蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの裏方   作:アイリエッタ・ゼロス

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大倉庫と生徒会長

「さて、頼まれたことは終わったわけだけど....」

 次の日、部室で乙宗先輩に頼まれた仕事を終えた私は一人部室の中の資料を

 調べていた。

 

「特に情報は無しか....」

「(乙宗先輩は花帆の特訓に付きっ切りで邪魔するわけにもいかないし、夕霧先輩も

 さやかとの練習が忙しそう....)」

「どうしたもんか....」

 そう思いながら部室の椅子に座ってボーっと考えているとあることを思い出した。

 

「(そういえば乙宗先輩、大倉庫にはこの学校の部活の歴史がたくさんあるって言って

 いたような....)」

 それは私がスクールアイドルクラブに入る前の手伝いの時に乙宗先輩が言っていた事だった。

 

「(ちょっと見に行ってみるか)」

 そう思い、私は書置きを残して大倉庫に向かった。

 

 ~~~~

 大倉庫

 

「ここが大倉庫....」

「(広っ....こっからスクールアイドルクラブの探すの時間が掛かりそうだな....)」

 大倉庫の中に入った私はまずそう思った。

 

「ま、考えてても仕方ないか」

 私は大倉庫の道に沿いながらスクールアイドルクラブの資料が置かれている場所を探した。

 

「(ここは合唱部....ここは演劇部....吹奏楽部に書道部....どこも強豪校なみの賞状と

 トロフィーの数....)」

 私は他の部活の資料置き場を見ながら目的のスクールアイドルクラブの場所を探していた。

 

「あ....」

 すると、大倉庫の奥の方にスクールアイドルクラブの資料置き場を見つけた。

 

「こんな奥にあるんかい....にしても段ボールも資料も凄い量....」

 私は辺りに置かれている物の数に驚きながらそう呟いた。

 

「(今度来た時に少し片づけるか....って、それよりもお目当ての物は....これだ)」

 私は棚に置かれているアルバムを一冊手に取った。

 

「102期生スクールアイドルクラブ....」

 私はアルバムのページを何枚かめくった。

 

「乙宗先輩に夕霧先輩....それにこの人は、生徒会長? 生徒会長もスクールアイドルだった

 のか....それとこの人....どこかで見たような....」

 めくったページにはライブ終わりの写真が貼られていた。そこにはどこか統一感のある

 衣装を身に纏った四人が写っていた。その四人のうち三人は知っている人だったが、

 あと一人、茶髪のツーサイドアップの人がいた。だが、その人を私はどこかで見たことが

 あるような気がした。

 

「(どこで見たんだっけ....ダメだ、思い出せない....ま、今はいいとして。この人が

 今は無いユニットのメンバーだった? それと生徒会長がこの人と組んでたのか....じゃあ

 去年は乙宗先輩と夕霧先輩はソロだったのか....三年の先輩はいなかったのかな....?)」

 そう思いながら何枚かページをめくりながら写真を見ていると、生徒会長が先輩達と同じ

 ステージに立っている写真があった。

 

「(生徒会長、バラバラの衣装を着て先輩達と踊ってるってことは....もしかして、三組

 兼任してたってこと....?)」

「普通にすご....」

 私は生徒会長の凄さに驚きながら、ページをめくった。すると、ようやく今は無い

 ユニットの名前を見つけた。

 

「みらくらぱーく!、か....」

「(名前の由来なんだろ....? ....それよりも、あの時の乙宗先輩の表情はこの二人が

 今いないことが理由....?)」

 そう思っていると足音が私の方に向かってくる音が聞こえた。

 

「(乙宗先輩か....)」

 私は持っていたアルバムを閉じ足音の方を見た。そして現れたのは予想外の人だった。

 

「あれ? キミは確か....」

「生徒会長....」

 現れたのはこの学校の生徒会長の大賀美先輩だった。

 

「あっ! 思い出した! この前の新入生歓迎ライブでカメラ持ってた一年の子じゃん!」

「よくご存じで....スクールアイドルクラブ裏方の月村菫です。初めまして、大賀美先輩。

 ....いや、生徒会長って呼んだ方が良いですか?」

「そこは好きな方で呼んでくれ。それよりも、スクールアイドルクラブの裏方か....今年の

 新入部員は三人も入ったんだねぃ。それで、キミはここで何をしてたんだい?」

「ちょっと気になることがあったんで....それについて調べてたんです」

「気になることかい?」

「えぇ。まぁ、調べたいことは終わったので出ようと思っていたんですが....それよりも

 大賀美先輩はどうしてここに?」

「あたし? あたしは見回りと荷物整理ってところ。ここ、めっちゃくちゃ広いっしょ?」

 そう言いながら大賀美先輩は指を回した。

 

「たまに整理しとかないとすーぐ物があふれるんだよねぃ」

「そういうことですか」

「今日は終わったから出ようと思ったんだけど、人の気配がしてねぃ。気になって

 見に来たらキミがいたってわけ。....さて、あまり遅くならないうちに出るんだよ? 夜に

 なるとかなり大倉庫も暗くなるからねぃ。それで新入生の何人かは迷って骨なる子が出たり

 出なかったり....」

「それ流行ってるんですか....? 乙宗先輩も似たようなこと言ってましたが....」

「梢が....? へぇ、あの子が....」

 大賀美先輩は驚きながらそう呟くと少し考えこんだ表情になった。

 

「あの、大賀美先輩?」

「っ! あぁ、悪い悪い。ちょっと考え事をね....おっと、こんな時間か。それじゃ、

 気をつけて帰るんだよ!」

 大賀美先輩はそう言うと、急ぐように何処かに向かって歩いて行った。

 

「....」

「(なーんか、色々抱えてそうな人だなぁ....)」

 私はそう思いながら持っていたアルバムを元の場所に戻し大倉庫から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

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