読者参加型TRPG風小説   作:矢端トラム

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報酬精算フェイズ

 

「おお、おお、お疲れ様。まさかこんなに早く片付けてくれるなんてねぇ。何日かはかかるもんだと思ってたよ」

 

討伐を報告したあなたに、宿の主人、老婆はそう労いの声をかけた。

 

表情はニコニコとした笑みである。

感情の割合としては厄介者が消えた安堵が半分、あなたがしっかりと依頼をこなせる冒険者だとわかった喜びが半分、といったところだろう。

 

「さてさて、それじゃあ今報酬を用意するよ。これでも飲んで待ってておくれ」

 

コトリ、と軽い音を立ててカウンターにゴブレットが置かれる。

中身は酒のようだ。

匂いを確かめると、どうやら麦酒らしい。

聖典にて「口にして良い」と記されていない種──例としては蜂蜜酒など──ではない事をあなたはキッチリ確認した。

 

口にして良いとは書かれていなくとも、禁じられてはいないのだから飲んでも構わない。

市井の者の大半はそう言い、教会も奨励はしないがいちいち咎めもしない。

実際蜂蜜酒は市場に多く出回っている人気の酒だ。

 

が、神官が口にしてしまうには問題がある。

神が定めた人の在り方から逸れたとして、行使できる秘蹟の強度が下がってしまうのだ。

過去には優れた秘蹟の使い手を騙して蜂蜜酒を飲ませ、力の弱まったところを暗殺した……などという例があるほどに深刻な話である。

 

あなたもまた、少なくとも神官を志してからは麦、熟れて落ちた果実、羊の乳と肉、そして魚しか口に入れてはいないはずだ。

調味料の類も「地を拓いて」得た岩塩あたりがせいぜいだ。

 

 

 

カウンターの奥で貨幣を数える老婆を横目に、あなたはゴブレットを傾けた。

 

まずやってきたのは、淡い炭酸だ。

舌と喉を程よく刺激するシュワシュワとした感触。

それを飲み下すと、腹の底からじんわりと麦の香りが漂ってくる。

口腔にほのかに残った苦味の後味も良い。

 

もしあなたが酒にうるさい性質ならば、辺境の中の辺境でこれほど上質な麦酒が味わえる事に驚いたかもしれない。

そしてまた、政に耳ざといのならば、開拓村を直接監督する東の都市パレルヴァの統治者、トルボリ辺境伯の三男は熱狂的な火神の信徒であり、開拓事業に投資を惜しまないという情報も思い返しただろう。

 

ともかく、仕事の後にはうってつけである。

体と心を癒してくれる酒杯を楽しみながら、あなたは今回の依頼にて得られた経験を振り返った。

 

 

 

報酬①
経験点+3

 

TIPS/経験点
クエスト成功時に得られるポイント。

1点につき、ステータスが1上がる。

どのステータスが上がるかは、クエスト中の経験によって自動的に判定される。

 

 

 

まず、最もあなたの心に残っているのは……やはり秘蹟の行使だろう。

 

レッドキャップは本来、無傷での討伐がかなうような容易い相手ではない。

しかも、今回の個体は異常発達した巨体を誇っていた。

まともに戦ったならば盾を駆使したとしても流血は免れなかったに違いない。

無傷かつ短期での討伐は秘蹟が無ければありえなかった。

 

日々戒律を遵守し、秘蹟の力を積み上げて来たことは正しかったと証明されたのだ。

これはあなたの自信を高めたことだろう。

 

 

 

ステータス上昇
『精神』

12+1=13

 

 

 

続くのは、知識の重要さだ。

 

レッドキャップは秘蹟に弱い。

そう知っていたからこそ、あなたは相手に治癒をかけたのだ。

相手が歪んだ命でないならば、敵の傷を癒し強めてしまうだけの行為である。

実行できたのは信頼できる知識による確信があったためだ。

 

もしあなたがレッドキャップを詳しく知らなかったのなら。

秘蹟が有効と気付くには戦闘中に冷静を保っての観察か、より詳細な探索と調査が必要だったはずである。

 

これもまた糧となった。

重ねた学びが実を結ぶ過程を経て、あなたの意欲はまた少し向上したに違いない。

 

 

 

ステータス上昇
『知識』

11+1=12

 

 

 

あとはもちろん、探索だ。

 

あなたはしっかりと草原を歩き回り、レッドキャップの痕跡を探った。

各所に残された死骸を観察し、木に刻まれた傷を見つけ。

そうして敵の情報を推察したがために、終始優位と落ち着きをもってレッドキャップに相対できたと言って良い。

 

他ふたつに並ぶ重要な経験である。

 

 

 

ステータス上昇
『感覚』

9+1=10

 

 

 

