読者参加型TRPG風小説   作:矢端トラム

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本日昼ごろ、途中保存と間違えて執筆途中だった分を一度投稿してしまいました。
読んでしまった方には申し訳ありません。

『?』で隠す前だったため漏れてしまった依頼の特殊条件部分は、全て変更がかけられています。
(依頼ダイス自体は振る前でした)




【投票結果】

→ 奉仕に勤む



依頼選択フェイズ

 

 

 

とある日。

あなたは村の中を歩いていた。

 

片手に持参しているのは手提げの鞄だ。

中身は大したものでもない。

一度煮沸した水と、清潔な布といった程度。

 

「おや、神官様。どうされたんで?」

 

何をしているかと問われれば、治療のための巡回である。

道中声をかけてきた村人にもあなたはそう返した。

 

今現在、開拓村には治癒の秘蹟を扱える神官が3名存在する。

これは中々異例な事だ。

そもそもとして秘蹟の行使を許されるほどに信仰深い者は稀であり、この規模の村には1人もいないのが当然とされる。

秘蹟の癒しとは一般に、はるばる都市の神殿まで出向くか、修行の一環として町々を渡り歩く神官がやってきた折に受けられるものなのだ。

 

辺境の開拓村。

そういう事情があるからこその厚遇という事になる。

そして、折角の厚遇ならば最大限に活用しなければもったいない。

 

というわけで、あなたと、村の教会の管理者、そして女神官の3名は持ち回りで怪我を負った村人の治療を行っている。

突発的な大怪我などに備えるため、2人が待機し、1人が村を回る形だ。

あなたが出歩いている今日は、残る2人は教会の煤掃除に勤しんでいる事だろう。

 

 

 

さて、そんなあなたは声をかけてきた村人に逆に尋ねた。

周囲で怪我人は出ていないかと。

 

「や、今のとこだぁれも。皆ピンピンしとりますよ」

 

対して、農夫の男は朗らかに答える。

畑から引っこ抜いた雑草を手に柔らかな笑みを浮かべてだ。

 

ただし、あなたはそれにはいそうですかとは引き下がらない。

本当にそうだろうかとさらに聞く。

ごく小さな怪我の類も全くなかったかと。

 

「そう言われましても……こないだすっ転んだヨナもちょいと首を痛めただけですし、バルトもクワを片付ける時に倒れてきたのに当たって額を切っただけ。後はラウロのじい様が腰やっちまったそうですが、なあによくあるこってす。寝てりゃ治りますよう」

 

その疑念は当たった。

やはりである。

こういう事はよくあるのだ。

 

隠しているわけでも遠慮しているわけでもなく、村人──特に農夫にはこういった事が多い。

多少の怪我は当たり前だと軽視してしまうのだ。

 

特におかしな話ではない。

先述の通り、秘蹟はそうそう気軽に受けられない。

一般的な村人にとって、小さな怪我は積極的に治すものではなく、消極的に耐えるものだ。

多少傷が大きければ薬師を頼り、薬でどうにもならないほどになってようやく秘蹟の存在を思い出す、といったところ。

 

治癒の巡回が始まってまだ1年ほど。

感覚が切り替わっていないのも仕方がないのかもしれない。

 

そんなこんなで、あなたは治療対象を発見した。

名前の出た者達がそれぞれどこにいるかを聞き出し、足を向ける。

 

小さくとも怪我は怪我。

体の痛みは作業の効率を落とし、村内の仕事の流れに滞りを生む。

ひとつひとつの影響はごく小さなものだろう。

だが、えてして破綻というものはそういった小さなものの積み重ねで起こるものだ。

余裕のあるうち、早め早めに整えておくのが賢い選択と言える。

 

 

 

 

 

「すみません、お手を煩わせちゃって……」

 

そしてまた、別の事情として。

そもそも医療知識に乏しい者には傷の度合いの正確な判断が難しい場合もあるという事もある。

 

転んで首の筋を軽く痛めた若者と、ギックリ腰で寝込んでいた老人。

これらを癒した後に訪問した3人目がまさにそうだった。

片付けの最中、倒れてきたクワを額に受けて切ったという男だ。

 

彼の傷は確かに小さく、一見放置しても痕も残りそうにない簡単な切り傷に見える。

だがそれにしては腫れが強く、傷周りの色もやや不吉だ。

膿んでいるのだろう。

切った後、適切な処置を行わなかったに違いない。

 

