読者参加型TRPG風小説 作:矢端トラム
あなたは素早くメイスを抜き、盾を構えた。
それこそが何よりも雄弁な意思の表明である。
「おうよ! 前は任せた!」
弾かれるように野伏が距離を取り、弓を手にする。
適切な分担である。
どう考えても前に立つ役はあなたであり、野伏は後方からの援護に徹するべきだ。
あなたの選択はこの場での戦闘であった。
森の探索にてすでにこの生物の能力は見た。
仲間の増援、あるいは多数の獣の横槍。
そういったものがあるならば手に負えず、短時間で殺し切る火力がなければまず話にもならない。
だが、相手が1体のみであるならばやりようはある。
あなた達はそう確認しているはずだ。
そして、と。
あなたはチラリとだけ対岸を見た。
水牛とヒューリクの群れはこの川を渡った。
必ずしもそうする必要は無かっただろう。
数で圧倒している以上、彼らにはあなた達を強硬に追い返すという手段も取り得たのだ。
だが、渡った。
それはつまり、彼らにとって通常は渡河に伴う危険が少ない事を意味するのではないだろうか。
対して今は、明らかにアイアンシザーを警戒する態勢を取っている。
合わせて考えれば、結論はこうだ。
群れにとってもアイアンシザーは恐るべき相手ではある。
しかし、普段は川に脅威はない。
害意の感じられない相手から距離を取るためだけに渡河の決定を下す程度には、だ。
とすれば。
一般的に、川はアイアンシザーの縄張りではない。
このアイアンシザーはおそらく
たまたまこの個体が川に紛れ込んだだけで、同種の増援はやってこない可能性が高い。
もちろん、これはただの推測だ。
ヒューリク達やアイアンシザーに問うて確かめるなど出来るわけもなく、絶対の保証はない。
だが、確度はそれなりに高いのではなかろうか。
ならば、戦って勝てない相手ではない。
採るべき択は持久戦。
優越している手数でもって、削りきられる前に削りきる事がかなえばあなた達は勝利を掴み得る。
砂利を踏み締め、姿勢を前傾に。
あなたは衝突に備え、全身に力を巡らせた。
| 戦闘開始/1ターン目 |
| 判定内容 | 行動順の決定 |
| 判定方法 | 2D6+敏捷SB 比べ合い/数値が大きい順に行動 |
| 判定結果 | 2D6+3=12(あなた) 2D6+7=17(野伏) 2D6+4=9(アイアンシザー)
①野伏 ②あなた ③アイアンシザー |
戦端を開いたのは弦の音であった。
素早く引き絞られた弓より放たれた矢が空気を裂く。
「そぉら、よっ!」
それがさらにもう一度。
2連の矢は灰色の巨体へと直進する。
| 判定内容 | 野伏の攻撃 |
| 判定方法 | 2D6+器用SB(命中力) 1D6+器用SB(攻撃力) |
| 判定結果 | ①2D6+4=14(命中力) ①1D6+4=9(攻撃力) ②2D6+4=7(命中力) ②1D6+4=6(攻撃力) |
その音にアイアンシザーは素早く反応した。
目が悪く何が放たれたかはわからないなりに、何かをされたとは理解したようだ。
脚を縮め、頭の前にハサミをかざす。
| 判定内容 | アイアンシザーの防御 |
| 判定方法 | 2D6+耐久SB 命中力以上なら成功 |
| 判定結果 | ①2D6+6=16(成功) ②2D6+6=11(成功) |
| 判定内容 | ダメージ計算 |
| 攻撃力 | ①9 ②6 |
| 補正 | ①-4/防御 ①-6/技能 ②-3/防御 ②-6/技能 |
| 最終ダメージ | ①0 ②0 |
| 技能判明/アイアンシザー |
| 『鋼色の積層甲殻』 防御失敗時、物理ダメージを『耐久SB/2』軽減 防御成功時、物理ダメージを『耐久SB』軽減 |
「──ま、そうだわな……!」
野伏の矢はその守りを抜けなかった。
1射目はかろうじて甲殻の隙間に挟まりはしたが内部にまでは届かず止まり、2射目は虚しく弾かれて落ちる。
元々の甲殻がそもそも分厚い上に、灰と泥が層をなして積み重なっている。
これを抜くのはどうやら容易ではない。
太く重いボルトを放てるクロスボウや弦の力が強いロングボウならばともかく、野伏の持つショートボウではよほど上手く甲殻の隙間を狙う必要がありそうだ。
一切の痛痒を受けなかったアイアンシザーは、守りの構えを解くと猛烈な勢いで地を蹴った。
