に水に沈むという事を示している。

 

「だいぶ広いな。こんだけ川幅が広がるってこたぁ……」

 

野伏の言葉にあなたも頷いた。

現在の川幅は人の足で70歩というところ。

勢いもさほどでもない。

水の中に手を差し込んでも強く流される事はなく、また深さも水牛達の渡河を見るに、平均して人の腹から胸ほどだ。

 

平時ならばいくらでも渡りようはありそうだ。

簡単な船でもどうとでもなり、あなた達ならば荷を頭の上に乗せて歩いて、あるいは泳いで渡る事も可能だろう。

 

しかし砂利の幅は今の川の3倍から4倍はある。

水深の方も倍以上にはなるだろう。

それだけ溢れた時の川水の勢いは推して知るべし。

 

大きく雨が降ればこの川を渡る術はどうやら失われる。

荒れ狂う水の流れに抗って進むのは船ではおそらく不可能だ。

 

橋をかけるにもここは湿原だ。

地盤が弱いだろう事を考えれば、設置にも維持にも想像を絶する苦労があるに違いない。

それならばむしろ先ほどヒューリク達がやったように、複数の魔術師を集める方がまだ手間がかかるまい。

 

 

 

次に、あなた達はほとりから川を覗き込んだ。

 

「流石にこの土地じゃ、流れてるからって澄んでるわけでもねぇか」

 

それはやはり濁り水であった。

灰色と茶色の中間あたり、そんな色の水が流れている。

灰と赤土が混ざっているのだろうか。

 

とはいえ、湿原に存在する他の水、池や沼よりはよほどマシな水質であるはずだ。

濾過して沸かせばおそらく飲用できなくはない。

多少不快な感覚は口内に残るかもしれないが、このような異郷の地では現地で飲み水にありつけるだけでも十分だ。

 

 

 

評価点獲得
+1(現在9)

 

地形効果発生判定
1=熱病判定 2=寄生判定 3-6=判定なし

(ボーナスにより発生率低下)

 

1D6=3(判定なし)

 

 

 

そうしてそれから、あなた達はさらに川を調べた。

互いにロープで腰を結び、何事かあれば引き寄せられるようにしてだ。

水中から突如、例えばアイアンシザーのような怪物が飛び出して片方が攫われたとして、すぐに異変を察して対処できる形である。

 

 

 

あなたはまず、水に手を浸して呼びかけた。

魚に対してである。

この川に存在するかどうかはわからないが、居るならばまさか魚が人に応じないわけもない。

 

そして、反応はあった。

パシャパシャと水音を立て……なんと数匹の魚が陸へと上がってくる。

 

驚いた事に、それは地上でも呼吸を行えているようだ。

まんまるの口をハクハク開閉して、あなたを見上げている。

そこに苦しげな、無理をしている様子は全くない。

 

初見の種である。

ヌメヌメとした鱗のない体の側面からは片側2枚ずつ、計4枚のヒレが伸びていた。

長く太く立派なそれはまるで四肢のようだ。

他には口元から生えたヒゲ状の、おそらく感覚器官も特徴的。

 

彼らはヒレをまさしく手足のごとくに扱い、あなたに近付いた。

個々の大きさは掌に乗せれば尾ビレがはみ出る程度。

多少集まれば十分にあなた達の腹を満たしてくれるだろう。

 

ただ、今はまだ良い。

居るかどうかを確かめたかっただけだとあなたが告げれば、魚達はまた川へと戻って行った。

その中の2匹ほどはヒレで器用に水底の泥を掘り、埋まっていく。

外敵から身を隠すためだろう。

また、川が荒れれば深く潜ってやり過ごすのだろうとも想像がつく。

そういう生態らしい。

 

 

 

どうやら人類にとって有益な川だ。

もし西征の際に湿原が選ばれたとして、溢れる川水にさえ注意すれば補給が行えるだろう。

なんなら、川近くの草地に陣を張る手もあるかもしれない。

水牛やヒューリクとは交渉めいたやり取りは必要となるだろうが。

 

 

 

評価点獲得
+1(現在10)

 

判定内容探索
判定方法2D6+感覚SB(野伏)

12以上で成功/難

判定結果2D6+6=15(成功)

 

判定内容『創意』発動判定
判定方法2D6+器用SB(野伏)

12以上で成功/探索判定と同値

判定結果2D6+4=11(失敗)

 

 

 

さらに、あなたは川沿いの砂利の中からいくつかのものを発見する。

色とりどりの小石達だ。

宝石である。

 

とはいえ、さして価値の高いものではない。

瑪瑙(めのう)、水晶、翡翠、黒曜石。

それにアイオライト。

そういったありふれた石ばかりで、しかも小粒だ。

 

