本物のドラマって打ち合わせとかどうやってんだろ?
脚本できてるのにやるかやらないかで打ち合わせするのおかしいのかもしれないけど、呪術関連だから特殊ってことで通らないかな…
作者「まぁ、何とかなるか」
「あなたが•••学長が言ってた親元に寄生してる四十代半ばの映画監督ですか?」
「同居してると言え!!」
■□■□■
2018年11月1日、渋谷事変という大規模な呪術テロによって呪いの存在が明るみに出た。渋谷駅近くの改造人間による蹂躙を撮影した動画、地下5階の特級呪霊と五条悟の戦闘の目撃、宿儺と家入黎人の戦闘により更地となって禁足地と化した。
『コレまじ!?』
『フェイクじゃない?』
『けど総理の代わりの人が記者会見で報道してるよ?』
『うっわ、内閣全員安否不明??!!おれ海外に逃げるわwww』
『信用できね〜呪術なんて嘘っぱち』
最初は誰も呪術の存在を信じようとしなかった。
同年11月■■日、世界各国が日本に軍事介入。
『軍事介入ってマジ!?』
『日本終わったな〜笑笑』
同年12月24日、五条悟VS両面宿儺受肉体が激突
『何このイケメン!?』
『何処の俳優!?やばい推し変しよっと!!』
『てか相手子供だよね?ジュニクタイって何?』
『児童虐待じゃねーーなんか男の人切り刻まれてない!?』
『•••よくできたCGだなぁ』
この後五条が切断されるまで配信は続き、今までと比べ、自分たちの生きている現実の裏で呪いがひしめき合っているという恐怖が呪いをより強力にしていた。
呪術高専の結界内、日本庭園が見える寺の中で特級呪術師の緊急会合が行われていた。参加しているのは"現代最強"『五条悟』、"現代の異能"『乙骨憂太』、"星の怒り"『九十九由基』、"天司りし神童"『家入黎人』だ。
「ドラマ化・・・めんどくさい世の中になったよね〜。四宮財閥にコネ作ったおかげで落ち着いたけどさぁ〜やっぱり僕らのこと知ってもらうのが1番だよね!!」
「反対です。寧ろ負の感情を誘発するんじゃないですか?それに、僕らの命懸けの戦いを、一般人が再現することなんてできないと思います!!」
「乙骨くんの言うことも分かる。けど何かしないと呪術師へのヘイトが溜まり続ける。呪術界の内輪揉めがやっと終わった今が好機なんだ。私はドラマ化計画には賛成だ」
「ドラマ化するにしても、2018年限定ですか?」
「それだよね〜・・・・・・僕としては全部やるべきじゃないかって考えてる。呪術師がどんな世界を生きてきたのかを、みんなに知ってほしい」
「先輩はどうする?百鬼夜行と里香さんのこと、ドラマ化してほしいか?」
「・・・分からない・・・・・本音では嫌ですけど、やらなきゃいけないのは、分かってますけど、やっぱり、その、分からない」
「じゃあ、取り敢えず2018年限定にしよう。それ以外は後で考えよう」
と、かなり軽い感じで会合は終わった。普通の人間が見たらそれでいいのかと疑問に思うだろう。だが、彼らは呪術師の中でも上澄みである人材から"単独で人類を滅ぼせる"という新しい条件で認定される特級術師。一般人に好きにさせて、あっ駄目だなと思ったら潰す程度の認識なのだ。
「ところで打ち合わせに誰行かせます?学生1人ともう1人。一級の、一般人との交流に問題が無い人を選んだ方がいいんじゃ?」
「それじゃあ・・・七海と明星に行かせよっか」
□■□□■□
「えーと、呪霊の中でも仮想怨霊と呼ばれているものについてなんだけど、簡単に言うと実在しないものに対する負の感情が呪いとなったものだね。例えば、トイレの花子さんとか八尺様とか、多くの人が恐怖のイメージを抱くものからは仮想怨霊が生まれやすいんだ。だからネットの掲示板に載ってる怪談とかが呪霊発生の引き金になることがあるね」
呪術高専の視聴覚室に一年と乙骨がおり、『仮想怨霊について』の授業が開かれていた。
「ってなわけで、今回の授業はここまでにします。次の授業は2年と一緒に体術指導だから着替えてグラウンド集合だよ」
「マリアさん•••離れてくれません?」
「••••う、動きたくない•••保健室行きたい」
学校が始まって2週間目。
マリアは明星に引っ付くようになった。最初は警戒してばっかりだったのに、今や母カモの後ろにくっついて離れない子ガモのようになってしまった。
「今月で保健室行くの7回目ですよ•••このままだと進学に影響しますよ。停学になったら困るの貴方でしょう?」
「っっっ!?やっ、やだぁ!?」
どうやら停学にはなりたくはないらしい。
「わかったら着替え持って女子更衣室行ってください。あ、万城さん彼女連れてってください」
「うーす。おら行くぞ〜」
「ひゃ、ひゃい•••」
同性の万城に連れられるマリアを見送る明星。まるで出来の悪い妹を持った兄のような気分だった。虎杖悠仁にマリアの面倒を押し付けられ、試行錯誤していくうちに今の状態になった。顔を見られただけで発作を起こすのは、少し何とかなった*1。室内にいても着けていたサングラスと帽子は、学外に出るときにだけ着けるようになった。
とは言っても、これで慢心してはいけないだろう。