獲物の抵抗は弱いと見たか。
ひと息に仕留め腹を満たすべく、攻撃が撃ち放たれた方向へと突進する。
だがもちろん、それを黙って通すあなたではない。
野伏へと飛び掛かろうとアイアンシザーが動く瞬間、あなたもまた行動を見せた。
| あなたの『守護』 |
| 行使成功 MP25-3=22 |
気合を吐き出すかのように聖句は詠唱された。
突進を遮り立ち塞がったあなたに灰色の巨体がぶつかる直前、秘蹟の青白い光が鋭く発される。
「……!!」
アイアンシザーはこれに反応するも、すでに勢いは止められない。
だが、ならば轢けば良し。
こちらの獲物を先に殺すでも何の問題もないと、反射による決定の下に体当たりは決行された。
| 判定内容 | アイアンシザーの攻撃 |
| 判定方法 | 2D6+器用SB(命中力) 2D10+筋力SB(攻撃力) |
| 判定結果 | 2D6+3=8(命中力) 2D10+7=13(攻撃力) |
| 判定内容 | あなたの防御 |
| 判定方法 | 2D6+耐久SB 装備補正+2 命中力以上なら成功 |
| 判定結果 | 2D6+6=11(成功) |
| 判定内容 | ダメージ計算 |
| 攻撃力 | 13 |
| 補正 | -6/防御 -4/装備 -6/秘蹟 |
| 最終ダメージ | 0 |
対してあなたは馬鹿正直に受け止めなどしない。
求められるのは行き足を止める事。
そして、意識をあなたへと向けさせる事だ。
ならば必要な行動は──前進である。
ザリガニか、宿のないヤドカリか。
アイアンシザーはそういった体の作りをしている。
正面にハサミとアゴ、側面に歩行のための脚。
あなたの狙いはもちろん。
「ハ──むちゃくちゃしやがる!」
巨体に比して細い脚だ。
片側4本。
ここに全身であえて飛び込み、無理矢理に動きを止めさせる。
その試みは当たった。
アイアンシザーの脚はもつれにもつれ、突進は強制的に停止した。
だが、そんな事をしてただで済むわけもない。
これはつまりまともに轢き潰されたと同義である。
相手は大きく重く、そして脚の甲殻もまた硬い。
あなたの身は押し潰され、引き裂かれ、大きく傷付くのが道理だ。
しかし、そんな道理を秘蹟の光が押し返す。
あなたは血の一滴さえ流さず事をなし終え、砂利の上を転がり脚から逃れた。
「シィ、ィィ、ッ」
鳴き声、というよりも気体が漏れる音と共に、あなたの背に追撃が迫る。
そこに高度な知性の働きはおそらくない。
半ば自動的な、射程の内側から発された音にハサミが伸びたという反応。
それもまたあなたには届かない。
鋼を思わせる色合いの甲殻と、正真正銘鋼そのものたるメイスが衝突する。
受け止め勢いを殺すまでは不可能であっても、その軌道を逸らす程度わけはない。
| 判定内容 | 追加効果抵抗 |
| 判定方法 | 2D6+筋力SB 0以上で成功/ダメージと同値 抵抗判定はクリティカル無効 |
| 判定結果 | 2D6+2=7(成功) |
| 技能判明/アイアンシザー |
| 『鋼色の大バサミ』 攻撃命中時、確率で対象を『拘束』状態にする 『拘束』状態の敵に、ターン終了時に『筋力SB』の固定ダメージ |
| TIPS/状態異常『拘束』 |
| 逃走、回避、防御が出来ない 物理攻撃力半減 攻撃可能な対象が制限される
ターン終了時の筋力対抗成功で解除可能 拘束者に一定ダメージを与えると解除可能 秘蹟によって解除可能 |
さらに2度、3度。
メイスが振るわれアイアンシザーの甲殻を揺らす。
それは守りを貫くには足らず、ごくわずかな、痛みを伴わない衝撃を伝えただけだろう。
だが、無駄ではない。
「──シ、ィィ」
応じるようにハサミもまた振るわれた。
脅威ではないが鬱陶しく、捉えられれば食えるはずの獲物が身の回りを跳ねている。
そんな状況に苛つきでも覚えたか。
アイアンシザーの殺意はまず至近のあなたへと向けられた。
| 戦闘継続/2ターン目 |
そしてそれはつまり、目を外すべきではない者から意識を逸らした事に他ならない。
| 判定内容 | 野伏の攻撃 |
| 判定方法 | 2D6+器用SB(命中力) 1D6+器用SB(攻撃力) |
| 判定結果 | ①2D6+4=8(命中力) ①1D6+4=7(攻撃力) ②2D6+4=14(命中力) ②1D6+4=10(攻撃力) |
