蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの裏方 作:アイリエッタ・ゼロス
「これで終わりっと....乙宗先輩、機材はこれで大丈夫です」
ステージの裏で機材の準備を終えた私は乙宗先輩にそう言った。
「ありがとう月村さん。....機材の準備してくれたの、凄く助かるわ」
「いえ。....乙宗先輩、その衣装凄く似合ってますね」
私はライブの衣装を着ている乙宗先輩にそう言った。
「ありがとう。....そういえば、あそこにある黒いカバンは?」
乙宗先輩は机の上に置かれている黒いカバンを指差してそう聞いてきた。
「あれは私のカメラが入っているカバンです。流石に撮る時以外で裸の状態で置いて
置くわけにもいかないので....」
「そうなのね。....それにしては、随分大きいわね」
「カメラのボディ以外にレンズも入ってますからね。写真撮る時は小さいカバンに入れ替えて
撮りますけど」
そう言いながら、私はカバンを開けてボディとレンズを取り出した。
「ず、随分本格的ね....」
「えぇ。でも、ほとんどお父さんのお下がりですけどね。買い替えるたびにお父さんから
貰ってたら随分な量になりましたけど」
そう話しながら、私はレンズをボディに取り付けた。
「(さて....あとは....)」
「梢センパイ!」
そう考えていると、背後から花帆の声が聞こえた。振り向くと、花帆がこっちに向かって
走って来ていた。
「日野下さん!」
「あたし、いっぱい考えて、それで、ほんとはどうしたかったのか、分かったんです!
この学校を笑顔でいっぱいにしたい。あたしが楽しいだけじゃなくて....この学校で同じように
退屈を感じてる子たちを楽しませたい。あたしが梢センパイにそうしてもらったみたいに!
だから、決めたんです。あたし、スクールアイドルやります! みんなを花咲かせる
スクールアイドルになります!」
「....相変わらず、それと決めたら一直線だね。花帆は」
「えぇ。花帆さん、あなたを歓迎するわ。ようこそスクールアイドルクラブへ」
「梢センパイ! ありがとうございます!」
「そしてこれは、私からあなたへ、最初の贈り物」
そう言って、乙宗先輩は花帆にライブ衣装を見せた。
「わぁ....!」
「....じゃあ、私は外に出てますね。花帆、頑張りなよ」
そう言って、私はカメラを持って外に出た。そして、少しすると乙宗先輩と花帆のステージが
始まった。
「(水彩世界か....)」
「....乙宗先輩に負けないぐらい、良い顔してるね、花帆」
そう呟きながら、私はシャッターを切った。
「....うん、良い写真だ」
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ライブが終わりステージの裏に戻ると、花帆はえな達に囲まれていた。
「お疲れ様です、乙宗先輩」
私は花帆を横目に見ながら乙宗先輩に近づいてそう言った。
「月村さん。ステージ、どうだったかしら?」
「凄かったですよ。良い写真も撮れました」
「そう。よかったら見せてもらえないかしら?」
「良いですよ」
私はそう言って撮った写真を見せた。
「こんな感じですね」
「....日野下さん、良い表情してるわね」
「えぇ。でも、乙宗先輩も負けないぐらい良い表情してますよ。乙宗先輩にお願いして
本当に良かったです。それでなんですけど....私も、スクールアイドルクラブに入れて
貰えませんか? スクールアイドルとしてではなく、裏方としてですけど....」
「月村さん....えぇ、もちろん歓迎するわ。これから私達のサポート、よろしくね」
「っ! ありがとうございます!」
こうして、私はスクールアイドルクラブに入部することができた。