あなたは顔を上げて上流を見る。

川は北から流れてきている。

おそらく火山か、それに連なる山脈からだろう。

そこに存在する鉱床から運ばれて来たのではなかろうか。

 

 

 

「なぁおい、これ、何に見える?」

 

ただ、野伏の側は別の発見もあったようだ。

呼ばれ向かった先では、野伏があなたへと手を差し出していた。

その手に乗っているのはほんの小さな、しかし。

 

「……俺には金に見えるんだけどよ」

 

黄金に輝く石粒であった。

 

 

 

判定内容鉱物知識
判定方法2D6+知識SB

10以上で成功/やや難

判定結果2D6+4=14(成功)

 

 

 

だが喜ぶのはまだ早い。

金に似た鉱物というのは、実のところ多く存在する。

あなたはそれを手に取り良く観察した。

 

金の特徴としてまず上げられるのは重さだ。

一般的な他の鉱物と比較して重い金は、どうあっても水に浮かない。

 

「……沈んでんな」

 

あなたの掌の中、水をすくって揺らせば他の砂粒や石は流れに揺れ動いた。

しかし、金色の粒だけは微動だにしない。

 

他には、金は簡単には砕けない。

粘りが強いためにそうそう割れず、叩かれた時には伸びるのみだ。

 

「これ、もう決まりだろ!」

 

試した結果を見て、野伏は弾んだ声を上げた。

石に置きメイスの先端で数度叩くも、粒は割れる気配がない。

柔らかく伸び、平たく形を変えている。

 

 

 

野伏の言葉にあなたも頷いた。

これはもう保証して良いだろう。

間違いなく砂金である。

しかも、それなり以上に大粒のものだ。

 

これは素晴らしい発見である。

川の有益性はさらに増した。

 

また、他の区域にも波及する成果と言える。

この川には上流、火山に連なる山脈のどこかから石が運ばれてきている。

そこに砂金があると言うのなら、つまり金鉱脈が眠っている可能性が極めて高い。

まさしく文字通りに、宝の山がどこかにあるという事を示していた。

 

 

 

評価点獲得
+3(現在13)

 

 

 

野伏はニヤケ顔で砂金を荷に収めた。

十分以上の成果にご機嫌のようである。

鼻歌混じりに拳を掲げてあなたへ向けさえした。

 

あなたがそれに応じて手を打ち合わせたかはさておき。

この成果はあなた達の選んだ行動が導いたものだ。

もし武力をもってこの場を探る権利を手に入れていたのなら、いつ起こるとも限らない逆撃に備え、もう少し慌ただしく動く事になっただろう。

 

しかし穏便に去った水牛達は対岸でのんびりと過ごすのみ。

ヒューリクは未だあなた達に意識を向け、一体何をしているのかと観察してはいるようだが、追い立てようとは考えていなさそうだ。

おかげで、昼から夕刻近くまでこうして長く時間を費やせたわけである。

 

 

 

誇ると良い。

異郷に暮らす、根本から違う種族、しかも言葉さえ解さない獣に対して平和的な交渉を試みる。

そんな賭けにあなたは勝ち、およそ考え得る最上の結果を手にしてみせた。

 

他の誰に真似が出来るとも思えない偉業である。

 

 

 

判定内容ランダムエンカウント
判定方法2D6+幸運SB

10以上で成功/やや難

判定結果2D6+3=9(失敗)

 

 

 

ただ、どうやら幸運は一旦打ち止めのようだ。

 

「……っち、なんか来るぞ!」

 

うなじを駆け抜けた予感に野伏が鋭く叫ぶ。

あなたに警戒を促し、野伏は武器を手に取った。

そして彼が指し示した方向は──

 

 

 

判定内容エンカウント危険度
判定方法1D10

大きいほど危険

環境補正『+3』

技能補正『-2』

判定結果1D10+1=11

 

判定内容危機感知
判定方法2D6+感覚SB(野伏)

10以上で成功/やや難

判定結果2D6+6=15(成功)

 

 

 

「──川だ! 離れろッ!!」

 

あなた達は全力で飛び退いた。

ほぼ地面を転がるように砂利の上を滑り、その()()()を回避する。

 

「あぁクソ……! そうだよなぁ、川にだっていねぇわけねぇよなぁ! 知ってたけどマジで来んじゃねぇよボケ!」

 

不運の遭遇を野伏が罵倒する。

灰と泥が積層した鋼に似た色の甲殻。

巨大なハサミは太く力強く、それに挟まれた獲物がどうなるかはすでにあなた達も知っていよう。

 