それは一転、全くの無音で行動した。
そもそもとして。
あなた達は森においてアイアンシザーの能力をある程度確認した。
その情報の中にはもちろん索敵方法も含まれる。
目は悪い。
だが、おそらく耳は良い。
そんな相手に対する中、何故野伏はいちいち大声を上げていたか。
決まっている。
この獲物は行動の際にいちいち音を出す。
そう思い込ませる事で隙を誘うための、欺瞞である。
「──……」
それはいかなる技法なのか。
音もなく砂利を踏み風のように野伏が駆ける。
どのような修練、どのような理論の下に習得がかなうのか、あなたをして理解困難な絶技は野伏の身を絶好の位置へと運ぶ。
敵手にまるで気取られる事なく。
硬く分厚い背ではなく、柔らかく薄い腹を狙い得る場所へ。
| 判定内容 | アイアンシザーの防御 |
| 判定方法 | 2D6+耐久SB 命中力以上なら成功 |
| 判定結果 | ①2D6+6=12(成功) ②2D6+6=11(失敗) |
| 判定内容 | ダメージ計算 |
| 攻撃力 | ①7 ②10 |
| 補正 | ①-3/防御 ①-6/技能 ②-3/技能 |
| 最終ダメージ | ①0 ②7 |
狙われたのは脚の付け根、その集合点。
重要な可動部故に固めきる事も塞ぎきる事も出来ない弱点だ。
ごく薄くしか守られていないそこは、アイアンシザーとしても隠さねばならない箇所だったはずだ。
逆撃の可能性があるうちは身を縮め、脚とハサミの甲殻でもって覆い隠されていた。
音を立てる獲物の側になど、決して体を開かなかっただろう。
無音で反撃を企てる者が居ると分かってもまた同じく。
「──ッイィィ」
「ハッ! 間ァ抜けェ! エビだかカニだか知らんが、戦術の基本でも学んで出直してきなァ!」
だからこそ、野伏は敵手に欺瞞を仕掛けた。
この獲物達は動く度に音を出す。
ならば音の無い方向には危険はないなどと、そう思い込ませたのだ。
代償は突き立った矢だ。
1本は弦の音に反応したハサミで弾いたものの、続く1本は深々と鏃を身の奥まで届かせている。
命にはまだ到底届かず、しかし青みがかった体液を噴出させるに足る確かな痛手である。
そして、それにとどまらない。
再びアイアンシザーの目は野伏へ向いた。
近くを跳ね回るものなどやはりどうでもいい。
自分の守りを抜き得るこの小うるさい生き物をまず殺さなければ狩りはままならない、と。
当然──掌の上だ。
野伏は駆ける。
今度は盛大に音を立てて砂利をかき鳴らし、そしてあなたへと視線を送る。
意味するところは、
あなたはその時すでに武器を抜き放っていた。
一当てした感触では、おそらく時間をかけて粘り強く戦えば勝利は見える。
だが、本当に時間をかけて良いのか。
増援がないというのはあくまで予測でしかない。
もしこのまま戦いを長引かせて万一アイアンシザーが2匹3匹と集まるような事態となれば、待つのは敗走のみだ。
出し惜しみをして良い相手ではない。
ならば当然、切れる札は切るべきである。
| 判定内容 | あなたの攻撃 |
| 判定方法 | 2D6+器用SB(命中力) 3D10+器用SB(攻撃力) |
| 判定結果 | 2D6+2=12(命中力) 3D10+2=16(攻撃力) |
| 判定内容 | アイアンシザーの防御 |
| 判定方法 | 2D6+耐久SB 命中力以上なら成功 |
| 判定結果 | 2D6+6=11(失敗) |
| 判定内容 | ダメージ計算 |
| 攻撃力 | 16 |
| 補正 | -3/技能 |
| 最終ダメージ | 13 |
野伏目掛けて飛び出すアイアンシザー。
その速度が上限に達する瞬間に、それは灰色の体に巻き付いた。
体表面を覆う泥に滑り、細く長い蔓は自然と致命的な箇所へと運ばれる。
甲殻と甲殻の隙間。
ほんの指一本分の間隙は、しかしまさに指一本分の太さしかないローパーの触手にとっては十分すぎる通り道だ。
あなたがすべき事は後はただひとつ。
持ち手を全力で把持し、満身の力をもって踏み止まるだけだ。
「ギッ、イイィィィッ!?」
アイアンシザーの口がギチギチと開閉する。
そこから漏れた音は、これまでの単なる空気漏れとは明らかに異なる、悲鳴そのものだった。
それもそうだろう。
