ゼロの使い魔T   作:ナイトメア・ゼロ

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1話 召喚

 トリステイン魔法学校の広場には大勢の子供達が集まっていた。彼らが今、何をしているのか。それは【使い魔、召喚儀式】だった。子供達の周りにはモグラやヘビ、サラマンダー、オオカミ、ドラゴンなど、多種多様の生物が子供達の使い魔として召喚されていた。その中で1人の少女は未だに使い魔を召喚していなかった。周りから嘲笑を浴び悔しそうに唇を噛み締めながら杖を構えた。

 

 【使い魔、召喚儀式】は、進級をかけた一種のテスト。彼女は周りから落ちこぼれと呼ばれている。だからこそ彼女は、これに全てを懸けていた。この世界は、使い魔の質が主の実力とまで言われるほど魔法主義の世界。今ここで強力な使い魔を召喚できればこの場の連中だけじゃなく、今まで自分をバカにしてきた者達も見返せると思っていた。彼女は深呼吸をしゆっくり目を閉じると。

 

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」

 

 儀式が始まった。心を落ち着かせ冷静にゆっくりと呪文を唱えた。

 

「五つの力を司るペンタゴン」

 

 体に流れる魔力を感じながら唱え続け。

 

「我の定めに導かれし使い魔を召喚せよ!」

 

 魔力の流れが最高潮に達しルイズは力を爆発させた。

 次の瞬間、閃光が走り大きな爆発が起きた。激しい衝撃と轟音で周りの子供達は反射的に瞳を閉じ悲鳴をあげた。この時、ルイズは会心の出来だと確信した。いつものとはなにか感覚が違った。ドラゴンとかじゃなくてもなにか強力な生物を召喚した。そう感じていた。しかし、爆発の中心にいたのは

 

「うぅっ」

 

「へ?」

 

 人間だった。

 ルイズはポカンとその人物を見た。年はルイズと同じくらいの少年だった。少年の格好は、はっきり言って汚かった。服装は汚れたパーカーと穴が空いたジーンズ、背中には大きな軍用リュックサックを背負っており右手には最近、平民の中で話題になっているマスケット銃が握られていた。そんな奇妙な服装をしている少年は呻き声を上げながら倒れていた。ルイズは、しばらく奇妙な少年を見ていると

 

「あ、アンタ誰?」

 

 思わずそう呟いた。

 少年は、ゆっくりと起き上がり辺りを見回した。

 

「な、なんだここ?」

 

 少年は信じられないものを見たような目で言った。すると

 

「おい!ゼロのルイズが平民を召喚したぞ!」

 

「いや、平民というよりあれは乞食じゃないのか!?」

 

 誰かがそう言い、全員が爆笑した。

 

(な、なんなんだ?一体何が起こってんだ?オレは確か仲間達とスカベンジ中にターミネーターの襲撃を受けて激しい戦闘になって・・・・)

 

少年は、召喚される前の出来事を思い出していると少年とルイズの間にハゲの男が杖を構えて割って入った。

 

「静粛にしなさい!まだ儀式の途中です!」

 

 ハゲの男は、そう言って一括し周りの子供達も静かになった。ハゲの男は相変わらず少年を警戒していた。

 

「・・・・・ミス・ヴァリエール、儀式を続けなさい」

 

 ハゲの男が言った瞬間、ルイズがビシッと言う効果音が付きそうな感じで固まった。

 

「ま、待ってください!こ、こいつは平民です!召喚をやり直させてください!」

 

「それはできません。ルールですから」

 

 ルイズがギシギシ音を立ててきそうな動きで少年を見た。少年はハゲの男と同じ目で警戒していた。いつでも撃つことができるように引き金に指をかけ銃口を向けようとしていた。ハゲの男もまた、少年に杖を向けいつでも取り押さえられる姿勢でいた。諦めたのかルイズはズンズンと少年の前に来ると。

 

「泣いて喜びなさい。平民のアンタには一生縁の無い事なんだから」

 

 そう言ってルイズは杖をもって呪文を呟き

 

(ハァ?)

 

 キスをされた。突然のことで少年は何が起きたのか分からず呆然としていると。

 

「うぐあっ!!な、なんだ!?」

 

 今度は左手に鋭い焼けるような痛みが走った。少年は突然の痛みに顔を顰めた。

 

「騒がないの、使い魔のルーンが刻まれてるだけだから」

 

「つかいま?るーん?なに言ってんだお前?」

 

 突然、そう説明されても少年にはチンプンカンプンだった。そしてさっきまで焼けるような痛みを走っていた左手から痛みを感じなくなっていた。左手を見ると左の手の甲に奇妙な刺青のようなものが彫られていた。

 

「ふむ、コントラクト・サーヴァントも行えたようだ」

 

と、ハゲの男は言った。

 

「これにより使い魔召喚の義式は終了です!各自戻りなさい!」

 

 ハゲの男の言葉に子供達は魔法で空を飛んだ。

 

「!?」

 

 そんな光景を見て少年は驚愕し目を見開いた。

 

「おいルイズ!ちゃんと歩いてこいよ!」

 

 ルイズをバカにするようにそう言い全員が解散した。ルイズは、ギリッと歯軋りの音を出しながら強く握り拳を作った。

 

(な、なんだこれ?オレは、夢でも見ているのか?それともここはあの世なのか?)

 

 少年は、自分の目を疑いながら頬をつねった。ちゃんと痛みを感じたから夢じゃないし自分が死んだわけじゃないと確認がとれた。

 

(・・・・・まさか、これは現実なのか?だとしたら隊長は?みんなは、無事なのか?)

 

 少年は、現在逸れてしまった仲間達と隊長の身を心配していると。

 

「ほら、行くわよ」

 

 ルイズはそう言って歩き出した。

 

「ま、待て!待ってくれ!!」

 

 少年は、慌ててルイズを呼び止めると。

 

「おい!今、西暦何年だ!?」

 

と、訊いた。

 

「ハァ?何よいきなりセイレキってなに?」

 

「西暦を知らない?・・・・お前、【審判の日】って言葉を知ってるか!?【スカイネット】は!?【ターミネーター】は!?」

 

「だからなに言ってんのよあんた!?召喚のせいで頭がおかしくなったの!?」

 

「!?じゃー、ここはどこなんだ!?それくらいは教えてくれよ!!」

 

「・・・・・ハァー、なんでわたしはこんなの召喚しちゃたのかしら?ここは、トリステイン王国のトリステイン魔法学校よ」

 

「・・・・・・トリステイン?・・・・・・魔法?」

 

 聞き慣れない単語を聞いて少年は、一瞬フリーズした。しかしすぐに復活すると。

 

「・・・・ここは、地球じゃないのか?」

 

と、呟いた。

 

「というか、アンタいい加減に名乗りなさいよ!!あんたの名前はなんなのよ!?」

 

「オレか?オレの名前は平賀才人だ」

 

 虚無の巫女、ルイズと抵抗軍の戦士、平賀才人。この2人の出会いはハルケギニアに大きな光をもたらすことをまだ知らなかった。

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