今回はあるキャラとの出会いです!
「うわあああ!助けてくれぇぇぇ!!」
「お、俺はまだ死にたくなぐえっ……」
天宮市から遠く離れたある場所にあるラボでは、とある侵入者により地獄絵図となっていた。
「なんだここはぁ?碌な場所じゃねぇな」
侵入者の正体はグラトニーだった。消失し適当に移動した先がこのラボの近くだったため、気まぐれで襲撃したのである。現在彼女は天使を顕現し手当たり次第に研究員達を捕食している。
グシャッ!
「……どうやらコイツで最後らしいな」
逃げていた最後の研究員を殺害したグラトニーはいつしかラボの1番奥の部屋の前にやって来ていた。
「ほお、こりゃあ……」
中に入るとそこには機械があちこちに置かれ、まだ起動しているようだった。しかし部屋は薄暗く、入り口からでは部屋の奥までは見えなかった。
「………だ、れ……?」
「んん?」
すると暗闇から弱々しく声が聞こえ、グラトニーはその声がした方へ歩いて行く。
「何……?また…実験……?」
「………」
グラトニーの目の前には巨大な機械があり、その中央に1人の女性が組み込まれる形で拘束されていた。目元も機械で覆われているため誰がやってきたのか向こうには分からない様子だ。
「ねぇ……やるなら早くやってよ……」
「生憎、オレはここの奴らじゃねぇよ」
「え……?」
女性の言葉にグラトニーがそう返すと、女性は戸惑いの声を漏らした。
「信じられねぇなら自分の目で見てみろよ」
バキンッ!
グラトニーは背中の腕を一本伸ばすと女性の目を覆っている機械を掴み破壊する。すると見えなかった女性の端正な顔立ちが露わになった。
「よお、これで分かったかぁ?」
「え……精霊?」
「ほお、まあこの腕を見りゃあそう思うか。そう言うお前も精霊だろ?」
「まあ、ね。……ここの奴らは……」
「ここの人間共はオレが全員殺して食った。今はオレとお前だけだ」
「食っ…!?そうなんだ……」
グラトニーの食ったという言葉に衝撃を受けた様子だったが、答えを予想していたのかすぐに落ち着いた。
「で、お前はどうしたいんだ?」
「あたしを殺さないの…?」
「それはお前次第だ。返事によっちゃあ助けてやっても良い。どうする?」
「………」
グラトニーからの言葉に女は暫し黙り込む。思い浮かぶのは捕えられてから待っていた地獄。安息な時間なんてものはなく毎日実験実験実験。
終わりの見えない日々、精神を壊してしまおうと思ったことなんて一度や二度じゃない。
そんな中で突然やってきたこの機会。答えはもう決まっていた。
「助けて……あたしを、ここから連れ出して……!」
悲痛な表情で女は助けを懇願した。
「……あいよ」
グラトニーは一言そう呟くと背中の腕で女を拘束している機械を破壊していく。そして解放された一糸纏わぬ女に自身のコートを着せるとそのまま担ぎ上げる。
「ちょ、もうちょいレディーの扱いをだね……」
「うるせぇ、我慢しろ」
女からの言葉をグラトニーは一蹴すると、そのままラボを出る。
「さて、じゃあもうここに用はねぇ」
そう言うとグラトニーは背中の腕でラボそのものを喰らい始めた。金属の壁や機械すらも捕食手の口へと消えていき、ものの数分でラボそのものは食われ消えてしまった。
「嘘……」
それを見ていた女は目を疑っていた。まさか無機物も食べるとは流石に思わなかったようである。
「ほら、行くぞ」
そんな彼女とは別にグラトニーは声を掛けると再び歩き出した。
「ねぇ、そういえばキミ名前はなんて言うの?」
肩に担がれながらも女は顔だけグラトニーの方へ向けてそう言う。
「あぁ?オレはグラトニー、さっきも言ったが精霊だ。そう言うお前は?」
「あたし?あたしは二亜、本条二亜だよー」
グラトニーに助けられた女性、二亜は何年かぶりに笑みを浮かべた。