バリ…ボリ…グチャバリ!
天宮市の中にある森の中で咀嚼音が響き渡る。音のする中心にはグラトニーがおり、その周りには大量の死体があった。今回も自分を討伐すべく来た魔術師の部隊を返り討ちにし死体を喰らっていた。
「ったく……こんなの満たされるどころか腹の足しにもなりゃしねぇ」
1部隊程度の人数しか来なかったことを愚痴りながらも死体を喰らう手は止めないグラトニー。
「……だが、こいつらには感謝しねぇとな。なんせわざわざオレに食われるために何十人とやって来てくれんだからなぁ」
口から血を滴らせながらグラトニーは獰猛な笑みを浮かべそう呟く。彼女にとっては幾度も返り討ちにしているASTやDEMの魔術師はもはや自分から食べられに来てくれる餌程度の認識でしかないのだ。
そして死体を全てたいらげたグラトニーはその場合から立ち去った。後に残っていたのは破壊され鉄屑と化した顕現装置の残骸だけだった。
「ああ〜……ヒマだ」
とある建物の屋上でオレは寝転がりながらそう口にする。飢餓には遠く及ばないが、退屈もオレは嫌いだ。何でも良いから事件でも起こらねぇかなぁ。
「……んぁ?」
そう思っていると、上空を何かが通り過ぎた。普通の人間なら気づかないスピードだったが、オレにはしっかり見えた。あれは魔術師の連中だった。オレに気づかなかった辺り、どうやら今回の狙いはオレじゃねぇらしいな。
「ま、なんであれヒマ潰しにはなりそうだ」
ここで寝っ転がってるよりかは遥かに良いと思ったオレは、魔術師の連中の後を追い始めた。
「だ、だず…げ……死にだぐ、ない……」
とある山の中、体を斬り裂かれ血を流す女性が口からそう漏らす。彼女は七罪と言う精霊で識別名は《ウィッチ》。彼女は今まさに追い詰められている状態だった。
「それは構いませんが、それはあなたにとって苦痛が増す選択になりますよ?」
そんな七罪にレーザーブレーキを突きつけながら彼女を斬り裂いた張本人であるエレン・M・メイザースはそう言い放つ。2人の上空にはエレンの部下の魔術師達がおり、先程グラトニーが見たのはこの部下達である。
「急所は外しましたので死にはしません。さて、研究のためにも生け捕りにしたいですが、抵抗されても面倒です。……手足ぐらいは切り落としても問題ないでしょう」
「ひっ……い"、い"や…だ……」
エレンの言葉に七罪は逃れようと手足を動かすが、激痛で体が思うように動かない。
「すぐに終わります、死なないで「やれやれ、やっと追いついたぜ」……何奴!」
レーザーブレーキを振り下ろそうとした直前、聞こえてきた声に視線をそちらに向ける。
「おーおー、随分いやがるなぁ」
そんな声と共に現れたのは仮面を付けた黒ずくめの精霊、グラトニーだ。先程見たエレンの部下を追ってここまでやって来たのである。
「う、嘘……!?グラトニー……!?」
「なんでここに…!?」
魔術師達が想定外の存在の登場に動揺する中、エレンだけは違った。
「よくも……よくも私の前に姿を見せましたね!グラトニー!!」
恐ろしい形相で声を張り上げるエレン。先程七罪を追い詰めていた時とは別人とも思える程の変貌ぶりだ。
「おーだいぶ怒ってんなぁ。オレを見るなりどうしたんだよ?」
「惚けるな!あなたが6年前に私に与えた屈辱!!私は1日も忘れたことはなかったのですよ!!」
そう叫びエレンは
そろそろグラトニーの天使お披露目しようと思ってます。