あなたの手にはアイアンシザーの甲殻内部に達した鞭、ローパーの触手から飛び出した毒針が弾力ある肉を引き裂く感触が伝わっている。
アイアンシザー自身の速度と重量によって深く深く食い込んだそれは、決して小さくない裂傷を刻み込んだ。
そして同時に、傷の規模と比して明らかに大量の体液がボタボタと滴り落ちる。
ローパーの出血毒、その効能だ。
これだけで失血死を招くような強さはないが、本来は小さな傷を深手に変えるだけの厄介さがふんだんに含まれている。
おそらくその瞬間、アイアンシザーはようやく気付いた。
この2体の生き物は決して獲物などではない。
己の命に手を届かし得る、警戒せねばならない外敵なのだと。
そしてそれは、一歩遅い気付きであった。
甲殻類の身にも痛覚というものがあるのか、全身を強張らせ縮こまるアイアンシザー。
その真正面にあなたは踏み込んだ。
反射的に振り下ろされた縦振りハサミが盾に流され、激しく砂利を撹拌する。
続いた横振りの一閃は屈み込んだあなたの頭上をかすめて終わる。
ギチリ、と。
あなたの両脚、そこに根付いた筋肉が躍動した。
全身で跳ね上がる。
激発した全ての力は武の理論に基づいた最高効率でメイスに集約され。
アイアンシザーの頭部、そこから生える6本の
| 判定内容 | 追加効果抵抗 |
| 判定方法 | 2D6+耐久SB 13以上で成功/ダメージと同値 抵抗判定はクリティカル無効 |
| 判定結果 | 2D6+6=10(失敗) 朦朧Lv1付与 |
狙い違わず。
あなたの一撃はアイアンシザーの触角の半数を折り砕いた。
カケラが飛び散り、背の甲殻に降り注いで連続した音色を奏でる。
「──!? ! !??」
聞きようによっては美しいと称する者が居るかもしれないそれも、アイアンシザーにすれば危機を告げる鐘の音に等しい。
突如生じた五感の欠損は戦いの趨勢を大きく傾けかねない痛打だった。
平たい体をさらに限界まで伏せ、アイアンシザーが川近くまで後退する。
その硬質の体には不吉な予感が走っているに違いない。
アイアンシザーはその予感が命じるまま、本能に従ってハサミを振り上げた。
それは敵へと落とすためではない。
2本のハサミを互いに打ち付け、大音を発するためだ。
| 技能判明/アイアンシザー |
| 『増援要請』 偶数ターンに使用 この技能は行動権を消費しない 次ターン終了時に新規エンカウントを強制発生 エンカウント判定前に死亡した場合、効果消失 |
それは威嚇ではないだろう。
繰り返しの轟音は明らかに何者かへ、つまりはおそらく仲間へと意思を送る行動だ。
あなたの背後から舌打ちが聞こえた。
野伏のものだろう。
彼はいかにも苦虫を噛み潰したような声色で警告を叫ぶ。
「万が一がある! 間違っても川に近付くなよ!」
その内容は当然あなたも承知している。
あなたの予測が誤っていた場合、川からのさらなる増援が起こり得る。
奇襲をまともに受けるような事があればそれで終わりかねない。
あなたはアイアンシザーへと突撃した。
決して川を背にせず、水と自身の間に必ずアイアンシザーを挟む形。
増援への警戒は最大限に、仲間を呼ぶ行為を中断させねばとメイスを振るう。
| 判定内容 | アイアンシザーの攻撃 |
| 判定方法 | 2D6+器用SB(命中力) 朦朧-2 2D10+筋力SB(攻撃力) |
| 判定結果 | 2D6+1=11(命中力) 2D10+7=17(攻撃力) |
そこに、焦りでも含まれたか。
否。
あなたに落ち度はない。
これは単に、アイアンシザーがあなたを上回っただけだ。
明確な思考ではなかっただろう。
むしろ反射の枠に存在する行動だ。
他種との争いにおける経験則として、それは過去に学んでいたのである。
動作が読めたなら、後はそこに適切な打撃を置くだけで良い。
踏み込んだあなたを出迎えたのは、完璧なタイミングのカウンターだった。
| 判定内容 | あなたの防御 |
| 判定方法 | 2D6+耐久SB 装備補正+2 命中力以上なら成功 |
| 判定結果 | 2D6+6=8(失敗) |
| 判定内容 | ダメージ計算 |
| 攻撃力 | 17 |
| 補正 | -6/秘蹟 |
| 最終ダメージ | 11 |
| あなたHP |
| 41-11=30 |
| 判定内容 | 追加効果抵抗 |