今はまだ良くとも、明日か明後日には高熱を出して寝込みかねない、そんな状態だった。

この村の住民でなければ──つまり秘蹟を扱える神官がおらず、住まう薬師の腕も並以下という土地であったなら、下手をすれば命を落としかねないところである。

助かったとしても後遺症が残るような事態も十分ありえた。

 

あなたがそう説明すると、男は驚きに目を見開いた。

こんな程度でまさか、という風にもう傷の消えた額を撫で、しかし神官様が嘘を言うわけも、と遅れて唾を飲み込む。

 

顔色を悪くした男は、今後気を付けると約束した。

傷の大小を勝手に判断せず、薬師か神官に判断を仰ぐ事をだ。

こうして少しずつ習慣が広まっていけば、あなたや薬師の仕事はよりスムーズになり、村の労働環境はより良いものとなるだろう。

 

 

 

さて、治療はひと通り終わった。

他に農夫の内に怪我を負った者はなく、あなたは次の目的地に向かっても良い。

 

職人。

兵士。

今は研究棟の学者達もいる。

怪我がつきものの住民は多く、手早く職務を遂行したいならこの場は早々に立ち去るべきだ。

 

が、あなたはそうしない。

 

「へ? な、悩み、ですか?」

 

畑横の作業具置き場。

その横の休憩用の腰掛けに座り、額を切った男に向き合う。

必要な措置である。

再発の防止もまた重要な事だ。

 

原因がただの不注意ならまだしも、今回は少々不自然があった。

通常、使い終えた農具は作業具置き場に仕舞われるが、その際には正しい仕舞い方というのがある。

クワの場合は倉庫内にある木製の枠に金属部を引っ掛け、吊るしておくというものだ。

最も重い部分が支点となるために安定し、そうそう落ちて転がるような事がない。

 

それが何故か、今回この男はクワをそのまま壁に立て掛けたというのだ。

持ち手を下、金属部分を上にしてだ。

全く安定を欠く置き方で、案の定その近くでしゃがみ込んだところにちょうど刃が降ってきたという。

 

この村の農夫はよくよく教育が徹底されており、そのような事はまずない。

あなたも、農具が雑に置かれているのを見た経験はないはずだ。

さらにその中でもこの男は真面目な働き者との評価も高い。

普段ならば雑な仕事をするなど考えにくく、ならば何か悩みでもあり元々調子を崩していたのではと察するのは自然な流れであった。

 

「…………そう、ですね。神官様になら。実は、うちの妹の事なんですが──」

 

そうして打ち明けられたのは身内の悩みであった。

彼の妹、その縁談に関してである。

 

美しく健康に育った彼の妹はまもなく結婚の適齢期を迎える。

それに備えて、男とその父は相談した。

誰に妹を嫁がせるのが良いか。

 

候補は2人だ。

 

1人は働き者の農夫。

明るく気丈、誠実さでは同世代では随一で、村人達からの信頼も篤い。

相手側からもそれとなく縁談を望んでいると匂わせる接触もある。

彼に嫁げば大事に愛されるのは疑いない。

 

1人は羊飼い。

男とは親しい友人であると言い、本人は全く認めようとしないが昔から妹を好いているのは明らかなのだとか。

だが相手が素直になれるのか、農作業ばかりで育ってきた妹が羊と正しく付き合えるかに不安がある。

 

「普通に考えれば答えは決まってるようなもんです。ですが……あいつも本当に良いヤツなんですよ。妹や俺が困ってたり悩んでたりしたら、いつだってコッソリと手助けしてくれて、見返りなんか受け取らせるのに毎度苦労するくらいで。妹がよそに嫁いだら、あいつがどう思うかと考えると……」

 

確かに悩ましいところだ。

容易に答えの出せる事ではなく、男は眠れない日々を過ごしてきたのだろう。

目元を押さえて重い吐息を吐き出す様は深い苦悩を感じさせた。

 

 

 

この悩みにあなたがどう答えたか。

それは置いておこう。

あなたと、そして農夫の男だけが知っていれば良い事だ。

 

だが、どう答えたにしろ、あなたは誠実に向き合ったはずだ。

それこそがあなたの責務であるがために。

 

地神、黄金のイィル=マガは言う。

人はただ1人では生きられぬ。

隣人を頼り、友を支えに歩くべし、と。

 

故に教会、そして神官といえば相談事の専門家だ。

頼って良い者はここにいるのだと、人と神の愛を示すべくあらゆる迷い人に門戸を開いている。

苦悩に寄り添い、秘密を守り、納得と答えを得るために全力を尽くす。

古来より神官達はそうあり続けてきた。

無論、あなたもまたその1人である。

 

