ゼロの使い魔T   作:ナイトメア・ゼロ

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 サイトが所属するスカベンジ小隊は、廃墟となったビルの中で休憩をとっていた。

「隊長!バカでかいドブネズミを見つけました!」

 男性隊員が両手に大きなネズミを持って来た。

「よし、シチューにぶち込め」

 スカベンジ小隊の女隊長が命令した。

「ちょっ、隊長!さすがにそのままいれるのはまずいですって!せめて解体させてください!」

 そう言って小太りの隊員が包丁を取り出しドブネズミを捌き始めた。

「久しぶりにまともなメシだな!」

「あぁ!やっぱり、肉が食えると思うとテンション上がるよな!」

 2人はそう話していると女隊長は、見張りをしているサイトの方を見た。

「平賀兵長、外はどうなっている?」

「今の所、問題ありません。偵察ドローンもターミネーターも見当たりません」

「そのまま見張りを続けろ。佐藤二等兵、食事が終わったら平賀兵長と交代だ」

「了解!」

 女隊長は、ドブネズミを持って来た佐藤二等兵にそう言うと、佐藤二等兵は敬礼して食事を始めた。

「・・・・・・!!隊長、スカイネットの偵察ドローンを発見しました」

「数は?」

「2機です」

 サイトの報告を聞きサイトの隣に来ると持っていた双眼鏡で確認を始めた。

「チッ、スカイネットめ。ここにわたし達がいることを勘づいている上で偵察隊を送ったな。平賀兵長、引き続き見張りをしていてくれ。佐藤二等兵、村井二等兵、回収した物資は?」

「はい、ちゃんとここに」

 村井二等兵は、女隊長に物資が入った軍用リュックサックを見せた。

「よし、急ぎ撤退するぞ」

「ちょっ、隊長!オレ、まだ食ってないんですけど!」

「諦めろ。平賀兵長、撤退するぞ」

「了解!」

 そう言ってスカベンジ小隊は撤退するのだった。


7話 抵抗軍の戦士と微熱のキュルケ

 ギーシュとの決闘から1週間が経った。元の世界に帰る方法も分からず行く当てもなかったサイトはルイズの使い魔として学校に滞在していた。

 日が上るとサイトは桶を持って井戸に向かい水を汲み、それを持ってルイズの部屋に戻るとベッドで眠っているルイズを起こす。顔を洗ってやり服と下着を着替えさせると食堂に向かい朝食を食べる。

 堅い黒パンの上にチーズを乗せた簡単な食事で思春期の男子ならこんな少ない量かもしれないが終末の世界で戦っていたサイトにとっては十分なご馳走だった。

 朝食を食べ終えるとルイズは、そのまま教室に向かいサイトと別れる。その間、サイトはルイズが着ていた服や下着を洗濯カゴに入れて洗濯場に向かった。

 

「あ、サイトさん」

 

 洗濯場には、メイドのシエスタがおりいつものように洗濯の仕方を教えてもらいながら洗濯を始める。

 

「サイトさん、洗濯すごく上手になりましたね」

 

「シエスタの教え方が上手いからな」

 

 最初は何度もルイズの下着を破いてしまいルイズに怒られていたが洗濯に慣れたのとシエスタの教え方がよかったおかげで洗濯物を破かなくなった。洗った洗濯を1番日当たりのいい場所で干し洗濯を終えるとシエスタと一緒に調理場に向かう。

 

「来てくれたか!【我らの銃】!」

 

「ウイッス、マルトーさん」

 

 サイトを【我らの銃】と呼んだのは料理長のマルトーだった。サイトがギーシュに勝った事は、学校中に広まっており平民である彼らの耳にも届いていた。貴族に不満を持っていた彼らもサイトが・・・・平民が貴族に勝ったというビックニュースを聞けばお祭り騒ぎになって当たり前だった。

 もちろん、貴族達の機嫌を損なわせないために表立って喜んだりしないが調理場では、サイトの勝利祝いの宴を開くほど喜ばれた。特にマルトーは学校で働いている平民達の代表のようなもので貴族に勝利したサイトを気に入り残り物ではあるが貴族が食べているメシを食わせてやるほどだった。因みに【我らの銃】と呼んでるのは、単純にサイトが銃を使ってギーシュに勝ったからだ。

 

「アァー、ヤッベェ。マジでうめぇ。戦場じゃーこんなうめぇもん食えねーぞ」

 

「くー、そう言ってくれるとオレ達も作り甲斐があるってもんよ!」

 

 そう言ってマルトーは腕を曲げてぐっと力こぶを作るかのようなポーズをとった。周りにいる料理人とメイド達もウンウンと何度も首を縦に振った。

 

「ほら、シエスタ。私達の英雄様にワインを出しておやり」

 

 年配のメイド長がシエスタに命令するとシエスタ喜んでワインを持って来た。

 

「あー、えっとー」

 

「どうかしましたかサイトさん?もしかしてお酒に弱いのですか?」

 

「いや、そういうわけじゃねーんだけど・・・・まぁ、オレがいた部隊では酒は禁止されてたんだよ。戦闘に響くからな」

 

 サイトは申し訳なさそうな顔で頭をかいた。

 

「す、すいませんサイトさん」

 

「ちょっ、そんな風に謝んなって!別に悪いことしたわけじゃねーだろ。先に言わなかったオレが悪いんだから」

 

 シエスタが深々と頭を下げそれを見たサイトは慌てて止めようとした。そんな2人の光景を見てマルトー達は笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、サイトは洗濯籠を持ってルイズの部屋に向かっていた。その途中、サラマンダーを見つけた。サラマンダーもサイトに気がついたのかサイトの下に来た。

 

「?お前は・・・・・あの時の火トカゲか」

 