| 判定方法 | 2D6+筋力SB 11以上で成功/ダメージと同値 抵抗判定はクリティカル無効 |
| 判定結果 | 2D6+2=8(失敗) 拘束付与 |
「バ、まずい、避けろ──!」
あなたの視界が明滅する。
完全なるクリーンヒット。
強靭なハサミの一撃を胴に受けたあなたはなす術なく体を浮かせた。
野伏の声も何の効果ももたらさない。
あなたを援護すべく放たれた一矢は狙いが甘く、アイアンシザーの動きを止めるには足りない。
「シイィィ、ィ」
目障りな相手をようやくハサミに捕らえたアイアンシザーが漏らしたその吐息は、あなたの耳には邪悪な笑みのように聞こえたかもしれない。
| 判定内容 | 鋼色の大バサミ発動 |
| 攻撃力 | 7 |
| 補正 | なし 固定ダメージは軽減できない |
| 最終ダメージ | 7 |
| あなたHP |
| 30-7=23 |
叩き付け、叩き付け、叩き付ける。
単純極まりない暴力は、だからこそひどく有効だった。
もはや天地の方向さえ定かではない。
体の中央を剛力で掴まれたあなたは好き勝手振り回され、幾度となく地面との抱擁を強制された。
衝撃が生まれる度に、意識を消し飛ばしかねない激痛があなたを苛む。
自分の体のどこが無事で、どこが壊れているのか。
その把握さえ今や不可能事と化している。
| 判定内容 | 拘束解除判定 |
| 判定方法 | 2D6+筋力SB 比べ合い/数値が大きい方が勝利 |
| 判定結果 | 2D6+2=7(あなた) 2D6+7=18(アイアンシザー)
ファンブル敗北 |
そして。
さらなる最悪があなたを襲う。
アイアンシザーは混乱から立ち直り、完全な平静を取り戻したらしい。
地面に叩き付けるなどよりもよほど効率良くあなたを肉塊に作り替える手段について思い出してしまったようだ。
| 判定内容 | 鋼色の大バサミ追加発動 |
| 攻撃力 | 7 |
| 補正 | なし 固定ダメージは軽減できない |
| 最終ダメージ | 7 |
| あなたHP |
| 23-7=16 |
身動きの出来ないあなたを、アイアンシザーは河原の砂利に押し付けた。
そうして──空いているもう片方のハサミを振り上げる。
何が起こるかなど分かりきっている。
死罪が下された罪人にそうするかのごとく、ギロチンめいた一撃があなたの首を狙う。
かろうじて片腕が自由に動かせたのが唯一の幸運だったろう。
首とハサミの間に咄嗟に差し込んだそれは、秘蹟の護りがあってすら出来損ないの人形のようにひしゃげたが、あなたの命だけは守り切った。
| 戦闘継続/3ターン目 |
| 陣形崩壊/乱戦発生 |
しかし、それでもなお傷は深く重い。
ごぼ、と。
あなたの喉から血の塊が口内にこみ上げる。
「おぉぉぁあ!! クソ、クソが! その手ェ離せッ!」
少しでも気を引こうとしているのだろう。
野伏ががなりたてる声も、どこか遠い。
| 判定内容 | 野伏の攻撃 |
| 判定方法 | 2D6+器用SB(命中力) 1D6+器用SB(攻撃力) |
| 判定結果 | ①2D6+4=11(命中力) ①1D6+4=8(攻撃力) ②2D6+4=10(命中力) ②1D6+4=9(攻撃力) |
| 判定内容 | アイアンシザーの防御 |
| 判定方法 | 2D6+耐久SB 朦朧-2 命中力以上なら成功 |
| 判定結果 | ①2D6+4=14(成功) ②2D6+4=11(成功) |
| 判定内容 | ダメージ計算 |
| 攻撃力 | ①8 ②9 |
| 補正 | ①-4/防御 ①-6/技能 ②-4/防御 ②-6/技能 |
| 最終ダメージ | ①0 ②0 |
アイアンシザーがそれに構う理由はなかった。
身を固め、柔らかい腹部をさえ隠していれば野伏の矢は何の脅威ともならない。
ならばそちらは後で良い。
まずは捉えた獲物を確実に物言わぬ食料に加工して、残る個体の処理はそれからだと。
だが、野伏の声は届きはした。
己を囮としてでもあなたを救おうとする仲間の声に、わずかな力が戻る。
"重みを忘れよ 楔を外せ 汝ら、我が愛を欲するならば"
霞む意識と軋む体に鞭打ち、あなたは聖句を唱えた。
"波のごとく 雲のごとく
果ての海に踊りうねるもの。
気まぐれにして愛多き翠緑の
輝けるニムストゥルの加護があなたを包む。
