その日、サイトは帰って来なかった。結局、ルイズはアンリエッタの頼みを引き受け明日、アルビオンに向かうことになった。たが、この任務を成功させるには絶対にサイトの力が必要不可欠だった。だけど、自分が余計なことを言ったせいでサイトは今回は絶対に協力してくれない。
「何やってんだろ私」
ルイズは自分に呆れながら眠りについた。
そして翌日。
「おい、ルイズ」
ルイズは、サイトに起こされた。起きて目の前にいるサイトを見てルイズは驚愕していると。
「とっとと準備しろ。行くんだろ?アルビオンってとこに」
サイトはそう言いながら装備を整えていた。
「ち、ちょっと、アンタ行かないんじゃなかったの!?」
「オスマン先生からの依頼・・・・・・っていうよりあの姫さんがオスマン先生を中継にして依頼を出してきた。オレはそれを引き受けた。それだけだ」
そう言ってサイトは、ソードオフのウィンチェスター1887(ショットガン)とUZI(サブマシンガン)そしてM16(アサルトライフル)を手に取りそれに合わせた弾丸とマガジンをリュックに詰めた。
「サイト・・・・・その、ありがとう」
「別に礼を言われるようなことしてねーよ。っていうかお前も早く着替えろ!」
そう言ってサイトはルイズはタンスから着替えを出して投げ渡すのだった。
「なんでこいつがいるんだ?」
軍用リュックとデルフを背負い服の中にUZI(サブマシンガン)を隠し左手にM16(アサルトライフル)右手にウィンチェスター1887(ショットガン)を持ちながら借りた馬に近づくとなぜかギーシュが一緒にいた。
「きのう、姫様の任務を盗み聞きしてたのよ」
「盗み聞きとは酷いな。怪しい人物を見つけたからボクがそいつを追って「はいはい、言い訳はいいから」」
馬に軍用リュックを乗せて馬についてる左側のホルスターにウィンチェスター1887(ショットガン)を装着しM16(アサルトライフル)はデルフと同じように背負いながら馬に乗った。
「おい、一応訊くけど本当について来んのか?」
サイトがギーシュにそう訊くと。
「もちろんさ。グラモンの家名に誓おう」
「・・・・・・ついでに言っておくけどオレの役目はルイズを守ることだ。オレの中ではお前を守ることは入ってないから何があってもお前を見捨てるぞギーシュ?」
「そ、そそ、そこは僕も守ってくれたまえよ!僕達は、親友じゃないか!サイト!」
「誰がいつお前と親友になった!?」
サイトは呆れ顔でタバコを取り出しライターで火をつけた。少しだけボーッとタバコを吸っていると。
「僕の使い魔も、連れていきたいんだがいいかな?」
と、訊いてきた。
ルイズは「何、言ってんのこいつ」と言ったような顔をすると。
「アンタの使い魔ってジャイアントモールだったでしょ?連れて行ける訳ないでしょ」
ルイズが答えると急に地面が盛り上がり始めそこからかなり大きいモグラが出てきた。
「ヴェルダンデ!あぁ、僕の可愛いウェルダンデ!今日もドバドバミミズをたくさん食べてきたかい?」
「も、モグラ?初めて見た」
ギーシュは愛おしげにヴェルダンデを撫で始めサイトも初めて見るモグラに少しだけ目を輝かせながら見つめていた。
「とにかくダメよ!ギーシュの使い魔は連れて行けないから!」
「そんな!!お別れなんて・・・・・・辛い!辛すぎるよ!!」
「?いいじゃねーか。邪魔にならないんなら連れて行っても。最悪の場合捨てていけばいいし非常食にもなるかも」
「君の血は何色なんだいサイト!僕の親友よ!!」
すると、ヴェルダンデが鼻をひくつかせルイズの方を向いた。突然、ルイズに飛びかかるとそのまま押し倒して襲われた。
「ちょ、どこ触ってんのよ!」
「何やってんだよ?」
「見てないで助けなさいよサイト!」
「ハイハイ」
ガシャッ!
