DEM日本支社襲撃です。
「そっちはどうだ?」
「問題ない、順調に進んでる」
DEM日本支社にある研究室にて、十数人の研究員達が話をしていた。
「それにしても本社の人達も無茶なこと言いやがる。顕現装置やCRユニットもあるのにまだ満足しねぇのかよ……」
「だよなぁ。数年前に本社からの命令でやってるけどよぉ、何が人間をベースにした生物兵器を作れだよ」
そう話す研究員達の前には10本の巨大なシリンダーが並んでおり、その一つ一つに人が入れられていた。
「偶然精霊を目撃しちまった奴や見た目が同じくらいの年齢の奴を拉致してこうやってるけど、精霊と同格の生きた兵器なんて無茶だよなぁ」
「まあそう思いつつこうして数年間研究続けてる俺達も俺達だけどな」
と、そんなことを彼らが話していると……
ドオォン!ドオォン!
「おわっ!な、なんだ!?」
突如大きな音が響き渡り部屋が大きく揺れる。その揺れによりシリンダーは割れ中にいた人が床に投げ出された。しかし止まらない揺れに皆そっちに目がいっていない。
「おい、応答しろ!一体何があった!」
研究員の1人が無線で他の部署に呼び掛け状況を把握しようとする。
『わ、我が社は現在、外から砲撃を受けています!加えて、社内に侵入者を確認!対応に当たった魔術師達を次々に殺害!も、もうそこまで迫って……ひっ、あ、あああああ!!』ブツッ
「な、何が起こっているんだ……?」
研究員の男が呆然としている間にも、部屋は揺れ続けており、報告の通りこの支社に砲撃が打ち込まれているのだろう。そして社内に侵入し殺戮を行っているだろう謎の人物、先程自分に報告してきた者もそいつに殺されたのだろう。
ドンッ!ドンッ!
「っ!?こ、今度はなんだ!?」
すると今度は何かを殴りつけるような音が聞こえ、音がした方に目を向ける。
ドンッ!ドンッ!
音はこの部屋の入口にある扉から聞こえており、向こう側から何者かに殴られ続けたことで扉が歪み始めていた。
「た、退避!退避だぁ!!」
「無理だ!出入り口はあの扉しかないのはお前も分かってるだろ!?」
このままではいずれ扉が破られると確信した1人が退避するように叫ぶが、この研究室の出入り口は現在破られようとしている扉しかないため、彼等は逃げることができない。
ドガアッ!
そして、ついに扉が破られ侵入者の姿が顕になった。その侵入者は背中からいくつも腕が伸びており、両腕に纏う黒いガントレットは血が付着して赤黒く染まっている。
「な、なんなんだよおい!」
「教えるつもりはねぇな」
ズシャ!
その瞬間、腕の一つが素早く伸び部屋にいた研究員の1人を捕らえ壁に押し付けた。捕まった研究員は壁に勢いよく叩きつけられたことで頭を潰されて即死した。
バリ!グシャ!
そしてその死体はそのまま手に付いていた口に喰われ跡形もなくなった。
「ひ、ひいいいいい!!?」
その様をみた研究員の1人が発狂するが如き悲鳴を上げる。
「うるせぇな……お前らもすぐに同じようになる。ま、とりあえず、死ねよ」
ヒュババババ!!
その言葉と共に、残りの腕が彼等に向けて放たれた。
ガシャ!ドグシャッ!バリボリ!
6本の腕は中にいた研究員達を次々と襲い、断末魔を上げる間も無く喰い殺されていく。強行突破して部屋から出ようとする者もいたが、その者は入り口に立っている侵入者に殴り殺されそのまま喰われた。
そして床に投げ出されていた実験体の人達も同様で、彼等のついでといわんばかりに喰われていった。
「は、ははは……ひはははは……」
最後の1人に残った男は血だらけになった部屋の真ん中に座り込み壊れたように笑い始めた。
「………」
そんな男の元に侵入者は歩いて行く。そして目の前に来たところで足を止め、男を見下ろす。
「ははは……はは……」
それでも男は笑い続けており、どうやら完全に精神が壊れてしまったようだった。
「あばよ」
侵入者、グラトニーはそう一言呟くと、自らの右腕を頭上に掲げ、男に向けて振り下ろした。
はい、今回は襲われる側に焦点を当てて見ました。
外の砲撃は空中戦艦に乗った二亜によるものです。そしてグラトニーは内部で社員や魔術師、研究員らを喰い殺し尽くしていました。