湿原の森、その頂点捕食者と思われるアイアンシザーがそこに居た。

 

森からあぶれたか、それとも自ら外界に踏み出したのか。

はたまた、元々森だけでなく川にも生息しているのか。

それはわからず、また今はどうでも良い事だろう。

問題なのは。

 

「──……」

 

無機質な複眼が至近距離からあなた達を捉え、餌として狙っているという点に尽きる。

 

 

 

「どうする! やるか! 逃げるか!?」

 

力を溜めるようにジリジリとアイアンシザーが距離を詰める。

判断にかけられる時間は少ない。

迷えばただ相手に一方的な攻撃を許すだけとなるだろう。

 

あなたは素早く思考を巡らせる。

戦うべきか。

それとも撤退すべきか。

 

戦い、勝利して得られるのは川辺に残る権利だ。

もしここでまだ知るべきと思う事があるのなら武器を取ると良い。

そうでないのなら、背を向けて逃げるのも自由だ。

幸いにしてあなたの手には未だ逃走用の道具もある。

 

また、森と川を調べ終えたあなた達は一定以上の成果を手にしている。

このまま湿原自体から去る事も選択肢には含まれるだろう。

 

 

 

川辺には緊張感が広がっていく。

対岸の群れも危険を察知したのか、水牛達が川からさらに離れていったようだ。

対し、4頭のヒューリクは前へ出ている。

川に頭の角を向けて横一線、壁のように並ぶ水牛と、それを守るように立ち塞がるヒューリクという形だ。

 

アイアンシザーの激発までもう時はない。

あなたは思考を終わらせ、決断を下した。

 

 

 

名前(あなたが自由に決めて良い)
職業神官

 

HP41/41
MP25/25

 

筋力8SB=2
耐久14SB=4
敏捷10SB=3
器用8SB=2
感覚13SB=4
知識14SB=4
精神18SB=6
幸運10SB=3

 

装備性能
メイス+1『2D6+筋力SB』の物理ダメージ

命中力+1

バックラー+1防御成功時、

物理ダメージを『耐久SB』軽減

防御成功率+1

 

特殊技能詳細
重撃攻撃命中時、『朦朧』判定

クリティカル時、『朦朧』確定付与

信仰秘蹟の使用権を得る
治癒初歩の秘蹟、消費MP5

肉体をあるべき姿に戻す

『1D6+精神SB』のHP回復

守護初歩の秘蹟、消費MP3

肉体があるべき姿を保つ力を強める

『精神SB』だけ全ダメージを軽減

効果時間は1戦闘

賦活初級の秘蹟、消費MP5

肉体と魂をあるべき姿に引き戻す

状態異常を回復

聖域初級の秘蹟、消費MP6

小規模な聖火の結界を顕現させる

休息中のみ以下の効果

通常エンカウント停止

環境ダメージと休息妨害を無効化

一部状態異常を即時回復

回復判定ダイス数+1

 

アイテム詳細
チェインメイル1度だけ死亡を回避
ポーションx32D3のHP回復
解熱剤x3熱病を軽減
におい袋1度だけ確実に逃走
触手鞭3D10+器用SBの物理ダメージ

最大捕捉3体

トゲの靴回避防御成功率+1

 

 

 

仲間野伏
能力HP24/24 MP0/0

筋力5 耐久9 敏捷17 器用14

感覚15 知識9 精神7 幸運3

装備『ダガー』

2D4+筋力SBの物理ダメージ(近接)

2D4+器用SBの物理ダメージ(投擲)

投擲は1戦闘につき3回まで使用可能

 

『ショートボウ』

1D6+器用SBの物理ダメージ

対象との距離によって命中低下(中)

状況により最大で1ターンに2回攻撃可能

近接距離では使用不能

技能『軽業+』

回避を常に+3

身軽さを要求される判定で常に+2

連続回避ペナルティを、

1ターンにつき1回まで無効化

 

『鋭敏』

探索、危機感知、追跡に常に+1

奇襲の被強制クリティカルを確率で無効化し、

通常の被攻撃判定に変更

ランダムエンカウント発生時、

対象の危険度を-2

 

『周到』

クエスト開始時、

難度に関係なく道具を1D3個追加で持参

アイテムの種類と効果の強さはランダム

このアイテムは次回に持ち越せない

 

『創意』

探索成功時や戦闘勝利時、

アイテム追加獲得判定を発生させる

クリティカル時、持ち越し可能アイテムになる

 





【選択肢】

アイアンシザーに立ち向かう
対岸に逃げる
沼の方向へ逃げる
高台の方向へ逃げる
森の方向へ逃げる
調査を切り上げ開拓村に撤退する

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