サイトは、M16(アサルトライフル)をコッキングし銃口をヴェルダンデに向けた。
「ちょっ、僕の使い魔を殺す気かい!?」
すると、突然、突風が吹き荒れてヴェルダンデを空高く打ち上げた。
「誰だ!!」
相棒を吹っ飛ばされ激昂したギーシュは、風の吹いた方向を見て構えた。サイトも敵と思いM16(アサルトライフル)を向けると。そこには、羽帽子を被った一人の男がいた。その男には見覚えがあった。
(こいつ、あの時の式典の奴か?)
そう、アンリエッタが学校に来た時に護衛をしていた精鋭兵士の1人だった。
「すまない、婚約者が襲われているのを見かねてね。僕は姫殿下より、君たちに同行するよう命じられた女王陛下の魔法衛士隊、【グリフォン隊隊長】ワルド子爵だ」
そう言って、男は帽子を取って一礼した。
「グリフォン隊?婚約者?おい、ルイズどういうことだ?」
サイトは首を傾げながらそう訊くとワルドは嬉しそうにルイズを抱き上げた。
「久しぶりだなルイズ!君は相変わらず羽のように軽い!!」
「お、お久しぶりですわ。ワルドさま」
ルイズの反応的に敵ではないようだ。M16(アサルトライフル)を下ろししばらく2人の再開を見ているとワルドは真剣な顔でサイトの方を向いた。
「君がルイズの使い魔かい?人とは思わなかったな」
「・・・・・・第12スカベンジ小隊所属、平賀才人。階級は兵長だ」
「!?驚いた?もしかしてルイズの使い魔は傭兵だったのかい?」
サイトの挨拶にワルドは少し驚きながらもサイトの前に手を出した。
「それなら僕もちゃんとした挨拶をしなければ。僕の婚約者がお世話になってるよ。サイト兵長」
「あぁ、オレもルイズには世話になってるよワルド子爵」
サイトはワルドの手を握り握手した。
2人の何気ない会話にルイズは心配しているとワルドがルイズの視線の気付き軽く微笑んだ。
そして口笛を吹いくとグリフォンを飛んできた。新しい生物を見てサイトは目を見開いているとワルドはグリフォンに跨。ルイズを一緒に乗せていった。
「では諸君、出撃だ!!」
「見送らないのですか?オールド・オスマン」
「ほほ、姫。この老いぼれは見てのとおり、鼻毛を抜いとりますのでな」
バン!
「いいいい、一大事ですぞ!オスマン校長!!」
「どうしたのじゃ騒々しい。君はいつでも、一大事ではないか。どうも君は慌てんぼでいかん」
「慌てますよ、チェルノボーグ牢獄が、何者かに襲撃されました!!」
「なんですって!?」
「して、被害はどうなっておるのじゃ?」
「地獄のようです。衛兵は全滅。確実に手練れのメイジによる犯行だと」
「間違いありません!アルビオン貴族の暗躍ですわ!!」
「そうかもしれませんなぁ」
「オールド・オスマン!トリステインの未来がかかっているのですよ?何故そのような余裕の態度を」
「既に杖は振られたのですぞ。なに、彼ならちゃんとやってくれましょう」
「彼?・・・・まさか、ルイズの使い魔のことですか?確かにただならぬ覇気を感じましたが彼はただの平民ではありませんか!」
「フォッ、フォッ、フォッ、姫は、【ガンダールヴ】のくだりはご存知か?」
「始祖ブリミルが用いた最強の使い魔のこと?まさか彼がそうだと!?」
「そうですじゃ。しかし、【ガンダールヴ】の力など彼にとってはただの付け合わせのようなもの。彼の真の強さは戦士としての覚悟じゃ」
「戦士としての覚悟?」
「そう。彼もあやつもこの世界ではない【どこか】から来た戦士。少なくともこのハルゲギニアであの戦士達と互角に戦えるのはエルフぐらいじゃろう」
「異世界ということですか?」
「喋りすぎましたな。ただの老いぼれの戯言と思ってくだされ(まっ、一番大切な部分は話しておらんから大丈夫じゃろう)」
「ならば祈りましょう。異世界から吹く風に」
(・・・・・・その風は、血の匂いと灰が降りかかる死の風でなければよいがのう)