経験により培われたあなた自身の話術と、先達が積み重ね磨いてきた他者に自身の望みと向き合わせるための様々な技法。

それらを巧みに操り、あなたは男の心を軽くした。

 

初めは暗く俯いていた男も、話が終わる頃には明るい面持ちに変わっていた。

どうやら苦悩は取り除けたようである。

これで本当に用は済んだと立ち去るあなたへ、彼は長く頭を下げて見送った。

 

 

 

その後も、あなたは村を回っただろう。

秘蹟の光と、それとはまた別の、人を癒す力を携えて。

 

それはまさしく人として、そして神官として。

あるべき姿を正しく示すものに他ならなかった。

 

 

 

技能強化
『信仰+』

秘蹟の使用権を得る

信用、説得、言いくるめに補正+2

1ターンに1度、初歩の秘蹟の行動権消費を無効

初歩の秘蹟を強化

 

秘蹟強化
『治癒』

初歩の秘蹟、消費MP5

肉体をあるべき姿に戻す

2D6+精神SB』のHP回復

『守護』

初歩の秘蹟、消費MP2

肉体があるべき姿を保つ力を強める

『精神SB』だけ全ダメージを軽減

効果時間は1戦闘

戦闘準備フェイズ時、行動権を消費しない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな風に日常を過ごしながら、時は流れた。

 

春はいよいよ終わり夏となる。

生命が活気付くこの時期、村もまた一段と騒がしくなった。

 

追加で数度行われた調査は良い結果をもたらし、研究はさらに進んでいる。

薬師の作る薬品は質を上げ、鉱石類は打たれる武具の改良に繋がっている。

研究棟での火薬開発も順調のようだ。

少なくとも、爆発事故の頻度は上がりながらも怪我人の数は減っている。

 

さて、そんな中でも依頼は来る。

あなた達の仕事は調査ばかりではない。

合間合間で普通の依頼をこなすのも責務のうちだ。

 

……とはいえ、今は時期が時期。

村のほぼ全ての目が西を向いている以上──

 

「どれも西ばっかだな。ま、そういうもんだ。お前はどれにする? それ次第で俺の行き先を決めようと思っててな」

 

そういう事になる。

カウンターでダガーの手入れをしていた野伏の言だ。

かたわらには3枚の依頼書があり、そのどれもが西方のもの。

 

野伏自身はまだどれを請けるかは未定のようだ。

手薄になる依頼に参加するつもりらしい。

 

「あんた毎度そうやって色々とバランス考えてくれるのは良いけどね。わざわざ慣れてないとこに手ぇ伸ばすような事はすんじゃないよ。心配で見てられやしない」

 

「そこまでお人よしでもねぇよ。やれる事だけだ」

 

どうだか、と宿の老婆は嘆息した。

実際怪しいところではある。

あなたも湿原で目にした通り、野伏は人の良い、というかやや良すぎる面がある。

商会の息子として、そして冒険者としても少々どうかと思えるほどにだ。

 

 

 

まぁ、それはともかく。

仕事の時間である。

あなたは3枚の依頼書を見比べ、その内容を精査した。

 

 

 

 

 

判定内容依頼の目的地
判定方法1D10

1/湖畔

2/谷底

3/廃墟

4/洞窟

5/遺跡

6/山中

7/荒野

8/火山

9/湿原

0/???

判定結果①1D10=2(谷底)

②1D10=5(遺跡)

③1D10=9(湿原)

 

判定内容依頼の特殊条件
判定方法1D10

1-2/??な

3-4/???い

5-6/???た

7-8/??る

9-0/??の

判定結果①1D10=8(??る)

②1D10=6(???た)

③1D10=2(??な)

 

判定内容依頼の主目標
判定方法1D10

1/採取

2/護衛

3/自由探索

4/ワーグ

5/獅子

6/スプライト

7/亜竜

8/ストリゴイ

9/トロル

0/鳥

判定結果①1D10=5(獅子)

②1D10=1(採取)

③1D10=7(亜竜)

 

 

 

 

 

ひとつめ。

谷での依頼だ。

 

谷と言っても村近くの谷ではない。

西の火山に連なる山脈のうちのとある谷だ。

水の涸れた川の跡で、ごろごろと岩が転がる場所である。

金鉱脈探しのため護衛と共に踏み入った山師が、そこで危険な魔種を見たという。

 

人面に獅子の体、蝙蝠の翼に蠍の尾を持つ異形だったそうだ。

巣としているらしい谷には多くの獣の骨が転がり、明らかに獰猛な肉食と推測される。

 

