暴食の精霊 《グラトニー》   作:赫夜叉

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最近車をぶつけちゃって車検代と修理代が重なって予想外の出費がでました……トホホ……と、愚痴はこれぐらいにして第40話です!


40話

「新しい精霊だって……!?」

 

「そうだ。オレが過去に一度だけ見た精霊で、コイツも人間から精霊になったクチだ」

 

二つ目の情報を出した瞬間、予想通りの反応をして来たことにグラトニーは内心ニヤリとする。無論それを顔に出すことはなく、話しを続ける。

 

「精霊を保護するのがお前らラタトスクの役目なんだろ?なら伝えてやった方が良いと思ってなぁ」 

 

「よく言うわね。二亜のことを保護させるつもりは無いくせに」

 

「おいおい、それは本条自身が強く拒絶してるんだぜ?オレに言うのは見当違いだ」

 

琴里の非難にもグラトニーは何事もなく反論を返す。

 

「大体本条はラタトスクを全く信用してねぇしな。それはお前も薄々分かってることじゃねぇのか?オレ知ってるんだぜ?お前もラタトスクの上層部は1人を除いて全く信用してねぇこと」

 

「うっ……」

 

痛いところを突かれ琴里は言葉が出なくなる。やはり二亜の天使がある以上そう言ったことも知られてしまう。事実その通りであるため、琴里は反論することができなかった。

 

「おっと話がズレたな。その精霊は今も移動せずに同じ場所にいる。まあ場所が場所だ。オレも囁告篇帙で知るまで分からなかったからなぁ」

 

「囁告篇帙…?それが二亜の天使の名前か?」

 

「ん?……おっと、口が滑ったぜ。まあとにかく、お前はその精霊を好きに攻略すれば良い」

 

「ああ。それで……その精霊はどこにいるんだ?」

 

まだ精霊の居場所を聞いていなかった士道はそう尋ねる。

 

「それはな……空の上だ」

 

グラトニーは上を指差しながらそう答えた。

 

「は?空の、上…?」

 

「正確には宇宙だ。その精霊はこっから遥か上の宇宙空間を眠りながら漂ってる」

 

「う、宇宙っ!?」

 

予想外過ぎる居場所に思わず大声を上げてしまう士道。他の者達も目を見開き唖然とした表情を浮かべている。

 

「な?この地球上にいないから今まで誰にも知られることがなく、存在が確認されなかったんだ。だが以前オレが見たことがあったのと、本条の天使の力を使ったことで存在が明るみになったんだ」

 

確かに地球にいないのなら見つかりようがないし、ノーヒントで宇宙まで目を向けられる訳がない。

 

「これで情報は全て教えた。後はお前次第だ、五河。結果を楽しみにしてるぜ」

 

士道の肩に手を置きそう言うと、グラトニーは去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ……!もう……!」

 

「……ねぇ、琴里」

 

「何よ……」

 

「なんか……機嫌悪くない?」

 

明らかに不機嫌な声を漏らす琴里に、恐る恐る七罪がそう尋ねてみる。言われた琴里はばつが悪そうに顔を逸らすが、ため息を一つ吐くと口を開いた。

 

「……ええ、悪いわよ。明らかに何かある筈なのに、その情報を元に動かないといけないことにね」

 

琴里の言うように、グラトニーは飢餓を満たすということに目が行きがちだが、それと同じくらい享楽的な面も持っている。

 

そのため今回の情報提供も何か裏があるだろうと琴里は思っているのだが、こちらの益となる情報のため無碍にできない。分かっているにそれを素直に呑まなければならないのがラタトスクの司令を務める琴里にとってはかなり歯痒かったのだ。

 

「やっぱり二亜が向こうにいるのは痛過ぎるわよ……常に向こうにアドバンテージを取られちゃうから」

 

何でも調べられる二亜がグラトニー側にいる以上、どうしても優位に立たれてしまう。ある意味精霊が狙いと分かってるDEMよりも行動の真意が分からないグラトニーの方が厄介だった。

 

「……とにかく、すぐにフラクシナスで宇宙空間を調べるわ。もし本当に精霊がいたなら、その時はやってもらうわよ」

 

「あ、ああ……」

 

ストレスが溜まってそうな妹の言葉にそう返した士道は、あとで彼女の好物を作ってあげようと思った。




琴里の推測は当たっており、グラトニーはラタトスクに情報を渡して彼等を利用するつもりです。宇宙にいる六喰を地球、天宮市に引き摺り下ろすために……
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