蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの裏方 作:アイリエッタ・ゼロス
「みんなー! 今日もありがとうー!」
「ライブがいっぱいやりたいって言うのは、そのままの意味だったのね....」
「逆に何だと思ったんですか....」
私は乙宗先輩と少し離れた所で花帆のライブを見ていた。
「....でも、学校をやめるかもしれないだなんて言っていた日野下さんにとって、夢中に
なれるものが見つかったのなら、それは良いことだわ」
「まぁ、それはそうですね」
そう言いながら私はシャッターを切った。
「(中学の時に比べたら笑顔も増えてるし)」
「....良いこと、なのかしら」
私は撮った写真を確認していると、乙宗先輩が小さな声でそう言った。
「えっ....?」
「っ....何でもないわ。ごめんなさいね、変な事を言って」
「い、いえ....」
「(今の....一体どういう意味....?)」
私はこの時、乙宗先輩にそれ以上聞くことができなかった。
~次の日~
「みんなー! おはよー!」
「おはよ」
「二人ともおはよー」
「毎日ライブやってて凄いね花帆ちゃん」
「ありがとう! みんなの前で歌うのって、すっごく楽しいんだよ!」
教室に着き、花帆はしいなにそう言われていた。
「こないだは見に行けなくてごめんねぇ」
「いーよいーよ! あたしが好きでやってるんだもん!」
「できれば全通したかったんだけど、練習があって....」
「全通って....というか練習って?」
「実は私達、合唱部に入ったんだ!」
「え、そうなの!?」
花帆は驚いたのか大きな声でそう言った。
「うん。毎日ライブしている花帆ちゃんを見てたら何か始めてみたくなっちゃって。花帆ちゃんの
笑顔に背中を押されたんだよ」
「あんなに学校のみんなを楽しませようと頑張っているんだから、わたしたちももうちょっと
蓮ノ空のこと、好きになりたいなって思って」
「み、みんなー! コンクールとかあったら絶対呼んでね! 駆けつけるから!」
「気が早いよ花帆ちゃん。まだ入ったばかりなのに」
「あたし達みんなで有名になって、蓮ノ空にショッピングモール誘致しようね!」
「まだ諦めてないの....」
そんなことを言いながらスマホでメールを返しているとえながこう聞いてきた。
「そういえば、菫ちゃんはライブやらないの?」
「私? 私は裏方だしねぇ....それに....」
「それに?」
「私、目立つのはあんまり好きじゃなくてね....兄さん達を見てそう思って生きてきたし」
「お兄さん?」
「そ。兄さん三人いるんだけど、それはまぁ....色んな意味でヤバい人でね....お陰で人は
寄ってこないから友達は花帆だけだったし」
そう言いながら私は花帆を見た。
「あー....まぁ確かにそうだったね....」
「どんなお兄さんなの....」
「私にはすっごく甘くて優しいんだけどね....敵と判断したら一切容赦しないんだよね....」
「(一人はしばらく刑務所いたし....)」
私は目を逸らしながらそう思っていた。
「まぁ、いつか話す気があったら話すよ」
そう言って、私は話を終わらせた。
~~~~
「うーん....」
「スマホとにらめっこして....どうかしたの?」
放課後になり部室に行こうとすると、さやかがスマホを見ながら渋い顔をしていた。
「あ、菫さん。その....写真を撮ったんですが納得がいかなくて....」
「写真?」
私がさやかのスマホを見ると、スマホにはさやかが自撮りした写真が映っていた。
「何に使うの?」
「スクールアイドルのアプリのプロフィール写真に使おうと....」
「スクールアイドルのアプリ?」
「さやかちゃんそれ何?」
するといつの間にか教室に戻ってきた花帆がそう言った。
「花帆さん。これなんですけど....昨日夕霧先輩に言われて自分のチャンネルを作ったんです」
「え、これって誰でも作れるの!? あたしでも!?」
「た、多分ですが....」
「ありがとう! 梢センパイに聞いてくる!」
そう言うと花帆は教室を飛び出していった。
「暴走特急....」
「いや、ジェット機じゃない....? ....まぁそれは置いといて、写真なら今度でも良い?
部屋からカメラ取ってくるからさ」
「カ、カメラですか? そこまでじゃなくても....」
「プロフィールの写真って大事だよ。その写真でその人の印象が決まったりするから。それに
一番見られるものなんだから良いやつ撮らないと」
「な、なるほど....」
「って言っても、今のは兄さんとお父さんからの受け売りだけど....」
私は頬を搔きながらそう言った。
「そういうわけだからさ、明日の放課後に部活前に撮ろ」
「わかりました。じゃあ明日、お願いしますね」
「了解。さ、部活行こっか」
そう言って、私とさやかは部室に向かった。