あなたの体表を覆う青白い光が様相を変えた事にアイアンシザーは激しく反応した。
これはまだ生きている。
しぶとくもまだ何かをしようとしている。
一刻も早く確実な死を与えなければと、ギロチンの刃が再装填され──
"汝ら 我が愛のごとく 在れ"
──それが直撃する寸前、炭で描いた絵をパンで消すかのごとく、ハサミの中からあなたの姿が掻き消えた。
| あなたの『賦活』 |
| 行使成功 MP22-5=17 |
硬質の音が河原に響く。
あなたの首が落ちたためでは当然ない。
これまであなたを捕えていたハサミが虜囚を失い、勢いよく閉ざされた音だ。
「立て! 走れッ!」
その指示は言われるまでもない事ではあろう。
しかしそれでも、わずかながら傷付いた体に力を戻す助けにはなってくれる。
秘蹟の加護により拘束は脱した。
が、窮地はまだあなたの目の前にある。
理屈はわからないが逃げられたのならもう一度とハサミを伸ばす、アイアンシザーの形をとって。
それを前にしては、そのわずかが生死を分けるとあなた達は知っている。
| 判定内容 | アイアンシザーの攻撃 |
| 判定方法 | 2D6+器用SB(命中力) 朦朧-2 2D10+筋力SB(攻撃力) |
| 判定結果 | 2D6+1=10(命中力) 2D10+7=25(攻撃力) |
| 判定内容 | あなたの防御 |
| 判定方法 | 2D6+耐久SB 装備補正+2 命中力以上なら成功 |
| 判定結果 | 2D6+6=13(成功) |
| 判定内容 | ダメージ計算 |
| 攻撃力 | 25 |
| 補正 | -12/防御 -4/装備 -6/秘蹟 |
| 最終ダメージ | 3 |
| あなたHP |
| 16-3=13 |
| 判定内容 | 追加効果抵抗 |
| 判定方法 | 2D6+筋力SB 3以上で成功/ダメージと同値 抵抗判定はクリティカル無効 |
| 判定結果 | 2D6+2=8(成功) |
ほんの一歩。
野伏の呼びかけがあったために跳び退けたその一歩があなたを救う。
眼前、わずか拳ひとつの距離をかすめて灰色の甲殻が通り過ぎた。
直撃していたならば死は免れないと確信できるほどの剛撃である。
それを回避できたのはまさしく豪運というほかない。
しかし、あなたにはそれを噛み締める暇さえ与えられない。
殴り抜くように振るわれたハサミが、今度は払うようにあなたを捉える。
出来た事は折れてひしゃげた腕を無理矢理に掲げ、体との間に挟み込んだ事だけだ。
飛び、転がり、鈍いものも鋭いものも、あらゆる苦痛があなたを覆う。
それでも、あなたは強靭な精神力でもって自身の肉体を制御せしめた。
飛ばされた勢いのまま必死に距離を稼ぎ、ほんの一呼吸でも次撃への猶予を勝ち取るためにもがく。
| 判定内容 | 強制エンカウント危険度 |
| 判定方法 | 1D10 大きいほど危険 状況補正『-1』 技能補正『-2』 |
| 判定結果 | 1D10-3=6 |
| 判定内容 | エンカウント(数) |
| 判定方法 | 1D2 |
| 判定結果 | 1D2=1 |
……なれど、そこで運は尽きたのか。
あなたの耳に最低最悪の報が届く。
はぁ、はぁ、と。
浅ましく食欲を滲ませる何者かがあなたに迫り来る。
それはすぐにあなたへと飛び掛かるような事はなかった。
むしろ大きく距離を取り、間合いをはかっている。
一見冷静に見えるその様。
しかし心の内がどうかは垂れる涎と、あなたの血の臭いにヒクつく鼻が雄弁に語っていた。
狼のような、狐のような。
あるいはその合の子のような四足獣だ。
茶と黒のまだらの毛皮の下には筋肉が引き締まり、自身が生粋のハンターであると示している。
流血の気配を察し、獲物の横取りにやってきたらしい。
状況は底が抜けたように悪化の一途を辿っていた。
救いと言えば、川の様子に一切の変化が見られない程度か。
あなたの予測は当たっていた。
このアイアンシザーはやはりはぐれの個体だ。
どれだけハサミを打ち鳴らして仲間を呼ぼうとも同種の仲間は現れまい。
川は本来アイアンシザーの縄張りではないのだと、そう考えて良いだろう。
| 判定内容 | 不運の回避 |
| 判定方法 | 2D6+幸運SB 15以上で成功/不可能事 |
| 判定結果 | 2D6+3=7(失敗) ファンブル |