「はいはい、お待たせしたね。これが討伐の報酬だよ。確かめておくれ」

 

と、そこまでを思い返したところで老婆が戻ってきた。

そしてあなたの前に小さな袋を置く。

 

口を留めていた紐をほどくと中には貨幣が確認できる。

枚数はもちろん、依頼を受ける際に提示されていた金額と同額だ。

 

人間の領域を外れた開拓村といえど、貨幣は流通しているようだ。

話に聞けば月に数度、パレルヴァから行商に来る者もあるという。

これもまた辺境伯家からの支援の一環なのかもしれない。

 

 

 

報酬②
成長点+1

 

TIPS/成長点
クエスト成功時に得られるポイント。

1点につき1回、成長フェイズで能力を上げられる。

あなたの何を強化するかは、あなたが選択できる。

 

 

 

報酬を懐におさめたあなたは、このまま夕食を取ろうと決めた。

 

老婆にそう告げると、羊の乳で作った麦粥と川魚のソテーを提案される。

どちらも戒律に沿った理想的な献立だ。

 

麦酒といい、老婆はなかなか理解のある人物らしい。

この宿に滞在する限り、どうやらあなたは食事選びにあまり気を使う必要はなさそうであった。

 

 

 

 

 

さて、それから少しの時間が経った。

正確には週をふたつほど。

 

その間にあなたは幾つかの依頼をこなしている。

森の浅い辺りで薬草を集め、洞窟に住み着いた魔種ノッカーと村長の交渉における用心棒を務め、レッドキャップの後釜を狙いやってきたらしい狼の群れを追い払い、などだ。

 

流石に人の領域の外だけあり、冒険者の仕事はいくらでもあった。

生存競争は村の新入りにも容赦なく襲い掛かり、あなたを忙殺する勢いである。

 

 

 

そんな日々の中、あなたはようやくゆっくりと休める休日を得た。

 

宿に持ち込まれた依頼はあらかた片付き、今のあなたにはやらねばならないことがない。

日頃の冒険の疲れを癒した後は好きに時間を使うと良い。

 

 

 

例えば、集中的な鍛錬。

肉体や心を厳しく鍛え、新たな戦いに備えるのは冒険者の嗜みだ。

闘争を生き残るには強靭な生命力と揺るがぬ精神力がなければ話にならない。

 

技を磨くのも良い。

武器や盾を扱うにも、ただ使うだけでは片手落ちである。

明確な意図をもって振るわれてこそ、刃は活きるというものだ。

 

また、あなたは神官だ。

村にある教会に足を運び、奉仕活動を行う手もある。

信仰の深まりは新たな秘蹟として実を結ぶ事もあろう。

 

武具の手入れも忘れるべきではない。

すでにあなたも知る通り村の職人たちの腕は確かだ。

彼らに調整を任せれば、メイスの一撃はより威力を増すに違いない。

 

もちろん、休日をただ休日としてすごすのも自由だ。

同僚たる宿の冒険者や村人たちと交流を重ねれば、あなたは一段と村に溶け込んでいけるだろう。

あなたひとりでは荷が重い依頼に行き当たった時、何より助けになるのはそういった繋がりだ。

 

 

 

選択肢効果詳細
鍛錬を行うHP&MP上昇

上昇量は各1D10

技能を磨く技能習得

次回習得は『重撃』

メイス命中時に状態異常判定

クリティカルヒットで状態異常確定付与

奉仕に勤む秘蹟習得

次回習得は『賦活』

状態異常の回復

武具の新調メイスの命中強化

バックラーの防御成功率強化

村人と交流クエストでの友好的NPCの能力向上

現在Lv1

 

 

 

休日の早朝。

体調の良好さを示すようにすんなり目が覚めたベッドの上で。

さてどうするかとあなたは考えた。

 

 

 

名前(あなたが自由に決めて良い)
職業神官

 

HP36/36
MP17/17

 

筋力7SB=2
耐久13SB=4
敏捷9SB=3
器用6SB=2
感覚10SB=3
知識12SB=4
精神13SB=4
幸運8SB=2

 

装備性能
メイス『2D6+筋力SB』の物理ダメージ
バックラー防御成功時、

物理ダメージを『耐久SB』追加軽減

 

特殊技能詳細
信仰秘蹟の使用権を得る
治癒初歩の秘蹟、消費MP5。

肉体をあるべき姿に戻す。

『1D6+精神SB』のHP回復。

守護初歩の秘蹟、消費MP3。

肉体があるべき姿を保つ力を強める。

『精神SB』だけ全ダメージを軽減。

効果時間は1戦闘。

あなたの過ごし方は?

  • 鍛錬を行う
  • 技能を磨く
  • 奉仕に勤む
  • 武具の新調
  • 村人と交流
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