 サラマンダーは、サイトの袖を加えるとついて来いと言いたげに引っ張った。

 

「?どうしたんだ?お前の主人がオレに用事でもあんのか?」

 

 サイトはちょっと待ってと言ってルイズの部屋の前に洗濯籠を置くとサラマンダーについて行った。そしてすぐ近くの部屋の前に止まった。

 

ギィィィィッ

 

 ドアは不自然な開き方をした。おそらく魔法でドアを開けたのだろう。サイトは警戒しながらいつでもハンドガン(M1911)を抜けるようにし中に入った。

 

「扉を閉めてくださる?」

 

 サイトは素直にドアを閉めると順番にろうそくに火が着き部屋を明るくした。そして今その奥にあるベッドの上にはなかなか過激なネグリジェを着たキュルケがいた。

 

「キュルケか?オレに何のようだ?」

 

 相手がキュルケだと分かるとサイトは警戒を緩めた。

 

「あなたは、私がはしたない女だと思うでしょうね」

 

「?いきなりなんの話だ?」

 

「思われても仕方がないの。私の二つ名は【微熱】」

 

 そう言ってキュルケはサイトに擦り寄った。いくら抵抗軍の戦士として戦場で戦ってたとはいえサイトだって思春期の男の子だ。キュルケのような美人な女の子に近づかれたらドキッとなるのも仕方ない。サイトは顔を赤くしキュルケから目を逸らした。それを見たキュルケは一瞬だけニヤリと笑うと。

 

「私は松明みたいに燃え上がりやすいの。だからいきなりこんな風にお呼び出てしたりしてしまうの。わかってる。いけないことよ。でもね、貴方はきっとお許し下さると思うわ」

 

 キュルケはサイトの手を優しく握り指でなぞった。そしてその妖艶な表情でサイトを見つめた。

 

「ッ!!」

 

 この時、キュルケは堕ちたと思った。サイトにトドメをさそうとした。

 

「恋してるのよ。私、貴方に。全く恋は突然」

 

「キュルケ!待ち合わせの時間に来ないと思えば、その男は誰だい!?」

 

 だが、突然、誰かが邪魔をした。声が聞こえた方を見ると窓の外には貴族の男子生徒が一人、サイト達を見ていたのだ。

 

「アンダーソン!ええと、二時間後に」

 

「話が違う」

 

 キュルケは胸の谷間から杖を取り出すと、何の躊躇いも見せずにアンダーソンに向けて杖を振った。

 

ボン!

 

アンダーソンは焼かれると悲鳴をあげて落ちていった。

 

「全く、無粋なフクロウね」

 

「マジか、お前?」

 

「さぁ、愛し合いましょうダーリン」

 

 サイトは信じられない顔でキュルケを見たがキュルケは特に気にせず、サイトに抱きつこうとした。

 

「キュルケ!今夜は僕と過ごすんじゃなかったのか!」

 

「ジェームズ!ええと、四時間後に」

 

 また邪魔をされた。今度はジェームズという男子生徒だった。キュルケはまた杖を振り魔法を発動すると。アンダーソンと同じように焼かれた。

 

「もう、空気の読めないコウモリね」

 

「ウソでしょ・・・・・」

 

「私はあなたに惚れたの。私が本当に好きなのは、あなただけなの」

 

 そう言ってキュルケはサイトとキスをしようとした時だった。

 

「「「キュルケ! そいつは誰なんだ! 恋人はいないって言ってたじゃないか!」」」

 

「・・・・・・・今度は3人かよ」

 

「コンドル!スパース!ヤック!ええと、六時間後に」

 

「「「朝だよ!」」」

 

「フレイム!」

 

 めんどくさくなったのかフレイムを呼ぶと眠っていたフレイムが起き上がり窓の外で揉めている三人に向かって炎を吐いた。フレイムに焼かれ落ちると流石にサイトも心配になったのか窓から落ちた連中を確認した。

 

「あらら、かわいそうに見事に焼かれてるよ」

 

「ふう、これで邪魔は居なくなったわねサイト」

 

 キュルケは、サイトの背後から抱きつき大きな胸を押し付けた。

 

「お前はちょっとでいいから心配してやれよ」

 

 落ちていった5人に同情していると。

 

バン!

 

 ドアが物凄い勢いで開かれた。そこにはルイズが鬼のような形相で立っていた

 

「ツェルプストー!誰の使い魔に手を出してんのよ!」

 

「仕方ないじゃない。好きになっちゃったんだもん」

 

「あ、ルイズ」

 

 サイトは能天気にルイズを見た。

 キュルケは、さらに強く胸を押し付けながら。

 

「こ~んな乱暴でガサツなご主人様より、私の方がよっぽど彼を幸せに出来るわ。ねぇ、ダーリン」

 

「・・・・もしかしてめちゃくちゃダルいことに巻き込まれてる?」

 

 そう言うとサイトは顔を真っ赤にしたルイズに回収されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さーて、それじゃ早速説明してもらおうじゃないかしら」

 

 ルイズは、手に乗馬用のムチを持ち、仁王立ちしていた。

 

「ま、待て。とにかくその物騒なもんを下せ」

 

パァン!!

 

 ルイズは、ムチで床を叩いた。サイトは引き攣った顔で冷や汗を流すと。

 

「ちょっとカッコイイなとか、一瞬でも思った私が馬鹿だったわ。何で・・・・・よりによって・・・・・キュルケなのよー!!」

 

「ちょっ、あぶな!!そんなもん振り回すな!!」

 

「何であの女なのよ!! この、バカ犬―――――――――ッ!!!」

 

 ルイズはサイトに拘束されるまで暴れ続け落ち着いたと思ったら今度はキュルケの家の因縁を語られるのだった。

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