ゼロの使い魔T   作:ナイトメア・ゼロ

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10話 土くれのフーケ

 デルフを購入しルイズの部屋に戻った時はもう夜だった。サイトはデルフのサビをなんとか落とそうとシエスタから色々と借りてきて努力していた。

 

「くそ、全然落ちねー。ったく、どんだけほっときゃこんなサビサビになんだよ」

 

 サイトはもう諦めたのかシエスタから借りたぞうきんを投げ捨て大の字で寝転がった。

 

「ちょっと、邪魔だから床で寝転がらないでよ。だから、別の剣を買えばよかったのに」

 

「まぁ、鈍器になるくらいの価値はあるから大丈夫だと思う」

 

「ひでぇぜ相棒!オレならそこらの剣よりも絶対に役に立つぜ!」

 

「今の所、新しい話し相手が見つかったっていうぐらいしかないけどな」

 

 サイトは笑いながらそう言いデルフはガーンっていう音を鳴らしてそうなレベルで落ち込んだ。

 

「悪かったって。冗談だよ、実戦に出せばお前は絶対に役に立つから」

 

「どうだか」

 

 ルイズは机の上で頬杖をしながらデルフを見ていた。もう完全に諦めたのかサイトはタバコを取り出し口に咥え火をつけようとすると。

 

「ちょっと!部屋がタバコ臭くなるでしょ!!吸うんだったら外で吸ってよ!!」

 

と、言われ部屋を追い出された。

 タバコを吸う前に調理場へ立ち寄りそこで借りていた道具を返すとサイトは噴水場の近くにあるベンチに腰を下ろしタバコに火をつけた。空に浮いている二つの月を眺めながらタバコを吸っていると。

 

「ん?」

 

 人影が見えたような気がした。サイトはなんだろうと思いタバコの火を消し携帯灰皿に捨てると人影が見えた場所に移動した。廊下の柱の陰に隠れて辺りを見回すとそこには黒いローブを深く被った不審者がいた。

 

「なんだアイツ?」

 

 サイトはハンドガンを抜き柱の陰から見張っていると魔法を使ったのか大きくジャンプし高い塔の壁に足場を作った。

 

「・・・・・・」

 

 冷や汗を流しながらサイトは不審者を見張り続けていると。

 

「いた!サイトー!!」

 

「ダーリーン❤️」

 

 サイトを呼ぶ声が聞こえた。サイトは思わずその方向をみるとそこにはなぜかデルフを抱えたルイズと剣を抱えているキュルケそして付き添いできたのかタバサの姿があった。

 

「ッ!!」

 

 サイトは慌ててハンドサインを出して静かにするように伝えるが貴族とはいえ民間人であるルイズには意味が伝わらなかった。しかし、キュルケとタバサは意味に気がついたのかタバサは周辺を見まわしキュルケは静かにするようルイズに伝えるために肩に触れようとした。

 たが、もう遅かった。サイトが不審者の方に目を向けると不審者は既にルイズ達を見ておりそしてサイトと目があったような気がした。

 

「やばい!!逃げろ!!」

 

 サイトの勘に危険信号が鳴り響き咄嗟に逃げるように言った。それと同時に。

 

ゴゴゴゴゴゴゴッ!!

 

 地鳴りのような音が鳴り響いた。すると、サイト達の前にバカでかいゴーレムが現れた。サイトは全速力でルイズの下に走った。突然のことにルイズは驚いて硬直いるがタバサとキュルケがルイズの両脇を掴み急いで離れた。それを確認しゴーレムを見るとゴーレムを右腕を振り上げていつでも攻撃できる体勢になっていた。

 

「クソッ!」

 

 サイトは脱兎の如く走った。ゴーレムはサイトに目掛けて右拳を振り下ろした。

 

ドゴーン!!

 

 すごい衝撃がサイト達を襲った。ルイズ達は魔法(ルイズ以外)でなんとかなっていたがサイトはなんともできず吹き飛ばされた。幸いなことにサイトは受け身を取れる体勢だった為被害は最小限で抑えられた。

 

「おい!あれはなんだよ!?あれもあの時のガキが使ってたゴーレムってやつか!?」

 

 サイトはルイズ達の下に来ると目の前のゴーレムのことを訊いた。

 

「そうだけど違うわ!ギーシュのワルキューレなんかよりも強いわよ!ゴーレムを操作してる奴はたぶんトライアングルクラスよ!」

 

「クラスなんか言われても分からんがアイツよりもやばいってのは分かった!」

 

「ダーリン!あそこ!」

 

 キュルケが指さした方を見るとそこにはさっきの不審者がゴーレムの右肩に乗っていた。

 

「ダーリン!アイツを撃てる!?アイツを倒せばゴーレムも居なくなるわ!」

 

 サイトにそう伝えるが。

 

「無理だキュルケ。完全に射程外。撃っても届かねーし命中しねーよ」

 

 サイトはそう言うが無駄だと分かっていてもないよりマシと考えながらスライドを引いた。

 

「だったらゴーレムの足を壊せないの!?アンタ、ギーシュの時もギーシュのワルキューレを壊してたじゃないの!」

 

「今はショットガンを持ってねーし仮に持ってたとしてもあんなバカでかいもんぶっ壊せるわけねーだろ!」

 

「来る」

 

 大きな杖を構えているタバサが一言そう言った。ルイズとキュルケも杖を構えサイトは銃口を向けた。

 

「チッ!ルイズ、オレが囮になる。急いで誰か呼んでこい!」

 

「えっ?ちょ、サイト!?」

 

 サイトは3人から離れると3発撃った。もちろん本体に当たるわけないし意味がないのも分かっている。だが、少しでも時間を稼ぎ増援が来ることに期待していた。

 

「この!ファイヤーボール!」

 

「ルイズ!?」

 

 ルイズは、ゴーレムに向けて魔法を撃った。しかし、ルイズの魔法は失敗に終わり塔の壁を爆破しヒビを入れた。

 

「なにやってるの!?ダーリンの努力を無駄にするつもり!?タバサ!急いで先生を呼んできて!!」

 

 キュルケはルイズの手を掴み無理矢理引っ張って行った。タバサも急いで先生を呼びに行き後は、サイトができるだけ時間を稼ぐだけだった。しかしゴーレムは突然、塔を殴り塔の壁を破壊した。サイトは体を伏せて身を守った。壁を破壊したゴーレムは役目を終えたのかただの土の山に戻った。

 

「な、なんだったんだ?」

 

 サイトは警戒しながら土の山に近づくと上から一枚の紙が降ってきた。サイトはそれをキャッチするとその紙には何か文字が書かれていた。

 

「何て書いてるんだ?」

 

 この世界の字を読むことができないサイトはルイズ達の下に戻りルイズに紙を渡し訊くと。

 

「【破壊の杖】、確かに頂戴しました。【土くれのフーケ】」

 

と、書かれていた。

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