蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの裏方   作:アイリエッタ・ゼロス

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スクールアイドルクラブへご挨拶

「改めて! 本日からスクールアイドルクラブに正式加入した、日野下花帆です! よろしく

 お願いしまーす!」

「同じくお世話になります。裏方の月村菫です」

 ライブの次の日の放課後、私と花帆はスクールアイドルクラブの部室にいた。

 

「スクールアイドルクラブ部長の乙宗梢よ。歓迎するわ、日野下さん、月村さん」

「ようこそかほ、すみ。いやー、よかったねこず」

「それはどういう意味、綴理」

「え、だって毎日毎日口を開けば、かほとすみが部に入ってくれたら良いのにって....」

「え、えぇそうね! 部員が増えれば、活動の幅も広がるものね! 部費も獲得しやすくなって

 良いことづくめだわ!」

「(それだけじゃなさそう....)」

 私は乙宗先輩の様子を見てそう思っていた。

 

「村野さやかです。ライブはまだやったことがなので、もしかしたら心がけなどを花帆さんに

 教えてもらうことになるかもしれませんね」

「コツはね、『楽しもう』だよ! さやかちゃん!」

「あら、良いこと言うわね日野下さん、すっかり笑顔が輝いてるわ」

「えっへっへー! まだつぼみですけど、すぐに花咲いてみせますからね! そしていずれは、

 この学校で笑顔を満開に!」

「乙宗先輩、あまり褒め過ぎちゃダメですよ。花帆、すぐに調子に乗るんで」

「あ、ひどーい!」

 私の言葉に花帆はほっぺたを膨らましながらそう言ってきた。

 

「事実でしょうが」

「まぁまぁ。....でもね、この学校を楽しくするのも日野下さんにとっては大切なことかも

 しれないけど、まずは何事も自分が楽しんでこそよ。だから、まずは自分自身の楽しみを見出す

 ところから、始めてほしいの。それは月村さんにも言えるわね」

「あたしの、楽しさ....! 分かりました! 楽しいこと大好きですから、がんばります!」

「楽しさか....」

 そう呟いて少し考えていると、花帆が困ったような表情になった。

 

「あ、でも....そしたらあたし、梢センパイにもワガママなこと言っちゃいそうなんですけど....」

「平気よ。今さら一人、面倒を見る子が増えたって」

 花帆の言葉に乙宗先輩は夕霧先輩を見ながらそう言った。

 

「どうしてボクを見るの?」

「手のかかる子ほど可愛いって話」

「そうなんだ。ボク可愛い?」

「そうね。ともあれ、二人とも遠慮せずになんでも言ってちょうだい」

「梢センパ~~イ!」

「あら、まぁ」

「....花帆、乙宗先輩困ってるから離れなよ」

 私はそう言って乙宗先輩にくっついた花帆を引きはがしながらそう言った。

 

「....あ! だったらあたし、やりたいこともう決まっています! ライブです! ライブが

 いっぱいやりたいです!」

 花帆は私に動きを止められているにも関わらず、手を挙げてそう言った。

 

「あら、それがあなたの楽しいこと?」

「はい! あのライブすっごく気持ちよくて、それにあたしのステージを見てくれた人達の

 笑顔も、ぱーっと輝いて見えたんです! まるで笑顔のお花畑が咲き誇っているみたい

 でした!」

「そうね、いいわ。だったらやりましょう、ライブ。スクールアイドルだものね」

「はい! この学校を笑顔にしちゃいましょう! ばーっと!」

「それじゃあ早速、日時を決めて中庭を予約してこなくっちゃね」

「てなると職員室ですか?」

「えぇ」

「じゃああたし行ってきます!」

 そう言うと、花帆は部室を飛び出していった。

 

「....行ってしまったわね」

「....ですね」

「(予約の仕方、分かってるの....?)」

 私は扉の方を見てそう考えていた。

 

「....さて、じゃあ月村さんは何がしたい?」

「私ですか? 私は....写真が撮りたいですけど、仕事を覚えるところからですね。裏方と

 して部にいるんで、まずは乙宗先輩のお手伝いがしたいです」

「あら....本当? なら、まずは簡単なところから教えていこうかしら」

「お願いします」

 そう言って簡単な仕事を教えてもらっていると、花帆が部室に戻ってきた。

 

「戻りました!」

「あら、早い。どう? 中庭は借りられた?」

「はい!」

「それじゃあその日まで一生懸命練習を....」

「中庭だけじゃムリでしたけど! 端っことか隅っことか合わせて、1週間借りてきました!」

「「え....?」」

「これで明日から毎日ライブできます!」

 花帆の言葉に、私と乙宗先輩は驚いて言葉が出なくなった。

 

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