そうして、そこが臨界点だった。
ついにそれらは我慢の限界に達したらしい。
赤く染まる夕刻の河原に4重の和音がこだまする。
並べた音叉を同時に弾き奏でたようなそれに。
あなたは昼間の記憶を想起し、対岸に目を向けた。
「…………ま、まずい! もうダメだどうにもならん! 逃げるぞ!」
共鳴する音色は、4頭のヒューリク達の角から発されていた。
川辺の一帯、その本来の所有者は今や怒りをあらわにしている。
当然の事だ。
己の縄張りに
多少温厚であるとしても、これで平穏を保てる野の獣などあるものか。
全開の魔術を用いての、全ての不埒者の排除。
それがヒューリクの下した裁定である事は、歪み唸り始めた川の水面を見れば疑いようがない。
| 戦闘継続/4ターン目 |
| 判定内容 | 行動順の再決定 |
| 判定方法 | 2D6+敏捷SB 比べ合い/数値が大きい順に行動 |
| 判定結果 | 2D6+3=9(あなた) 2D6+7=12(野伏) 2D6+2=9(アイアンシザー) 2D6+4=11(ハイエナ) 2D6+6=14(ヒューリクの群れ)
同値再判定 2D6+3=11(あなた) 2D6+2=5(アイアンシザー)
①ヒューリク ②野伏 ③ハイエナ ④あなた ⑤アイアンシザー |
音叉の共鳴は瞬く間に高く大きなものへと変じた。
合わせて穏やかな川はたちまちに洪水となる。
うねり、曲がり、時に逆立ち。
そしてそれは。
「──ヒィィ、ィィイイン!」
ヒューリクの1頭のいななきと共に此岸に押し寄せた。
| 判定内容 | ヒューリクの群れの攻撃 |
| 判定方法 | 必中/全体攻撃 (頭数)D(1+精神SB)(攻撃力) |
| 判定結果 | 4D4=13(攻撃力) |
| 判定内容 | ダメージ計算/あなた |
| 攻撃力 | 13 |
| 補正 | -6/秘蹟 |
| 最終ダメージ | 7 |
| 判定内容 | ダメージ計算 野伏/ハイエナ/アイアンシザー |
| 攻撃力 | 13 |
| 補正 | なし |
| 最終ダメージ | 13 |
| あなたHP |
| 13-7=6 |
| 野伏HP |
| 24-13=11 |
| 技能判明/ヒューリク |
| 『憤怒の波濤』 怒り狂ったヒューリクの群れによる全力の魔術 群れ全体での行使が必要 敵全体に『(群れの頭数)D(1+精神SB)』の魔術ダメージ |
「ギィ……!?」
「ギャウ、アウッ!」
「クッ、ソがぁ! 掴まれ、離すなよ──!」
何もかもがめちゃくちゃだった。
突如洪水に飲まれたあなた達、そしてアイアンシザーとオマケのハイエナは激しい水流の中で撹拌される。
呼吸は当然ままならない。
その上、水に混じった大量の石や枝が猛速で衝突し続ける。
回避も防御もかなうわけがない。
胎児のように身を丸め、少しでも被害が減るよう祈る以外に手立ては無かった。
幸い、それは永遠に続けられるものではなかったようだ。
あなた達はやがて水流から解放され、草地のただ中に放り出される。
「がはっ、ごほ! い、いいぞ、良く耐えた、良く離さなかった……! 大丈夫だ、おかげで逆に距離は空いた! 走れ! 走れなくてもだ!」
そこを、まだしも負傷の浅い野伏があなたを助け起こす。
矮躯ながらも半ばあなたを担ぎ、川に背を向けて駆け出した。
| 判定内容 | 野伏の逃走 |
| 判定方法 | 2D6+敏捷SB 比べ合い/数値が大きい方が勝利 敗北時、アイテムを消費して成功に変更 |
| 判定結果 | 2D6+7=17(野伏) 2D6+2=11(アイアンシザー)
逃走成功 |
その背を追おうとわずかでも試みたのは、アイアンシザーだけだった。
ヒューリクは余所者を追い払えるならそれで良く、ハイエナはこちらも魔術に怯えて遁走を開始している。
唯一、痛手の恨みを抱えたアイアンシザーは未練がましくあなた達の側へ脚を向けかけたが。
「シィィ……」
しかし、今最も鮮明な痛みはこちらだと、音叉の音色を睨みつける。
曲がりなりにも湿原の一角を支配する種としてのプライドか。
それとも単にこの個体が頭抜けた闘争心を宿しているだけなのか。
そして、まだ続くらしい戦いがどう決着するのか。
それはわからず、また少なくとも今はどうでも良い事だろう。
| あなたの『治癒』 |
| 行使成功 MP17-5=12 回復量/1D6+6=11 |