彼女は学長である五条悟曰く、術式のコントロールがまだ上手くいってないらしい。原因は幼少期からの虐待と自己肯定感の低さ故らしい。術式は心の強さに直結するという仮説が存在する。もともとあまり強くない術式でも、術師本人が復讐や強い目標を持った場合には他の術師に比べて目を見開くレベル差が現れるという。
彼女の術式は、"一定数の相手を魅了して支配する"術式。
特級に届かなくても、自分と同じ一級の大台に登ることが出来うる術式。
・・・だが自己肯定感が低すぎて、虫や魚しか支配できない。
「はぁ・・・・「あれ〜?どうしたのかな?」あ、すみません。クラスメイトが親離れしなくてーーって五条学長!!?」
「いやぁ〜これから七海と一緒に行って欲しいところがあるわけ。憂太には話通しとくからお願いね!!」
「どこに?」
「それはね〜、—————だよ」
▲□□▼□□▲
東京某所のとある一軒家。
『五反田スタジオ』と書かれた表札の家の部屋の中、パソコン作業用の椅子に座る壮年の男と2つの椅子に座る2人の呪術師がいた。
「初めまして、五反田さん。東京都立呪術高等専門学校所属術師の七海建人です。そしてこちらは・・・」
「同じく東京都立呪術高等専門学校一年生の家入明星です。あなたが•••学長が言ってた親元に寄生してる四十代半ばの映画監督ですか?」
「同居してると言え!!コホン・・・失礼、映画監督の五反田泰志です。今日は時間をいただき感謝しています」
五反田泰志は内心驚いていた。
自分が作ろうとしている呪術師のドラマ。2018年の一件をモチーフにしたドラマを作ろうとしていた矢先、本物の呪術師が来たのだ。
緊張と興奮を抑えながらも汗は止まらない。
「いえ。お陰様で今日入っていた仕事を他の術師にやってもらったので*2こちらこそ感謝しています。それで・・・ドラマ化についてのあなたの本心を聞かせてもらえないでしょうか。我々も一枚岩ではありません。このドラマ化に賛成する人も反対する人もいます。何より、2018年の時は他の年に比べ術師の殉職者の数が多い。決して軽く扱っては困るんです。あなたは、このドラマ化にどういった思いを持っているのですか?その想いによって、この計画を進めさせるか潰すかが決まります」
「理由は三つあり・・・いや、ある」
(あ、丁寧語やめた)
五反田は指折り数える。
一本目
「・・・何年も前に、期待してたアーー女優がファンに刺されて死んだんだ。そいつには他にはない才能があった。俺はそいつに魅入られてたんだよ。その女優から自分のドキュメンタリー映画を作ってくれって頼まれてた・・・・その映画を作るための資金が欲しいってのが一つ目の理由だ」
二本目
「二つ目なんだが、俺は2016年に、酒場である呪術師と出会った。その時の俺は何やっても上手くいかなくて、投げやりになりかけてた。そしてよ、そいつにはさっき言ってた女優みたいなーーいや、その女優には劣るが才能があったんだ。俺はそいつに・・・」
『俺の作る映画に出てみないか!?お前なら絶対売れる!!』
「・・・って誘ったが、断られた」
『呪術師に芸能活動しちゃいけないってルールは無い。でも目指したら、自分や友人のことを忘れそうで・・・・俺は、自分が生きるって決めた道を踏み外すわけには行かないんだ』
「その言葉が俺の目を覚まさせた。俺は自分が生きるって決めてた道を踏み外しかけていたんだ。風の噂で、あいつが2018年に死んだってのを聞いてな。恩返し、いや、そんな子綺麗なこと自分には出来ない。俺は映画を撮ることしかできない。だから、あいつが生きていた世界を撮りたい・・・この作品は俺が道に戻るための頼みの綱なんだ。これが二つ目の理由だ」
「・・・三つ目は?」
「俺の監督魂が言ってる。コイツは大作になる!!見逃す訳ねぇだろ?」
数日後、再び彼の自宅にて。
「ドラマ化について正式にOKが出ました。そして、上が出した条件は・・・」
乙骨憂太は言った。
『別に本名出しもいいんですけど史実を改変しないでください』
九十九由基は・・・音信不通のためノーコメント。
家入黎人は言った。
『え、やんの?連絡とか色々面倒いらしいし、この際芸能事務所作っちゃえば?高羽さんとか誘ってさ』
五条悟は言った。
『どーせやるならさぁ、めっちゃくちゃ良いの作らない!?!?』
「・・・ってことで、今回のドラマ作成、我々にも協力させることです」
ドキュメンタリードラマ
タイトル未決定
監督、五反田泰志。
プロデューサー、鏑木勝也。
脚本協力、家入黎人、与幸吉、冥冥。
キャスト
劇団ララライ、呪術芸能事務所の方々
じゅじゅ語録
呪術芸能事務所・・・高羽文彦と以前芸能界にアイドルグループとして潜入した伏黒恵らが所属していた事務所。
アイドルグループ『キラキラ☆妖美』・・・伏黒恵、狗巻棘、星綺羅羅3人の男装アイドルグループ。誕生から半年でドームに行き、男バレした時も多くのアイドルオタクの性癖を破壊したことで知られる。
伏黒曰く、『あの恥は墓まで持って帰りたかった。情報漏らしたやつ殺す』