蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの裏方   作:アイリエッタ・ゼロス

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夜間の練習

「あ゛~~~、気持ちいいよさやかちゃ~ん....」

「花帆さん、どこもかしこもかなり凝ってますね....」

「....」

「(さやかの服、お野菜さんシリーズのやつか)」

 お風呂に入った後、私はさやかと一緒に花帆の部屋にいた。花帆はさやかにマッサージを

 されており、私はそれを横目に花帆の部屋にあるマンガを読んでいた。

 

「さて、次はスペシャル足つぼマッサージを....」

「えっ、足つぼ!? それ痛いやつじゃないよね!?」

「いえ、これが一番疲れに効きますから。少し我慢してくださいね」

「お、お手柔らかに、おてやわ....ぴぎゃぁぁぁぁ!?」

「バ、バカ! こんな時間に叫ぶな!」

 

 ~~~~

 

「....謝ってきたよ。みんなに苦笑いされたけど」

 花帆が叫んだ後、私は近くの部屋の生徒と寮母さんに謝りに行った。

 

「す、すいません菫さん....」

「ありがとね菫ちゃん」

「次から足つぼやる時は口にタオル噛ませた方が良いんじゃない?」

 私はそう言いながら床に座った。

 

「そういえばさやかのその服、お野菜シリーズのやつだよね? 好きなの?」

 私はさっきから気になっていたことを聞いた。

 

「はい。わたし、お姉ちゃんがいるんですけど、誕生日プレゼントにお野菜さんシリーズの

 クッションをくれたんです。それが凄く嬉しくて、お野菜シリーズのグッズを集めるように

 なったんです。たまにお姉ちゃんが買ってくれたりもするんですけど」

「へぇ、お姉さんいるんだ....ちょっと羨ましいな」

「羨ましい、ですか?」

「うん。私、兄さんしかいないからさ。姉さんか妹欲しいって思ったことあるんだ。でも

 兄さん達、誰も結婚しないから義姉さんは出来なくて....まぁ妹みたいなのは近くに

 いるけど....」

 そう言いながら、私は花帆の方を見た。

 

「何であたしの方見るの!?」

「....なるほど」

「さやかちゃんも何で納得するの!?」

「ま、兄さん達はしばらく結婚する気なさそうだし、そこまで期待はしてないんだけど。

 ....てか、もうこんな時間か。さやか、私達もそろそろ部屋に戻ろう」

 私は花帆の部屋にある時計を見てさやかにそう言った。

 

「そうですね。明日はライブ当日ですし、花帆さんも早く休んでくださいね」

「私も部屋でカメラの準備やろっと。じゃ、おやすみ花帆」

「おやすみなさい、花帆さん」

「うん。二人ともおやすみ」

 そう言って、私とさやかは花帆の部屋から出た。

 

 ~~~~

 

「まぁこんなもんか....」

 明日の荷物をカバンに入れた私はベッドに横になった。そしてそろそろ寝ようと思った時、

 誰かから電話がかかってきた。画面を見ると、そこに出ていた名前はさやかだった。

 

「もしもし? どうしたのさやか」

『すみません、もしかして寝るところでしたか?』

「まぁベッドには横になってるけど....それよりも、電話してくるってことは何か急用?」

『はい....あの、さっき窓の外を見たら誰かが外に出ているのが見えて....その人、花帆さん

 じゃないかと思うんです』

「花帆が? 何でまたこんな夜中に....」

『というか、本当に花帆さんがどうか....』

「....ま、取り敢えず見に行ってくるよ。わざわざありがと」

『いえ、私こそ変なことを押し付けてしまってすみません』

「良いよ別に。それじゃ、おやすみ」

 そう言って私は電話を切った。

 

「(寮母さんに怒られたら花帆のせいにするか....)」

 そう思いながら、私は寮母さんにバレないように寮から出た。

 

 ~~~~

 

「(さやかの部屋から見えたってことは、こっちの方向か)」

 私は寮の外に出てさやかの部屋から見えた方向に歩いていた。すると、近くから何かが

 動く音が聞こえた。音の方向に行くと、そこには明日のステージで踊る曲の練習をしている

 花帆がいた。

 

「....全く、こんな遅い時間に何やってんの?」

「っ!? す、菫ちゃん!? 何でここに....」

「さやかから外に出ていくところを見たって連絡があったんだよ。全く....さやかから早く

 休むようにって言われたの、もう忘れた?」

「べ、別に忘れたわけじゃ....」

「じゃあ何で外に出てたわけ?」

「だって....明日のライブ、失敗したくないから....」

 花帆は俯きながら低い声でそう言った。

 

「はぁ....まぁ花帆の気持ちもわからないわけでもないけどさ。でも花帆の場合、中学の時に

 運動を今程やってたわけじゃないんだから、自分で気づかない疲労はかなり溜まってると

 思うよ。そういう疲労って本番の時に出るのが多いんだから、今日はもう休みな」

「でも....」

「変に強情だな....じゃあ後二回やったら終わり。それ以上は流石に私も見逃してあげれない」

「うぅ....わかったよぉ....」

「よし、なら寮母さんに見つかる前にさっさと終わらせて帰るよ」

 私がそう言うと、花帆は明日のダンスを始めた。

 

 ~次の日~

 

「凄い人の数....」

 私と乙宗先輩、花帆はライブ会場に来ていた。

 

「スクールアイドルいっぱいですね!」

「そうね。でも、あなたもその中の一人なのよ」

「そ、そうだった....ほ、ほんとにこのイベントにあたしが出るんですか....梢センパイは

 ともかく、あたしが出ても大丈夫ですか!? 人もいっぱい来てますよ!?」

「昨日までの威勢はどこ行ったのさ....」

「久しぶりのライブとしては申し分のない舞台ね。楽しみでしょう?」

「楽しみは楽しみですけどぉ~~!」

「ま、しっかり写真は撮るから全力で頑張りな。じゃあ乙宗先輩、私は撮影場所の方に

 向かいますね」

「えぇ、わかったわ」

 私はそう言って撮影班が集まっている場所に向かった。

 

 ~~~~

 

「....以上の事に気を付けて撮影をお願いします」

 イベントスタッフの説明を聞いた私はバッグを持ってカメラ席を歩きながらどこから

 撮ろうか考えていた。

 

「(今回の曲とダンスの振り付け見てる感じだとこの辺か、逆側のどっちかだな....)」

 そう考えながらしばらくステージの方を見ていると....

 

「いた! そこの蓮ノ空の生徒さん!」

 突然イベントスタッフの人に呼ばれた。

 

「ここにいたんですね....!」

「どうかしましたか?」

「実は....」

 

 

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