「あーそうかよ!もう勝手にしろ!」
もう、コイツはダメだ。これだけ言っても全然言うことを聞かない。サイトはもう面倒を見切れないと思いルイズを見捨てて森の中に入った。
(さてと、どうするか。フーケもオレ達をこのまま逃がしてくれるほどあまくねーだろーな)
森の茂みに身を隠しルイズとゴーレムを観察しながら考えた。
(ゴーレムとはいえなんでいきなり姿を見せた。裏切ったロングビルを殺したかったからか?それともなにか別の狙いが?分からねーフーケの狙いはなんなんだ?)
破壊の杖の存在がサイトの思考を邪魔してくる。ロングビルがフーケの仲間だったことは予想できていた。何をトラブって何故フーケを裏切ったのか分からなかったが何か使い道があるだろうと思ってロングビルを手元に置きもし別の狙いがあってサイト達を誘導していたとしたらロングビルを人質にするつもりだった。弾を無駄にしたがもし近くでフーケがサイト達を見ていたのならあれでいつでもフーケもロングビルも殺せるというメッセージは届いてるはずだった。
ルイズを弄んでいるのかなにか企んでいるのかゴーレムはルイズを踏み潰さないように踏みつけて地面を揺らしルイズはなんとか魔法を唱えようとしているがゴーレムのせいでうまくいかなかった。
(・・・・・なんで殺さないんだ?フーケの狙いはほんとうになんなんだよ?)
フーケの狙いが分からずサイトはイライラし始めていると。
「ダーリン!」
竜の背に乗っているタバサとキュルケが来た。
「ルイズはどうしたの!?」
キュルケがルイズの安否を訊いてくると。
「あのバカはフーケを捕まえるとか言ってまだゴーレムと戦ってんだよ!」
と、答えた。
キュルケ達は目を見開き驚いていると。
「キュルケ!もう、こうなったら本体を探すしかねー!!キュルケは地上からタバサはそいつに乗って空から探してくれ!」
と、言った。
「ダーリンはどうするつもり!?」
「・・・・オレが囮になる。オレが時間を稼ぐからその間にフーケを倒せ!」
サイトはルイズのもとへ向かおうとすると。
「待ってダーリン!これ!」
キュルケはサイトの為に買った綺麗な剣をサイトに渡した。
「ダーリンの為に買ったの。使ってちょうだい」
「・・・・・弾を無駄にするよりかマシか」
サイトは鞘から剣を抜くと鞘を捨ててルイズのもとへ走った。
ルイズは何度も何度も攻撃した。失敗してるとはいえ爆発という効果的な攻撃を行っているがすぐに頑丈に再生され次第にルイズの魔法の効き目はなくなりつつあった。
フーケはもうルイズじゃダメと思ったのかゴーレムは足を上げて踏み潰そうとしていた。今度は確実に殺しにかかっていた。それを見たルイズはあたまの中で走馬灯が流れ自分は死んだと思った時だった。
「オラッ!!」
右手に剣を左手にショットガンを持ったサイトがゴーレムの足を斬った。なぜかサイトの左手が光り輝いていたがサイトは無視してルイズを抱えてゴーレムから距離をとった。
「さ、サイト!?に、逃げたんじゃ?」
「お前本当にバカか!?いい加減にしねーとマジで・・・・ルイズ?」
ルイズの胸ぐらを掴み怒鳴っているとルイズの瞳から涙が流れていることに気がついた。
「だって・・・・・悔しかったんだもん・・・・・いつも、みんなに馬鹿にされて・・・・・・・使い魔に邪魔って言われて・・・・・」
「・・・・・ルイズ」
本当なら泣いている女の子に優しい言葉をかけるのが正しいのかもしれないが今はそんな場合じゃない。ルイズを抱えて逃げようと考えているとタバサの竜が来た。
「乗って!」
サイトはルイズを抱えて竜に乗ると空に退避した。
「タバサ!フーケは見つかったのか!?」
タバサは首を横に振りまだ発見できてないことを伝えた。サイトは竜の背にある破壊の杖を見ると。
「ルイズ、持ってろ」
「えっ?」
「いいから」
ルイズはサイトからショットガンを受け取った。サイトは破壊の杖を背負うと。
「タバサ、オレを降ろせ」
と、言った。
タバサは無表情でサイトを見つめると使い魔である竜に降りるよう命じた。
「ちょ、何、言ってるのよサイト!」
「ルイズ。正直、オレはとっとと死んでくれって願ってる。オレがここで死ぬのはごめんだけどお前が死んでくれればこの使い魔のルーンも消えて自由になれるし帰る方法も探しに行ける」