幸いにも遭遇時は相手が満腹だったのか。

ハッキリと目が合ったにも関わらず追われるような事はなく、山師と護衛は無事に帰還した。

が、このままでは鉱脈調査が進められない。

 

件の谷はこの山師が最有力と睨む鉱脈候補地であるらしい。

討伐か、最低でも谷から追い払う事が求められている。

 

成功時入手経験点+3〜6
成功時入手成長点+1〜2

 

 

 

 

 

ふたつめ。

採取依頼だ。

 

幾度か行われた継続調査の道中、荒野と開拓村の中間あたりでとあるものが発見された。

遺跡である。

明らかに人の、あるいは魔種の手によって作られたと見られるそれは、崖が崩れた中に埋もれるようにして入り口を覗かせていたそうだ。

 

発見者は村の戦士。

彼女はここにわずかだけ踏み入り、簡単な外観と入り口付近の構造、それに内部の壁に刻まれた文字のような模様を写しとって帰還した。

問題はこの文字らしきものだ。

専門家によれば明らかに文章らしい連なりであるものの、全く記録に無い文字であるそうだ。

 

降って湧いた太古の未知に、村の一部がざわめいている。

位置が位置だけに西方調査に何らかの影響をもたらす可能性が高く、そもそも学術的な面だけでも価値は相当に高いものと思われるためだ。

 

求められているのは未知の文字のサンプルを出来るだけ多く写しとる事だ。

また、内部に持ち帰れそうな物があればそれも確保して欲しいらしい。

 

成功時入手経験点+2〜4
成功時入手成長点+1

 

 

 

 

 

みっつめ。

まず宣言しておかねばならない。

これは極めて危険な依頼である。

 

あなたも調査を行った南西の湿原。

ここに、なんと亜竜の飛来が確認された。

 

亜竜。

それは文字通り、()ではないが竜に近い魔種を指す。

村の川の下流、汽水湖に住むサーペントは大蛇だが、広義では亜竜に含む場合もある。

つまり、その規模の生物という事だ。

 

湿原に現れたのはクエレブレ。

猛毒の息を吐き、自在に空を駆ける獰猛な亜竜である。

 

空を飛ばぬ羽無しの亜竜たるドレイクなどなら避ける術もあるが、翼持つクエレブレではそうもいかない。

これが存在する限り湿原の調査どころではなくなってしまう。

営巣されてしまう前、今現在の段階でどうにか立ち去ってもらう必要がある。

奇跡的にでも討伐がかなうならば、もちろんそれが最善ではあろうが。

 

当然だが、この依頼は1人で受けるようなものではない。

真っ先に戦士と魔術師が名乗りを上げ、女神官も出立の準備を整えている。

参加を望むなら、そこに合流する形となるだろう。

 

成功時入手経験点+9〜12
成功時入手成長点+2〜4

 

 

 

 

 

名前(あなたが自由に決めて良い)
職業神官

 

HP41/41
MP25/25

 

筋力9SB=3
耐久15SB=5
敏捷10SB=3
器用9SB=3
感覚13SB=4
知識15SB=5
精神19SB=6
幸運10SB=3

 

装備性能
メイス+1『2D6+筋力SB』の物理ダメージ

命中力+1

バックラー+1防御成功時、

物理ダメージを『耐久SB』軽減

防御成功率+1

 

特殊技能詳細
重撃攻撃命中時、『朦朧』判定

クリティカル時、『朦朧』確定付与

信仰+秘蹟の使用権を得る

信用、説得、言いくるめに補正+2

1Tに1度、初歩の秘蹟の行動権消費を無効

初歩の秘蹟を強化

治癒初歩の秘蹟、消費MP5

肉体をあるべき姿に戻す

『2D6+精神SB』のHP回復

守護初歩の秘蹟、消費MP2

肉体があるべき姿を保つ力を強める

『精神SB』だけ全ダメージを軽減

効果時間は1戦闘

戦闘準備フェイズで行動権消費なし

賦活初級の秘蹟、消費MP5

肉体と魂をあるべき姿に引き戻す

状態異常を回復

聖域初級の秘蹟、消費MP6

小規模な聖火の結界を顕現させる

休息中のみ以下の効果

通常エンカウント停止

環境ダメージと休息妨害を無効化

一部状態異常を即時回復

回復判定ダイス数+1

 

アイテム詳細
チェインメイル1度だけ死亡を回避

 





【選択肢】

谷底の ??る 獅子
遺跡の ???た 採取依頼
湿原の ??な クエレブレ

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