| あなたHP |
| 6+11=17 |
| アイテム使用『ポーションx2』 |
| ①2D3=2(あなた) ②2D3=2(野伏) |
| あなたHP |
| 17+2=19 |
| 野伏HP |
| 11+2=13 |
現在の最優先事項は、生存、ただそれだけだ。
| 評価点獲得 |
| +1(アイアンシザー) +1(ヒューリク)
現在15 |
応急的な秘蹟行使で最低限の骨を繋ぎ、残る痛みは痛覚を麻痺させる薬品の効能に頼って。
どうにかまともな走行を可能としたあなた達は、暮れゆく湿原を逃げ惑う。
「ハッ、ハッ──ッちぃ、さっきのアレの余波だ、一帯に混乱が広がってる! 辺りの獣どもが騒ぎ出してんぞ!」
野伏の言の通り、川辺近くの草地には数多の獣の影があった。
こうなっては縄張りの隙間を渡るなど到底出来ない。
あなたは再度、厳しい判断に迫られる。
武力による強行突破か。
それとも混乱をかいくぐっての逃走か。
はたまたどこかに隠れ潜むか。
あるいは、すでに十分な成果を手にしている以上、湿原から立ち去る選択肢もある。
残りの道具や行使できる秘蹟、あらゆる手段を最大限利用しての全力での撤退だ。
成功率は高いだろう。
事態には未だ猶予はない。
決断のために与えられた時間は、わずかだ。
| 名前 | (あなたが自由に決めて良い) |
| 職業 | 神官 |
| HP | 19/41 |
| MP | 12/25 |
| 筋力 | 8 | SB=2 |
| 耐久 | 14 | SB=4 |
| 敏捷 | 10 | SB=3 |
| 器用 | 8 | SB=2 |
| 感覚 | 13 | SB=4 |
| 知識 | 14 | SB=4 |
| 精神 | 18 | SB=6 |
| 幸運 | 10 | SB=3 |
| 装備 | 性能 |
| メイス+1 | 『2D6+筋力SB』の物理ダメージ 命中力+1 |
| バックラー+1 | 防御成功時、 物理ダメージを『耐久SB』軽減 防御成功率+1 |
| 特殊技能 | 詳細 |
| 重撃 | 攻撃命中時、『朦朧』判定 クリティカル時、『朦朧』確定付与 |
| 信仰 | 秘蹟の使用権を得る |
| 治癒 | 初歩の秘蹟、消費MP5 肉体をあるべき姿に戻す 『1D6+精神SB』のHP回復 |
| 守護 | 初歩の秘蹟、消費MP3 肉体があるべき姿を保つ力を強める 『精神SB』だけ全ダメージを軽減 効果時間は1戦闘 |
| 賦活 | 初級の秘蹟、消費MP5 肉体と魂をあるべき姿に引き戻す 状態異常を回復 |
| 聖域 | 初級の秘蹟、消費MP6 小規模な聖火の結界を顕現させる 休息中のみ以下の効果 通常エンカウント停止 環境ダメージと休息妨害を無効化 一部状態異常を即時回復 回復判定ダイス数+1 |
| アイテム | 詳細 |
| チェインメイル | 1度だけ死亡を回避 |
| ポーションx1 | 2D3のHP回復 |
| 解熱剤x3 | 熱病を軽減 |
| におい袋 | 1度だけ確実に逃走 |
| トゲの靴 | 回避防御成功率+1 |
| 仲間 | 野伏 |
| 能力 | HP13/24 MP0/0 筋力5 耐久9 敏捷17 器用14 感覚15 知識9 精神7 幸運3 |
| 装備 | 『ダガー』 2D4+筋力SBの物理ダメージ(近接) 2D4+器用SBの物理ダメージ(投擲) 投擲は1戦闘につき3回まで使用可能
『ショートボウ』 1D6+器用SBの物理ダメージ 対象との距離によって命中低下(中) 状況により最大で1ターンに2回攻撃可能 近接距離では使用不能 |
| 技能 | 『軽業+』 回避を常に+3 身軽さを要求される判定で常に+2 連続回避ペナルティを、 1ターンにつき1回まで無効化
『鋭敏』 探索、危機感知、追跡に常に+1 奇襲の被強制クリティカルを確率で無効化し、 通常の被攻撃判定に変更 ランダムエンカウント発生時、 対象の危険度を-2
『周到』 クエスト開始時、 難度に関係なく道具を1D3個追加で持参 アイテムの種類と効果の強さはランダム このアイテムは次回に持ち越せない
『創意』 探索成功時や戦闘勝利時、 アイテム追加獲得判定を発生させる クリティカル時、持ち越し可能アイテムになる |