蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの裏方 作:アイリエッタ・ゼロス
「菫ちゃ~ん! どうしよ~!」
「急に部屋に来たかと思えば....どうしたのさ」
夜、部屋で兄さんから頼まれたデバック作業をしていると急に花帆がやってきた。
「あのね! さっきさやかちゃんや他のスクールアイドルの動画や配信を見たんだけど....
自分の動画と見比べたらあたし全然ダメダメだったの! 隣で踊る梢センパイとも全然合って
なくて! しかもそれをふたばとみのりに自信満々に見てって言っちゃって! ....って、
菫ちゃん聞いてる!?」
「聞いてるっての....ていうか、それ私に言われても困るんだけど....乙宗先輩に
相談しなよ」
「で、でも....恥ずかしいし....」
「....はぁ~~」
私はコントローラーを机に置き花帆の方を見た。
「そもそも、花帆とさやかじゃスタートラインが違うんだから。さやかの方が動きが
良くて当然だと思うけど? まぁ他のスクールアイドルもそうだと思うけど....」
「スタートラインって....?」
「さやかは元々フィギュアスケートをやってたんだから、花帆よりも体力はあるし動きの
キレもあるはずだよ。花帆はそこまで運動をやってこなかったから差はあって当然。それが
今言ったスタートラインって意味。まず花帆に必要なのはキレの良いダンスや乙宗先輩の
ダンスについていけるぐらいの体力をつけること。どんな物事でも基礎からやらないと、ね。
私だって、初めから綺麗な写真取れたわけじゃないよ。....まぁ、私から言えるのはこれが
限界。あとは乙宗先輩に相談しなよ。スクールアイドルの先輩に相談した方が、もう少し
良いアドバイス貰えるんじゃない?」
「....うん。ありがとう、菫ちゃん」
「どういたしまして」
~次の日~
「....二人とも、部室に入らず何してるんですか?」
次の日の放課後、部室の前に着くとさやかと夕霧先輩がいた。
「こずの先輩活動の応援中」
「先輩活動、ですか....」
「うん。今はこずを陰ながら応援してあげよう」
「....わかりました」
「じゃあ、ボクたちは練習をしよう。すみはどうする?」
「そうですね....せっかくですし夕霧先輩の練習の見学をさせてもらいます」
「そっか。じゃあ着替えてくるから、すみは外で待ってて」
「わかりました」
「(....ま、乙宗先輩に任せておけば大丈夫かな?)」
私は一度部室の扉を見てから外に向かった。
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「さや、そこはもっとお麩みたいに....」
「お、お麩ですか?」
「うん。今のさやは硬い赤巻きみたいだ」
「....」
「(何を言ってるのか全く分からない....)」
DOLLCHESTRAの練習風景を撮影しながら私はそう思っていた。夕霧先輩の教え方は、
何というか抽象的過ぎて今の私には理解がほとんどできなかった。
「(あとで乙宗先輩に相談してみないとダメだ....)」
そう考えながら私は携帯のメモに夕霧先輩の抽象的な言葉をメモしていった。