サイトがそう言うとルイズは俯き黙った。
「だけど、死なせるつもりはない」
「え?」
サイトはルイズに近づき膝をついて両手でルイズの両頬をサンドウィッチした。
「お前には、責任をとってもらうからな。勝手にオレを呼び出した責任を。元の世界に帰る方法を探すのに協力しろ。帰る方法を見つけるまでの間オレがお前を守ってやる。オレがお前の自慢になってやる」
そう言って立ち上がりゴーレムを見下ろすと。
「覚えとけ!オレはルイズ・・・・・・・ルイズ・・・・・・・・オレはルイズの使い魔!日本抵抗軍、第58スカベンジ小隊所属、平賀才人兵長だ!」
そう言って地上に降りるとサイトは剣を構え左手のルーンがさっきよりも強く輝いた。
「サイト!」
地上に降りゴーレムと対峙しているサイトを心配してルイズはタバサにサイトを助けてと頼むがタバサは首を横に振り。
「彼は今囮になってる。今のうちにフーケを探し出してフーケを倒す」
タバサはそう言うとルイズは下にいるサイトの方を向いた。
ゴーレムの拳や踏みつけを躱しながらサイトはどこに攻撃するか探っていた。
「そこ!」
もう一度足に斬りかかるとさっきと同じようにスパンと斬れゴーレムは倒れた。
「まだ、見つからねーのか?」
本体であるフーケが見つからずいつまで時間を稼げるか持久戦になりつつあった。ゴーレムの足はまた再生しサイトはもう一度ゴーレムの足を狙うと。
バキン!!
キュルケから貰った剣は簡単に折れた。サイトは柄だけになった剣を捨てると左手のルーンの輝きが消えてしまった。
「流石に見破られたか。オレが関節を狙ってたことに」
サイトが今までナマクラ剣で戦えていたのはガンダールブの力だけではない。ゴーレムがこれほど器用に動けてるってことは関節部がそれなりに柔軟だからだ。サイトはそこを狙って今まで斬っていたがどこから見てるのかフーケは理解しサイトが狙った足の関節を瞬間的に硬質化したのだ。
(どうする?こいつを使うか?いや、その前にこいつにはロケット弾が入ってるのか?)
サイトは背中の破壊の杖に触れた時だった。
(!!いや、こいつには弾が入っている!でも、確認もしてねーのになんで触っただけで分かったんだ?)
サイトは驚いていたが後で考えることにした。
「砲弾込みで回収しろとは言われてねーよな?だったら問題ねーよな!?」
サイトは破壊の杖を持ち、テキパキと撃つ準備を終えた。後は肩にかけゴーレムに合わせるたけだ。ゴーレムはサイトに向かってくるのを確認し安全装置を解除した。
「さっさと失せろ!ベイビー!」
シュポンッ!
トリガーを引いた瞬間、ロケット弾が発射された。弾頭は、ゴーレムの体に命中すると。
ドカーン!!
爆発し爆音が響いた。
ルイズとタバサそして地上からフーケを探していたキュルケはサイトがゴーレムを破壊する瞬間を見て呆然としていた。破壊されたゴーレムは土山となりもう動くことはなかった。
「だ、ダーリン!?あ、あなた何をしたの!?ど、どうやってってそもそもあーもう、どこから訊けばいいか分からないわ!!」
「サイト!?アンタ一体何をしたの?どうやって破壊の杖を」
キュルケはすごい勢いで走ってくるとサイトの両肩を掴み前後に振った。ルイズもサイトに近寄り質問攻めをしようとしタバサは破壊の杖とゴーレムの瓦礫を交互に見ていた。
「・・・・・・・そうか。そういうことだったのか。だから、フーケは破壊の杖を」
ボソボソと呟くサイトを見てルイズとキュルケは首を傾げた。
「フーケは、どこ?」
タバサの言葉に、ルイズとキュルケがハッなった。すると。
「皆さん!!よかった無事だったのですね!!」
声が聞こえた。ルイズ達はそっちを向くとそこには服はボロボロになりメガネも割れ髪もボサボサになったロングビルが現れた。
「ミス・ロングビル!よかった!無事・・・・とは言えませんが生きていたのですね!」
「はい、運良く木に引っかかって」
ロングビルの生存を見てキュルケとタバサはホッとしルイズは嬉しそうにロングビルに近づいた。
「・・・・・!!しまった!行くなルイズ!!」
思考を巡らせていたサイトは気づくのに遅れてしまい焦った声でルイズを呼んだ。突然のことに3人は驚いていると。
「その女に近寄るな!そいつが、そいつがフーケだ!!」
それと同時にルイズは捕まりナイフを向けられた。